キッチンカー開業とは?メリット・デメリットと許可まで解説

店舗を構える飲食店は、家賃・内装費・人件費など固定費が重く、立ち上げ時の資金負担も大きくなりがちです。

その点、キッチンカー(移動販売)は、初期投資を抑えながら営業できます。

つまり、需要に合わせて出店場所を変えられるという特徴を持つのです。

一方で、キッチンカーは「車が店」になる分、許可・衛生・出店場所のルールなど、店舗型とは違う注意点があります。

今回は、キッチンカーで開業する際のメリット・デメリット、必要な許可・費用の目安、失敗しない注意点をまとめて解説します。

キッチンカー開業とは

キッチンカーは、移動販売の中でも特に車内で調理し、提供する飲食業のイメージが強い形態です。

同じ移動販売でも、すでに包装された食品や物販(雑貨・日用品など)を販売する形態も考えられます。

これらと比較すると、必要な許可や設備が変化するということがポイントです。

キッチンカー開業を考える際は、まず「その場で調理するのか」「どの食品を扱うのか」を明確にしなければなりません。

許認可などについて不明点があれば、行政書士法人経営サポートプラスアルファへご相談ください。

️キッチンカー開業までの基本的なステップ

キッチンカーは、車両やメニューに目がいきがちです。

しかし、「許可・設備・出店場所」でつまずきやすいため注意しましょう。

①コンセプト・ターゲットを決める

最初に以下の例を参考にコンセプトやターゲットを決めましょう。

  • オフィス街のランチ需要
  • イベントの食べ歩き需要
  • 住宅街の週末需要 など

「誰に・何を・いくらで・どこで」を先に決めることが重要です。

そうすれば、自ずと必要設備・出店場所・原価率まで連動して決まります。

②売上とコストのあたりをつける

出店料・ガソリン・仕込み・人件費から最低限「月いくら必要か」を先に検討します。

それと、想定される単価と個数をかけ合わせた「売上」を比較してみましょう。

十分に利益が出ないと、車両や設備などの先行投資を回収できません。

③車両タイプと提供オペレーションを決める

車両タイプには軽トラ型やバン型などいくつかの選択肢があります。

選択肢によって、積載量・作業スペース・提供スピードが変わるため非常に重要です。

売れるメニューを考えることも重要ですが、回せるメニューになっているかも考慮してください。

④必要な資格・許可の確認

提供する商品や提供内容によって、必要な資格や許可が変化します。

後から修正が発生すると、費用も時間も増えることになりかねません。

このタイミングで保健所に事前相談し、手続きについて明確化しておきましょう。

⑤車両準備

必要な要件が把握できれば、車両の購入や改造、設備の導入へと進みます。

設備投資は「許可要件を満たす」「回転率を上げる」ものから優先していきましょう。

見た目の装飾は、開業後でも遅くありません。

⑥出店場所を確保する

車両の準備と並行して、出店場所を確保する活動が必要です。

出店先が決まらないと売上が立ちません。

早い段階から、候補地を洗い出し、交渉を進めていきます。

⑦決済・会計・衛生ルールを整え営業開始

各種許可などが揃ったら、いよいよ営業を開始できます。

そのためにキャッシュレス対応、売上管理、原価管理、食材保管などを進めましょう。

移動販売で起業するメリット・デメリット

移動販売(キッチンカー)で起業するメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

移動販売で起業するメリット

移動販売で起業するメリットは、以下の通りです。

全体的にコストを抑えられたり、柔軟に対応できたりするというのが特徴です。

店舗にかかる費用がない

移動販売の最大のメリットは、「店舗にかかる費用がない」ということです。

通常、店舗を構える場合は、基本的に土地代や、店舗の内装・外装代がかかります。

賃料は、都内であれば狭い物件であっても、数十万円かかるところがほとんどです。

これに加えて内装・外装にこだわる場合は、かなりの初期費用と、ランニングコストがかかってしまいます。

一方で、キッチンカーにかかる初期費用は「移動販売車」のみです。

店舗を開く場合と比べてかなり費用を抑えることが可能です。

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期間や日時によって販売する場所を変更できる

移動販売は、文字通り「移動」できることが特徴です。

つまり、期間や日時によって販売する場所を自由に変えられます。

たとえば平日の昼はオフィス街、週末はイベントや住宅街など、需要に合わせて柔軟に場所を移動できるのです。

このように、人の流れに合わせて柔軟に場所を変えることができるのが、移動販売の大きな強みです。

人件費を抑えられる

移動販売は、オペレーションを絞れば1人でも回しやすい業態です。

固定スタッフを抱えずに始められるため、立ち上げ時の人件費リスクを抑えられます。

衛生・導線の管理がしやすい

店内飲食と比べると、提供・会計の導線が短く、清掃範囲も限定できます。

衛生管理をルール化しやすい点はメリットです。

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移動販売で起業するデメリット

続いて、移動販売で起業するデメリットを紹介します。

車の整備や点検が必要になる

