会社員をしていて不満を抱えている人はフリーランスに憧れるかもしれません。
それではフリーランスと会社員にはどのような違いがあるのか、どちらを選んだ方がいいのでしょうか。
この記事ではフリーランスと会社員についてさまざまな観点から比較します。
目次
フリーランスと会社員の働き方を比較
フリーランスと会社員の働き方について比較しましょう。
会社員は働く場所や労働時間などが決められている
会社員は毎日決まった場所で決まった時間働くことになります。
会社員は基本的には労働条件について決められているからです。
もちろん、営業で外回りをする人やテレワークで在宅勤務をする人などもいます。
多様な働き方を認めている会社もある
最近は国が働き方改革を進めており、そのための環境整備に取り組んだ企業に対して補助金を出すケースが増えています。
多様な働き方は求職者の間でニーズが高く、働き方改革を推進することで企業は優秀な人材を多く集められるようになるのがメリットです。
実際に多くの企業で多様な働き方が認められつつあります。
たとえば、テレワークや時短勤務、副業などを認める会社などが出てきているのです。
会社員は労働基準法による規制を受ける
会社員は会社に雇われる労働者であり、労働基準法による規制を受けます。
労働基準法は労働者が適正な待遇や労働条件で働くことを保障するのが目的の法律です。
そのため、労働時間や休日などの規制があり、労働基準法に違反した働き方は原則禁止されています。
たとえば、労働者が自ら法律の制限を超える長時間労働や休日出勤を望んだとしても、会社はそれを認めるわけにはいかないのです。
フリーランスは働く場所や労働時間などを自由に決められる
フリーランスは誰にも雇われていない存在であり、自分で働く場所や労働時間などを自由に決められるのが特徴です。
パソコンとネット環境があれば仕事ができるフリーランスは多く、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど働く場所を頻繁に変えているフリーランスもいます。
働き方を自由に決めることができ、土日に仕事をして平日に遊ぶというスタイルも可能です。
フリーランスは労働基準法の適用外
フリーランスは労働者ではないため労働基準法の適用外の存在です。
そのため、本人が望めば長時間労働をするのも自由になります。
しかし、無茶な働き方をすると体を壊すため、自己管理が求められるのがフリーランスです。
フリーランスは経理や確定申告などのバックオフィス業務もやらねばならない
会社員は経理や確定申告といったバックオフィス業務はすべて会社側が代行しています。
会社が従業員から源泉徴収をして所得税を代わりに納付しているのです。
一方、フリーランスの場合は、バックオフィス業務はすべて自分で行わなければいけません。
フリーランスは一人で営業から開発、事務、経理などの仕事を担当することになります。
フリーランスと会社員の収入を比較
フリーランスと会社員の収入を比較します。
会社員は決まった給与を受け取れるため安定した収入を得られる
会社員はそれぞれの会社ごとの給与制度にしたがって給与を受け取ることができます。
ほとんどの会社は毎月決まった金額の給与を支給するものです。
そのため、安定した収入を得られます。
会社員は安定した給与が保障されており、ローンを組むときにはフリーランスよりも審査で有利になるのです。
フリーランスの収入は事業の業績に大きく左右される
フリーランスには給与という概念はありません。
事業の売上がそのまま収入に直結します。
そのため、事業の業績が上がれば多くの収入を得ることができるのです。
事業の調子が悪ければ収入は落ちます。
毎月の収入が大きく増減することが多いのがフリーランスの特徴です。
フリーランスは交渉次第で報酬金額を上げることができる
フリーランスはクライアントと契約をして仕事を行い報酬を受け取ります。
その際にはさまざまな仕事の条件を交渉することが可能です。
交渉次第では報酬金額を釣り上げることもできます。
たとえば、クライアントが通常よりも納期の短い仕事を依頼してきたならば、報酬アップの交渉に応じてくれる可能性は高いでしょう。
フリーランスと会社員の保険を比較
フリーランスと会社員の保険について比較します。
会社員は社会保険に加入して保険料は給与から天引される
会社員は社会保険に加入しており、保険料は毎月の給与から天引きされる仕組みです。
また、社会保険料は会社と会社員が半分ずつ支払う仕組みとなっています。
社会保険の加入手続きなどはすべて会社が代行してくれるため、必要な書類を会社に提出するだけで社会保険に加入できる仕組みです。
会社員は健康保険と厚生年金に加入することができ、これらはフリーランスの加入する国民健康保険や国民年金よりも保障が手厚くなっています。
病気や怪我のときの保障は手厚く、将来もらえる年金額もフリーランスより多いです。
会社員は雇用保険や労災保険に加入できて万が一のときにも支援を受けられる
会社員は労働保険に加入することができます。
雇用保険と労災保険に加入でき、これらは万が一の際の保障になるものです。
労災保険に加入していれば、仕事で怪我や病気になったり、死亡したりした場合に保険給付を受けられます。
