お店を出店したくてもどこに出店すれば、確実に繁盛するお店になるのかわからない人も多いでしょう。
そこで、この記事ではお店を出店する場所の決め方を紹介します。
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出店場所の正解はない
結論から言うと、出店場所に正解はありません。
例えば、マクドナルドは綿密なマーケティング分析を行い、人流などをもとに出店する場所を決定しています。
しかし、マクドナルドであっても採算が合わずに撤退する店舗もあります。
このように、お金や時間をかけて出店場所を決めたからといって、必ず成功するわけではありません。
同様にこの立地なら必ず成功する、この場所なら高い集客が見込めると言われていても、そこの場所にお店を出したところで成功するかは分かりません。
出店場所を決める際に見るべき5つのポイント
出店場所を決める際に見るべきポイントは、以下の5つです。
- 競合店の有無
- エリア属性
- 人流
- 時間帯ごとに人の変化
- 商圏
ここでは、見るべきポイントについて詳しく紹介します。
競合店の有無
競合店の有無は最初に調べるようにしましょう。
例えば、居酒屋を出したいと思っていて、周辺に自分が出したいお店と同じような価格帯で全国的にチェーン展開をしている居酒屋がある場合、知名度や集客力などでその居酒屋に勝つことは難しいでしょう。
そのため、そこの立地は居酒屋にとってはそこまで良くないということができます。
このような事態を避けるためにも、自分がお店を出したいと思っている場所の周辺に、競合店がないかを確認しましょう。
競合店の定義としては、自分と同じ業種であり、なおかつ価格帯や客層が一緒のお店という定義で見ていくようにしましょう。
エリア属性
エリア属性を見極めることも重要。
エリア属性とは、そのエリアに住んでいる人のことです。
例えば、ベッドタウンの場合はファミリーが多くなる傾向があります。
一方で、都市部の駅であれば単身者が多くなります。
また、都心の駅であっても渋谷のような繁華街の場合は、若い単身者が多く、夜間であっても出歩いている可能性が高いです。
一方で、千代田区のように単身者であっても年齢が高い人が多い地域の場合は、価格帯が高くても良いものを出すお店が繁盛する可能性が高いでしょう。
その他にも、六本木や麻布十番のようなエリアではお金を持っていてなおかつ、人の流れも激しいので、年齢や時間帯に関係なく多くの人にウケるお店が繁盛しやすいと考えられます。
このように、出店するエリアによって属性というのは全く異なります。
そのため、お店を出店したいと思っている場合には、その地域のエリア特性を見極めた上で自分のお店とマッチしているのかを判断の基準にしましょう。
人流
お店の出店場所を検討する際には人流にも注意をしましょう。
人流とはお店の前をどのくらいの人が、どのくらいの頻度で通るのかを具体的な数値にしたものです。
これは一般的な話になりますが、駅周辺の場合は様々な地域から駅に向かって人が流れてくるので、その分人流が激しくなります。
一方で、駅から少し離れた場所や裏路地など入り組んだ場所は、普段から人通りが多くないので人流はそこまで活発ではないと言えるでしょう。
時間帯ごとに人の変化
時間帯ごとに人の変化を見極めることも重要です。
例えば、都心の駅周辺のエリアの場合、昼間人口はオフィス街などがあることで多くなる一方で、夜間人口は極端に少なくなることがあります。
特に、千代田区のように企業の本社がたくさんある場所で、なおかつマンションなどが少なくそこに定住している人が少ない土地の場合、昼をメインに営業するお店の場合は採算が取れることもありますが、ファミリー向けのお店は採算が取れないことも多いです。
逆に、千葉県や埼玉県の東京に近いエリアはベッドタウンと呼ばれる地域であり、昼間の人口は少ない一方で、夜間の人口が多くなります。
このような地域の場合は、昼間に開いているお店より夜間に開いているお店の方が採算が取れることが多いです。
また、家族連れでこのような地域に住んでいる人も多いので、ファミリー向けのお店の方が好まれる傾向もあります。
このように、時間帯ごとに人が変化するような地域であったりまた、時間帯ごとの人の変化というのは必ずあるので、その時間帯ごとの人の変化を見極めて自分が出店したい業種とマッチしているかを確認しましょう。
商圏
お店を出店する際には商圏を見極めることも重要です。
商圏とは、そのお店の利用者がどこの場所から来るかということを示したものになります。
一般的に、都心の場合は商圏が小さくなり、郊外だと商圏が大きくなる傾向です。
これは、郊外の場合は車で移動することが多く、遠くの場所からでもお店を訪ねてくれる人が多いからです。
一方で、商圏が小さいと不利ということではなく、あくまでも商圏とはその店を訪れてくれる人がどこから来るかを示しただけのものになります。
店の売り上げは、「客単価×客数」です。
都心の場合は、商圏が小さい分一人当たりの利用金額も高くなる傾向があるので、一概に商圏が小さいから繁盛しない、商圏が大きいから繁盛するというような判断はできません。
また、商圏が大きい場所の場合は、同じ商圏のなかに含まれる競合店の数も多くなるので差別化が必要になってきます。
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出店場所を決める時によくやるミスとは?
