会社設立の流れや手順を抑えることは、今後起業を考えている方々にとって、非常に大切です。
会社設立前にやること
ここまで、会社設立についての基礎知識を紹介してきました。
ここからは、いよいよ実際に会社を設立する場合の手順を紹介していきます。
しかし、いきなり設立手続きを行う訳ではなく、前もって以下の6つの準備をしておく必要があります。
①発起人を決定する
発起人とは、資本金の出資など、会社設立の手続きを行う人のことを指します。
設立後に役員が会社に対して責任を負うように、発起人は会社の設立に関する責任を負います。
発起人の人数には制限がなく、誰でも発起人になることが可能です。
②商号を決定する
商号とは、すなわち会社名のことです。
株式会社を設立する場合には、商号の前か後に「株式会社」をつける必要があります。
商号は基本的に自由に決める事が出来ますが、使えない文字や記号もあるので注意しましょう。
また、余りにも読みづらい商号や、一般的すぎて検索結果に埋もれてしまうような商号は避けるのが一般的です。
③役員報酬額を決定する
役員報酬額の決定は、創業期の会社において特に重要です。
なぜなら、役員報酬は経費に出来ないため、節税の効く範囲で設計しなければならないからです。
また、役員報酬が高すぎると、単純に会社の運営を圧迫することにもなります。
そのため、役員報酬は事業の拡大計画や税制と照らし合わせながら綿密に決定する必要があります。
④資本金を金額決定する
資本金とは、会社が集めた投資家からの出資額のことを指します。
現在では、資本金は1円から会社の設立が認められています。
しかし、会社の資本金の多寡は、事業計画や会社としての信用力に直結するため、しっかりと会社の運営が出来る額を設定した方が良いでしょう。
⑤印鑑を作成する
会社の設立手続き(登記)の際に、会社としての正式な印鑑である法人実印を提出する必要があります。
印鑑はすぐに用意出来るものではないため、予め作成しておかなければなりません。
この際、会社の運営で頻繁に使用する銀行印、社印、ゴム印も一緒に作成しておくのが一般的です。
⑥所在地を決定する
定款に必要な会社の本店所在地を決定します。
このとき注意したいのが、自宅を本店所在地にする場合です。
賃貸物件の中には、物件を法人として設定するのが認められないケースもあるため、予め契約内容を確認しておく必要があります。
近年では、シェアオフィスや住所だけを借りられるバーチャルオフィスも多くあるため、オフィス費用を抑えたい場合はこうした選択肢も検討するとよいでしょう。
会社設立をする手続き
上記6つの準備を終えたら、いよいよ会社設立の手続きに移ります。
会社設立の手続きは、大きく4ステップです。
一つずつ紹介していきます。
⑦定款の作成と認証を行う
定款の作成
定款とは、会社の基本事項を示したもので、「会社の憲法」と呼ばれるほど重要です。
定款には、事業目的や発行可能株式総数に加え、設立準備で決定した商号や資本金額、発起人の名前、及び住所、本店所在地を必ず記載する必要があります。
定款の認証
定款の作成を終えたら、今度はその定款が客観的に正しいことを第三者に認証してもらわなければなりません。
定款の認証は法務局に所属する「公証役場」にて行います。
⑧資本金を払い込む
資本金払込とは、資本金を発起人の銀行口座に振り込むことを指します。
振込を終えたら、通帳のコピーをとり、後述の登記書類に添付する必要があります。
会社設立後には法人名義の口座を開設し、発起人の口座から法人名義の口座に資本金を移します。
⑨登記書類を作成する
定款の認証と資本金の払込を終えたら、いよいよ設立に必要な登記書類を揃えていきます。
登記に必要な書類は最小で7種類、最大で11種類あります。
そのため、自身の会社にどの書類が必要なのか、しっかりとチェックしてから揃えなければなりません。
登記書類の概要は以下になります。
- 登記申請書
- 登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
- 登記すべき事項を保存したCD-Rまたは書類
- 定款
- 取締役の就任承諾書
- 資本金の払込証明書
- 印鑑(改印)届出書
- 発起人の決定書
- 代表取締役の就任承諾書
- 監査役の就任承諾書
- 取締役全員の印鑑証明書
定款や印鑑届出書、資本金の払込証明書など、今まで準備をしたあらゆる書類を揃え、登記申請書に添付しなければなりません。
⑩登記書類をそろえ、申請する
登記書類を揃えたら、最後に法務局に申請する必要があります。
申請した日付がそのまま会社設立日となりますので、非常に重要なステップです。
郵送または実際に法務局に行って登記書類を提出し、不備がなければ一週間から10日ほどで登記完了となります。
申請時点で会社は設立されたことになりますが、登記完了までは法人口座を作る事が出来ず、取引を開始することが出来ないため、注意が必要です。
会社設立後の手続き
登記を終えると、会社は無事に設立され、取引を開始出来るようになります。
しかし、手続きはこれで終わりではありません。
最後に、会社設立後の流れを紹介します。
⑪税務署への書類を提出する
会社を設立すれば、当然会社として税金を納めなければなりません。
そのため、各種税金に関する申請を税務署に行う必要があります。
提出が必要な書類は以下の通りです。
- 法人設立届出書
- 給与支払い事務所等の開設届出書
- 青色申告の承認申請書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
法人設立届出書は設立後2ヶ月以内、青色申告の承認申請書は設立後3ヶ月以内に必ず提出しなければならないため、早めの提出を心がけましょう。
⑫各地方自治体への書類を提出する
税金は、税務署だけに納めるものではありません。
各地方自治体にも地方税を払う必要があります。
税務署に提出した法人設立届出書と同じ内容のものを、本店所在地のある都道府県、市町区村の各自治体に提出すれば完了です。
⑬社会保険への加入する
会社を設立すると、社会保険に加入しなければなりません。
未加入の場合は、罰則を受けるリスクもあります。
従業員を雇っているかどうかによって、加入する社会保険の数が変わるのがポイントです。
健康保険&厚生年金への加入
健康保険&厚生年金は、社長一人の会社でも必ず加入しなければなりません。
会社設立後5日以内に、年金事務所に申請する必要があります。
雇用保険&労災保険への加入
従業員を雇っている会社は、上記2つに加えて雇用保険・労災保険にも加入しなければなりません。
会社設立時に従業員を雇っている場合は、必ず申請するようにしましょう。
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いかがでしたか。
今回は、会社設立の基礎知識や、設立手続きの全手順を紹介しました。
必要な準備や設立の流れなど、会社設立の大枠がご理解頂けたかと思います。
これらの設立準備&手続きには難しいテクニックは必要なく、手順を理解してしまえば個人でも十分行うことが可能です。
しかしその一方で、非常に手間と時間のかかる作業であることは事実です。
事業計画の推敲や投資家とのコンタクトなど、しなければならないことが多い状況で設立手続きに工数を割くのは簡単ではありません。
下手に自分でやろうとすれば、ミスをして登記書類再提出、なんてことにもなりかねません。
そこでオススメしたいのが、専門家の活用です。
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