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会社を作るのに必要なことは?手続きや書類を詳しく解説

事業を行うのは、会社を作らなくても可能です。

しかし、会社を作って事業を展開することで、得られるメリットが数多くあります。

そのため、起業する際に会社を作る人が多いのです。

しかも、会社を作るのは昔に比べて簡単になっています。

そこで今回は、会社の作り方や知っておきたい基礎知識を解説していきます。

会社を設立する前に抑えておくべきポイント

会社の設立をするなら、まずは抑えておきたいポイントがあります。

それが、「個人事業主と会社設立の違い」「会社を作るメリット」の2つです。

それでは、それぞれのポイントについて紹介していきます。

個人事業主と会社設立の違い

会社の設立をする前に、まずポイントになるのが「個人事業主と会社設立の違い」です。

事業を行うだけなら、会社を設立する以外にも個人事業主という選択肢もあります。

それだけに、個人事業主と会社設立のどちらが適切なのかを検討する必要があるのです。

個人事業主 会社
設立の仕方 登記不要

開業届を行う必要がある。

登記が必要

費用も20万程度かかる。

事業年度 1月~12月 自由
代表者の給与 自身の給与は経費にならない 役員報酬として経費にできる。
対外的信用 個人なので信用は低い 法人となり信用度が高い
赤字の繰越控除 青色申告なら、赤字の金額は翌年以降3年間の黒字金額から引くことが可能。 赤字の金額は翌事業年度以降9年間の黒字金額から引くことが可能。
交際費 業務上必要と認められるもののみ経費計上できる。 期末資本金1億円以下は年間800万円まで原則損金算入。
社会保険の加入 原則5名までは社会保険の加入が自由。 社長1人であっても社会保険に加入しないといけない

