飲食店の厨房で何よりも大切なことは、常に厨房を清潔に保つことです。
清潔を保てないと料理に異物が混入したり、最悪の場合食中毒を引き起こしてしまい営業停止になることも考えられます。
厨房は飲食店にとっての心臓部分といっても過言ではありません。
厨房に欠かせないステンレス工事について
清潔を保つためには日々の清掃や消毒だけではなく、清潔を保てる材質をキッチンに使用することが必須です。
飲食店の厨房がステンレスでおおわれているのも、ステンレスは汚れやにおいなどがつきにくく、掃除がしやすいという利点を生かしています。
ピカピカに磨かれたステンレスは、働いている人たちにとっても気持ちがいいものです。
清潔で安心な厨房を保つためにも、定期的なステンレス工事は厨房に欠かせません。
厨房のステンレス工事を依頼する目安について
ステンレスとは、「stain」=錆や汚れ、「less」=ない、が語源で直訳すると錆や汚れがない、という意味を持ちます。
その名の通り、ステンレスは錆や汚れがつきにくい特性を持ちます。
そのためステンレスはさまざまなシーンで使われており、厨房設備でも活用されています。
一般家庭のステンレスキッチンは、だいたい10年をめどに交換といわれていますが、飲食店の厨房は、使用している時間が長いので一般家庭よりもダメージを受けています。
そのため、一般家庭の10年よりも早い目安で貼り換える必要が出てきます。
また、ステンレス工事で継ぎ目が丁寧に施工されていないなど不良があると、そこから水が入ってしまい通常よりも早く錆びてしまうこともあります。
錆びてきてしまった、汚れやゆがみが目立ってきた、これらがステンレスの貼り換え工事の目安となるので、清潔な厨房を保つためにも定期的にステンレスをチェックしましょう。
厨房にステンレス工事をするメリット
厨房のステンレス工事には様々なメリットがあります。
錆びにくいので水を使う厨房に最適
…厨房では、水や油など水分を扱うことが多いため錆びにくいステンレスが最適です。
万が一錆が料理に混入してしまうと大変です。
ただし永久的に錆がつかないというとそうではありません。
経年劣化とともに錆が出てきてしまうので、定期的に張り替えが必要となります。
熱に強い
…業務用の厨房では、家庭用では出せない高温のコンロで調理します。
ステンレスの耐熱温度は700℃~800℃で、熱に強いため飲食店の厨房でも安心して使用できる素材です。
調理した鍋をステンレスの上に置くこともできます。
防火対策
…ステンレスは耐熱性が高く、熱伝導率が低いため火に強いです。
そのため厨房をステンレス張りすることで、防火対策にもなります。
汚れやにおいがつきにくく衛生的
…ステンレスは汚れやにおいがつきにくいことでも知られています。
お客様に提供する料理を作る厨房では、料理に別の素材のにおいが混ざってしまうことはあってはならないことです。
そのため、調理台もすべてステンレスでおおわれています。
また、油や調味料がこぼれてしまっても、ステンレスならさっと拭くだけできれいになります。
このように衛生的に使えることが厨房でステンレスが使用されている大きな理由の1つです。
掃除がしやすく、丈夫で長持ちする
…ステンレスは大変強度の高い材質なので、丈夫で長持ちするといわれています。
毎日長時間使う厨房でも、長い間使用することができます。
また、アルコール消毒や塩素系漂白剤などを使用しても問題ありません。
食中毒には特に気を付けたい厨房にとって衛生面を保つためにはステンレスが最適です。
厨房に使うステンレスの種類について
厨房に貼り付けるステンレスはSUS-304、SUS-430の2種類が一般的です。
SUS-304
SUS-304は最も使用されているステンレスで、世界中で使われているステンレスの約7割がこのSUS-304です。
ステンレスの主成分鉄にクロムとニッケルを加えて作られています。
クロム、ニッケルともにレアメタルで耐食性に優れています。
クロムと比較すると、ニッケルの方が高価なため、SUS-304自体の値段も高い傾向にあります。
SUS-304の特徴は、
・耐熱性が高く、熱伝導率も低いため保温性が高い
・さびにくく衛生的
・強度が高い
・磁石がくっつかない
・価格が高い
値段は高いものの、衛生的に使用できることから食品を扱う工場や飲食店の厨房でも、このSUS-403が主流となっています。
SUS-430
SUS-430はクロムが含まれていますが、ニッケルが含まれていないため、SUS-304と比較すると、耐食性や強度は劣ってしまいます。
高価なニッケルが含まれていない分安価で、厨房設備だけではなく、レンジフードやザル、ボウル、スプーン、フォークなどの調理器具など幅広く使われているステンレスです。
また、大阪ドームの屋根も、このSUS-730が使われていることで有名です。
SUS-430は磁石がくっつくので、もし今お使いのステンレスがどちらか確認したい場合、磁石がつくか試してみてください。
磁石がついた場合SUS-430、つかなければSUS-304です。
その他のステンレス
・SUS443j1
SUS443j1は、2010年にJIS認証を取得した比較的新しいステンレスです。
SUS-304、SUS-430ともにクロムは18%含まれているのに対し、SUS443j1はクロムの配分を21%と高めたことで、ニッケルを使用しなくてもSUS-304と同等以上の強度を備えたステンレスです。
クロムが含まれていないためSUS-304と比べると低価格なので、張り替え時にSUS-304からこのSUS443j1に切り替える飲食店も増えています。
厨房のステンレス工事の業者選びについて
厨房のステンレス工事を検討するときに大切なのは、ステンレス工事をしてくれる業者選びです。
ステンレス工事は繊細な作業で高い技術が必要です。
ここでは、信頼できる業者を見つけるポイントを紹介します。
厨房のステンレス工事は業者に任せるのがベスト!
