• HOME
  • 運送会社を作るには?必要な許可や設立条件なども徹底紹介

運送会社を作るには?必要な許可や設立条件なども徹底紹介

運送会社を作るには?必要な許可や設立条件なども徹底紹介

運送業の需要は拡大しており、ECサイトが主流になるとさらに需要は拡大すると言われます。

一方で、運送会社を設立するには許可が必要になるなど、ハードルとしては高いのも事実です。

そこで、この記事では運送会社を設立するための流れや許可について紹介します。

運送会社を作る流れ

運送会社を作る流れは、以下のようになっております。

  • 事業計画の策定
  • 定款の作成
  • 法人の登記
  • 運送業許可の取得
  • 人員の確保
  • 取引先への営業

事業計画の策定

運送会社を作る際には、事前に事業計画を策定する必要があります。

事業計画の主な目的は、会社を運営する中での大まかなスケジュールを決めることです。

会社を運営する中で、数年後に何が起こる予定で、どのように事業を大きくしていくかというのを事前に決めておくのは重要になります。

これは大まかなスケジュールを立てることで、詳細な事業計画を決めやすいからです。

また、事業計画ではどのように資金を集めるかなどの資金計画も決めておくといいでしょう。

例えば、運送会社の場合は初期費用としてトラックの購入費用や事務所の初期費用などがかかります。

それ以外にも、人を雇う場合は人件費などもかかってくるでしょう。

このように、最初にお金がかかる事業なので、運送会社を始める際にはどのように資金を借りて、補助金などを利用できる可能性があるのかなども検討するといいです。

定款の作成

運送会社を作る際には、定款を作成することも必要です。

定款とは、定款を見ることで会社の代表者や事業目的などが分かるようにするものです。

定款は、株式会社の場合は公証役場で認証してもらう必要があります。

一方で、合同会社の場合は、定款認証の必要はありません。

このように、定款作成後に認証してもらう必要があるかどうかは、設立する法人形態にもよるので気をつけるようにしましょう。

定款の作成は、紙で行う場合と電子定款というPDFで行う場合があります。

PDFで行う場合は、株式会社として定款認証してもらう際に、印紙代がかかりません。

法人の登記

運送会社を個人事業主ではなく、株式会社・合同会社などで設立する際には法人登記も必要になります。

法人登記は法務局で行い、登録免許税がかかります。

株式会社の場合は登録免許税が15万円、合同会社の場合は登録免許税が6万円かかるので気をつけましょう。

運送業許可の取得

運送会社を営む際には運送業許可が必要になります。

運送業許可は、第三者からお金をもらった上で荷物を運搬する際に必要になる資格のことです。

運送業許可には、以下の3つがあります。

  • 一般貨物自動車運送事業
  • 特定貨物自動車運送事業 
  • 貨物軽自動車運送事業

「一般貨物自動車運送事業」は、不特定多数の荷主から荷物を預かった上で、有償で運送業務を行う際に必要な資格です。

「特定貨物自動車運送事業」は、特定の荷主からの依頼のみを請け負う業者のことです。

特定の企業の運送子会社などが「特定貨物自動車運送事業」の対象になります。

「貨物軽自動車運送事業」は、軽貨物のみで運送事業を行う場合に必要な資格で、「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」と比較して、取得要件がゆるくなっているのが特徴です。

人員の確保

運送会社を設立する段階では、自分1人でも大丈夫です。

ただし、運送業許可を取得する上では運転手が5人、運行責任者が1人必要になるのに最低でも6人必要になることは覚えておきましょう。

そのほかにも、運行管理者補助者、整備管理者がそれぞれ一人ずつ必要になりますが、こちらは運行責任者と違い運転手と並行して業務を行うことができるので、運転手のなかから選ぶことも可能です。

「貨物軽自動車運送事業」の場合は、軽貨物に限られていることから、1人のみでも許可を取得することができます。

そのため、最近では個人事業主の形態で「貨物軽自動車運送事業」を行う人も多いです。

取引先への営業

運送会社を設立して利益を上げていくためには、取引先への営業も欠かすことができないでしょう。

特に、運送業の場合下請け・元請けの関係が非常に強い業界でもあります。

その上、最大で7次請けまであるなど下請け構造が根強い業界です。

このような背景から、取引先への営業を行うと同時に元請けに近い立場になれるようにしていく必要もあるでしょう。

このためには、業務量の多い運送会社の下請けになる、もしくは新規で営業先を開拓してそこから直接運送の案件をもらうなどの方法があります。 

<あわせて読みたい>

運送業許可の取得要件

運送業許可の取得要件には、以下の3つの構成要件があります。

  • 人的要件
  • 施設要件
  • 車庫要件

人的要件

運送業許可を取得する際に必要になる人員は、以下の通りです。

運転手:5人
運行責任者:1人(兼任不可)
運行管理者補助者:1人(兼任可)
整備管理者:1人(兼任可)

