マツエクサロン開業の完全ガイド|資格・費用・届出・集客・補助金まで徹底解説

マツエクサロン開業で必要な届け出や免許は?初期費用や集客も解説

まつげエクステサロンは、3〜4週間ごとにリペアが必要なリピート性の高いビジネスです。

一方で「美容師免許が必要」「保健所への届出が必須」「開業後すぐに黒字化できない」という現実があり、準備不足で始めると廃業率が高い業界でもあります。

この記事では、マツエクサロン開業に必要な資格・届出・費用・開業形態・集客・補助金・リスク管理を、初めて開業する方でもわかるように順番に解説します。

この記事でわかること
– マツエクサロン開業に必要な美容師免許・管理美容師の要件
– 保健所への美容所開設届の具体的な流れと注意点
– 自宅・テナント・シェアサロン・フランチャイズ別の費用と特徴
– 開業後に使える補助金・助成金の種類
– 集客とリピーター獲得の実践的な方法
– 廃業率から学ぶ失敗しないための経営戦略

マツエクサロン開業に必要な資格・免許

マツエクサロン開業で最初に確認すべきなのが「誰が施術するか」という点です。

まつげエクステンションは美容師法上の「美容」に該当するため、施術を行う人には必ず美容師免許が必要です。

無資格者が施術した場合は、美容師法違反として30万円以下の罰金または閉鎖命令の対象になります。

美容師免許が必要な理由と取得方法

美容師免許は国家資格であり、厚生労働大臣が認定した美容師養成施設(専門学校など)を修了し、国家試験に合格することで取得できます。

美容師国家試験は年2回(前期・後期)実施されており、美容師養成施設への在学期間は昼間課程・夜間課程で2年、通信課程では3年です。

すでに免許を持っている方は、民間資格(JEA・JECA・NEAなど)でまつげエクステの専門技術を補強することで、施術の質と集客力を高められます。

資格の種類取得方法費用目安必要性
美容師免許(国家資格)美容師養成施設修了+国家試験合格専門学校費用 約100〜200万円施術者は必須
管理美容師美容師免許取得後3年以上の業務経験+講習修了講習費 約1〜2万円従業者2名以上で必須
JEA認定アイリスト民間スクール・検定数万〜数十万円任意(技術PRに有効)
JECA認定民間検定数万円任意(集客差別化に有効)

オーナー自身が施術しない場合の注意点

オーナーが美容師免許を持っていなくても、美容師免許を持つスタッフが施術を担当すれば開業は可能です。

ただし、その有資格スタッフが退職した場合、残りのスタッフが無資格であれば営業を続けることができません。

長期的に安定した経営をするなら、オーナー自身も美容師免許を取得しておくことを強くおすすめします。

管理美容師が必要になるケース

美容師として従業する者が常時2名以上いる美容所では、管理美容師を1名以上置く義務があります。

管理美容師になるには、美容師免許取得後に3年以上美容の業務に従事し、指定の管理美容師講習(3日間・計18時間)を修了する必要があります。

採用計画がある場合は、自分自身または採用予定スタッフが管理美容師の要件を満たしているか、開業前に確認しておきましょう。

マツエクサロンの4つの開業形態と選び方

開業形態によって、必要な初期費用・リスク・集客力・自由度が大きく変わります。

自宅・テナント・シェアサロン・フランチャイズの4つから、自分の状況に合った形態を選ぶことが成功の第一歩です。

自宅開業|スモールスタートに最適

自宅や自宅の一室をサロンとして使う形態です。

家賃負担がなく固定費を最小限に抑えられるため、開業資金が少ない方や副業・子育て中の方に向いています。

マンションの場合は、管理規約で「事業利用禁止」とされているケースが多く、違反すると退去を求められることもあるため、必ず管理組合または大家に確認が必要です。

⚠️ 保健所の構造設備基準に注意してください。

自宅・マンション開業では、多くの自治体の保健所が「生活空間と施術スペースが壁で完全に仕切られていること(カーテン・パーテーション不可)」「客が居住空間を通らずに施術室へ入れる独立した動線があること」を求めています。

