不動産投資で管理する物件が多くなると税金の問題から法人化することがあります。
もちろん、投資規模が大きい場合は、法人化をした方がメリットが大きいことが多いです。
しかし、不動産投資で法人化をしない人もいる理由を知らないと法人化すべきか判断できないでしょう。
そこで、この記事では不動産投資で法人化しない人がいる理由や不動産投資で法人化するのに役立つ資格についても紹介します。
不動産投資で法人化するのに役立つ資格
不動産投資で法人化するのに役立つ資格には、以下の4つがあります。
- 宅地建物取引士
- ファイナンシャルプランナー
- 管理業務主任者
- 不動産鑑定士
宅地建物取引士
宅地建物取引士というのは、宅建と言われる資格で、主に不動産会社で賃貸物件や売買物件の仲介を行う際に必要な資格になります。
宅地建物取引士の資格を持っていることで、これらの業務に占有的につけるだけではなく、不動産投資であっても宅地建物取引士の資格が有効でしょう。
宅地建物取引では、賃貸物件や売買物件について学ぶだけではなく、契約についてメインで学ぶことになります。
そのため、自分が不動産を購入する際に必要になる知識も得られるということです。
例えば、不動産を購入する際に関連する法案があったり、重要事項などもあります。
それらの事項を事前に知っておくことで不動産投資であっても、損をなるべく小さくすることができるでしょう。
このように、宅地建物取引士の資格を持って知識を身に付けることで、不動産売買などをした際に自分が損をしないようにすることができます。
また、宅地建物取引士の資格を持っていることで、賃貸物件の仲介業務を行うことが可能です。
そのため、自社で管理・保有している物件が多い場合は、宅地建物取引士の資格を使って不動産仲介業者を開業するのも1つの手段でしょう。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは、FPと言われる資格でお金関連の知識を身につけるのに非常に役立つ資格と言われます。
特に、不動産投資のように投資の場合はファイナンシャルプランナーの資格を持っていることで、効率的に投資ができるだけではなく、自分の人生設計も行うことが可能です。
例えば、不動産投資で法人化をする際に、いつまで不動産が投資で生計を立てられるのか不安な部分も多いでしょう。
それ以外にも、不動産投資をする中でどのような物件に対して投資をすればいいのか、自己資金をどのくらいの割合で投資すればいいのかなど不明な部分も多いです。
もちろん、この部分には正解はありません。
しかし、ファイナンシャルプランナーでは投資の際にはどのようにしたらいいのか、その他にもお金を維持する、増やすためにはどのようにしたらいいのかの知識を得られます。
また、不動産投資で法人化する際にファイナンシャルプランナーの資格を持っている方がいい理由がアドバイスです。
不動産投資だけではなく、不動産投資をしたい人に対してのコンサル業務、セミナーなどを開催していきたい場合はファイナンシャルプランナーの資格を持っておくことで、よりお客様に対して信頼度を増すことができます。
管理業務主任者
管理業務主任者とは、マンションの管理をする際に必要な国家資格になります。
不動産投資の中でも、マンションを一棟を購入し、そこの管理を自分で行う場合は管理業務主任者の資格を持っていると、自分でもマンションの管理をすることができるので、経費を抑えることができるでしょう。
管理業務主任者は、マンションの管理における重要事項や管理業務の報告のために設置された資格です。
管理業務主任者の資格は、年に1回の試験で合否が決まります。
合格率は50%前後です。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の価値を判断するための資格です。
不動産鑑定士の主な活躍場所は、住宅価格の判断や不動産を証券として販売したい場合の価値判断などになります。
そのため、不動産鑑定士の仕事はどちらかというと、不動産そのものの価値を見極めるための専門家と言えるでしょう。
不動産鑑定士の資格は、不動産投資として法人化をするのであれば取得しておいた方がいい資格のひとつです。
不動産鑑定士の資格を取得しておくことで、自分で不動産の価値を判断することができます。
特に、不動産鑑定士は不動産の価値判断の専門家としての役割が大きく、不動産鑑定士の資格を持って不動産の価値を見極めることができるようになると、自分が損をしないように物件を購入できるだけではなく、投資対象として収益性の高い物件を自分でも見極めることができます。
不動産鑑定士は、中古物件に対しての投資をメインに行いたい場合などには、非常に有効な資格です。
不動産投資で法人化しない理由とは?
