軽貨物は、副業でもできることから最近人気が高まっています。
また、軽貨物で稼ぐことができると法人化した方がいいことも多いです。
そこで、この記事では軽貨物で法人化するメリットや法人化するまでの流れを紹介します。
軽貨物で法人化する流れ
軽貨物で法人化する流れは、以下のようになっています。
- 事業計画の策定
- 法人形態の選択
- 定款の作成
- 法人の登記
- 貨物軽自動車運送事業の届出
事業計画の策定
軽貨物で法人化を検討する際には、事業計画の策定が必要になります。
事業計画とは、事業をどのように行っていき、最終的にはどのように利益を上げていくかを明確にするものです。
また、どのような事業分野で事業を行っていくかだけではなく、どのように資金を集めるか、どのくらいのペースで利益を拡大していくのかなども明確にするといいでしょう。
そのほかにも、最終的には法人として拡大していく予定なのか、それとも法人としての規模を拡大せずに自分ができる範囲で行なっていくのかなども事業計画の一つと言えます。
このように、事業計画を策定することは法人化のための第一歩です。
特に、株式会社を設立する場合には、定款を作成した後に認証が必要になります。
定款では、事業内容などを記載する事になり、記載されている事業内容と実際の事業内容が異なる場合、不利益を被る可能性もあるでしょう。
そのような可能性を排除するためにも、事業計画は事前にじっくり策定した上で、どのような事業を行っていくのかを明確にするといいです。
法人形態の選択
軽貨物で法人化をする前には、法人形態を選択をすることも重要です。
法人形態には、主に4つあり、株式会社・合同会社が現在の日本では主流になります。
これ以外にも、合資会社・合名会社という形式もあります。
株式会社・合同会社に関しては有限責任なので、出資金額以上に責任を負うことはありません。
このような背景から、多くの法人が株式会社もしくは合同会社の形式を採用しています。
また、株式会社と合同会社の違いは株式が発行できるかどうかです。
株式会社の場合は、株式を発行することができるので、会社の経営者と出資者が異なっていても問題ありません。
また、将来的にIPOを目指している場合は、株式会社でないと株式上場をすることができないので、株式会社の方がいいでしょう。
一方で、小規模で事業を行っていき、出資を受ける予定もない場合は、合同会社でも大丈夫です。
合同会社の場合は、株式会社よりも安く設立することができるので、個人事業主から法人化をする際には合同会社が選ばれることが多いです。
合資会社・合名会社は有限責任ではなく、無限責任になります。
そのため、出資金額以上の責任を負う可能性もあるでしょう。
このような背景から、合資会社・合名会社はなかなか選ばれにくい現状があります。
ただし、合資会社・合名会社であってもメリットはあるので、自分にはどのような法人形態があっているのかを精査した上で選択する必要があるでしょう。
経営サポートプラスアルファでは、個人でも法人でも独立を少しでも考えている人のご相談に乗らさせていただいております。
自分にあった法人形態の相談などは何度でも無料なので、お気軽にご相談ください。
定款の作成
定款とは、発起人や事業内容を記載したものです。
定款は、会社の基本情報のようなものになります。そのため、定款がしっかりしていることで会社としての事業内容の透明性や信頼性も上がるでしょう。
また、株式会社の場合は、定款を認証してもらう必要があります。
定款認証とは、公証役場に行って公証人に定款を認証してもらうことです。
定款を認証してもらうことで、客観的に質が担保された定款であると言えるでしょう。
定款認証には5万円程度かかりますが、株式会社以外は定款認証の必要がありません。
法人の登記
最後に法務局で登記を行いましょう。
登記とは、会社設立を法務局で申請して、認可されることです。
法人登記することで、「国税庁法人番号公表サイト」で法人の情報が公開されます。
また、法人の登記では登録免許税が必要です。
株式会社の場合は、登録免許税が15万円、合同会社の場合は登録免許税が6万円となっています。
このように、株式会社と合同会社では登録免許税が異なるので気をつけるようにしましょう。
貨物軽自動車運送事業の届出
貨物軽自動車運送事業の届出とは、軽貨物事業を営む上で必要になる黒ナンバーを取得するための申請のことです。
貨物軽自動車運送事業の場合は、運行管理者や整備管理者が必要なく、事務所要件なども一般運送業許可と比較すると緩くなっているのが特徴になります。
ただし、貨物軽自動車運送事業の届出を法人として申請する場合は、車両の所有者が法人である必要があるので、個人事業主として軽貨物事業を行っていた人は気をつけるようにしましょう。
貨物軽自動車運送事業とは?
