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経営管理ビザの取得方法とは?申請時の要件や注意点、ビザ取得後のについても解説!

外国の方が日本で会社を経営しようとした場合、現状の制度では日本人と同じようなフローで設立することはできません。

日本で会社員として働く際にも就労ビザが必要になるのと同じように、会社を設立、経営する場合にもまずは、事業経営に関する在留資格である「経営・管理ビザ」を取得する必要があるのです。

今回は、日本で会社を始めることを検討している外国人の方に向けて、「経営・管理ビザ」の要件や申請・更新方法、許可されやすくするための方法などを解説します。

経営管理ビザとは?

まずは、そもそも経営・管理ビザとはどのようなものなのかを改めて解説します。

また、ビザとは本来外国人が自国に入国する際に必要となる「査証」のことを指しますが、「経営・管理ビザ」では、在留資格そのものの意味合いを込めて使用されています。

日本で事業を行うために必要な資格

経営・管理ビザとは、一言で言えば、外国人が日本で事業を行うために必要な資格のことです。

経営・管理ビザを取得することで、日本において会社の経営者や管理者の業務にあたることができます。

一方で、会社の経営や管理という重要な業務にあたることから、経営・管理ビザは他の在留資格と比べて申請リスクが高いという特徴があります。

経営・管理ビザの詳細

ここでは、経営・管理ビザのいくつかの詳細な内容を紹介します。

国内資本でも海外資本でも可

2015年以前に関しては、経営・管理ビザを取得するためには、外国資本によって会社を設立することが前提となっていました。

このため、名称も経営・管理ビザではなく、「投資・経営ビザ」と呼ばれていました。

しかし、2015年4月の入管法により外国資本の制限が撤廃され、経営・管理ビザを取得すれば国内資本でも外国資本でも日本で会社経営を行うことができるようになりました。

会社設立前でも取得可能

経営・管理ビザは、会社を設立した前でも、定款や事業計画書など事業開始の旨や事業内容が明らかになる書類を提出することで取得が可能です。

以前までは会社設立後しか申請・取得ができない仕様になっていましたが、短期滞在の外国人は住所登録に必要な在留カードが作れず、住所がないことから会社設立に必要な法人口座の開設ができないという問題から、会社設立前から経営・管理ビザを取得できるようになりました。

在留期間は5種類

経営・管理ビザは在留期間が、5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月と5つに分かれています。

在留期間は希望通りに設定できるわけではなく、経営に携わる予定の会社の事業内容や規模によって入国管理局が総合的に判断します。

新しく会社を設立する場合は、一般的に1年間になるケースが多く、1年たった後はビザを更新する必要があります。

幅広い事業内容が認められている

経営・管理ビザの対象となる事業内容は幅広く、比較的自由に事業を開始することができます。

ただし、飲食店経営などを行う場合、「経営・管理ビザ」では皿洗いやフロアスタッフなどの単純労働を経営者自身が行うことができないため注意が必要です。

ポイント

・経営管理ビザとは、外国人が日本で事業を行うために必要な資格のことである。
・会社設立時の資本は、本国の物でも、日本の物でもよい。
・在留期間は5種類あり、様々な事業内容が認められいる。
・なお、会社設立前でもビザを取得することができる。

経営管理ビザ申請時の要件

新しく経営・管理ビザを取得するための要件は以下の通りです。

事業内容を明示されている

事業内容が不明だったり、安定した収益が見込めそうにない事業の場合は、経営・管理ビザを取得することができません。

まずは事業内容が明確であり、かつ継続して安定した収益が見込めることが大前提です。

このため、経営・管理ビザを申請する際には収支計画や事業構造を詳細に記述した事業計画書を提出する必要があります。

500万円以上の資金があり、2名以上の職員がいる

事業を行うにあたって、500万円以上の元手がないと、経営・管理ビザを申請することは出来ません。

また、この500万円も単に金額の基準を満たせばよいということではなく、出所が明確である必要があります。

また、事業を行うにあたって、申請者一人の会社ではなく、常勤職員2名以上がいることも必要です。

また、この常勤職員は在留資格しかない外国人ではなく、「日本人・特別永住者・永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等、定住者」である必要があります。

事業所がある

実際に事業を行うにあたって事業所が存在することも、申請の要件の1つです。

まだ会社を設立していない場合であっても、事業所を確保してから申請に臨む必要があります。

事業所が存在する、もしくはすでに確保されている証拠として、入国管理局に不動産登記簿謄本や賃貸借契約書を提出します。

ポイント

ビザの申請時の要件は、
・事業内容が明示されていること
・500万円以上の資金があり、2名以上の職員がいること
・事業所があること
の3つがある。

経営管理ビザの申請方法

ここでは、経営・管理ビザの申請方法を紹介します。

必要書類をまとめる

経営・管理ビザを申請するためには、以下のような書類が必要です。

事業計画書

500万円以上の投資があり、またそれに応じた収益が安定的・継続的に見込めるような事業計画書を提出します。

この際、事業の安定性をアピールするため、非現実的な数値を並べ立てるのは絶対にNGです。

入国管理局の職員に、「事業計画に信憑性が薄い」と判断されれば、経営・管理ビザの申請は許可されません。

採用理由書(管理者の場合)