会社を作るメリット

会社を設立する際には、そのメリットについても抑えておきたいポイントです。

会社を作るほどのメリットがあるのか、その分のリターンがあるのかをきちんと確認しておきましょう。

会社を作るメリットは、以下の4つが挙げられます。

  • 信用力を高める
  • 節税効果がある
  • 事業継承しやすい
  • 有限責任にすることができる

それぞれどんなメリットなのかを紹介していきます。

信用力を高める

会社を作るメリットは、信用力が高くなることです。

会社を作るためには登記の必要があり、誰でも会社の情報を得ることができるようになります。

そのため、対外的な信用力が高くなるのです。

実際に、法人としか取引しないという会社も多いです。

また、対外的信用が高くなることで、金融機関などからの融資を受けやすいというメリットもあります。

節税効果がある

節税面でもメリットがあります。

とくに事業での所得が多いほど、節税効果が大きくなります。

個人事業主の所得は所得税、会社を設立した場合の所得は法人税です。

所得税は累進課税に対し、法人税は一定となっています。

そのため、事業での所得が多いほど、会社を作った方が節税効果は高くなるのです。

他にも、経費の幅や給与所得控除などの面からも、節税効果を得ることができます。

事業継承しやすい

会社を設立することで、事業継承しやすいというメリットもあります。

個人だと事業主が死亡すると、相続が発生して個人名義の口座が一時的に凍結されてしまいます。

その結果、支払いが困難になって、事業がストップしてしまう可能性があるのです。

しかし、会社を設立しておけば、会社の資産は相続対象とならないのでスムーズな事業継承ができるのです。

有限責任にすることができる

会社を作ることで、負債をすべて背負う必要がなくなるのもメリットです。

法人を設立すれば、有限責任となって出資の範囲内での責任にとどまるようになります。

事業に失敗した際のリスクを抑えるのに、会社の設立は有効なのです。

会社を設立する場合の種類

現在、作ることができる会社は「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類です。

会社を設立するなら、どの形態で会社を作るのかが重要です。

そこでここからは、会社の種類別に特徴を紹介していきます。

株式会社

株式会社は、現在の会社の形態の中でも代表的なものです。

知名度が高く、信用度も高いのが特徴です。

株式会社を選ぶと、定款を作成しないといけません。

これは、他の会社形態にはない手続きです。

株を発行することで資金を調達することができるのですが、規制も多いのが株式会社です。

合同会社

合同会社の特徴は、とても自由度が高いことです。

有限責任社員のみで構成されており、出資者全員が経営に携われます。

取締役会などがなく、利益配分や意思決定の方法なども自由に決めることが可能です。

そのため、株式会社と比較すれば、自由な経営を行うことができるのです。

合名会社

合名会社の特徴は、無限責任社員だけで構成されることです。

原則、社員全員が会社の代表者であり、しかも会社が負債を抱えた場合には責任を負わないといけません。

そのため、会社の形態の中ではマイナーと言えます。

合資会社

合資会社は、有限責任社員と無限責任社員の両方で構成されているのが特徴です。

実際の経営については、無限責任社員が担います。

有限責任社員と無限責任社員が必要のため、最低でも2人の出資者が必要です。

合名会社と同様、マイナーな会社形態となっています。

会社を作る際の流れ

会社を作る際に必要な流れは、大きく分けて以下の4つです。

・登記するのに必要な事項と印鑑の作成
・定款の作成と認証
・資本金の払込
・必要書類作成と登記申請

それぞれの詳細を紹介していきます。

登記するのに必要な事項と印鑑の作成

会社設立登記には会社の基本事項を決めておくことと、印鑑の作成が必要です。

まずは以下3つの会社の基本事項を決めておきましょう。

  • 商号
  • 役員報酬
  • 資本金額

基本事項をそれぞれ解説します。

商号

商号とは、会社名のことです。

以下3つのポイントを踏まえておけば自由に決められます。

  • 同一住所に同一の商号がある場合は登記できない
  • 不正競争防止法等にも注意
  • 商号を変更する可能性も考えておく

同一住所に同一商号がある場合は登記できません。

あらかじめ本店所在地を管轄している法務局で類似商号がないかチェックしておきましょう。

また、建設業ではないのに「〇〇建設」とつける、など不正競争防止法に抵触するような商号も避けるのが重要です。

商号は会社の製品やサービスと深い関わりがあるため、将来的に変更する可能性があります。

たとえば事業経営をするなかで、会社名よりも製品やサービスの方が有名になった場合、ブランディングのために商号を製品やサービス名に変更するなどです。

商号を変更する可能性についても考えておきましょう。

インパクトのある商号にすれば、取引先に覚えられやすいメリットがあります。

上記の決まりを踏まえて納得できる商号を決めましょう。

役員報酬

役員報酬は原則経費にできない、会社の資金繰りにも大きく影響することを踏まえて決定しましょう。

資本金額

資本金は1円から決められます。

一般的な資本金の目安は100万円~1,000万円ほどです。

ただし、資本金が1,000万円を超えると、会社設立初年度から消費税が課税されるのを覚えておきましょう。

資本金額は、資本金は会社の信用力であることを踏まえて、業種や資本金調達能力に合わせた額を検討するのが重要です。

会社の設立や運営に必要な人やモノを確保したうえで、最低半年の運転資金となる金額を設定しましょう。

会社印の作成

会社設立登記でもうひとつ必要となるのが、提出する申請書に押印する会社の代表印です。

会社の代表印は登記申請時に一緒に届け出なければいけません。

登記申請に間に合うように、類似する商号がないかのチェックが済んだのと同時に会社印作成も進めておきましょう。

会社印として、代表者印のほか、銀行印、社印(角印)、ゴム印の合計4種類の印鑑を同時に作成しておきます。

今後長く使用するもののため、きちんとした店舗へ作成を依頼するのが重要です。

定款の作成と認証

「定款(ていかん)」とは会社を運営する際に定める基本的な事項をまとめたもので、会社設立に必要になります。

定款には、絶対に決めなければいけない絶対的記載事項があります。

絶対的記載事項がひとつでも欠けていると、定款としての効力を失うためかならず記載するようにしましょう。

絶対的記載事項は以下の6つです。

  • 事業の目的
  • 商号(社名)
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額もしくは最低額
  • 発起人の氏名・名称・住所
  • 発行可能株式総数(株式会社のみ)