ここでは、出店場所を決める際によくやってしまうミスを紹介します。
主なミスは以下のものです。
- 家賃のみで立地を決める
- 開発計画を事前に確認しない
- 周辺店の閉店の経緯を知らない
家賃のみで立地を決める
出店場所を決める際の一番大きいミスが、家賃のみで出店場所を決めてしまうことです。
例えば、渋谷のような繁華街であっても周辺の家賃相場と比較して、家賃が安くなっている場所があります。
お金がない場合は、このような場所を選んでなるべく固定費を下げたいと思う気持ちはわかります。
しかし、家賃が低いということはその分何かしらのデメリットがあるのも事実です。
一般的に、不動産屋さんが家賃を下げる基準は、周辺のお店や立地と比較して条件が悪く、家賃を下げないと入居者が決まらない、このような理由で家賃を下げていることがほとんどです。
そのため、周辺と比較して家賃が低い場合は、何かしら問題がある立地もしくは過去に何か問題がありいわゆる「いわくつきの物件」になっている可能性が高いので確認するようにしましょう。
開発計画を事前に確認しない
出店場所を選ぶ際に、開発計画を知らないでミスしてしまうことも多いです。
特に、駅周辺の場合は大規模な再開発が行われることが多く、そのような再開発の影響で道路が封鎖されたり、場合によってはシンボルとなっていた建物がなくなることがあります。
このようなことが起こると、当初想定していた客層を集客できないこともあります。
一方で、開発されることで本来客層として見込んでいなかった客を取り込むことが可能な場合も多いです。
一般的に、再開発でマンションなどができファミリー層が引っ越してくると、その分新しい客層として見込める可能性も高いので、積極的な再開発や開発計画については店舗運営にとってはプラスになることも多いです。
一方で、人口衰退の影響で駅前の百貨店が営業を維持できなくなり、その結果開発計画が進んでいるという場合は気をつけた方がいいでしょう。
周辺店の閉店の経緯を知らない
周辺のお店の閉店の経緯を知らないでミスしてしまうことも多いです。
例えば、立地が良くても周辺のお店が相次いで閉店している場合、もちろんその店の営業努力の面で閉店しているなら新しく出店しても大丈夫でしょう。
しかし、立地の問題であったり地域間のトラブルが原因で閉店を決めている場合は、その立地自体に問題がある可能性が非常に高いので気を付けるようにしましょう。
業種ごとの出店場所の決め方
ここでは、業種ごとに簡単に出店場所の決め方を紹介します。
お弁当屋の場合
お弁当屋の場合、利用する客層としてはファミリー層もしくは単身者のどちらかが想定されます。
しかし、その二者に共通しているのが、ご飯を作る時間がなく帰りに買って帰りたいという需要です。
そのため、出店場所としては駅周辺もしくは住宅街に立地するのがいいでしょう。
このような場所に出店することで、仕事帰りに買って帰るという導線のなかにお弁当屋を組み込みやすく、集客を期待することができます。
また、このように帰りに買うことを想定するお弁当屋さんは夕方〜夜の営業がメインです。
そのため、出店する地域としては夜間人口が多いベッドタウンのような地域に出店するといいでしょう。
個人経営の居酒屋の場合
個人経営の居酒屋の場合は、周辺に大規模な居酒屋チェーンがないかを確認しましょう。
居酒屋の場合、駅周辺に立地することが多く、これはお酒を飲むという特性上、車で行く場所ではなく電車やバスなど公共交通機関で行ける場所の方が利便性が高いからです。
一方で、駅周辺の場合は大規模は居酒屋チェーンが展開していることも多くなっています。
そのため、駅選びが重要です。個人経営の居酒屋の場合は、大規模な居酒屋チェーンが出店していないような小さい駅での出店をしたほうが繁盛する可能性が高いです。
ターミナル駅に出店しないことで、大規模な集客を見込むことはできませんが、一定のファンを獲得することができれば、栄えていない駅でも十分に経営を成り立たせることは可能です。
まとめ
出店場所を決める上では、正解というものはなく商圏の分析などをしていても、周辺に大規模な施設ができることで一気に人流が変わってしまうこともあります。
そのため、自分でしっかりコンセプトやビジョンを持った上で、出店場所を決定していくことが成功するための一つの鍵と言えるでしょう。