英会話教室の開業に資格や許認可は不要ですが、開業届などの提出期限には注意が必要です。
現代では、グローバル化が進み、英語でコミュニケーションを取れるスキルがビジネスシーンを始め、様々な場面で求められています。
実際に、英語力を身に付けるために、英会話教室に通ったり、留学したりする人も増えているでしょう。
このように英語学習への需要が高まっている中で、英会話教室を開業しようと考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、英会話教室の開業手続き・必要資金・料金設定・集客のポイントまで、開業前に押さえるべき全体像をまとめます。
目次
英会話教室は開業しやすいが競合に注意
英会話教室は、一般的な「民間スクール」形態であれば、特別な資格がなくても開業できるためスモールスタートしやすい事業です。
一方で、大手スクールやオンラインサービスも多く、なんとなく始めると価格競争に巻き込まれやすいでしょう。
成功のコツは、開業前に「誰に・何を・どの形で提供するか」を以下のように具体化することです。
- 子ども向けなら「楽しさと継続設計」
- 社会人向けなら「短期で成果が出るカリキュラム」
- 資格対策なら「合格までのロードマップ」など
独自の価値を生み出せると、英会話教室を開業してから生き残りやすくなります。
英会話教室の4つの開業パターン
英会話教室の開業には、主に4つのパターンがあります。
ここでは、開業パターンごとに特徴をご紹介します。
自宅で開業する
自宅やマンションの一室を教室として整えて、自宅で英会話教室を開業できます。
自宅で英会話教室を開業することで、英会話教室のために賃貸の契約をする手間を省くことができ、費用も抑えることが可能です。
さらに、仕事場まで移動する必要がないため、移動時間や交通費の節約にもつながります。
自宅で開業することで、様々な初期費用や運営費用を節約することができるでしょう。
フランチャイズに加盟する
英会話教室におけるフランチャイズとは、既存の英会話教室の傘下に入る仕組みを指します。
加入することで、教室名の使用権やサービスの販売権を活用できるシステムです。
売上の一部からロイヤリティを支払うことで、運営元から経営ノウハウ等を学べます。
個人としてビジネスをスタートさせるよりも、サポートを活用できるので安心感があり、初めて事業を運営する方に有効でしょう。
一方で、教材やレッスンの進め方など運営元のルールに従う必要があり、自由度は制限されます。
フランチャイズではロイヤリティの支払いが負担になるリスクがあります。
物件を借りて開業する
物件を借りて英会話教室を開業する方法もあります。
英会話教室を開く場所を自由に選ぶことができ、事業を運営しやすい選択肢です。
また、自宅で授業を行うよりもプライベートと仕事の境界線を付けやすいでしょう。
一方で、テナントのサイズや立地条件によって異なりますが、敷金や礼金、保証金など初期費用がかかることを覚えておきましょう。
教室を維持するために設備管理費や賃貸料などのランニングコストも考慮する必要があり、より計画性が求められる方法です。
オンライン・レンタルスペース・出張で開業する
近年はオンラインやレンタルスペース、企業への出張レッスンで始める人も増えています。
初期費用を抑えつつ、ターゲットの反応を見ながら形を固められるため、スモールスタートに向いた選択肢です。
英会話教室の開業に資格は必要?