それぞれの事項について解説します。

事業の目的

「どのような事業を行って利益を生み出すのか」を明文化したのが事業の目的です。

定款に記載してある事業以外は行えません。

将来的に行う予定の事業がある場合は、合わせて記載しておきましょう。

定款の事業目的の最後に、「前各号に付帯または関連する一切の事業」と記載しておくと、将来関連する事業を行う際に定款を変更する必要がなくなります。

商号(社名)

基本事項として決めておいた会社名を記載します。

株式会社を設立する場合は会社名の前後どちらかに株式会社を付けて、「株式会社〇〇」または「〇〇株式会社」を商号とします。

本店の所在地

定款には本店所在地の最小行政区画までを記載します。

たとえば横浜市の場合「神奈川県横浜市〇〇区」まで最低限記載が必要です。

すべての住所の記載もできます。

本店は事務所を借りる、レンタルオフィスにする、コワーキングスペースにする、自宅にする選択肢があります。

本店の所在地を賃貸物件の自宅とする場合は、法人可の物件かどうか契約書を確認しておきましょう。

設立に際して出資される財産の価額もしくは最低額

株式会社を設立する際、定款には株数ではなく出資財産額、または出資最低額を記載します。

確定額ではなく最低額の記載で問題ありません。

定款作成後に定款に記載した発起人の出資額のうち一部のみしか出資の履行ができず、出資財産額に満たなかった、という場合でも株式会社の設立ができるからです。

一方定款記載ではなく株式登記申請時には、資本金の額の確定が必要になります。

登記すべき事項に資本金の額、発行済株式の総数がふくまれているからです。

発起人の氏名・名称・住所

株式会社設立の際、発起人が必要になります。

発起人とは、最低1株を引き受けて設立手続きを実際に行う人です。

定款には発起人の氏名と住所、引受株数の記載と発起人の署名を記載します。

発行可能株式総数(株式会社のみ)

発行可能株式総数は定款認証時に定めておかなくても問題ありません。

ただし、定款に定めない場合は会社の成立までに定款を変更、定めを設ける必要があります。

なお、設立時発行可能株式総数は、非公開会社の場合を除き発行可能株式総数の4分の1を下回ることはありません。

これら必要事項を記載して定款作成後、定款の認証を行います。

定款の認証

定款の認証とは、定款の記載が正しいものであるかどうかを第三者に証明してもらう手続きです。

会社の本店所在地を管轄する法務局に所属する公証役場で行います。

定款を紙ではなくPDFによる電子定款での作成も可能です。

電子定款にすると以下のメリットがあります。

  • 収入印紙代の4万円を節約できる
  • 定款の認証もWeb上でできる

定款の作成・認証は自分で作成する以外にも、行政書士や司法書士などの士業に依頼もできます。

自分で電子定款を作成・認証する場合には専用の機器や特殊なソフトウェアが必要です。

資本金の払込

資本金の払込は、以下の流れで行います。

  • 資本金は振込の必要があるため、自分名義の口座に自分名義で振込む
  • 通帳の表紙、1ページ目、振込をしたページのコピーを取る
  • 払込証明書を作成し、コピーと一緒にとじる
  • 書類の継ぎ目に会社代表印を押印する
  • 法人設立完了後、法人名義の口座を開設する
  • 資本金の金額を個人名義から法人名義へと移行する

必要書類作成と登記申請

登記申請に必要な書類を作成します。

会社の形態に合わせて、以下の書類のなかから必要なものを作成しましょう。

  • 登記申請書
  • 登記事項などを記載した別紙
  • 印鑑届書
  • 定款
  • 発起人の決定書
  • 就任承諾書
  • 選定書
  • 設立時代表取締役の就任承諾書
  • 印鑑証明書
  • 本人確認証明書
  • 出資の払込みを証する証明書
  • 資本金の額の計上に関する証明書