ステンレス工事は、まず工場でステンレスを切断後、ロール状にして現場に運び入れます。
板状のステンレスは厚みが1cmもないためへこんだりしやすく、貼り付けるまでは扱いが難しい素材です。
そのため、ステンレス工事を任せる業者は、ステンレスの貼り付けに熟知した板金業者を選ぶようにしましょう。
DIYが得意な人ならステンレス貼りは自分でやってコストを抑えたい、と考える人もいるかと思いますが、ステンレス工事こそ、業者に任せることをおすすめします。
その理由として、
・ステンレスは貼り付けが完了するまではへこみやすく傷つきやすい
・施工時にへこみが入ってしまうと直すことが難しくへこみが目立ってしまう
・ジョイント部分の位置によって掃除のしやすさが格段に変わる
・ステンレスの端は手が切りやすく危険、カット部分は丁寧に処理をする必要がある
・厨房にはコンセントが多く、その都度ステンレスをカットしたり穴をあけたりしなければいけない
などが挙げられます。
特にステンレスのカットとジョイントには技術が必要で、プロに任せたのに接合部分にバリがあり掃除の時に手を切ってしまう、というクレームもあるくらいです。
ステンレス工事の施工実績が多いプロに任せることが、安全のためにもベストです。
厨房のステンレス工事は板金業者がおすすめ
板金業者は、ステンレスのような金属の薄い板を切断したり、変形させたりなど加工をして屋根や外壁、雨どい、車、厨房や食品工場の内装張りをおこないます。
板金工事業を名乗るためには、建築板金技能士や建築施工管理技士などの資格取得の他にも実務経験が求められます。
そのため、板金業者は各金属の特徴に精通したまさに金属板のプロといえます。
厨房のステンレス貼りの経験豊富な板金業者を見つけよう
板金業者には、厨房のステンレス貼りだけではなく、個人宅の屋根や外壁の施工、車のへこみの修理などそれぞれ得意とする分野があります。
厨房のステンレスは、コンセントを通すための穴をあけたりカットしたりが必要です。
また、幅の広いステンレスを取り扱うため高い技術が求められる作業です。
そのため熟練した経験が求められます。板金業者のホームページには、施工実績が掲載されているところがほとんどなので、必ずホームページをチェックしてください。
そして厨房のステンレス貼りの実績が多く、得意としている板金業者に依頼しましょう。
オーダーメイドに対応できる板金業者を
厨房のステンレス設備には、作業台や調理台、シンクなどある程度既製品を使用することが可能です。
ただし、厨房のスペースによっては、既製品が合わないことも多々あります。
その場合に、既製品とオーダーメイド品とを合わせられる板金業者の方が柔軟な対応をしてもらえます。
見積もりから寸法、作成~工事完了までを一貫しておこなえる業者を選びましょう。
気になった板金業者には見積もりを依頼
ホームページを見て気になる板金業者が見つかったら見積もりを依頼しましょう。
厨房のステンレス工事は繊細な作業が不可欠です。
しっかり業者を見て、丁寧な対応をしてくれるところを選びましょう。
見積もりを依頼することは、おおまかな金額を知るだけではなく、業者の対応が誠実かどうか、信頼できるかもチェックできる大事な機会です。
ほとんどの板金業者は見積もりを無料で承っています。
現場調査や採寸までを無料としているところも多いので、気になる業者は相見積もりを取って、金額や対応を比較して納得がいくところに依頼しましょう。
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厨房のステンレス工事について まとめ
厨房のステンレスは、清潔な厨房を保つためにも錆びや汚れが目立ってきたら貼り換える必要があります。
ステンレスを貼り付けるには高い技術が必要になるため、厨房のステンレス工事に熟練した板金業者に依頼しましょう。
いい板金業者を見つけるためには、同じ飲食店の経営者から情報を集めたり、板金業者のホームページをチェックしたりすることが大切です。
気に入った板金業者を見つけたら、必ず複数の業者から相見積もりをとってしっかり比較してください。
ステンレス工事は、金額だけではなく厨房のステンレス工事の経験の有無、また信頼できて丁寧な対応かどうかも大切です。
見積もりは金額だけではなく業者の対応もしっかりチェックできる機会です。
ほとんどの業者が見積もりは無料でおこなってくれるので、活用しましょう。