不動産投資で法人化しない理由には、以下の3つがあります。
- 登記の変更が面倒
- 運営コストがかかる
- 減価償却のメリットがない
登記の変更が面倒
不動産投資で法人化をする際には、所有している物件の登記の変更が必要です。
法人化をするにあたって、個人の物件は法人名義に変更する必要があります。
これは、個人の財産と法人の財産を分ける必要があるからです。
つまり、法人として不動産投資を行っていきたい場合は、個人として保有していた不動産の登記を変更して、法人のものにしなくてはいけません。
この過程のなかで登記の変更が必要になり面倒くさいと感じてしまう人も多いです。
特に、個人として数十物件を管理している場合は、登記の変更だけでも時間がかかってしまうことがあるので法人化をしないという事例もあります。
運営コストがかかる
不動産投資で法人化をすることで、運営コストがかかるというのも法人化をしない理由の一つです。
株式会社の場合は設立のための法定費用のみで20万円、合同会社の場合でも6万円がかかることになります。
その他にも、決算処理を税理士に頼む場合は決算処理の代行で10万円から20万円程度かかることも多いでしょう。
それ以外にも、税理士の顧問料や弁護士なども手伝ってもらう場合は弁護士の顧問料、そのほかにも様々な所に費用がかかってくるのが法人というものです。
もちろん、法人化をすることで法人税率を利用することができるなどメリットがあるのも事実でしょう。
ただし、運営コストがかかるというのも事実で、固定費が高くなってしまうのも法人化のデメリットです。
そのため、不動産投資でも法人化をしないことがあります。
減価償却のメリットがない
法人化をすることで減価償却のメリットがなくなるというのも、法人化をしない理由の一つです。
個人で物件を所有している場合は、減価償却費を経費として計上して、給料から引かれる税金を抑えることができます。
具体的には、会社から給料をもらっている場合、所有している物件の減価償却費を経費として計上することで結果的に給料から引かれる税金を抑えることが可能です。
これは、個人の場合は給料と不動産などで得たものを合算して考え、そこで使った経費についても合算して考えることができるため。
つまり、不動産を保有して減価償却費があることで、収入から経費を引いた所得の分が小さくなります。
その結果、税金として納める金額を少なくすることが可能ということです。
ただし、これは給料として毎月数百万円をもらっていて税率が最高税率の55%に近い人にとっては有効な方法ですが、税率が30%前後の場合はそこまで税金的に大きなメリットがないこともあります。
不動産投資で法人化するメリットとは?
不動産投資で法人化するメリットには、以下の3つがあります。
- 相続がしやすくなる
- 給与など経費にできるものが多い
- 融資を受けやすくなる
相続がしやすくなる
不動産投資で法人化をすることで、相続がしやすくなるというメリットがあります。
株式会社として設立する場合、相続する場合には株式だけを相続すれば会社自体も相続することが可能です。
このように簡単に相続できるのが不動産投資で法人化するメリットになります。
特に、不動産投資の場合は短期間ではなく長期にわたって投資をすることが多く、その過程の中でどうしても物件を所有したまま亡くなってしまう可能性も高いでしょう。
このような場合にも、個人で物件を所有しているのではなく法人として物件を所有しているのであれば、相続をする際にも会社をそのままご遺族に相続すれば大丈夫なので、相続のスピードが格段に早くなります。
給与など経費にできるものが多い
不動産投資で法人化をすることで、自分に対して支払った給料などを経費にすることが可能です。
不動産投資の場合、家賃収入という形で収入を得ていることがほとんどでしょう。
それ以外にも、不動産投資のアドバイザーやコンサルタント、セミナー開催などで収入を得ている場合もあります。
このようにいろんな場面で収入を得ると、個人事業主の場合はそれらを全て自分の収入として計上する必要があります。
一方で、個人事業主の場合は自分に支払った給料は経費として認められません。
また、家族に対して給料を支払っても経費として認められない可能性が高いでしょう。
しかし、法人の場合は自分に対しての役員報酬も経費として計上できるだけではなく、家族に対しての給料を経費として認められる可能性も高いです。
融資を受けやすくなる
法人化することで融資を受けやすくなるというメリットがあります。
不動産投資の場合、全額自己資金で行うことは少なく、銀行から融資を受けた上でレバレッジをかけて投資していくことがほとんどでしょう。
このような場合に、法人化していることで銀行から融資を受けやすくなるというのが大きなメリットです。
もちろん、法人化をしているだけで融資が簡単に受けられるわけではありません。
ただし、個人事業主と比較して法人の場合は、法人としての情報が公開されていることや過去の決算などを見て実績を判断できることなどから、融資を受けやすくなるというのも事実です。
そのため、融資を受けてさらに事業を拡大していきたい場合は、法人化をするのを考えると良いでしょう 。
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まとめ
不動産投資で法人化するかどうかは、税金やすでに所有している物件数などから決めるといいでしょう。
また、不動産投資で利益を出していても、法人化しない人がいるのも事実です。
経営サポートプラスアルファでは、個人でも法人でも独立を少しでも考えている人のご相談に乗らさせていただいております。
相談は何度でも無料なので、お気軽にご相談ください。