書類はすべてA4サイズで作成します。

印鑑証明書以外の作成した書類は、左側をホチキスで留めて製本して提出しましょう。

15万円分の収入印紙を添えて登記手続きをします。

登記手続きは資本金払込後2週間以内に、法務局へ足を運ぶか郵送で行います。

なお、会社設立日は法務局で手続きをした場合は登記申請書を提出した日、郵送の場合は書類が法務局に到着した日になります。

会社設立日にこだわって決めたい場合は、覚えておきましょう。

創業メンバーの選び方

会社設立は自分1人でもできますし、ほかのメンバーと一緒にも設立できます。

創業メンバーを決めるときの人数の選び方と、メンバーを選ぶときの判断基準を紹介します。

人数を決める

会社設立は自分1人で行う、パートナーと2人で行う、メンバーを決めて3人以上でも可能です。

会社設立メンバーの人数での決め方とポイントを解説します。

1人の場合

創業メンバーが自分1人の場合、以下のメリット、デメリットがあります。

  • 自分で自由に経営ができる
  • 経営事項がスムーズにいく
  • 経営がワンマンになりがち
  • 自分が倒れると事業が止まるリスクがある

会社代表が自分1人の場合、会社に関する決定などをすべて自分で行えます。

会社の持ち株を100%にしておくと、よりスムーズに会社のかじ取りも可能です。

一方、会社代表が自分のみのため意見をしてくれる存在がいません。

考え方が固まってしまいがちなので、ワンマン経営になりやすいデメリットがあります。

さらに、会社代表が自分1人のため、病気や事故で倒れた場合などは事業が停止してしまったり、従業員が路頭に迷ったりといったリスクがあります。

経営に対して指導や助言をする立場の人を外部から招いておく、自分に何かあったときに頼れる先を見つけておくのが重要です。

2人の場合

自分とパートナーとの2人で会社創業をする場合、以下のメリット、デメリットがあります。

  • 足りない要素を補える
  • 意見交換しやすい
  • 意思決定に時間がかかる
  • 責任の押し付け合いになる場合がある

2人で会社設立をする場合、お互いの足りないところを補えあえるメリットがあります。

たとえば1人が製品開発に長けていてプロデュースをすべて行う一方、もう1人が製品の売り込みに長けていれば、お互いの長所を生かしつつ、短所も補った事業展開ができます。

