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法人成りをするタイミングは何月が良い?具体的な売上や利益額からも解説

法人成りとは、個人事業主が手続きを行って法人を設立することです。

個人でスタートした事業が軌道に乗り売上や利益が上がってきたら、法人成りすることにより税金面などでメリットがあるのです。

そこで理解しておきたいポイントは、法人成りのベストタイミングです。

より法人成りのメリットを得るためには、タイミングが重要となってきます。

そこで今回は、法人成りのベストタイミングを紹介していきます。

法人成りのタイミングとは

法人成りでは、タイミングが重要です。

個人事業主として、ある程度は成功していないと法人成りするメリットを活かすことができません。

逆に、事業として成功しているのに法人成りのタイミングを遅らせていれば、その分節税ができずもったいないです。

そこでまずは、具体的な法人成りのベストタイミングについて解説していきます。

法人成りのタイミング:利益額500万円以上

法人成りのタイミングは、利益額をポイントにすることができます。

事業によって生じる利益は、個人事業主なのか法人なのかで税負担が変わってきます。

そのため、個人事業主には「所得税」「復興特別所得税」「住民税」が課税されるわけですが、所得税は累進課税で所得金額に応じて5%~45%です。

これに対し、法人になれば「法人税」「事業税」などが課税されます。

法人の場合、実効税率は30%弱となります。

そのため、個人事業主として税率が高くなるタイミングで、法人成りすることで節税効果があり、ベストタイミングと言えるのです。

基本的な目安としては、所得金額が500万円を超えたタイミングがベストとなります。

ただし、所得控除や事業以外での取得の有無など条件次第で変わるため、法人成りの判断は専門家に相談するのがおすすめです。

法人成りのタイミング:売上高1,000万円以上

売上高からも、法人成りのタイミングを判断することができます。

売上高で判断する場合、1,000万円超えたタイミングでの法人成りがベストです。

その理由は、売上高は消費税の納税義務者になるのかが決まる要素だからです。

個人事業主の2年前の消費税課税売上高が1,000万円を超えた場合、もしくは前年の前半6カ月の課税売上高が1,000万円を超える場合は消費税の課税事業者となります。

もし、2年前の課税売上高が1,000万円を超えていた場合、そのタイミングで法人成りすることで、消費税の納税義務を免除することができるのです。

なぜなら、新設した法人は個人事業主とは別人格となります。

このため、個人事業主時代の売上高は影響せず、法人の設立年は納税義務の判断に必要な2年前の売上高がない状態となるのです。

その結果、消費税の納税義務を免除することができるのです。

法人成りのタイミング:取引先を増やす

取引先を増やすタイミングで法人化する個人事業主も多く存在します。

事業を拡大していく中で、法人としての社会的信用が必要になる場合もあるでしょう。

取引先によっては、個人事業主を対象として取り扱っていない企業もあります。

法人限定で取引している企業と契約を結ぶためには、法人として企業を確立することが大切です。

金融機関から融資を受ける際も、法人の方が審査に通りやすい傾向にあります。

ポイント

・利益額500万円以上だと、個人事業主として税率が高くなる。
・売上が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が免除になる。
・法人の方が社会的信用を得られやすいため、取引先を増やす場合は法人成りのタイミングといえる。

法人成りのタイミングは何月が良い?

法人成りのタイミングとしては、何月が良いのでしょうか。

他の支出とのバランス

株式会社に法人成りする場合、登記費用に平均25万円程度かかります。

このため、税金の納付時期等、法人化にかかる費用以外の支出が多い時期に被ると、支出額が大きくなってしまうのです。

法人の場合、決算期は自由に設定できるため、年間を通して支出のバランスを考え、法人成りのタイミングを設定しましょう。

売上が伸びる時期を考慮する

売上が伸びる時期に法人成りを行うことで、節税効果が得られる可能性が高くなります。

正式に法人になるまでに期間を要する場合があるため、準備期間と売上予想を踏まえた上で、時期を設定することが大切です。

このため、個人事業主の場合でも、売上予想や予算などの決算を正しく管理しておきましょう。

ポイント

・法人成りには費用がかかるため、他の支出とのバランスを見て時期を決めた方が良い。
・売上が伸びる時期に法人成りを行うと、節税効果が得られる
・個人事業主の場合でも、普段から決算関係を管理しておくことが大切である。

法人成りの手続きについて

法人成りをすべきベストタイミングは、利益額もしくは売上高から判断できます。

それでは、法人成りすべきと、判断した場合、どんな手続きが必要なのでしょうか。

そこでここからは、簡単に法人成りで必要な手続きについて紹介していきます。

法人を設立

法人成りの手続きでは、まず法人設立を行うことになります。

法人設立の流れは以下の5つのステップです。

  • 会社の基本的な事項を決定
  • 必要書類の準備と定款などの書類一式を作成
  • 公証人による定款認証(株式会社を設立する場合)
  • 法務局への登記申請
  • 各種届出

