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人材派遣会社・職業紹介会社を設立するには?儲かる?立ち上げ方を解説

人材派遣事業で起業しようと思っても、具体的に何をすれば良いのかわからない、という方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、人材派遣会社を設立する際の、手順や注意点についてまとめました。

職業紹介事業との違いや、利益率などについてもご説明します。

派遣会社を設立するということ

派遣会社の設立には、他の一般の事業での会社設立とは異なり、厚生労働省の許可が必要です

そして、許可を得るためには、次にあげるような特定の要件を満たしていなければいけません。

  • 基準資産額(資産-負債)2,000万円以上
  • 事務所の面積がおよそ20平方メートル以上
  • 派遣元責任者の資格
  • 雇用管理の経験
  • 派遣社員の教育制度

また、ここに挙げた以外にも、個人情報の管理や役員についてなど細かな要件があり、満たさずに許可申請をすると、後々追加費用がかかることになってしまいますので注意が必要です。

人材派遣業を会社ではなく、個人で開業する場合

人材派遣業は会社でなく、個人で開業することもできます

基本的には、個人事業主として開業する場合も、会社設立と同様です。

しかし、基準資産額を確定申告書から割り出したり、事務所だけでなく自宅にも実地調査が入ったり、という違いがあります。

個人で開業する場合は、法人としての開業よりも情報が少なくなりがちな傾向にあるため、無理に自分でやりきろうとせず、専門家に依頼した方が安心です。

付け加えると、事業の規模が規定よりも小さければ、特別の配慮措置が取られます

個人事業主としての開業の場合、当てはまることも多いので、確認しておきましょう。

小規模派遣元事業主への配慮措置

法人、個人を問わず、事務所が1つのみで、常時雇用している派遣労働者数が10人以下の中小企業事業主が当てはまります

必要とされる基準資産額が1,000万円以上になり、資産に関する要件がかなり緩和されます。

資本金の面で会社設立に躓きそうな方は、覚えておいた方が良いかもしれません。

人材派遣業と職業紹介業の違い

人材派遣業と似た業種に、職業紹介業があります。

どちらも広い意味での人材紹介ではありますが、最大の違いは、「労働者が契約する会社」です。

人材派遣業の場合、労働者は派遣会社と雇用契約を結びます。

そして、派遣先企業が支払った料金を、派遣会社を通して給与の形で受け取り、派遣会社は給与支払いのたびにマージンを得る、という形です。

一方、職業紹介業の場合、労働者が雇用契約を結ぶのは、人材紹介会社ではなく、実際に求人を出している会社です。

職業紹介業では、取引先企業に適切な人材を斡旋し、採用が決定すると成功報酬として紹介手数料を得ます。

労働者と雇用契約を結ぶのが取引先企業のため、給与の支払い等には関与しません

人材派遣業の利益率

人材派遣で、派遣会社が受け取るマージンは、平均30%程度です。

試しに、マージン30%、時給1,400円、実働7時間、月22日という条件で働く派遣社員が1人いるとして計算してみましょう。

時給1,400円の場合、派遣先企業から派遣会社に支払われるのは1時間につき2,000円で、派遣会社に残る分は600円になります。

それが1日7時間、月22日あるので、粗利は1人あたり92,400(600×7×22)円です。

しかし、社会保険料などの福利厚生だけで約46,000円、さらに派遣会社スタッフの人件費、事務所の賃料などが引かれていき、最終的に営業利益として残るのは1人あたり月3,000~5,000円ほど。