一般的な賃貸マンションの間取りでこの基準を満たすことは非常に難しく、内装改装費が追加で発生するか、最悪の場合は許可が下りないというトラブルが多く発生しています。

物件を契約する前に、必ず間取り図を持って管轄の保健所に相談してから物件を確定してください。

テナント開業|集客力と信頼感を重視するなら

駅近や商業施設周辺など、ターゲット層が通いやすい場所に独立した店舗を構える形態です。

看板を出せる・集客しやすい・プロとしての信頼感が高い、といったメリットがある一方、敷金・礼金・保証金・内装工事費・毎月の家賃が重くなります。

居抜き物件(前の店舗の内装設備を引き継ぐ物件)を活用すれば内装費を大幅に抑えられますが、前テナントのイメージが残るため、コンセプトと合うか慎重に判断しましょう。

シェアサロン開業|初期費用ほぼゼロで開業できる新しい選択肢

シェアサロン(サロンシェア・業務委託型)は、既存のサロンの施術スペースや設備を時間貸しで使う形態です。

初期費用をほぼゼロに抑えられるため、技術はあるけど資金がない方、まず試してみたい方に向いています。

ただし、シェアサロン側がすでに美容所登録を持っている場合に限られ、自分のブランドを育てにくいこと、予約時間に制約があること、他のスタイリストと設備を共有するため道具管理が必要なことがデメリットです。

集客が軌道に乗ってから自店舗を構えるステップアップの足がかりとして活用するのが理想的な使い方です。

フランチャイズ開業|ブランド力とノウハウを借りる

フランチャイズは、既存のサロンブランドに加盟して、研修・マニュアル・集客支援・仕入れルートを活用できる形態です。

開業初心者でもノウハウを得やすく、ブランドの知名度を借りて早期に集客できるメリットがあります。

一方、加盟金(数十万〜数百万円)・ロイヤリティ(月次売上の数〜15%程度)が発生し、メニュー・価格・広告表現に制約が生じる場合があります。

開業形態初期費用目安集客力自由度リスク
自宅開業80万〜200万円低高低
シェアサロン10万〜50万円低〜中中最低
郊外テナント200万〜400万円中高中
都市部テナント400万〜700万円以上高高高
フランチャイズ加盟金含め要確認中〜高低中

マツエクサロン開業に必要な届出と手続き

マツエクサロンは「美容所」として法律で定義されており、届出と検査なしに営業を開始することはできません。

届出手続きは保健所と税務署の2か所が中心で、開業形態によって追加の手続きが発生する場合もあります。

保健所への美容所開設届の手順

美容所として営業するには、所在地を管轄する保健所に美容所開設届を提出し、構造設備の現地検査に合格する必要があります。

確認済証を受け取る前に営業を開始すると無届営業として扱われ、行政指導・罰則の対象になります。

提出書類の一般的な例:

書類名備考
美容所開設届出書自治体所定の様式を使用
施設の平面図縮尺・寸法を明記
構造設備の概要床材・壁材・換気・照明など
美容師免許証の写し従業者全員分
従業者名簿氏名・住所・生年月日
管理美容師講習修了証書の写し常時2名以上の場合のみ
診断書感染性疾患がないことの証明(一部自治体で不要)
検査手数料約1〜2万円(自治体によって異なる)

保健所の現地検査で確認される設備基準

保健所の検査では、以下の項目が厳しく確認されます。

内装工事完了後に基準を満たしていないことが判明すると、改修工事が必要になり開業が遅れるため、工事前に保健所へ図面を持参して事前相談することが強く推奨されます。

  • 作業室の広さ(施術スペースの面積)
  • 採光・照明(作業面で100ルクス以上など)
  • 換気設備の有無
  • 消毒設備の設置状況
  • 床・壁が不浸透性材料であること
  • 生活スペースとの完全な区分
  • 手洗い設備(水道の有無)
  • 待合スペースとの区分け

税務署への開業届・青色申告申請

個人事業主として開業する場合は、税務署へ以下の書類を提出します。

書類提出期限メリット
個人事業の開業届事業開始から1か月以内(所得税法第229条)屋号で銀行口座を開設できる
青色申告承認申請書その年の3月15日まで(1月16日以降の開業は開業から2か月以内)最大65万円の特別控除