これらのステップを順番にこなしていき、法人設立をするのです。

自分でも可能ですが、スムーズな法人設立なら専門家に依頼するのがおすすめです。

資産を移行する

法人の設立が終了したら、事業に関わる資産を移行する必要があります。

通常の会社設立では必要ない手続きですが、法人成りの場合は個人事業主の資産・負債を引き継いで事業を行うことになるのです。

また、契約関係なども法人名義に変更するようにしましょう。

個人事業の廃業手続きを行う

法人の設立と資金の移行が終了したら、今度は個人事業の廃業手続きです。

所轄の税務署に対し、以下の書類を提出します。

  • 個人事業の開業届出・廃業等届出書
  • 青色申告の取りやめ届出書(青色申告で確定申告をしていた場合のみ)
  • 事業廃止届出書(消費税を支払っていた場合)

さらに、都道府県税事務所に「事業廃止等申告書」を提出します。

これらの手続きをすべて終えれば、法人成りが無事終了です。

ポイント

・書類作成や登記申請を行い、法人を設立するのが最初のステップである。
事業に関わる資産を移行する必要がある。
・個人事業の廃業手続きを行い、事業廃止等申告書を提出すると法人成りが完了する。

法人成りのメリット

法人成りすることで、「節税効果」「社会的信頼」「有限責任」という3つのメリットを得ることができます。

それらのメリットがあるからこそ、個人事業で軌道に乗ったら法人成りがおすすめなのです。

それぞれ、どんなメリットなのかを詳しく解説していきます。

節税効果がある

法人成りすることで得られるメリットは、節税効果が見込めることです。

法人成りすれば、役員報酬を経費計上することができます。

社長に役員報酬を支払うことで、法人の収益から役員報酬分を経費として引くことができるのです。

他にも、退職金を損金扱いにして経費計上ができることや、欠損金の繰越控除が9年可能である等があります。

このように、税金の面で大きなメリットがあるのです。

社会的な信用度が高くなる

個人事業主と法人を比較した場合、一般的に法人の方が社会的な信用度が高いです。

法人成りすることで、登記簿謄本によって会社の所在地・資本金・役員などを確認できます。

そのため、取引先や第三者からすれば、法人の方が信用できるのです。

実際に、法人のみとしか取引をしないという企業も存在します。

有限責任になる

個人事業主は文字通り個人であり、無限責任を負うことになります。

例えば、事業に失敗して多額の負債を抱えれば、それを返済しないといけません。

これに対し、株式会社や合同会社を設立して法人化することで、有限責任になることができます。

有限責任なら、倒産などした場合でも、出資した範囲内での返済責任となるのです。

そのため、法人成りすることで、事業に失敗した際のリスクを抑えることができます。

ポイント

法人成りすることで節税効果を得られる。
・社会的な信用度が高くなり、取引がスムーズに行いやすくなる。
・有限責任になるので、事業に失敗した際のリスクを抑えることが可能である。

法人成りをする際の注意点

法人成りをする際には、いくつか注意点があります。

この注意点を押さえておかなければ、法人成りで損をしたり面倒なことになったりする可能性があるのです。

そこでここからは、法人成りで気を付けるポイントを紹介していきます。

法人成りするタイミング

法人成りで気を付けるべきはタイミングです。

ベストのタイミングで法人成りすることで、より節税面での効果があります。

逆に、法人成りのタイミングを間違えると、余分に税金を納めなければならなくなる可能性があるのです。

それだけに、法人成りの際には、タイミングに気を付けることが重要なのです。

最後の確定申告を忘れずに行う

法人成りするということは、個人事業を廃業することになります。

その場合、廃業届などの書類提出だけで終わりではありません。

個人事業主として、最後の確定申告をする必要があるのです。

例えば、4月1日に会社を設立して法人成りした場合、3月31日までは個人事業主として売上となります。

そのため、個人事業主としての確定申告も必要となるのです。

忘れてしまいがちですが、法人成りした際には最後の確定申告を行うように気を付けておきましょう。

ポイント

・法人成りのタイミングに気をつけることで、節税効果を最大化できる。
・個人事業主として確定申告を完了させる必要がある。
手続きに要する期間を考え、法人成りの時期を決定した方が良い。

会社設立なら経営サポートプラスアルファ

個人事業主として成功している場合、法人成りすることで税制面や社会的信用などでメリットを得ることができます。

税制面でのメリットを考えるなら、所得金額なら500万円・売上高なら1,000万円が法人成りのベストタイミングです。

とは言え、条件次第で事業における法人成りのベストタイミングは異なります。

このため、法人成りのタイミングにお悩みなら、弊社・経営サポートプラスアルファにご相談ください。

事業に合わせた法人成りのベストタイミングを提案し、その後の法人成りの手続きもサポートします。

その他にも、法人成りについての疑問や質問があれば、お気軽に弊社にお問い合わせください。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。