ショールームと聞くと、家具や家電の展示をイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかしそれだけではありません。
ショールームは、展示をする場所を広く指しています。
内装はジャンルそれぞれで違いますが、目的は同じ。
集客と商談の成立につなげることです。
今回は、ショールームの内装について、デザインを決めるためのポイントをお伝えします。
Contents
ショールームとは
ショールームとは、家具や家電などを実際に見てもらい、実演や体験を通して商品の購入を検討してもらう場所です。
ショールームはわたしたちが気軽に行ける場所ですが、設置や設営にはお金がかかります。
種類も多様で、それぞれ展示方法が異なるので、内装のデザインも変わるのが特徴です。
ショールームの意味
ショールームの意味はこのような説明がされています。
自社製品を展示して、多くの人びとに広めるための場所、または部屋。 展示のみに止まらず、その場で試用、試看、試食などをさせたり、実演したり、または即売や商談を行うこともある。 |
よく見かけるのが家具やキッチンです。
自社の家具やシステムキッチンなどを、実際に自宅に取り付けたようなレイアウトで並べることで、お客さんの購買意欲を高めます。
- 実際に触れて質感を確かめてもらう
- 持つ、座る、立つなどをして使い心地を実感してもらう
- 家においたときのイメージを高めてもらう
など、実生活に取り入れたときにどのようなイメージが湧くかを想像するために必要なのです。
家で使っている想像ができれば、購入を検討する可能性は格段に上がります。
キッチンなどの設備であれば、ほとんど購入を検討しているときにショールームの見学に来ることもあります。
使いやすさと生活への取り入れやすさを感じてもらうことが、ショールームを行う意味です。
ショールームの種類と金額
ショールームには、家具や家電のみならず、たくさんの種類があります。
種類と、それぞれショールームが完成するまでにどのくらい金額がかかっているのかを表にまとめました。
ショールーム | 詳細 | 金額(相場) |
---|---|---|
住宅メーカー | キッチンやバスルームなど、部屋の一部を展示した部屋。スペースが限られている場合は見た目や模型をおくこともある。 | 300~500万円 |
家具メーカー | 家具を組み合わせ、ひとつの部屋として展示する。ソファーとテレビ、ベッドなどを使って生活感のある空間を作り出す。 | 100~200万円 |
車 | 車を中心において存在感を出す展示方法が一般的。車体や座席の見た目やスペックが見やすい広さを確保し、広い場所で行う。 | 400万円以上 |
モデルハウス | 主に一軒家を展示するときの方法。実際に中に入ることで、明るさや過ごしやすさが確認できる。部屋数や広さなどから、住むイメージが付けやすい。 | 800万円前後 |
住宅に関わると、規模も大きくなっていくので、ショールームを作る費用も高くなります。
車も、高価な商品であり広いスペースが必要なので、値段が上がるのです。
ショールームの多様化
近年、ショールームも多様化しています。
実際に来店しなくても、オンラインで家具の配置や車のスペックが確認できるようになったからです。
3D機能やバーチャル空間の発展など、テクノロジーの発達に伴って変化したショールーム。
VRやARを使えば、自宅に家具を実物大で置くことも可能です。
寸法を測って店に行ったとしても、どうしても店の広さが情報として入ってきます。
思ったよりも大きかった、小さかったなどの後悔も経験があるのではないでしょうか。
特にARでは、スマホと連動して、今ある景色に投影することができます。
家具や家電だけでなく、車のサイズ感なども視覚的に確認できるのがポイント。
外出する機会がない場合や、遠方にいる場合、時間が作れない場合でも簡単にショールームを見学できます。
このように、テクノロジーの発達によって、ショールームのあり方は多様化しているのです。
実際に実物を確認できる店舗のショールームと、サイズ感や自宅でのなじみ方などがその場でわかるバーチャル空間のショールーム。
バーチャル空間にならって、スタイリッシュな店内を意識したデザインも注目されています。
ショールームの内装で押さえたいポイント
ショールームの内装を作るとき、押さえたいポイントは以下の3点です。
- 入りやすい雰囲気
- 誰もが心地よいと感じる空間
- AIDMAの法則
多くの人に気になってもらい、ふらっと立ち寄ってもらうことで商品を宣伝できるのがショールームです。
購入するつもりはなくても、試してみたいという人は多いので呼び込めるチャンスを作りましょう。
入りやすい雰囲気
ショールームに大切な要素として、入りやすい雰囲気があります。
商品が気になっても、営業しているのかわからなければ入店しようと思いません。
展示に重きをおきすぎて、展示物として成立している場合も、ウィンドウショッピングで終わってしまいます。
せっかく興味を持った人がいるにも関わらず、もったいないです。
照明や内装の色を工夫して、誰もが入店しやすい雰囲気を作りましょう。
◆展示場所が程よく明るい照明で照らされている
◆店舗入口が暗すぎない
特に明るさは、第一印象を決めます。
初めて入店する場所ならばなおさら、第一印象をよく見せる明るさにしましょう。
さらに、生活感や体験スペースを設けるなど、 私たちが興味を持ちそうなポイントを作ることもおすすめです。
誰もが心地よいと感じる空間
誰もが心地よいと感じる空間を目標にすることも重要なポイントです。
人それぞれ心地よいと感じる感覚は違いますが、リラックスできる空間、ホッと一息つける空間はあります。
