飲食店を始める場合に必ず必要なのが、厨房設備です。
飲食店営業申請にも、厨房設備が備わっていることを示す書類の提出が必須です。
営業前に厨房設備を設置しておく必要がありますが、いきなりすべてを新品でそろえることは難しい場合もあります。
すべてを新品でそろえなくとも、中古で安く購入できる設備もあるため、中古を購入することも検討してみてはいかがでしょうか。
今回は、中古で厨房設備を購入する際のメリットとデメリットをお伝えします。
Contents
厨房設備とは
厨房設備とは、厨房の中に設置する調理に必要な設備をいいます。
用語として定義はなく、一般的に使用される機器や設備を総称して使われている言葉です。
飲食店によって使う設備は違いますが、営業を始めるために設置が義務付けられている厨房設備は3点あります。
衛生面を考えて、営業形態やジャンルに関わらず設置が必要です。
厨房設備の一例
厨房設備の一例は次のとおりです。
これらの中から、自分の店に必要な機器を選んで設置します。
調理台/シンク/冷蔵庫/冷凍庫/食器棚/コンロ/ガスオーブン/食洗機/給湯設備/手洗い場/換気扇/作業台/製氷機
大きさが大きい機器や、設置工事が必要なものを主に厨房設備として扱います。
飲食店を開くにあたって、調理スペースを整備することはマストであり、できればプラスアルファで整えておきたい設備でもあります。
店のコンセプトや営業形態、厨房の広さによって規模を小さくする必要がある場合もありますが、いずれも調理には欠かせない機器です。
この他にも、パントリーや食器などの細かな備品も準備が必要でしょう。
厨房を稼働、使用させるために必要な機器や備品は数が多いです。
設備を整えるには時間とお金がかかるので、必要な厨房設備をリストアップしておきましょう。
営業を始めるために必要な厨房設備は3つ
飲食店として営業を始めるために必要な厨房設備は3点あります。
いずれも設置が義務付けられている設備なので、どの飲食店でも準備をすることが必須です。
それが以下の3点。
厨房設備 | 理由 |
---|---|
手洗い場 | 調理者の衛生を保ち、食品を汚染しないために必要。 シンクとは別に、手を洗う場所を設けて手指衛生につとめる。 |
シンク | 食材や調理器具を洗うために必要。 不潔・清潔や、食材・食器などでエリアをわけられる2層式が好ましい。 自治体によっては1層式でも設置してあれば営業できるという場所もある。 |
戸棚付き食器棚 | 食器の衛生、ホコリがつかないように食器を保管しておける場所が必要。 他の食材や調味料が付いてしまう可能性も避けられる。 戸棚付きであれば地震などの災害被害も最小限に抑えられる。 |
作業場には、食品、器具、容器包装等を洗浄するために適した流水式の洗浄設備を設け、必 要に応じ、消毒設備または温水の供給設備を設けること。 作業場には、従業者専用の手および指を洗浄するための消毒剤を備えた流水式の手洗い設備 を設けること。(構造 11項・12項) 調理室には、二槽式以上の洗浄設備を設けること。ただし、知事が特に認める特殊な業態にあっ ては、この限りでない。 (飲食店営業及び喫茶店営業 2項) 器具(機械を除く。)および容器包装を衛生的に保管することができる設備を設けること。(食品等の取扱いの設備 2項) |
3点は、食品衛生の観点から設置が義務付けられていますが、おもてなしや災害時のリスクヘッジの観点からも準備をおすすめします。
安全かつお客さんに気持ちよく食事をしてもらえるように工夫することで、人気上昇につなげることが可能です。
店の繁栄に貢献できる設備なので、先行投資しておいて損はないでしょう。
また、飲食店を運営していくためにはずせない厨房機器はこちらです。
・冷凍庫
・冷蔵庫
・作業台
・ガスコンロ/ガステーブル
・製氷機
・食洗機
食材の保存や調理にかかわる設備で、どれもほとんどの飲食店に設置してあります。
食洗機は、店の規模によって使用しない場合もありますが、効率を考えると設置しておいたほうが良い設備です。
人件費を浮かすことや作業効率の上昇につながります。
中古購入がいちばん安価
厨房設備をリストアップしたあと、必要な設備の多さや金額の心配が浮上することがあります。
このとき考えてほしいのが、中古で設備をそろえるということ。
当たり前ですが、すべて新品でそろえるよりも、中古でそろえたほうが安いです。
店舗の家賃や内装工事費で初期費用がかさんでしまった場合には、中古で設備をそろえることで予算内に納められます。
価格に幅があるので、最新機種にこだわらない場合は価格から機器を選んでいくのもひとつの方法です。
中古の厨房設備を扱っている会社もいくつかあるので、ほしい機種の価格比較ができるのもおすすめできるポイント。
賢く設備を整えていきましょう。
中古の厨房設備を買うメリット
中古の厨房設備を購入するメリットは大きく分けて4点あります。
- 安く購入できること
- 大きさやメーカーが比較しやすいこと
- 納期が早い
- 使い慣れた製品を購入できる
これらのメリットを具体的に解説していきます。
安く購入できる
中古の厨房設備を購入するメリットといえば、まず思い浮かぶのが、安く購入できることです。
中古なので新品よりも安く買えることは明白ですが、型落ちしていたり中古という言葉のイメージから避けてしまうこともあります。
しかし、初期費用を抑えるにはもってこいの手段。
中古とはいえ、すべてが使用されてから10年以上が経過している備品、というわけではありません。
発売や購入から3年以内の備品もあり、見た目もスペックも比較的新しいものがたくさんあります。
購入する機器に求める条件に合えば、最新機種よりも安く購入できるのです。
大きさやメーカーなど比較しやすい
中古品は、大きさやメーカーなどの比較がしやすいです。
新品は、メーカーごとにパンフレットやホームページを出して、スペックや値段がわかります。
