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同じ社長が別会社を設立するメリットとは?リスクや気をつけるべき点を解説!

別会社と社長が同じで問題ない?気をつけるべき点は?知っておきたいポイントを解説!

別会社を設立する際、同じ社長が複数の会社を兼務するケースは少なくありません。特に、親族経営やグループ会社での事業展開において、社長が同じであることは利便性が高い一方、いくつかのリスクも伴います。

本記事では、同一人物が社長を務める別会社設立の際に注意すべき点やリスクについて詳しく解説し、その対策方法を紹介します。

同じ社長が別会社を設立する際のメリット

1. 経営効率の向上

同じ社長が複数の会社を兼務することで、経営判断の一貫性が保たれ、意思決定がスムーズに進むことがあります。これにより、グループ全体のシナジー効果が期待でき、事業の効率化を図ることができます。

2. グループ全体の求心力強化

社長が共通している場合、グループ全体での方針統一が容易になり、全体的なビジョンの共有やコンプライアンスの強化が可能になります。これにより、グループ全体の企業価値を向上させることができます。

3. コスト削減

社長が同じであれば、会社ごとに社長を雇用する必要がなく、人的コストを削減することができます。また、共通の経営資源を効率的に活用することで、運営コストを抑えることも可能です。

別会社設立で社長が同じ場合のリスク

1. 競業避止義務の問題

同じ社長が複数の会社を経営する場合、それぞれの会社が競合関係にあると競業避止義務に違反する可能性があります。特に、同業種での事業展開がある場合、利益相反行為に該当する恐れがあり、法的なトラブルに発展するリスクが高まります。

2. 利益相反取引のリスク

別会社間での取引において、社長が同じであると、片方の会社に有利な条件で取引を行い、もう一方の会社に不利益を与える可能性があります。これが利益相反取引とみなされると、株主や取引先からの信頼を損ねることになります。また、利益相反取引は取締役会での承認が必要となるため、慎重に取り扱う必要があります。

3. 税務リスク

同じ社長が経営する別会社間での取引は、税務署から厳しくチェックされることが多いです。特に、取引価格が市場価格とかけ離れている場合、節税目的の不正な取引とみなされ、追徴課税の対象になる可能性があります。

別会社設立で社長が同じ場合の対策方法

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1. 競業避止義務を回避するための事前承認

競業避止義務を回避するためには、取締役会や株主総会で事前承認を得ることが重要です。また、競合関係にある事業を分離し、役員の兼務を避けるなどの工夫も必要です。

2. 公正な取引を行う

別会社間の取引は、必ず公正かつ合理的な条件で行うことが重要です。市場価格を参考にし、双方にとって公平な取引を心掛けることで、利益相反のリスクを軽減できます。

3. 専門家の助言を得る

別会社設立や取引に関するリスク管理は、専門家の助言を得ることでより効果的に行うことができます。弁護士や税理士に相談することで、法的・税務的な問題を未然に防ぐことができます。

別会社と社長が同じだと税務調査で追求されることがあ

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社長が同じ会社同士の取引は税務署にチェックされやすい

社長が同じ会社による取引は税務署にチェックされやすいです。たとえば、相場よりも極端に高い価格で売却する、あるいは相場よりもかなり安い価格で買取するといったケースがあります。

税負担を少なくすることを目的とした取引は税務上問題になる

最初から税負担を逃れることを目的として取引する場合は、税務上問題になります。

取引には合理性が求められるからです。明らかに税金を少なくすることを目的とした取引は税務調査で徹底的に調べられるため注意しましょう。

特に社長が同じ場合は、最初から節税目的で別会社を設立したと疑われやすいです。ダミー会社として別会社を設立して脱税している事例はたくさんあります。

別会社設立で既存会社より従業員の転籍や資産の売却をするのも要注意

別会社との取引で注意するべき点は従業員の転籍や資産の売却などです。たとえば、別会社を設立して従業員を転籍させて、別会社から元の会社へ人材を派遣させるケースがあります。

別会社の設立により消費税の免税を受けて、元の会社に人材派遣して同じ業務を行わせるのです。

このような行為は不正行為とみなされる可能性があります。

別会社に資産を売却する際には価格に気をつけましょう。

利益を上げたくないために時価を大きく下回る価格で売却するケースがあります。この場合は、時価との差額を別会社に寄付したとみなされて、寄付金の損金不算入にあたると指摘されることがあるのです。

税務上問題にならないようにしっかりと検討して疑われないことが大切

社長が同じ別会社との取引については、脱税として扱われるかどうかはグレーな部分が多いです。

法律はさまざまな解釈が可能であり、判断が難しいからです。最終的には税務調査を行い、税務署が判断します。

これから別会社と取引する際には、その行為が税務上問題にならないのかしっかりと検討することが大切です。重要なことは合理的な理由であり、きちんと税務署を納得させることができれば、その取引は容認されます。

社長が同じ別会社の設立は十分に注意しよう

別会社の設立で社長が同じだと法的な問題に抵触するケースがあります。

税務調査で指摘を受けることもあるのです。

どんなリスクや問題があるのかしっかりと理解した上で別会社の社長を兼任するのか考えましょう。

また、あらかじめ専門家に相談をして助言を求めることも大切です。

別会社の設立について専門家の力を借りたい方は経営サポートプラスアルファにご依頼ください。

お話をお聞きした上で最適な提案をいたします。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。