たった一人で仕事をしていくと決心した時、個人事業主のままで事業を継続するのか、会社を設立して事業をするのか迷う場合もあるのではないでしょうか。
一人で会社設立をすることのメリットとデメリットについて正しく知ることで、自分にとって有利な方法で仕事をすることができます。
会社設立の経験がある人は少なく、戸惑いながら自力で必要書類を取得し、書類作成をすることは大きな負担になります。
会社設立に伴う諸々の事柄を専門家に依頼することで解決できることもあるでしょう。
1人でも”社長”になれます
起業を考えている方の中には、1人で事業を始めようという人が多いのではないでしょうか?
実は、株式会社、合同会社、いずれもたった1人で会社設立できます。
株式会社の場合ですと、かつては「取締役3名以上」、「監査役1名以上」の就任が必要でしたが、会社法の施行(平成18年5月1日)以降は役員も取締役一人でOKになりました。
つまり、一人社長として会社設立が可能になったのです。
資本金は1円からでも株式会社を設立することでができますし、昔と比べて随分カンタンに会社をつくれる時代になったのです。
身の回りでも「会社をつくって、一人で社長をやっている」という方を耳にすることが増えてきたのではないでしょうか。
・1人で設立できる会社は株式会社と合同会社の2種類がある。
・資本金がわずか1円でも株式会社を設立することができる。
・会社を設立することは、昔よりも簡単になった。
会社設立するメリット
実際、会社を設立するほうが個人事業主として働く場合と比べて、周囲からのイメージや信頼性は向上すると言えます。
もし全く同一のスペックを有する個人事業主と株式会社があったとしたら、どちらの方が選ばれるでしょうか。
おそらくは後者です。
なぜならば、法人格であることが取引条件として掲げている企業は決して珍しくないからです。
取引先の幅が広がりやすいという面では、会社設立するメリットとして挙げられます。
取引先が増えていけば利益も増加傾向になりますが、その時に気になってくるのが税金です。
実は税金面から考えても法人化した方がメリットは大きくなります。
とはいえ、利益が出ていない場合であれば、個人事業主の方が有利です。
ただし、一定の利益が出ていてる場合では、1人でも会社設立をした方が節税できる可能性があります。
他にも税金の計算の仕方の違いや、個人事業主では経費にできないものが経費にできるといったこともあります。
したがって、相対的に税金的なメリットがあることが多いです。
会社設立するメリットをまとめると以下の通りです。
- 信頼を得やすい
- 会社設立した方が節税になる場合がある
何も1人代表だから享受できるメリットではないのですが、”知らない”ことで損することがないようにしてください。
・同じ事業をする場合、個人事業主よりも会社を設立した方が、信頼性が向上する。
・取引相手の中には、個人よりも法人を優先する企業がある。それだけ取引の幅が広がるため、事業を軌道に乗せやすい。
・事業が順調に伸びて利益が増えていく場合は、法人にした方が税金面で有利になる。
会社設立するデメリット
それでは逆に会社設立するデメリットを見ていきましょう。
まず、社会保険に加入することによる負担が発生します。
1人で会社設立をしたとしても、役員報酬を受け取るとなると社会保険に必ず加入しなければなりません。
社会保険に加入となると、今までにはなかった負担が大きくのしかかってきてしまいます。
次に、会社設立をして法人化することで、会計処理が煩雑になります。
個人事業主のときの確定申告の延長で「大丈夫です。自分でやります!」という方もいらっしゃいます。
しかし多くの場合は決算書作成の段階で慌てて税理士にヘルプを求めています。
それほどに会社設立をすると、経理や会計処理が煩雑になるのです。
そして経理・会計処理が複雑になるので、9割以上の法人が税理士などの専門家に依頼しています。
実際問題として不可避な費用ではありますが、今まで支払っていなかった場合であればデメリットと言えるかもしれません。
税金面は会社設立によって節税の可能性があることを述べましたが、実はデメリットもあります。
個人事業主の場合は利益が出ていなければ税金は発生しないですが、会社になると利益が出ていなくても最低7万円法人住民税を払わねばなりません。
会社設立するデメリットをまとめると以下の通りです。
- 社会保険加入による負担
- 会計処理の煩雑化
- 税理士などへの費用発生
- 赤字でも税金がかかる
個人事業主のときには発生しなかったコストがかかってくるという点がデメリットと言えるでしょう。
・会社設立をすることで、社会保険への加入が義務付けられるため、保険料の負担が増える。
・法人の会計処理が複雑になるため、個人での対応では厳しく、税理士に依頼せざるを得なくなる場合もある。
・個人事業主は、利益が出ていないと税金は掛からないが、法人になると利益が出ていなくても、最低7万円の法人住民税を払う必要がある。
ひとりで会社設立をする際は、合同会社と株式会社のどちらが良い?
ひとりで会社を設立する場合、合同会社と株式会社どちらで設立するべきか悩んでいる人がいるでしょう。
合同会社の場合には、出資者=社員となりますが、株式会社の場合は出資者と経営者が別人です。
ひとりで会社を設立するという観点で考えたときに、両者とも特に変わりはないですが、今後の方向性を踏まえて選択することが大切でしょう。
それぞれのメリット、デメリットを踏まえて会社の形態を選択することが大切です。
合同会社にした方が良いケース
合同会社は、少数での事業や一人で自由に事業を行いたい人に向いているでしょう。
株式会社の場合、出資者に自分以外の人物を選ぶ必要があるため、出資者との濃密なコミュニケーションや協力が必要であるためです。
さらに、設立に関する費用が合同会社の方が安く抑えられるため、予算を抑えた経営をしていきたいという場合、合同会社の方が向いているでしょう。
株式会社にした方が良いケース
株式会社は将来的に上場をしたい、規模を大きくしたいという希望を持つ方に向いているでしょう。
世間的に認知度の高い会社形態であるため、株式会社の方が、取引や契約を行いやすいです。
「合同会社」という形態に対して、世間の認知度は高いとは言えないでしょう。
取引先との契約は、株式会社に限定しているという企業も存在するため、様々な会社を巻き込んでビジネスを発展させたい場合は、株式会社が向いているでしょう。
・合同会社と株式会社のメリット、デメリットを踏まえて選んだ方が良い。
・合同会社は世間の認知度が低いものの、設立費用が安く自由度が高い。
・株式会社は世間に認知されているため、取引や契約を行いやすい。
まとめ
大局的な面で見ますと、やはり会社設立をして法人化したほうがメリットは大きいのではないでしょうか。
ただし当然に会社設立すること自体も含めてコストがかかる話ですので、ご自身のビジネスの状況によるところでメリットの大きさが変わってきます。
その点は、会社設立を代行している税理士などの無料相談を利用して見極めていきましょう。
最ももったいないのは、1人だからといって、会社設立のコストがかかるからといって、会社設立を選択しないことです。
ご自身のビジネスがある程度の売上を生み出しているのであれば、ひとり代表として会社設立を検討してみてはいかがでしょうか?尚、安く会社設立する方法は以下の記事にまとめていますので、ご参考ください。