英会話教室を開業するには、特別な資格や許可は必要なのでしょうか。
ここでは、英会話教室に必要な資格についてご紹介します。
資格がなくても開業できる
英会話教室を開業するために資格は必要ありません。
英語を教えるための特別な許可も必要ないので、開業したいと決めたらすぐにスタートできます。
資格がなくても開業でき、開業のハードルが低いでしょう。
信頼を獲得するために有効な資格もある
必須ではありませんが、英語関連の資格は以下のように多数あります。
- 実用英語技能検定(英検)
- TOEIC
- TOEFL
- 国連英検(国際連合公用語・英語検定試験)
- 日商ビジネス英語検定試験
- ビジネス英語翻訳士
講師としての実力を証明し、信頼を獲得するためのアピールとして効果的です。
顧客の信頼度が高まれば、生徒を獲得しやすくなり、集客にも役立ちます。
資格だけでなく、「留学経験」「海外勤務」「指導実績」「合格者の声」なども、同様に信頼を高める材料です。
特定商取引法の規制を受けるケースがある
英会話教室そのものに国の許認可は不要ですが、契約期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える語学の教授は、特定商取引法上の「特定継続的役務提供」に該当します。
該当する場合、契約書面の交付義務や中途解約時のルールなど、消費者保護のための規制が適用されます。
自宅の一室を教室にする場合は、賃貸借契約や用途地域の制限で営業が認められるかどうかも、契約前に確認しておく点です。
(出典:消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」)
開業届を出す必要がある
事業を始めるには、開業届を税務署に提出する必要があります。
教室がある地域の所轄の税務署に提出します。
国税庁のタックスアンサーでは、提出期限は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」とされています。
(出典:国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など」)
書類には、氏名、住所、マイナンバーなどの個人情報を入力する欄の他、所得の種類や事業の概要などを記入する欄が設けられています。
個人事業主として開業する場合は、開業届を出すだけで問題ありません。
実際には節税・帳簿管理のしやすさの観点から「青色申告」の検討も一緒に進める人が多いです。
法人を設立する場合は別の届出が必要になる
個人事業主ではなく法人を設立する場合は、開業届ではなく別の手続きが必要です。
また、会社の形態によって金額は異なりますが、法人設立には費用がかかることを覚えておきましょう。
法人を設立する場合は、法人設立届出書を納税地の所轄税務署長に提出します。
国税庁の案内では、提出期限は法人設立の日(設立登記の日)以後2か月以内とされています。
しかし、法人化することで収益によっては節税効果を得られる可能性があります。
また、社会的信用度が高まり、顧客を集めやすくなるという利点もあるのです。
・必須の資格はないが、英会話教室を開業する上で有効な資格もある。
・開業後1ヵ月以内に開業届を税務署に提出する必要がある。
・法人を設立する場合は書類の準備と設立費用が必要だが、節税効果を得られる等のメリットがある。
英会話教室の開業による年収はどのくらいか
英会話教室を開業することで、どのくらいの収益が見込めるのか気になる方も多いでしょう。
しかし、どの形態で、どのターゲットに、どんな単価で提供するかによって大きく変わります。
レッスンの回数等が影響する
会話教室としての収益は、入会金や教材、レッスン費用から得るものが中心です。
レッスンの回数や生徒数によって見込める収入は変動するため、吟味しなければなりません。
相場と比較しながらどのくらいの価格設定にして、どのくらいのレッスンを実施するか検討します。
自分の中で、どのくらいの収入を求めているのかを明確にし、それに応じて調整すると良いでしょう。
・英会話教室やプラン内容によって価格帯は大きく異なる。
・英会話教室の収入源は、入会金や教材、レッスン費用等である。
・自分の中でどのくらいの収入を求めているのか、明確にすると良い。
料金設定は単価と継続率で考える
年収を安定させるには、単価だけでなく継続率が重要です。
たとえば、体験から入会してもすぐ辞めてしまうと、開業のコストを回収できません。
入会金や月謝、複数のコースを設けるなど、多角的に考えることが求められます。
英会話教室の開業において必要なことやポイント
英会話教室の開業において必要なことは何なのでしょうか。
ここでは、英会話教室を開業する上でのポイントをご紹介します。
ターゲットを明確にする
英会話教室を開業する際、ターゲットを明確に設定しましょう。
子供向け、大人向け、上級者向けなど、ターゲットによってレッスン内容が大きく変わるためです。
また、ターゲットを設定することで、集客の施策も立てやすくなります。