一方で中古品は、リサイクルショップが一元管理していることが多いので、同じカテゴリーの違う商品との比較がしやすいです。
冷蔵庫を例に取ってみましょう。
A:有名メーカーの冷蔵庫/Bよりもやや値段はするが、最新型よりは安く買える
B:Aと同等の機能を持った冷蔵庫/メーカーのネームバリューがない分値段が安い
新品であればそれぞれを購入する場合、各メーカーのサイトからの購入がメインでしょう。
リサイクルショップであれば、このような比較ができるので、自分が欲しい冷蔵庫がメーカー品なのか機能重視なのかがわかります。
同じサイトから自分が探しているものが見つけられるので、より合った厨房設備を揃えることができるのです。
納期が早い
中古品は納期が早いこともメリットです。
中古で販売されているものは、すでに商品があるから販売されているものです。
在庫があるので、その分早く届きます。
新品は、受注生産や取り寄せに時間がかかることがあります。
会社や配送状況によりますが、希望の時期に届かないことも考えられるので、確実に商品のある中古は安心です。
配送するだけであり、日本国内に商品があるので、納品時期も早くすることが可能。
スピーディーな開店準備や移転作業に合った納品が叶います。
使い慣れた製品を購入できる
中古であれば、使い慣れた製品を購入できます。
これまで使っていた設備を買い替えるとき、できれば同じものを使用したいと思ったことはないでしょうか。
使い勝手がわかり、作業も流れるようにできるので、好んで使っているという店もあるでしょう。
長く使っていると、手が覚えていて考えなくても使いこなせている厨房スタッフも現れるほどです。
新品に買い替えると、モデルチェンジが行われていて仕様が違うことがあります。
中古品であれば、同じ型で性能の良いものが見つかるかもしれません。
業務用の設備は長く使うことを想定して、長期間使用できる製品が多いです。
そのため、慣れ親しんだ製品を引き続き使いたいという、こだわりを持つ人がいてもおかしくありません。
使い慣れた設備が再び使えるようになることは、中古品購入のメリットです。
中古の厨房設備を買うデメリット
中古の厨房設備を買う場合、デメリットはあります。
新品でも中古でも、商品にはデメリットが必ず存在します。
- 傷や破損がある
- 型落ちで修理が難しい場合がある
- 清潔感に欠ける
中古品の代表的なデメリットです。
メリットとデメリットをあわせて考えて、自身が開業・運営する飲食店にとって必要な設備なのかを吟味する材料にしてください。
傷や破損がある
中古品は、一度使われたものです。
そのため、製品に傷や破損が見られる場合があります。
・傷が目立つところにある
・破損している程度が大きい
・機能が落ちている
これらの傷や破損によって価格が安くなるので、年式が新しくても安すぎる製品は注意が必要かもしれません。
機能が落ちている場合、どの程度落ちているのかは確認しましょう。
開業する店舗で使うときに十分なパフォーマンスができているか把握して設置しなければ、短いスパンで買い替えが必要です。
せっかく費用を抑えて初期設備を整えたはずの厨房設備でも、傷や破損によって短期間しかつかないケースもあることは、デメリットと言えます。
型落ちで修理が難しいことも
中古品には、型番が古すぎて修理が難しいケースがあります。
最新の製品は絶えず生産されます。
モデルチェンジや性能の向上のために、古い型番が生産中止になることはめずらしくありません。
・生産が終了していて修理ができない
・年数の経過による経年劣化で修理や保証の対象外
・メーカーが修理を請け負っていない
などの可能性があります。
厨房設備は長く使える設備が多いため、リサイクルや中古品が使える反面、いざとなったときに頼れる先がない可能性を知っておきましょう。
中古品でも比較的新しいモデルであれば、長期間の使用が可能なことや、修理の対応が可能なケースが多いです。
販売から年数が経っている設備を導入する場合には、型落ちで修理が難しいことも把握して導入することをおすすめします。
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中古の厨房設備にもリースが使える
中古の厨房設備を購入する場合でも、すべての設備をそろえれば費用が膨らみます。
中古でそろえる厨房設備を、より安く使えるシステムを知っていますか?
それは、厨房設備をリースで使うことです。
厨房設備を整えるための費用は、内装工事費用としてリースが使えます。
設備費用をローンとして分割し、月々で返済します。
一括で払わなくて良いので負担は圧倒的に少ないです。
手元に資金を残したまま設備が整えられるので、使いたかったモデルも諦めることなく購入できます。
リースであれば、所有権は自身にあります。返済が終わったあとも継続して設備を使い続けられることがメリットです。
中古でも費用を支払うことが難しい人や、手元に資金を残したい人はぜひ検討してみてください。
まとめ
厨房設備を中古で買う場合のメリットとデメリットについて解説しました。
厨房設備として必ず配置するように定められている、手洗い場/シンク/戸棚付き食器棚3点の他に、冷蔵庫・冷凍庫やコンロ、食洗機なども必要です。
準備する設備が多いため、費用を抑えられる方法を見つけたいのも本音でしょう。
そのため、中古で設備をそろえるという選択はどうでしょうか。
メリットは、
- 安く購入できる
- 大きさやメーカーなどが比較しやすい
- 納期が早い
- 使い慣れた商品を購入できる
デメリットは、
- 傷や破損がある
- 型落ちで修理が難しい
- 清潔感に欠ける
中古品には、メリットとデメリットがついてきます。
双方を比べて、自分が納得できる設備を購入しましょう。
中古でも膨らむ設備費用ですが、リースで手元に資金を残したまま利用できます。
リースを使って厨房設備をそろえることで、費用を抑えて準備を進められるので、ぜひ検討してみてください。