株式投資で大きな利益を上げるようになると、税金の問題が浮上します。日本の税制は累進課税を採用しているため、所得が高くなるほど税率も上がります。そのため、一定の利益が安定的に出るようになった場合、法人化を検討することが有効な節税対策となります。
本記事では、株式投資を法人化するべきタイミングや、そのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
株式投資で法人化を検討する目安
法人化を検討するべき収入の目安として、年収1800万円が一つの基準となります。これは、個人の所得税の累進課税と法人税の固定税率を比較した場合、法人化することで税負担が軽減されるためです。しかし、法人化には他にも多くのメリットがあり、単に収入だけでなく、経費の計上や長期的な事業計画を考慮して判断することが重要です。
株式投資で法人化するメリット
1. 節税効果
法人化することで、節税の幅が広がります。まず、法人税は所得税に比べて税率が低いため、年間の所得が高いほど法人化による節税効果が大きくなります。さらに、法人化することで経費計上が認められる範囲が広がり、損益通算や繰越控除なども利用できるため、税負担を大幅に軽減することが可能です。
- 経費計上の拡大: 法人では、事業に関連する支出を幅広く経費として計上できます。たとえば、オフィスの賃貸費用、通信費、交通費、役員報酬などが法人の経費として認められるため、課税所得を大幅に抑えることができます。
- 損益通算と繰越控除: 個人事業主の場合、損益通算ができる所得の種類は限られていますが、法人では全ての事業所得を損益通算することが可能です。また、赤字が出た場合でも、法人では最大9年間の繰越控除が認められており、将来の利益と相殺することで節税効果を得ることができます。
2. 信用力の向上
法人化することで、対外的な信用力が向上します。特に、法人名義での取引は信頼性が高く、取引先からの信用が得やすくなります。金融機関からの融資を受けやすくなり、事業の拡大にもつながります。
3. 資産管理とリスク分散
法人化することで、個人の資産と法人の資産を明確に分けることができ、個人財産をリスクから保護することができます。また、法人の資産として管理することで、相続や贈与の際に税制上の優遇を受けやすくなります。
株式投資で法人化するデメリット
1. 法人税の申告と決算処理
法人化すると、毎年の決算処理と法人税の申告が必要になります。個人の確定申告に比べて、法人の決算処理は複雑であり、専門的な知識が求められます。これに伴い、税理士や会計士のサポートが必要となり、その費用も運営コストとして考慮する必要があります。
2. 住民税の負担
法人では、赤字であっても毎年最低限の住民税(均等割)が課されます。この金額は一般的に7万円程度であり、利益が出ていない年でも負担が発生するため、収益が安定していない場合にはデメリットとなります。
3. 設立と運営のコスト
法人を設立するには、登記費用や定款認証費用などがかかり、さらに法人を運営するための費用も継続的に発生します。これには、事業運営に伴う経費や税務申告にかかる費用が含まれます。また、設立時には一定の手続きが必要であり、時間と手間がかかります。
株式投資の法人化を検討する際のポイント
1. 専門家への相談
法人化は、節税や資産管理の面で大きなメリットがありますが、その一方で複雑な手続きや運営コストが伴います。法人化を検討する際には、まず専門家に相談し、法人化が本当に自分にとって有益かどうかを確認することが重要です。
2. 長期的な視点での検討
法人化は一時的な節税対策としてではなく、長期的な資産管理や事業拡大を見据えた選択であるべきです。短期的な収益だけでなく、今後のビジネスの成長やリスク分散を考慮して判断しましょう。
株式投資で法人化を検討している方は
株式投資で法人化をする目安は、税率や経費の計上など、様々な要因が関わっています。
このため、安易に判断するのではなく、まずは法人に詳しい専門家に相談した上で決断するのが賢明です。
経営サポートプラスアルファは、法人化をサポートする税理士法人です。
提案型のサポートを行うため、法人化においての不明点やお悩みに対して、最適な方法をご提案させていただきます。
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