移動販売は、車が故障すると営業が止まります。

また、定期的な整備・点検、消耗品交換は「固定費」として見込まなければなりません。

事故・故障の備え(保険、代替手段の検討)も重要です。

材料の管理の不便さがある

キッチンカーはスペースが限られるため、材料・原料の格納量に上限があります。

結果、「売れそうなのに材料が切れる」「仕込みに追われる」などの問題に陥りかねません。

提供数・回転率・仕込み導線の設計が要といえるでしょう。

売上の見込みが立てづらい

売上は、出店場所の集客力と天候に左右されがちです。

固定客がつくまでの期間は特にブレやすいため、複数出店先の確保を意識しましょう。

また、雨天で売上が下がることも考慮しておくと窮地に陥りにくいはずです。

ポイント

・移動販売車であれば、初期コストを大幅に抑えて起業できる。
・需要に応じて自由に移動できるというメリットがある。
・移動販売車が故障したら売上がゼロになってしまうため、定期的な点検が必須になる。

キッチンカー開業に必要な資格・許可・届出

キッチンカー開業で最も重要なポイントが資格や許可、届け出の部分です。

自治体ごとに運用が少し異なるため、最終判断は管轄の保健所に確認してください。

食品衛生責任者

飲食を扱う場合、基本的に食品衛生責任者が必要です。

すでに該当資格を持っている場合もあるため、自分が要件を満たすか確認しましょう。

営業許可

提供する食品の種類、調理の有無、設備によって、必要な許可区分が変わります。

「どこで仕込むか」「車内でどこまで調理するか」で要件が変動しやすい部分です。

メニューと工程を固めたうえで相談すると効率的でしょう。

出店場所に関する許可

出店場所は、保健所の許可とは別に、管理者や自治体のルールが関わります。

道路使用、公園使用、施設の占有、イベント出店規約など確認しなければなりません。

場所ごとに確認事項が変わるためチェックリスト化しておくことがおすすめします。

️移動販売車の入手方法

移動販売車を入手する方法は、大きく分けて3つです。

すでにある移動販売車を購入する

一番シンプルなのが、すでにある移動販売車を業者などから購入することです。

移動販売車を扱う業者では、事前の見学を受け付けているところもあり、吟味した上で購入できます。

最初から完成した移動販売車を購入することで、初期コストを安く抑えられるでしょう。

一方、すでに完成された移動販売車を購入するため、業種に合わせたカスタマイズは注意が必要です。。

移動販売車をレンタルする

移動販売車をレンタルすることもひとつの手です。

しかし、長期的に事業を継続していくのであれば購入してしまった方が安いケースも多くなってしまいます。

またカスタマイズに制限があり、自分好みにしづらいというデメリットがあります。

移動販売車専門の業者に発注する

通常の移動販売車ではできない特殊な業種を営みたい、というような場合には、移動販売車専門の業者に発注して、最適な構造、システムを整えた移動販売車をオーダーメイドすることも可能です。

ただし、費用は高くなりやすいというデメリットがあります。

ポイント

・移動販売車を購入するのが最も一般的である。
・購入に踏み切れない場合には、レンタルから始めるのもおすすめである。
・こだわりが強い場合には、専門業者に頼んでオーダーメイドをすることも可能である。

️キッチンカーの開業・起業での注意点

続いて、キッチンカーで起業する際の注意点を解説します。

販売する場所の許可を取る

移動販売車とはいえ、どこでも販売を行って良いわけではありません。

無許可で営業している場合には、警察から指導が入るケースもあります。

出店先ごとに「管理者の許可」「規約」「撤収条件」「出店料」「禁止事項」を確認しましょう。

移動販売車のデザインにお金をかけすぎない

見た目にこだわりすぎると初期費用が膨らみ、回収が難しくなります。

購入動機は「おいしそう」「提供が早い」「買いやすい」などが主になりやすいです。

最初は最低限にして、利益が出てからデザインにも力を入れましょう。

会計・売上管理を最初から整える

キャッシュレス比率が高い出店先も増えています。

会計の手間は回転率に直結するため、決済手段、売上記録、原価管理は早めに整えるべきでしょう。

季節や時期に適した販売場所を調査する

移動販売車にとって、適切な販売場所の選定は売上を伸ばす上で大切です。

季節や時期に適した販売場所をあらかじめ調査し、最も効率良く売上を伸ばす方法を考えることが重要です。

ポイント

・販売する場所の許可を取ることが大切である。
・最初から移動販売車のデザインにこだわりすぎるのは危険である。
・需要のある場所の調査を忘れないようにする。

️まとめ

キッチンカー(移動販売)は、固定費を抑えながら始めやすい職種です。

一方、許可・出店場所・衛生・オペレーションの設計で結果が大きく変わります。

「車両を用意したら終わり」ではなく、出店先の確保と、回せるメニュー設計が成功の分かれ目なのです。

ただし、そもそも「起業をする」こと自体に不安を感じる方も多いかもしれません。

このような場合には、まずは起業の専門家に相談することをおすすめします。

経営サポートプラスアルファであれば、専門家に安価で相談できるだけでなく、会社設立の代行も最短2日から依頼することが可能です。

起業に関して不安を抱えている方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。