Appleやマイクロソフト、Yahoo!など現在世界で活躍している大企業でも、創業者が2人の場合が多くなっています。

2人の場合、ブレーンストーミングもしやすいです。

ほかの人を気にすることなく、気軽にリラックスしながら意見交換ができます。

事業のことについてはもちろん、新しくイノベーションを創出しやすいのもメリットです。

ひとりの時よりも意思決定には時間がかかります。

特に、2人の意見が対立し、平行線になってしまった場合はなかなか事態が動かない、ということもあるでしょう。

責任の押し付け合いが発生するリスクがあることも、忘れないでおきたいポイントです。

2人で会社設立をする場合、お互いの役割分担をしっかりと決めておく、最初にいろいろな決定事項を曖昧にせずはっきりしておくというのが重要です。

3人の場合

会社設立を3人で行った場合のメリット、デメリットは以下の通りです。

  • 意見を分散させやすい
  • 人手が増える
  • 1人が孤立しやすい

3人いれば、異なる意見も出やすいため平行線になりにくく、意思決定がスムーズにいく場合があります。

また、相対的な人手も増えることから、会社設立から開業までに必要な事務手続きなども分担して行えます

事業開始後は、よりいろいろな能力を持ったメンバー同士で事業を展開していけるでしょう。

3人は、どうしても1対2の構図になりやすくパワーバランスがとりにくいデメリットがあります。

1人が孤立してしまい最悪会社のメンバーから抜けてしまうと、残された従業員たちのモチベーションが下がってしまう、役員への不信感が出るなどの悪影響もあります。

3人で会社設立する場合は、1人が孤立しないように気を配ること、協力し合うというよりはそれぞれの専門分野に責任を持って行動する、といったことが重要です。

それ以上の場合

4人以上で会社設立した場合のメリット、デメリットは以下の通りです。

  • より多くの能力や人手を集められる
  • 出資金額面での負担が減る
  • 意思決定のスピードが落ちる
  • メンバー同士のいざこざが起きるリスクがある

大学のサークルメンバー同士や、家族や親類など大人数で起業した場合、多彩な能力を持った人が集まります。

能力の面でも、人手の面でも多くの人材を事業に生かせます

出資金額面での各負担が減るのも、大人数での会社設立のメリットです。

一方、多くの人が集まるため意見も多彩となり、その分意思決定のスピードはどうしても落ちてしまいます。

誰がどこまでの権限を持つかも不明瞭になりやすいです。

持ち株の配分などをめぐってもいざこざが発生しやすくなっています。

代表を選出しておく、株は1人に多めに配分しておくなど力関係を明確にしておくのが重要です。

選ぶ時の判断基準

会社設立メンバーを選出する際の判断基準は、以下の3つです。

  • 目標を共有している
  • メンバーのスキル
  • 信頼できる相手であるか

それぞれ解説します。

目標を共有している

同じ目標を共有している人を会社設立メンバーに選出するのが重要です。

起業する際の目標は、金銭的な自由を得る、時間的な自由を得る、この業界で成功したい、など人によってさまざまです。

目標が異なる人を設立メンバーにすると、1度目標が達成した後それぞれで欲望や希望などで意見が食い違い、会社内での対立や分裂のリスクがあります。

「最初の目標が違う人がいるけれども、ぜひメンバーに入れたい」という場合は相手としっかり話し合いをし、相手が本当に持っている目標を知るのが重要です。

メンバーのスキル

自分と異なる能力を持つメンバーがいれば、お互いにないものを補いながら会社設立ができます。

自分のスキルと、メンバーのスキルの洗い出しをしておきましょう。

会社設立後、経営者として求められるスキルは以下の通りです。

  • 経営戦略・事業策定
  • 経理・財務
  • 採用・人事
  • 契約・法務
  • マーケティング(デザイン含む)
  • 資料作成スキル
  • 情報リテラシ
  • 営業

これらのスキルのなかで、自分が持っていないスキルを持つメンバーを選出すれば、役割分担をしながら効率よく会社経営ができます。

信頼できる相手であるか

自分と同じ目標を持ち、すばらしいスキルを持ったメンバーでも、信頼できる相手でなければ会社設立メンバーに入れるのは不適切です。

かならず身元が分かるか、信頼できる相手かを確認してから、会社設立メンバーに入れるかの判断をしましょう。

信頼できる相手かを知るうえで、チェックしておくべき項目は以下の通りです。

  • 名前
  • 性別
  • 年齢
  • 経歴
  • 趣味
  • 性格
  • 友人や交友関係
  • 家庭環境

性格は一見関係のない項目に見えますが、会社設立後性格の不一致などで意見が割れる可能性もあります。

会社を設立する場合に必要な費用や資本金

会社を初めて作るなら、気になるのが必要な費用と資本金でしょう。

会社を設立してからの運営資金を考えれば、会社の作り方の中でもどれくらいの資金と資本金がいるのかは把握しておくべきです。

そこでここからは、会社を設立する際の費用と資本金について紹介していきます。

会社の形態ごと必要な費用と資本金

作る会社の形態によって、必要な費用と資本金は異なります。

確実に必要となる資金と資本金については、表にまとめてみたので参考にしてみてください。

株式会社 合同会社 合名会社 合資会社
設立費用 約24万円 約10万円 約10万円 約10万円
資本金 1円~ 1円~ 規定なし 規定なし

また、資本金に関しては「、会社設立時の資本金の決め方とは?資本金の目安や相場をチェック」の記事を参考にしてみてください。

会社の設立では、株式会社を選んだ場合は設立費用が高くなるので注意が必要です。

その理由は、定款の作成が必要だからです。

「定款認証手数料」「定款印紙代」などが必要になり、さらに「登録免許税」も高くなっています。

また、表に記した必要は最低限必要な費用であり、他にも会社の実印や登記謄本の発行費なども必要となってくるので注意してください。

1人で会社を作るのは可能?