失業した場合には、雇用保険によって一定期間の給付を受けられるため、当面の生活費の心配はなくなるのです。
フリーランスは社会保険に加入できず会社員よりも保障が薄い
フリーランスは会社員の加入する社会保険には加入できません。
フリーランスは国民健康保険と国民年金保険に加入することになります。
これらの保険は会社員のものよりも保障が薄いのが特徴です。
そのため、フリーランスの方が病気や怪我をしたときや老後の生活のリスクは高まります。
フリーランスは自分で保険に加入しないと事故や失業などで困る
フリーランスは雇用保険や労災保険に加入することができません。
そのため、事故や失業したときの保障が何もないのです。
自分で保険に加入をして将来のリスクに備えておくことが大切です。
フリーランスは小規模企業共済制度で退職金を積み立てられる
フリーランスが将来のリスクに備える方法の1つとして小規模企業共済制度があります。
小規模企業共済制度とは廃業したときの生活資金などを積み立てられる制度です。
フリーランスが退職金を用意するのに利用できます。
掛金は全額所得控除されるため節税効果もあるのがメリットです。
事業資金の借り入れもできます。
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フリーランスと会社員の税金を比較
フリーランスと会社員を税金面で比較します。
会社員は給与所得控除を受けられる
会社員は給与所得控除を受けられるのが大きなメリットです。
自営業者は事業で必要な経費などを差し引きます。
一方、給与所得者には経費を計上する制度がないため、経費を差し引く代わりに給与所得控除が用意されているのです。
給与所得控除は給与所得者に自動的に適用されるものであり、特別な手続きは必要ありません。
収入金額に応じて異なる給与所得控除額が設定されています。
たとえば、年収500万円の場合は、「収入金額×20%+440,000」が給与所得控除額の計算式であり、144万円が控除されるのです。
会社員は会社が申告・納税や年末調整の手続きをしてくれる
会社員は会社が申告から納税、年末調整の手続きまですべて代行してくれます。
そのため、会社員として税金関連の手続きを自分で行う必要はありません。
毎月の給与から源泉徴収されたお金を用いて会社が納税を行います。
源泉徴収は年末調整によって過不足が調整されるため、会社が正確な納税額を納付してくれる仕組みです。
ただし、会社員でも副収入がある場合は、自分で確定申告しなければいけないケースがあります。
雑所得が20万円以上であれば確定申告が必要です。
また、医療費控除やふるさと控除などの適用を受ける場合にも自分で確定申告しなければいけません。
フリーランスは事業で利用したものを経費にできる
フリーランスには事業で利用した支出を経費として計上できる制度があります。
事業売上から経費を差し引いたものが課税所得になるのです。
事業との関連性があれば多くの費用を経費にすることができます。
自宅を事務所代わりに利用している場合は、事業として利用している分を按分して経費計上が可能です。
フリーランスは個人事業税や消費税が発生するケースがある
フリーランスの税金は基本的に所得税と住民税のみです。
ただし、事業売上が上がってくると個人事業税や消費税が発生するケースがあります。
2年前の課税売上高が1000万円を超えると消費税の納税義務が発生します。
また、所得が290万円を超えると、超えた部分について3〜5%の個人事業税がかかるのです。
フリーランスは売上が上がるにつれて税負担が大きくなるため注意しましょう。
フリーランスが節税したいならば会社設立をするという方法があります。
会社設立は経費にできる対象が増えて、法人税の最高税率は所得税よりも低いなどメリットが多いです。
もし会社設立を検討しているならば、経営サポートプラスアルファにご相談ください。
フリーランスは自分で確定申告をしないといけない
フリーランスは確定申告を毎年自分で行う必要があります。
期限までに書類を作成して提出する必要があるのです。
また、確定申告をした後は税務調査を受けるケースがあります。
申請内容が本当に正しいものなのか税務署が詳しく調べるために行うのです。
フリーランスは確定申告を自分自身で行うケースもあれば、専門家に依頼して書類を作成してもらう場合もあります。
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フリーランスと会社員のどちらがいいか悩んだら専門家に相談しよう
フリーランスと会社員はそれぞれ働き方や給与、保険、税金などが大きく異なっています。
人それぞれ考え方が違うため、フリーランスと会社員のどちらが優れているのか一概に決めることはできません。
専門家に相談をして、これからフリーランスになるべきか考えてみると良いでしょう。
事業を始めるためにフリーランスになる場合は、会社設立をするという選択肢もあります。
会社設立を検討するならば経営サポートプラスアルファにお任せください。
会社設立のプロとしてアドバイスからサポートまで行います。