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フリーランスと起業の違い|それぞれのメリット・デメリットを徹底比較

会社の社員として働かない方法として、フリーランスや起業といった方法があります。

どちらも独立して働くという点では一緒ですが、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

今回は、フリーランスと起業の働き方の違いを比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

フリーランスと起業の違い

個人事業主として企業から業務を請け負う「フリーランス」

フリーランスとは、業務委託の形式で既存企業から仕事を請負い、それによって生計を立てる個人事業主のことです。

業務委託とは、企業と対等な形で契約を結び、予め決められた報酬の下で決められた成果物を納品する働き方のことを指します。

予め決められた成果物を納品すればよいため、働く時間や場所は比較的自由ですが、案件を受注できない月は収入が得られないこともあります。

新しく事業を始める「起業」

起業とは、新しく事業を自分で始めることです。

資金を出してそれを元に新たな価値を創造し、資金を回収して利益を得る、といったサイクルを続ける必要があります。

成功すれば大きな報酬を得られる可能性がありますが、事業が上手くいかなければ低い収入しか得られなかったり、倒産する可能性もあります。

起業する際は会社を設立し、設立した本人が代表取締役の肩書きを得て活動するのが一般的です。

フリーランスとは

自由な働き方のイメージが強いフリーランスですが、必ずしも楽な働き方というわけではありません。

フリーランスで働くメリット・デメリットを紹介します。

フリーランスで働くメリット

働く場所・時間の自由度が高い

会社員の場合、基本的には定時にオフィスまで出社して定時まで(もしくはそれ以降まで)働く、という生活を週に5日続けなければなりません。

しかし、フリーランスの場合は、決められた成果物を提出しクライアントの要望を満たすことさえできれば、働く場所や時間には制約がありません

家やカフェ、コワーキングスペースなど自由に働く場所を決めることができます。

働く環境の自由度が高いことがフリーランスの大きなメリットの一つです。

会社員時代のスキルを活かせる

起業をする場合、創業期はほとんどの業務を自分でこなさなければなりません。

このため、事業をマネジメントするスキルを始め、経理の知識や採用の知識など、会社員時代では身につかない様々な能力が要求されます。

一方で、フリーランスならば、会社員時代に培ってきたスキル・強みをそのまま仕事に活かすことが可能です。

例えばWebプログラマーとして会社員時代に大きな成果を残した人は、フリーランスに移行後も安定した受注を期待できるでしょう。

フリーランスで働くデメリット

収入が安定しない

フリーランスの給与体系は、「成果物一つに対していくら」というものです。

このため、会社員と違って毎月決まった収入が入るわけではなく、案件が少ない月は収入がほとんどなくなってしまうリスクがあります。

また、収入を確保するために明らかに時間単価で最低賃金を割るような業務も引き受けなければならないこともあります。

社会的信用が低い

フリーランスは収入が安定しないという特徴があるために、その分社会的信用力が低いです。

このため、例え安定した収入があるフリーランスであっても、家や車のローン・クレジットカードの審査などに通らない可能性があります。

特に、独立してから日の浅いフリーランスは要注意です。

賃貸契約や家のローンなどの審査では2〜3年分の確定申告の控えを求められることも多く、用意できない場合は例え金銭的に余裕があっても借りれないケースが多々あります。

このような社会的信用の低さの影響は仕事にも影響します。

大手企業の中にはフリーランスとは契約を行わないところも多く、「フリーランスである」というだけで大口の取引を失ってしまうリスクがあります。

起業のメリット・デメリット

起業のメリット

事業が成功した場合は高い収入・資産を得られる

案件を一つ一つ受注していくフリーランスと異なり、起業家の仕事は事業活動、すなわち「利益をあげる仕組みを作ること」です。

このため、事業が上手く行けば創業者として大きな利益を享受できるようになる場合があります。

会社を売却したり、上場することができた際には、数億・数十億単位で資産を獲得することも可能です。

大きなやりがいを感じられる

起業をした場合、全て自分が出したアイディアやプランに基づいて、事業活動をマネジメントすることになります。

上司に指示されたり、クライアントの要望に振り回されることはありません。

このため、フリーランスと比べて非常にやりがいが高いのが特徴です。

起業のデメリット

リスクが高い

起業をする場合には、自分で事業の元手となる数十万円〜数百万円のお金を出さなければなりません。

このため、事業が失敗した場合には自分が貯めたお金を全て失ってしまいます

もし会社として融資を受けたお金の連帯保証人を起業家個人にしていた場合は、個人では抱えきれないほど借金額が膨れ上がることも考えられます。

手続きが複雑である

会社を設立する際には、定款の作成・認証を始め、複雑な手続きを行う必要があります。

また、会社設立後も毎年決算公告を行う義務があり、フリーランスとして活動するのに比べ、非常に事務作業が多いです。

フリーランスと起業を徹底比較!

収入面での比較

フリーランスはすぐに稼げないことが特徴

フリーランスの年収の中央値は、大体400万円前後と言われています。これは日本の会社員の平均年収とほとんど変わらない額です。

フリーランスで直接案件を獲得するようになったからといって、直ちに稼げるようになるわけではないことがわかります。

起業家は上場などすることで一気に安定した高収入を得ることが可能

一方で、華やかなイメージがつきまとう起業家も、実際の平均年収は400万円〜500万円です。

上場や売却など、大成功した一部の人は億単位の収入を得ることができますが、実際の平均的な起業家の年収は、会社員やフリーランスと比べてそこまで変わらないことがわかります。

引用:日本政策金融公庫総合研究所

自由度で比較

フリーランスは自分の自由に仕事ができる!

クライアントの要望に従う必要はありますが、働く場所・時間などに関する自由度は高いです。

また、クライアント以外では、同僚・上司・取引先などとコミュニケーションをとる必要がないため、人間関係でのストレスも少ないです。

起業家は社員をまとめる必要がある

一人で起業する場合は、フリーランスと同様に自由度は高いです。

しかし、社員を雇い、取引先も増えてくると、会社を維持するために激務を強いられることがあります。

リスクで比較

フリーランスはリスクが大きい

フリーランスは副業から始めることもでき、初期投資も必要ないため、比較的リスクが少ないです。

ただ、完全にフリーランスになった場合、社会的信用が低下することで、仕事上の契約やプライベートでのローン審査において不利になってしまう危険は否めません。

起業は軌道にのると安定する

一方で起業をする際は、会社を辞めて自身の貯金をつぎ込んで始めなければなりません。

失敗して借金を負う可能性も高く、そういった点ではリスクが高いです。

ただ、一度軌道に乗れば「代表取締役」という肩書きと安定した高収入を得ることができます。

まとめ

フリーランスと起業にはそれぞれ特徴があり、どちらが良いとは一概には言えません。

しかし、フリーランスの中には、社会的・金銭的な成功ややりがいの強い仕事に憧れ、起業を志す人も多いのではないでしょうか。

特にフリーランスとして高い収入を得ている人は、税務的な面でも起業(会社設立)がオススメです。

しかし、フリーランスの方が起業するにあたって大きなハードルとなるのが会社設立の手続きです。

会社設立の手続きは、知識がない人には非常に時間がかかる作業です。

また、手続きに不備があれば差し戻しを食らったり、設立後に不要な税金を支払うことになりかねません。

このため、フリーランスから起業をする際には、会社設立の専門家に依頼するのが一番簡単です。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。