立地や外装・内装など、その後の運営にも大きく影響するため、しっかりと検討しましょう。
レッスンの形式を決める
ターゲットを設定したら、レッスンの形式を決めましょう。
英会話教室のレッスン形式には、マンツーマンやグループ、オンラインなどの形式があります。
1対1でレッスンを進めるマンツーマンに比べると、グループレッスンやオンラインレッスンの方が、価格は低い傾向にあります。
近年はWEB会議ツールが普及したことで、オンラインレッスンの需要も高まっていますが、市場の動向を確認しながらニーズに合ったレッスンを提供することが大切です。
カリキュラムを整える
「何ができるようになる教室か」が曖昧だと、思うように申し込みしてもらえません。
これを回避するためにカリキュラムを整えて、説明できるようにしておきましょう。
たとえば、初心者・中級者・上級者などのレベル別、英検・TOEIC・ビジネスなどの目的別です。
宣伝・集客を積極的に活用する
事業として英会話教室を成功させるには、宣伝・集客を積極的に行うことが重要です。
レッスンや講師、教室の準備が整っていても、生徒が集まらないと収益を上げることができません。
近年では、Web上での集客を行う英会話教室も多く、SNSやリスティング広告、ホームページ、オウンドメディアなどがあります。
また、地域の方に向けた英会話教室を開業する場合、地域の新聞や掲示板等にチラシを掲載することも有効でしょう。
法人か個人事業主にするか
英会話教室を開業する際は、法人を設立するか、個人事業主として運営するかを決めましょう。
「小規模な英会話教室を運営したい」「初期費用をかけたくない」という方は、スモールスタートしやすい個人事業主を選択することも良いでしょう。
一方、将来的に事業の拡大を目指している場合は、法人を設立すると良いでしょう。
一定の収益を獲得できるようになったら、法人の方が節税効果を得ることができます。
開業する英会話教室の今後の展望や将来のビジョンを考えて選択すると良いでしょう。
・ターゲットを明確に設定することが大切である。
・ターゲットに合わせてレッスンの形式と集客の方法を決めると良い。
・将来的に事業の拡大を目指している場合は、法人を設立することが有効である。
英会話教室の開業で必要な手続き
英会話教室は始めやすい一方、手続きを後回しにはできません。
詳細は割愛しますが、以下の手続きが必要です。
個人事業主
- 開業届の提出
- 青色申告を検討する場合は、青色申告承認申請書の提出
- 事業用口座・会計管理の準備
法人
- 法人設立(定款作成、登記など)
- 設立後の税務署等への届出
- 役員報酬や経費のルール整備
よくある質問(FAQ)
英会話教室の開業に資格は必要ですか?
必須の資格はありません。英検やTOEICなどの語学力を示す資格、あるいは指導経験を裏付ける資格を持っていると、生徒や保護者からの信頼を得やすくなります。
個人事業主として開業する場合、いつまでに届出が必要ですか?
個人事業の開廃業等届出書を税務署に提出します。国税庁の案内では、提出期限は事業を開始した日の属する年分の確定申告期限までとされています。
法人を設立して英会話教室を開業する場合の届出は?
法人設立届出書を納税地の所轄税務署長に提出します。提出期限は法人設立の日(設立登記の日)以後2か月以内です。
自宅で英会話教室を開業する際に注意する点はありますか?
費用を抑えられる一方、賃貸物件であれば賃貸借契約上教室利用が認められているか、用途地域による制限がないかを事前に確認しておく点が挙げられます。
英会話教室は特定商取引法の対象になりますか?
契約期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える語学の教授は、特定商取引法上の特定継続的役務提供に該当し、契約書面の交付義務などの規制対象となります。
英会話教室の年収はどのくらい見込めますか?
公的な統計は無く、レッスンの回数や生徒数、単価と継続率によって幅があるため、あくまで目安として自身の目標収入から逆算して検討する考え方が一般的です。
英会話教室の開業をスムーズに進めるために
英会話教室の開業には、特別な資格を必要をしないため、開業届を提出すれば教室をスタートさせることができます。
また、英会話教室の事業を成功させるために、ターゲットの選定や集客の方法など決めるべきことも多いでしょう。
開業する際には、法人か個人事業主にするかどうかも決める必要があります。
しかし、自分の中で法人と個人事業主のどちらにすれば良いのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
経営サポートプラスアルファでは、24時間いつでも、開業に関するご相談をすることが可能です。
開業をする際に、専門家のサポートを活用することで、会社設立がスムーズに行うことができたり、自分に合った開業の方法を選択できたりするでしょう。
まずは、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。