家具であれば、イスやソファーを積極的に設置する、シングルソファーがあるとくつろぎやすいです。
キッチンやバスルームなどのショールームでも座れる場所を用意すると良いでしょう。
私たちは座ると自然と安心感を覚える傾向があります。
体の力が抜けて、楽だと感じるからです。
休むポイントがあると、長居をするきっかけにもできるので、店内にいる時間を長くできることもメリット。
立ちっぱなしでは、1点だけ見て次の場所へ行ってしまうことやそのまま帰る流れにつながります。
座ることでリセットでき、もう少しショールームを見て回ろうと思わせられるのです。
長くいられる空間は心地よい空間に結び付けられます。
結果的に、次回来店時に購入を検討してもらえるお客さんも増えるのでおすすめです。
AIDMAの法則
AIDMAの法則を利用すると、さらなる集客が見込めます。
AIDMAの法則とは、”アイドマ”と読み、消費者が商品を知ってから購入にいたるまでの流れを法則化したものです。
それぞれの段階の頭文字を順序で並べてAIDMAの法則と名付けられました。
◆AIDMA:段階➡行動 |
---|
◆Attention:認知➡知る ◆Interest:感情➡興味が湧く ◆Desire:感情➡ほしいと思う ◆Memory:感情➡記憶に残る ◆Action:行動➡購入する |
初めて聞く言葉である人も多いでしょう。
しかし、難しく考えず想像してみてください。
自分がほしいと思ったものをどのように手に入れているかを。
ほとんどがAIDMAの法則に従って購入しているのではないでしょうか。
ウィンドウショッピングやネットサーフィンを通して商品を知り、CMなどで何回も目にする。
自然と興味がわき、購買意欲につながります。
ショールームでも、商品に触れてもらうことは最初のAttentionにあたります。
その後、興味が湧く期間を経て、再び訪れるときには購買意欲があるという流れです。
このように、心理的な法則もショールームに利用できます。
内装デザインで気をつけること
内装デザインを決める場合に気をつけることを紹介します。
- きれいにまとめすぎないこと
- ブレないコンセプト
- アピールのし過ぎ
これらに気をつけて、宣伝として、消費者の購買意欲を高められる場所として、機能するショールームを作りましょう。
きれいにまとめすぎない
きれいにまとめすぎないことは大切です。
きれいにまとめすぎてしまうと、ひとつの見せ物として完成してしまいます。
見るだけで満足すると、体験したい、試食したいなどの欲求にはつながりません。
眺めるだけで完結してしまっては、興味を持って次のアクションを起こしづらくなります。
そこで、人がその場所に立って初めて完成する空間を作るのが大切です。
体験して、経験して、見て、触れて初めて完成するために、どのような空間を作ればよいのか。
これを解決できる内装を考えていきましょう。
AIDMAの法則のきっかけづくりとしても有効です。
あえて不完全にすること、きれいにまとめすぎないことで、お客さんの興味をひくと良いでしょう。
ブレないコンセプト
ブレないコンセプトで勝負することもポイントです。
ショールームとして売り出したい商品ばかりを並べても、コンセプトがなければただの展示になってしまいます。
物が置いてあるだけでは、これもまた、人は流して見るだけです。
興味をわかせることが重要。
コンセプトがしっかりしていると、展示する商品の見せ方がわかります。
メリットや魅力が伝わると、お客さんは興味を示してくれて体験や購入につながります。
空間の統一感も出せるので、居心地の良い空間としても完成できるのがポイント。
内装のアイデアがまとまらない場合は、コンセプトを改めて考えてみると良いでしょう。
コンセプトがブレないことで、採用する商品や小物などにも違いが出ます。
商品を生かすことだけを考えているのとは違った生かし方ができるのでおすすめです。
アピールのし過ぎ
アピールのし過ぎにも注意しましょう。
ここでいうアピールとは、紹介したい商品だけを並べるということ。
紹介したい商品を並べるのは、ショールームなので当たり前ですが、ほかのラインナップにも気を配ることが必要です。
キッチンにベッドが置いてあると違和感があります。
バスルームにキッチン用品が展示されているのも違和感があります。
ここまでわかりやすい誤りは起こりにくいですが、商品の分類は正しく行うことが大切です。
おすすめ商品で、同じ時期に発売された商品でも、ジャンルや使い方によって展示する場所には気をつけましょう。
アピールのし過ぎは、商品は知ってもらえても購買意欲にはつながりません。
内装のデザインとしては、
・内装をブースごとに変える
・ひとつの空間に複数の展示場所を作る
で解決できます。
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まとめ
ショールームの内装は、誰もが入りやすくコンセプトがしっかりとしている空間が良いです。
統一感があれば、心地よいと感じてもらえる人も多くなります。
誰もが心地よいと感じる空間は、リラックスできる、一休みできる空間です。
購入までのスピードを重視するのであれば、AIDMAの法則を使って内装を考えても良いでしょう。
内装デザインは、こだわりが強くなりがちで費用がかさみやすいです。
誰もが入りやすい空間にするためのデザインにこだわると、それだけでこだわりが強くなります。
費用も相場で100万円単位と高額です。
支払いは、リースで支払うことで、金銭面の負担を減らしてみてはどうでしょうか。
銀行の融資よりも早く審査結果がでるので、工事までの期間も短いのが特徴です。
どれだけこだわって高額になっても、毎月少額ずつの返済ならば苦しくありません。
ぜひ内装工事リースを検討してみてください。