経営・管理ビザを取得できるのは、経営者または経営に関わる管理者です。

特に後者の「経営に関わる管理者」として経営・管理ビザを申請する場合、採用理由書を添える必要があります。

なぜなら、管理者の場合経営者と違って「どう経営に携わっているのか」がわかりにくいからです。

経営に関わる業務ではなく、単なる就労に近いと入国管理局に判断されれば、経営・管理ビザの申請は許可されません。

その他

上記2点の書類に加え、いくつかの申請書を用意します。

下記はその中の例です。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 在留資格変更許可申請
  • 在留期間更新許可申請

詳細は出入国在国管理庁のホームページで確認できます。

書類を出入国在留管理局に提出する

上記の書類が揃ったら、出入国在留管理局に提出し、経営・管理ビザの申請を行います。

ポイント

・ビザの申請には、事業計画書、採用理由書、その他数点の申請書が必要である。
・書類がまとまったら、出入国在留管理局に提出し、ビザの申請を行う。

経営管理ビザ申請時の注意点

経営・管理ビザを申請する際には、以下のような点に注意します。

経営管理ビザの申請は不許可になることが可能性が高いため、できるだけそのリスクを減らすために徹底した対策を行うことが重要です。

行政書士に頼れることを期待しない

一般的にビザの手続き等は行政書士が代行サービスを行っています。

しかし、現状経営・管理ビザの申請代行をしてくれる行政書士は多くないため、行政書士を頼りにせず、自力で申請書類を揃える気概で準備をする必要があります。

十分な立証を心がける

経営・管理ビザは、審査をする入国管理局職員に「怪しい」と思われたら申請は通りません。

このため、提出する書類には十分な立証を心がけましょう。

管理者として申請する際には採用理由書を添付する、事業計画書には計画の根拠となる資料を添付する、雇用する常勤職員の身元がわかる書類を添付する、などあらゆる主張に対して根拠なる書類を付け加える意識を持つことが重要です。

事業内容が法に則っているか確認する

事業内容が詳細に計画されており、安定的な収益が見込めそうな場合であっても、「そもそも事業内容が日本の法に則っているいるか」を確認しましょう。

外国では合法であっても、日本では違法となってしまう事柄も多いです。

ポイント

・経営管理ビザの申請を手伝ってくれる行政書士は少ない
・審査に通るには、これから行う事業を十分に立証することを心がける
・本国と日本では、憲法が異なっている可能性が高いので、事業内容が日本の法律に則っているかを確認する

経営管理ビザ取得後について

経営管理ビザを所得した後のことのについて、以下では、家族滞在ビザの取得や、経営管理ビザの更新を取り上げ、解説していきます。

家族滞在ビザの取得

経営・管理ビザを取得した人は、家族滞在ビザを所得して扶養者を来日させることも可能です。

経営・管理ビザを取得したからといって自動的に家族滞在ビザが発行されるわけではなく、あくまで別の審査となります。

家族滞在ビザを取得するためのポイント

家族滞在ビザを取得するためのポイントは、「家族が本当に扶養下にあるかどうか」です。

基本的には扶養下であれば、年齢に関わらず子供を日本に呼ぶことができますが、子供の年齢が20才に近づけば近づくほど、審査は通りにくくなります。

なぜなら、大人に近い年齢であるため、「日本に来て本当は働くつもりなのではないか」と入国管理局に疑われるからです。

経営管理ビザの更新

最後に、経営・管理ビザを更新する方法について紹介します。

必要書類

経営・管理ビザの更新に必要な書類は以下の通りです。

  • 在留期間更新許可申請(指定書式)
  • 証明写真(直近3ヶ月以内の撮影:縦4cm×横3cm)
  • 前年度の源泉徴収の法定調書合計表(税務署受付印がある分)
  • 直近年度 住民税の課税証明書(市区町村役場発行分)
  • 直近年度 住民税の納税証明書(市区町村役場発行分)
  • 年間投資額説明書
  • 株主名簿
  • 会社名義の銀行通帳(コピー)
  • 更新理由書

更新申請時に気をつけておくこと

更新申請時には、事業の将来性によって許可・不許可が決まります。

事業の将来性においては、単に現状の事業が黒字か赤字か、という点ではなく、今後も継続できるかどうか、という点がポイントです。

この将来性によって、経営・管理ビザが更新される期間が変化します。

ポイント

・経営管理ビザを取得した後は、家族滞在ビザを取得することができる。
・経営管理ビザの更新には様々な書類が必要だが、気を付けておくべきは、事業の将来性を十分に立証できるかである。

日本での会社設立をご検討中ですか?

今回は、経営・管理ビザに関して申請・取得の方法をまとめました。

経営・管理ビザは不許可になる可能性も高い在留資格であることから、申請する際には不備がないようしっかりと準備することが大切です。

しかし、行政書士などは経営・管理ビザの代行に対応していない場合も多く、自分一人で準備を進めるのを不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

経営・財務コンサルティングの専門家である経営サポートプラスアルファであれば、経営・管理ビザの取得に関してご相談に乗ることが可能です。

財務・税務の手続き代行だけでなく、経営コンサルティングも行なっている専門家だからこそ、事業家目線で伴走できるのが強みです。

ご興味のある方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。