貨物軽自動車運送事業とは、第三者からの依頼をもとに荷物の運搬を行う事業のことです。
一般的な運送業と異なり、貨物軽自動車運送事業は軽トラック・軽貨物のみに限定されているのがポイントになります。
また、貨物軽自動車運送事業はあくまでも第三者の荷物を運ぶ場合のみなので、自社の荷物を運搬する際には貨物軽自動車運送事業には該当しません。
軽貨物で法人化するメリットとは?
軽貨物で法人化するメリットは、以下の3つです。
- 赤字の繰越期間が長い
- 経費が認められやすい
- 融資を受けやすい
赤字の繰越期間が長い
法人化することで、赤字の繰越期間が長くなります。赤字のことを税務用語で欠損金と言いますが、欠損金を法人の場合10年繰り越すことが可能です。
そのため、赤字が続く事業の場合は法人化をしたほうがメリットが大きいと言えるでしょう。
これは、最初に赤字が出る可能性の高い軽貨物事業でも同じです。
軽貨物事業の場合は、最初に車両購入や事務所設立などでお金がかかる可能性も高いでしょう。
このような経費であっても、赤字の場合は繰り越して次年度以降の法人税の納税金額も抑えることができます。
経費が認められやすい
法人の場合は、経費が認められやすい傾向があります。
例えば、個人事業主の場合、家族に対して給料を出すことは可能で、経費として計上することも可能です。
しかし、これらの経費が税務署によって経費として適切に認められるかどうかは微妙でしょう。
一方で、法人の場合は家族への給与を経費として計上できる可能性が高いです。
また、自分に対して支払った役員報酬も経費として計上することができます。
このような背景から、経費として認められる項目が多くなり、必然的に支払う税金の金額を抑えることができるのも大きな魅力の一つでしょう。
融資を受けやすい
法人の方が融資を受けやすいというメリットもあります。
法人の場合、銀行などから融資を受けやすくなる可能性が高く、これは個人事業主よりも社会的な信用が高いからです。
法人の場合、登記情報が一般に公開されており、代表者の氏名や事業内容などが明確になっています。
また、法人化することで創業融資を受けることも可能です。
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法人で軽貨物を行うのがおすすめな人
法人で軽貨物を行うのがおすすめなのは、以下のような人です。
- 事業の拡大をしたい人
- 大企業と直接取引したい人
- 税の負担を小さくしたい人
事業の拡大をしたい人
事業を拡大させていきたい場合は、法人化を検討すると良いでしょう。
法人化をすることで、融資を受けやすくなったり、会社としての信頼度も上がります。
その他にも、法人化することで人員を採用しやすくなるでしょう。
一般的な感覚としては、雇用主が個人事業主の場合よりも法人の方が安心感が高くなります。
大企業と直接取引したい人
大企業と直接取引をしたい場合は、法人の方がいいことも多いです。
最近では、ECサイト事業者が軽貨物事業者に対して、直接仕事を割り振ることもあります。
ただし、直接案件を受ける場合は、事業者が法人に限定されていることもあります。
その他にも、軽貨物事業者のマッチングサイトなどでも法人が優遇されて上位に表示されることも多いです。
このような背景から案件を受けやすくしたいと思っている場合は、法人化をしたほうがいいでしょう。
税の負担を小さくしたい人
税金の負担を小さくしたい人も法人化をしたほうがいいでしょう。
個人事業主の場合、最大で55%が税金として徴収されます。
一方で、法人の場合は最大で23.2%です。
このように、法人の場合は税率が個人事業主の場合と比較して半分以下になります。
月に数百万円稼いでいる場合は、個人事業主よりも法人の方が圧倒的に税金として徴収される金額が少なくなるでしょう。
経費にもよりますが、年商で800万円前後になると個人事業主として事業を行うよりも、法人化した方が税金として徴収される金額が少なくなることが多いと言われます。
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まとめ
軽貨物事業で利益をあげている場合は、法人化をした方が信頼性や税負担などでもメリットが大きいでしょう。
ただし、法人化をする際には手続きなどの事務処理が必要になるのも事実です。
軽貨物で法人化を検討している人は、今回の記事を参考にして法人化を検討してみてください。
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