会社は1人で作ることも可能です。

行政書士や司法書士、税理士などに依頼しなくても、自力で設立することはできます。

ただし、面倒な手続きも多く時間が取られてしまうというデメリットがあるので注意してください。

事業に注力するためにも、会社の設立は代行業者に依頼するという選択肢もあります。

会社を作る時の資金調達方法

会社設立にかかる資金を調達する方法は、おもに以下の3つがあります。

  • 助成金・補助金
  • クラウドファンディング
  • 創業融資制度

それぞれについて解説していきます。

助成金・補助金

助成金と補助金は、国などが会社設立をサポートするために設立した制度です。

助成金・補助金は借金ではないため返済の必要がありません。

助成金・補助金制度は国、地方自治体、民間団体などいろいろところが提供しています。

代表的な会社設立に関する助成金・補助金制度は以下の3つです。

  • 経済産業省・中小企業庁および地方自治体の創業支援事業
  • 厚生労働省の助成事業
  • そのほかの事業

経済産業省・中小企業庁の創業支援事業とは、起業者やベンチャー企業の円滑な事業活動を資金調達・情報提供で支援する事業です。

投資家とのマッチング、個人投資家の税制上の優遇措置など、中小企業への資金調達のための取り組みや機会を設けています。

地方自治体でも創業補助金事業を行っています。

市区町村が民間の創業支援事業者と連携した支援で、国が認定を受けた公的制度です。

創業補助金事業の内容や募集要項は自治体によって異なります。

身近な地域密着型の支援が受けられますので、積極的に活用してみましょう。

厚生労働省では人材や雇用に対する助成事業を行っています。

雇用した従業員の教育や正社員化、残業時間の削減などに応じて助成金が受け取れます。

雇用保険への加入が条件の助成金も多いので、会社設立時かならず雇用保険の加入手続きをしておきましょう。

ほかにも地方自治体や民間企業が独自にさまざまな起業助成金・補助金事業を行っています。

助成金・補助金は後払いのため、当面の資金は自分で用意する必要があります。

条件を満たしても競争率が高いため、もらえないこともあります。

まずは自己資金を用意しておくことと、助成金・補助金に申請するときにはプロに相談して対策するなどが有効です。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、起業者や組織などへ不特定多数から資金の提供や協力を募ることです。

群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語が語源になっています。

インターネットなどを通じて手軽に多額の資金を集められるため、近年資金調達方法として拡大してきました。

出資者には完成製品や記念品の提供、パーティへの招待などの見返りを企業が提供する場合もあります。

クラウドファンディングで多くの資金を募るには、魅力的なアイディアや、企業や代表者としてのカリスマ性などが必要です。

ややハードルが高いイメージがありますが、アイディアや製品などに自信があれば、ぜひクラウドファンディングを利用してみましょう。

創業融資制度

日本政策金融公庫が提供している、創業融資制度を利用する方法です。

日本政策金融公庫は国が100%の出資を行っている政府系の金融機関で、創業融資制度とは無担保・無保証で利用できる起業家へ向けた融資制度です。

以下の3要件すべてを満たす人が創業融資制度を利用できます。

  • 新事業者もしくは税務申告を二期終えていない人
  • 雇用創出・経済活性化・勤務経験・修得技能の要件いずれかに該当する人
  • 開業資金の総額の1/10以上を自己資金で用意できる人