運転手には、欠格事項も用意されており、日雇い労働者や当該車両の運転免許を持っていないものは、運転手になることはできません。

そのほかにも、1年以上の禁固刑を受けている場合は、刑の執行後5年以上経過している必要があります。

運行責任者は、常勤で設置する必要があり、運転手と兼任することができます。

そのほかにも、実務経験と講習の受講が必要です。

運行管理者補助者は、運行管理者の基礎講習修了者もしくは運行管理者資格者証を持っている人がなることができます。

ただし、運行管理者補助者ができることは運行管理者の補助業務のみで、運転手に対してのアルコール検知などを行うことはできますが、アルコールが検知された場合は、運行管理者が対処することが必要です。

整備管理者になるためには、2年以上の実務経験がある上で、整備管理者選任前研修を修了しているもしくは、自動車整備士資格1級〜3級のいずれかを取得していることが必須になります。

施設要件

運送業許可を取得する際には、施設要件も満たす必要があります。

運送業の場合は、睡眠スペースの確保が求められ、1人あたり2.5平方メートルが必要です。

そのほかにも、車庫との距離が決められていることも多く、首都圏では10キロが1つの目安になっていることが多くなっています。

なお、車庫までの距離については、管轄の運輸局によっても異なるので、事前に確認するようにしましょう。

車庫要件

運送業許可を取得するためには、車庫要件もあります。

車庫要件では、各車両間で最低でも50cmの距離を確保できることが条件です。

運送業許可がいらない場合とは?

運送業許可がいらない場合は、以下のような場合です。

  • 運賃を受け取らない場合
  • 自社の荷物を運ぶ場合
  • 軽貨物・バイクで荷物を運ぶ場合

運賃を受け取らない場合

運送業許可が必要になるのは、あくまでも第三者からお金を受け取った上で、荷物を運ぶ場合です。

そのため、賃金を受け取らずに荷物を運ぶ場合は、運送業許可は必要ありません。

例えば、友達の荷物を代わりに運んであげる場合や、ボランティアとして何か荷物を運んであげる場合は、運送業許可が必要ないということになります。

自社の荷物を運ぶ場合

自社の荷物を運ぶ場合も、運送業許可は必要ありません。

ただし、これは自社内で荷物を運ぶ場合のみに限られます。

例えば、自社とは別に物流子会社を設立して、その会社で荷物を運搬する際には「特定貨物自動車運送事業」が必要です。

軽貨物・バイクで荷物を運ぶ場合

軽貨物・バイクで荷物を運ぶ場合は運送業許可ではなく、「貨物軽自動車運送事業」が必要になります。

「貨物軽自動車運送事業」は、「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」と比較して、取得が簡単であり、また一人でも取得できるのが大きな特徴です。

最近では、個人事業主として「貨物軽自動車運送事業」を取得して開業する人も多く、 Amazonなどの大手ECサイトでもこのような「「貨物軽自動車運送事業」に対して仕事を割り振る制度があります。

運送会社が仕事を獲得する方法

運送会社が仕事を獲得する方法には、以下のような方法があります。

  • マッチングサービスの利用
  • WEBマーケティングの利用
  • テレアポ
  • 飛び込み営業

マッチングサービスの利用

最近では、運送会社のマッチングサービスなどもあり、荷物を運んでほしい人と荷物を運んでもらいたい人をマッチングさせるサイトがあります。

このようなサイトを利用することで、仕事を簡単に獲得できることも多いです。

ただし、このようなサイトは個人間でのやり取りがメインになり、軽貨物の方が需要が高い面もあります。

そのため、「一般貨物自動車運送事業」で事業を運営していく場合には、個人向けのマッチングサイトではなく大口の顧客を見つけたほうがいいでしょう。

WEBマーケティングの利用

最近では、運送業でもWEBマーケティングが主流になってきています。

WEBマーケティングとは、WEBを使ったマーケティング手法のことで、直接荷主に対して営業をかけることができるので、より元請に近い立場で仕事を獲得できるというメリットがあるでしょう。

特に、運送業の場合は下請け構造が強いので、より荷主に近いところで仕事を獲得したい場合は、荷主に対して直接訴求できるようなWEBマーケティングを行っていく必要があります。

飛び込み営業

運送会社に対して飛び込み営業を行っていくのも一つの手段です。

運送業の場合は、先ほども言ったように下請け構造が強くあります。

ただし、荷物を請け負ったものの人を確保できず、さばききれていない運送会社も多いです。

そのような運送会社に対して飛び込み営業を行っていくことで、さばききれない仕事を回してもらうこともできます。

その他にも、そこから関係をつないでいくことで、他のクライアントを紹介して頂けることもあるでしょう。 

まとめ

運送会社を作るには、事前に計画を策定した上で許可の取得が必要になります。

そのほかにも、人員の確保が必要になるなど、準備を入念に行うことも重要です。

経営サポートプラスアルファでは、個人でも法人でも独立を少しでも考えている人のご相談に乗らさせていただいております。

相談は何度でも無料なので、お気軽にご相談ください。