青色申告の65万円特別控除を受けるには、複式簿記による記帳と電子申告(e-Tax)の要件を同時に満たす必要があります。

開業前から会計ソフト(freee・マネーフォワード等)を導入し、帳簿体制を整えておくことをおすすめします。

【参考】会社設立時に銀行の法人口座開設は必要?メリットや必要書類・各銀行の決め方

マツエクサロン開業費用の詳細内訳

開業費用は「初期費用」と「運転資金」の2つに分けて考えることが重要です。

初期費用だけを計算して資金調達すると、開業直後の売上が立ち上がるまでの数か月間に資金が底をつくリスクがあります。

初期費用の詳細内訳

費用項目自宅開業郊外テナント都市部テナント
物件取得費(敷金・礼金等)不要30万〜100万円60万〜200万円
内装工事費30万〜100万円50万〜150万円100万〜250万円
施術ベッド5万〜20万円5万〜20万円×席数5万〜20万円×席数
照明・ワゴン等10万〜30万円20万〜50万円20万〜60万円
消毒器・衛生用品3万〜10万円3万〜10万円3万〜10万円
グルー・人工まつ毛等材料5万〜20万円5万〜20万円5万〜20万円
顧客管理・予約システム初期0〜5万円初期0〜5万円初期0〜5万円
広告宣伝費(開業時)5万〜20万円10万〜30万円20万〜50万円
保健所検査手数料約1〜2万円約1〜2万円約1〜2万円
その他備品・消耗品5万〜20万円10万〜30万円10万〜30万円
合計目安64万〜227万円134万〜417万円224万〜627万円

運転資金は最低3〜6か月分を確保する

開業直後は予約が安定しないため、最初の3〜6か月は赤字になることも珍しくありません。

毎月の固定費(家賃・光熱費・通信費・広告費・材料費)を把握し、その3〜6倍を手元に残しておくことが廃業を防ぐ最重要ポイントです。

月間固定費の目安例(1席・テナント開業の場合):

固定費項目月額目安
家賃8万〜20万円
光熱費・通信費1万〜3万円
材料費(消耗品)2万〜5万円
広告費3万〜10万円
顧客管理システム0.5万〜2万円
合計14.5万〜40万円

資金調達の方法

自己資金だけでなく、以下の方法を組み合わせて資金を調達することが一般的です。

  • 日本政策金融公庫の創業融資(無担保・低金利で創業者向け)
  • 自治体の制度融資(都道府県・市区町村の保証付き融資)
  • 信用金庫・地方銀行の事業者ローン
  • 補助金・助成金(後述)

マツエクサロン開業で使える補助金・助成金

マツエクサロンの開業・運営に活用できる補助金・助成金があります。

競合記事にはほとんど詳しく書かれていないポイントですが、上手に活用することで自己資金の負担を大幅に減らせます。

小規模事業者持続化補助金

商工会議所・商工会の会員向けに、販路開拓や広告宣伝費を対象として補助される制度です。

マツエクサロンの集客に使うHP制作費・チラシ制作費・SNS広告費なども対象になる場合があります。

補助率は2/3、上限は50万円(特定要件を満たすと200万円)が一般的で、年複数回公募されます。

キャリアアップ助成金

非正規雇用(有期雇用・パートタイム等)のスタッフを正社員に転換した場合に支給される助成金です。

スタッフを採用して育てるサロン経営を目指す場合、1人あたり57万円以上が受給できるケースがあります。

人材開発支援助成金

従業員に対して技能訓練や技術習得のための研修を実施した際に、訓練費用や賃金の一部が助成される制度です。

まつげエクステや新技術(ラッシュリフト等)の研修費用に活用できる場合があります。

IT導入補助金

予約管理システム・顧客カルテシステム・会計ソフトなどのITツール導入費用を補助する制度です。

デジタル化を進めながら費用を抑えたい場合に活用できます。

補助金・助成金名対象補助率・金額目安
小規模事業者持続化補助金広告・HP・チラシ等補助率2/3、上限50万〜200万円
キャリアアップ助成金正社員転換1人あたり57万円以上
人材開発支援助成金スタッフ研修訓練費用・賃金の一部
IT導入補助金予約・顧客管理システム等補助率1/2〜3/4

補助金・助成金は申請要件・公募期間があり、採択が保証されるものではありません。

必ず最新情報を各機関の公式サイトで確認してください。

マツエクサロン開業までの7ステップ

コンセプト決めから開業当日まで、7つのステップで準備を進めることで手続きの抜け漏れを防げます。

各ステップには期限や判断ポイントがあるため、開業予定日の6か月前から逆算して動き始めることを推奨します。

STEP1:コンセプトとターゲットを明確にする

開業前に「誰に、どんな目元を提供するサロンか」を言語化することが、その後のすべての判断基準になります。

コンセプトが曖昧なまま開業すると、メニュー設計・価格設定・内装・SNS発信すべてがブレ、差別化できないサロンになります。

コンセプト設計のヒントとなる切り口の例:

  • ターゲット層:20代学生、30〜40代働く女性、ブライダル、40代以降の大人女性
  • デザインの方向性:ナチュラル・ボリューム・カラー・まつげパーマ(ラッシュリフト)専門
  • 時間軸:スピード重視(45分コース)、ゆったり個室対応
  • 価格帯:高単価少人数制、中価格リピーター重視

STEP2:創業計画書と資金計画を作る

創業計画書は、融資申込だけでなく自分の資金計画を客観的に確認するためにも重要です。

月間来店目標・客単価・固定費・損益分岐点を計算し、「何人来れば黒字になるか」を把握してから開業の可否を判断しましょう。

STEP3:物件と開業形態を決める

候補物件が見つかったら、契約前に必ず保健所へ図面を持参して事前相談を行います。

立地選定で確認すべきポイント:

  • ターゲット層の生活動線(最寄り駅・バス停からの距離)
  • 競合サロンの数と価格帯
  • 駐車場の有無(郊外では必須)
  • 物件の管理規約(マンション・ビルの事業利用可否)
  • 長期的に家賃を払い続けられる売上が見込めるか

STEP4:内装工事と設備・備品の準備

保健所基準を満たしながら、施術精度と顧客体験の両方を高める内装設計が求められます。

目元という繊細な部位を扱う施術の特性上、以下の設備は妥協せずに選びましょう。

設備・備品選定ポイント
施術ベッドフルフラットになるリクライニングタイプ必須
照明色温度・光量調整可能なもの(LED輪郭ライト等)
グルー乾燥時間・持続力・アレルゲン成分を確認
人工まつ毛(エクステ)素材(シルク・ミンク・セーブル等)・カールの種類
消毒器乾熱・紫外線・薬液タイプから保健所基準に合うものを
予約管理システムLINE連携・キャンセル自動管理・売上分析機能があると効率的

STEP5:保健所の検査を受ける

内装工事が完了したら、書類を揃えて保健所に提出し、現地検査を受けます。

検査から確認済証交付まで数日〜1週間かかる場合があるため、開業予定日の2〜3週間前には工事を完了させておくのが理想です。

不備が発覚すると再検査になり、開業が大きく遅れることもあります。

事前相談を徹底することで手戻りリスクを大幅に下げられます。

STEP6:税務署・保険・会計体制を整える

個人事業主として開業する場合、開業届と青色申告承認申請書を提出します。

また、目元の施術はトラブルリスクが伴うため、美容業向け施設賠償責任保険への加入を強くおすすめします。

グルーによるアレルギー反応や目への異物接触は、損害賠償請求につながるリスクがあります。

保険料は月数千円程度のものが多く、万一の際の備えとして必須です。

STEP7:開業1〜2か月前から集客を始める

集客は「オープン当日」ではなく「オープン前」から始めることが重要です。

開業1〜2か月前に整備すべきもの:

  • Instagramアカウントの作成・投稿開始
  • Googleビジネスプロフィールの登録
  • ホームページまたはLPの公開
  • ホットペッパービューティー等ポータルサイトへの登録申請
  • LINE公式アカウントの開設
  • 友人・知人へのオープン告知(モニター施術の実施)

マツエクサロン集客とリピーター獲得の実践戦略

マツエクサロンの経営を安定させるには、「新規集客」と「リピーター定着」の両輪が必要です。

どちらか一方だけでは、広告費が増え続けるか、顧客が育たないかのどちらかになります。

新規集客の王道:Instagram+Google対策

マツエク・アイリスト業界では、Instagramからの流入が最も多い傾向があります。

投稿で意識すること:

  • ビフォーアフター写真(施術の効果が一目でわかる)
  • デザイン別・カール別の仕上がり見本
  • カウンセリングや施術の雰囲気(安心感の演出)
  • 使用素材・グルーのこだわり(差別化ポイント)
  • ストーリーズでの日常発信(親近感の醸成)

Googleビジネスプロフィールでは「地域名+マツエク」「駅名+アイリスト」などのキーワードで検索上位に表示されるよう、口コミ収集と写真追加を継続的に行います。

ポータルサイトは「集客の入り口」として活用する

ホットペッパービューティー・楽天ビューティー・ミニモなどのポータルサイトは、開業初期に新規顧客を集めるための有効な手段です。

ただし、掲載料が固定費として毎月発生するため、ポータル経由の来客が安定してきたら、LINEや次回予約によって自社予約チャネルへ移行させることを意識しましょう。

リピーターを定着させる仕組みを作る

まつげエクステは3〜4週間でリペア需要が発生する、構造的にリピートしやすいサービスです。

リピート率を高める具体的な施策:

施策内容
施術後の次回予約「次回はいつ頃がお勧めですか?」と自然に誘導
LINE公式アカウント予約リマインド・新メニュー案内・お誕生日クーポン
施術カルテの活用デザイン履歴・アレルギー情報・好みを記録し次回に活かす
回数券・定期プラン前払いでリピートを約束してもらう
紹介割引制度既存客からの紹介で双方に特典を付ける

競合と差別化するメニュー設計の考え方

マツエク一本に絞るだけでなく、関連サービスを組み合わせることで客単価を上げながら差別化できます。

競合サロンにない独自の切り口を持つことが、価格競争に巻き込まれないための本質的な対策です。

まつげパーマ(ラッシュリフト)との複合メニュー

まつげパーマ(ラッシュリフト)は、自まつ毛をカールさせる施術で、アレルギーリスクが低く・持続期間が長い・ナチュラル志向の方に人気が高いメニューです。

マツエクとまつげパーマを両方対応できるサロンにすることで、以下のメリットがあります。

  • マツエクが難しい細い・短い自まつ毛の方にも対応できる
  • 「まつげパーマ 地域名」でのSEO流入が増える
  • マツエク休憩期間中のお客様を手放さずに済む
  • 客単価の異なるメニューで幅広い層を取り込める

まつげケアとコーティングの付加価値化

まつげ美容液・コーティング剤・ケアの提案を施術に組み込むことで、1回あたりの客単価アップが期待できます。

「持ちがよくなる」「自まつ毛が育つ」という明確なベネフィットを伝えることで、オプション購入につながりやすくなります。

ターゲット特化型メニューで選ばれる理由を作る

特化メニューの例ターゲット差別化ポイント
大人女性向けナチュラルマツエク40代以上悪目立ちしない・まつ毛ケアも同時
ブライダルまつエク結婚式前の花嫁記念写真映え・当日も長持ち
時短スピードコース忙しい働く女性45〜60分で完了
まつげパーマ×トリートメント自まつ毛にこだわる方エクステ不使用・自然な仕上がり

マツエクサロン開業後の収支シミュレーション

開業後の収益イメージを具体的に把握しておくことで、何人来れば黒字になるか・どのくらいで軌道に乗るかの目安がわかります。

1席・1人運営(自宅開業)の収支例

項目目安
客単価8,000円〜12,000円
1日の施術数4〜5人(1施術60〜90分)
月間営業日数20〜22日
月間売上(満席時)64万〜132万円
材料費・消耗品売上の10〜15%
広告費3万〜8万円
諸経費5万〜10万円
手残り(満席時)40万〜90万円前後

開業後3〜6か月間は予約が安定しないため、実際には満席の50〜70%程度の売上からスタートするケースが多いです。

損益分岐点(黒字になる最低来店数)を事前に計算し、目標来客数をKPIとして管理することが重要です。

廃業率から学ぶ生存戦略

美容業界全体の廃業率は、開業1年で約60%、3年で約90%ともいわれます。

廃業する主な原因は「集客力不足」「資金不足」「スタッフ採用・定着の失敗」の3つが大半を占めます。

生存率を高めるための具体的な戦略:

  • 開業前から集客チャネルを複数整備する(SNS・Google・ポータル)
  • 開業後6か月分の運転資金を確保してから開業する
  • リピート率70%以上を目標に顧客満足を最優先にする
  • 価格競争ではなく技術と接客で選ばれるポジションを取る
  • 1人運営で安定させてからスタッフ採用を検討する

衛生管理とトラブル対策|安全なサロン運営のために

目元という繊細な部位を扱うマツエク施術では、衛生管理の徹底とトラブル対応の準備が経営リスク管理の核心です。

競合記事でほとんど触れられていないこの領域こそ、長期的な信頼構築に直結します。

グルーアレルギーへの対応

グルー(接着剤)にはシアノアクリレートが主成分として含まれており、まれにアレルギー反応(目の充血・腫れ・かゆみ)を引き起こすことがあります。

対策として実施すべきこと:

  • 初回施術前に必ずアレルギー歴・皮膚感作歴を問診票で確認する
  • 事前パッチテスト(アレルギー感作テスト)の実施と記録
  • 低刺激・感作リスクの低いグルーを選定する
  • 施術同意書(リスク説明書)の署名取得
  • 症状が出た場合の対応フロー(近隣眼科の紹介先を準備)を整備する

衛生管理の保健所基準と日常管理

保健所の基準を満たすだけでなく、毎日の習慣として衛生管理を徹底することがサロンの信頼を守ります。

衛生管理項目対応方法
ツイザー・コームの消毒薬液消毒または乾熱消毒(毎施術後)
タオルの衛生管理1客ごとに新しいもの使用または使い捨て
手指衛生施術前後の手洗い・アルコール消毒
廃棄物処理グルー・使用済みチップの適切な廃棄
施術スペースの清掃毎施術後の清拭・定期的なアルコール拭き取り

よくある質問(FAQ)

美容師免許なしでマツエクサロンを開業できますか?

経営・管理のみを行い、施術はすべて美容師免許保有者が担当する形であれば、オーナーが無免許でも開業は可能です。

ただし、有資格スタッフが退職した場合に営業が停止するリスクがあるため、長期的な安定運営のためにはオーナー自身も美容師免許を持つことを強くおすすめします。

保健所への届出はいつまでに提出すればよいですか?

保健所への美容所開設届は、営業開始前に提出し、現地検査を受けて確認済証の交付を受けてから営業を開始する必要があります。

検査・交付まで数日〜1週間以上かかる自治体もあるため、開業予定日の2〜3週間前には届出できるよう準備しましょう。

物件契約・内装工事前に管轄保健所へ事前相談することで、手戻りリスクを大幅に減らせます。

マツエクサロンの開業に管理美容師は必ず必要ですか?

施術者が自分1人だけであれば管理美容師は不要です。

美容師として従業する者が常時2名以上になる場合にのみ、管理美容師を1名以上置く義務が生じます。

将来的にスタッフを採用する予定がある場合は、開業前から管理美容師講習の受講計画を立てておきましょう。

自宅でマツエクサロンを開業する際にマンションでも大丈夫ですか?

マンション開業は「管理規約」と「保健所の構造設備基準」の2つのハードルをクリアしなければなりません。

まず管理規約で「事業利用禁止」の条項がある場合は開業できません。管理組合または大家への確認と書面許可が必須です。

次に保健所の基準が非常に厳しいことを認識してください。多くの自治体では「生活空間と施術スペースが壁で完全に仕切られていること(カーテン・パーテーション不可)」「客が居住空間を通らずに入れる独立した動線があること」を求めており、一般的な賃貸マンションでは許可が下りないケースが多くあります。

物件契約前に必ず間取り図を持って管轄の保健所へ事前相談してください。

マツエクサロン開業に使える補助金はありますか?

小規模事業者持続化補助金(HP・広告費等に活用可)、キャリアアップ助成金(正社員転換時)、人材開発支援助成金(スタッフ研修)、IT導入補助金(予約・顧客管理システム導入)などが活用できる可能性があります。

補助金・助成金は公募期間と採択条件があるため、最新情報を中小企業庁・厚生労働省・商工会議所の公式サイトで確認することをおすすめします。

開業後すぐに黒字化できますか?

多くの場合、開業直後は予約が安定しないため、最初の3〜6か月は赤字になることも珍しくありません。

開業前から複数の集客チャネル(Instagram・Google・ポータル)を整備し、モニター施術や口コミ収集でレビューを積み上げることで、軌道に乗るまでの期間を短縮できます。

開業後6か月分以上の運転資金を確保してから開業することが、廃業を防ぐ最重要ポイントです。

シェアサロンでのマツエク開業は保健所への届出は不要ですか?

シェアサロン側が既に美容所登録(確認済証)を持っており、あなたがシェアサロンと「業務委託契約」を結ぶ場合は、別途届出不要で施術できるケースがあります。

ただし、あなたが完全な個人事業主として席のみを借り、お客様から直接代金を受け取る「面貸し(席貸し)契約」の場合は注意が必要です。保健所によっては「1つの美容所登録の中で独立した複数の事業主が営業することはできない」として、個別での開設届の提出や管理体制の変更を指導されるトラブルが全国で発生しています(開設者一元の原則・名義貸し問題)。

利用前に「個人事業主としての営業が保健所に認められているシェアサロンか」を運営側に書面で確認してから契約してください。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。