創業融資制度の融資限度額は3,000万円、返済期間は設備資金が15年以内、運転資金が5年以内、年利は約2.6%です。

創業融資制度を利用するためには、審査に通らなければいけません。

審査で見られる項目が以下の5つです。

  • 自己資金
  • 代表者の経験や能力
  • 返済可能性
  • 事業計画書
  • 資金の使い道

創業融資制度は、開業資金の総額の1/10以上を自己資金で用意することが要件になっています。

自己資金額だけでなく、どのように資金を用意したかも審査で見られるポイントです。

たとえば同じ額の自己資金でも自分で貯めたもの、親に出してもらったものなら前者の方が審査に有利になります。

開業後には、代表者としての経営手腕があるかどうかもチェックされます。

開業直後が、代表者としての能力をもっとも求められる時期だからです。

代表者の今までの経験や能力のほか、金融事故(ブラックリスト入り)を起こしていないかなども見られます。

融資したお金は返済してもらわなければいけないため、返済能力があるかどうかも審査で見られます。

返済能力を判断するために重視されるのが、同じく融資を受けるために提出が義務付けられている事業計画書です。

起業の動機や目的、将来の目標、コンセプト、長期的な事業計画など詳細な事業計画書を作成して提出しましょう。

最後に、資金の使い道がチェックされます。

創業融資制度は最大で1,000万円までの融資を受けられますが、資金の使い道に合った金額までしか融資はされません。

たとえば、1,000万円の融資を希望しても、資金の使い道は300万円ほどで足りる場合は、300万円まで融資額は減額されます。

会社を作るときに苦労すること

会社を作るときには多くの手続きや作業が必要です。

そのなかで、特に以下3つのことで苦労する人が多くなっています。

  • 必要な書類がたくさん
  • 本には載っていないことがある
  • 申請などの細かい決まり

必要な書類がたくさん

会社設立に必要な手続きは、定款の作成と認証と会社設立登記の2つのみです。

ただし、これらの手続きだけで多くの書類を作成しなければいけません

定款は公証役場にサンプルがあるため、参照にしながら必要事項を記載していけば完成します。

ただし、紙の定款ではなく電子定款を作成する場合は専用のソフトなどが必要です。

紙の定款のほうがかんたんに作成できる一方、収入印紙代4万円の費用が発生します。

書類作成も、ほかの書類と表記が違うのはNG、適切な法律用語を使う必要がある、条文の番号をふるなどのルールがあります。

せっかく苦労して作成した書類も、間違いがあると修正して再提出しなければいけません。

その間も、会社設立の手続きが止まってしまいます。

本には載っていないことがある

会社設立のための書籍は多く出版されています。

ところが、書籍に会社設立のために必要な手続きや、ほかにコストをおさえられる方法などのすべてが書かれているわけではありません

たとえば、紙の定款作成や認証については触れている書籍が多い一方、電子定款について書かれていない書籍も存在します。

また、会社設立で必要な手続きや書類は、設立する会社の事業などによって異なります。

会社設立に関する書籍は、すべての会社設立に対応しているものが多くターゲットをしぼりこんでいません。

場合によっては要点がわからず、わかりにくい場合があります。

あくまで「会社設立」を目的とした書籍のため、節税対策などについては触れていないものも多いです。

申請などの細かい決まり

会社設立の手続きや申請には、細かい決まりがあります。

書類でも書式や表記は統一するなどのルールがあるほか、申請先の提出方法、営業日、営業時間なども異なります。

これらの細かい決まりに従って手続きを行わないと、会社設立はできません

会社設立の手続きは経営サポートプラスアルファに依頼

会社を作るなら、まずは「個人事業主と会社の違い」「会社設立のメリット」を理解しておきましょう。

そして、本当に会社の設立をするべきなのかを検討することが、会社の作り方の第一歩です。

また、会社を設立すると決めた場合には、どの会社形態にするのかも決めなければいけません。

会社設立の手続きや必要は、会社形態によって異なります。

それらを考慮しながら、どの形態で会社を設立するのか決めるのがおすすめです。

弊社・経営サポートプラスアルファでは、会社設立の手続きをサポートしています。

スムーズな会社設立をお約束し、様々な角度からアドバイスが可能です。

会社設立でお悩みの際には、お気軽にお問い合わせください。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。