利益率に直すと1~2%程度です。

派遣会社設立は儲かるのか

人材派遣業は、人を商品としているため在庫を抱えることもなく、多額の設備投資が必要になることもありません。

マージンを取るというビジネスモデルからも、「ぼろ儲け」と揶揄されがちです。

しかし、先述の通り、営業利益率は1~2%程度にとどまります

国内大手のテンプスタッフを見ても、2019年3月期決算で、「人材派遣」のセグメントの営業利益率は約4.5%です。

職業紹介やクラウドソーシングも行っているため通常よりも利益率は高いと言えますが、他の業界では、10%を超えてやっと高いと言われるような指標が、利益率です。

「ぼろ儲け」とは言えません

ただ、それでも、在庫を抱えず設備投資も必要ないという強みは、やはり揺るぎません。

非正規社員が増えていくことが見込まれる現状において、薄利多売で安定して利益を上げていくことは十分可能です。

人材派遣事業を立ち上げるには

人材派遣事業を立ち上げる際、法人・個人を問わず必要になる手順は、大まかに4つです。

時系列に沿って、説明していきます。

派遣元責任者講習を受講する

人材派遣事業を立ち上げる際、何よりも先にすべきなのが、「派遣元責任者」という資格を取ることです。

取得は比較的簡単です。

全国各地で定期的に行われている「派遣元責任者講習」という講習を受けます。

受講料約1万円、1日6時間の講習を1回受ければ、3年間有効という規定になっています。

必ず取得しなくてはいけない資格なので、早いに越したことはありません

3年あれば、この後ご説明する手続きも、問題なく完了させられるはずです。

また、派遣元責任者講習は、一度に多くの人が受講します。

予約を入れても、数か月先になってしまうことも少なくないので、できるだけ早めに予約し、資格取得の目途を立てておきましょう

資本金を集める

先ほどもお話したように、人材派遣事業の立ち上げには、基準資産金(資本金)2,000万円以上なければいけない、という資本要件があります

小規模派遣元事業主への配慮措置を受ける場合を除いて、基準資産金を2,000万円用意できなければ厚生労働省の許可は下りません

また、単純に2,000万円あれば良いというわけでもなく、他にも資産要件には項目があります。

基準資産金について、そのうち1,500万円は現預金で、かつ負債の総額の7分の1以上でなければいけません

2,000万円以上ということに注意するあまり、忘れないようにする必要があります。

労働局に許可申請をする

派遣元責任者の資格を取得し、資本金を集めれば、あとは厚生労働省から労働者派遣事業許可を得れば開業できます。

ただし、厚生労働省の前に、諸々の要件を満たしているかなど労働局の審査を受けなければいけません

まずは、労働局に許可申請をしましょう

既定の申請書類を提出して、労働局の書類審査や現地調査を通過し、厚生労働省の精査も通れば、許可証の発行、という流れになります。

申請から許可証の発行まではおおよそ2か月ほどです。

事業開始予定から逆算して、余裕をもって申請してください

また、申請の際には、許可手数料12万円(以上)と、登録免許税9万円と合わせて21万円が必要です。

他の手順に比べ、労働局への許可申請は煩雑です。

様々な要件や、書類など、わかりにくいと感じる方も少なくないでしょう。

労働局でも相談には乗ってくれますが、お金を払ってプロに頼んだ方が効率的かもしれません

融資で事業資金を集める

厳密には立ち上げた後の話ではありますが、人材派遣事業では、融資がほぼ必ずと言って良いほど必要になります

労働者を派遣し売り上げが立っても、相手も企業であるため、ほとんどは売掛金という形になり、現金として入ってくるまでに時間がかかります。

一方で、派遣した労働者には遅くとも翌月末には支払いです。

このギャップから、人材派遣事業を行うにあたって、融資による現金の調達は避けられません

派遣会社の設立と経営にかかるコストと詳細

派遣会社の設立時や派遣会社の経営には、どのような費用がかかるのか詳しく紹介します。

※前述した資産要件の2000万円は資本金で出費とは違うため、設立にかかるコストには含みません

派遣会社の立ち上げ

定款認証

起業する際は、例外なく定款認証費用を公証役場に払わなければなりません。

定款認証には、定款認証手数料5万円、定款謄本作成手数料約2000円、紙で定款を作成した場合、さらに収入印紙代4万円がかかります。

法人登記手続き

登録免許税15万円〜(資本金×0.7)、登記薄謄本一通600円、印鑑証明書一通300円〜を法務局に支払います。

派遣業の免許申請

責任者講習会受講料約1万円、登録免許税9万円、許可手数料12万円〜かかります。

許可手数料は、事業所が1つ増えるごとに5万5000円加算されますので、注意が必要です。

その他

オフィスを借りる土地により費用は大きく変動しますが、オフィス賃料50万円〜100万円がかかります。

派遣会社の運営

求職者集客費用

派遣する人材がいなければ、人材派遣業として成り立たないため、人材派遣業で大幅にコストがかかるのは集客です。

多くの人材派遣会社では、集客に大手の求人掲載サービスを利用するため、サービス利用料が必要です

  • 月額:10万円〜20万円×使用エージェント数
  • 成果報酬:売り上げの20〜30%

人件費

人材派遣業に必要な人材は、主にCA(キャリアアドバイザー)、RA(法人営業)、バックオフィスです。

社会保険なども含め30万円〜/人となります。

その他

広告費、テレアポ代行費、リスト作成費などがこれにあたります。

どの事業に注力するかで企業ごとにかかる金額が変動します。

人材派遣事業で会社設立する際の注意点や懸念事項

人材派遣事業で会社設立する際、注意すべき点が大きく3つあります。

不備があると、余計な時間がかかったり、場合によっては費用が発生したりします。

スムーズに事業を開始するためにも、準備は入念にしておきましょう

各要件

まず確認すべきなのが、資本金、事務所や派遣元責任者の資格などの各要件をしっかりと満たしているかどうかです。

派遣事業者に独自の要件のため複雑に感じることも多いですが、これらに不備があれば許可は確実に下りません。

事務所を決め、契約まで済ませた後に面積が足りなかったことに気付く、といった事態になれば、出費は小さくありません。

会社の目的

人材派遣会社を設立する際には、定款に、正式名称である「労働者派遣事業」を会社の目的として記載しなければいけません。

一般によく使われる「人材派遣事業」という言葉を会社の目的として記載しても、法務局への登記手続きなどには問題ありません

しかし、労働局に許可申請をする際に、正式名称である「労働者派遣事業」に改めるよう求められます

二度手間になるうえに、約3万円の更新料が必要になるということを避けるために、初めから正しい名称で書くようにしてください。

各役所への届け出

人材派遣会社に限らず、会社設立の際には様々な手続き、届け出が必要になります。

定款の承認、設立登記、税務や社会保険・労務関係の手続きなど、多くの手順を踏まなくてはいけません

特に人材派遣会社の場合、定款の会社の目的の記載内容、登記される資本金など、気を付けるべきところは多いです。

また、定款の承認や、登記には、合わせて約25万円(以上)の費用がかかることも注意しておくようにしましょう。

人材派遣ビジネスで会社設立するなら

人材派遣会社を設立するための手順や注意点についてご説明してきました。

人材派遣という事業は、比較的始めやすく、それでいて安定した利益が見込めるビジネスです。

しかし、規定されている許可要件や、そもそもの会社設立手続きなど、煩雑で分かりづらい点が多いのも事実です。

ただ、設立に時間を取られ事業を開始できないでいるのは、大きな機会損失とも言えます。

信頼できるプロに任せて効率よく人材派遣会社の設立を完了させ、事業をスタートさせましょう。

人材派遣業で会社設立を考えているなら、ぜひ経営サポートプラスアルファまでご相談ください。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。