中国人に限らず、外国人が日本で会社を設立するのは、昔は規制などもあり難しかった側面がありました。
しかし、最近では規制も緩和されており、さらにグローバル化の流れに伴って外国人の経営者が多くなっているという背景もあります。
そこでこの記事では、中国人が日本で会社を設立する際に必要な書類や流れについて詳しく紹介していきます。
目次
中国人が日本で会社を設立する時の流れ
中国人が日本で会社を設立する際の流れは以下のようになります。
- ◆屋号の決定
- ◆会社構成の選定
- ◆事業目的に策定
- ◆所在地の設置
- ◆定款の作成
- ◆公証役場で定款を認証
- ◆資本金の振り込み
- ◆法人登記
- ◆税務署への届出
それでは、詳しく見ていきましょう。
屋号の決定
屋号は会社の名前のことで、日本語を使って記載することになります。
そのため、中国で使われている繁体字や簡体字については使うことができません。
ただし、日本では使われている漢字の場合は、そのまま中国での会社名を日本でも付けることが可能です。
一般的に、中国の会社が日本支社を設立する場合は、中国語での漢字表記を日本の漢字表記にして屋号につけることが多くなっています。
また、日本で新しく会社を設立する場合は、自分の好きなものを付ける傾向が強いです。
会社構成の選定
会社構成の決定とは、会社の出資人が誰で取締役は誰かなどを決めることです。
2015年までは、取締役のうち一人は日本に住所を持ってなくてはいけませんでした。
しかし、その後の法改正で取締役全員が海外に住所を持っている場合でも、取締役になることができるようになりました。
事業目的に策定
事業目的の決定とは、その会社ではどのような事業を行うかを事前に決めることになります。
事業目的については、具体的に決まっていない場合でも、どのような事業を主に行っていくのかだけを記載しておくだけでも大丈夫です。
また、経営管理ビザを取得する際には、事業目的と今後の事業目的の実現性の有無が、経営管理ビザ取得の鍵にもなってくるので、事業目的や今後の事業計画については経営管理ビザを取得したい場合には、細かく決めた方がいいでしょう。
所在地の設置
会社の所在地とは、会社をどこに設置するかの決定です。
所在地は、連絡がつく住所になるので、テナントとして借りているオフィスもしくは、住所利用ができるレンタルオフィスなどを利用しましょう。
ただし、テナントを借りる際には外国人であることで借りにくくなってしまうのも事実です。
そのような場合は、テナントオーナーが中国人のテナントを中心に、賃貸契約ができないかを確認してみるといいでしょう。
定款の作成
定款とは、会社の情報を記載したもので、法人を設立する際に必要なものになります。
最近では電子定款を利用する人が多いです。
電子定款ですと印紙代4万円が不要になります。
また、電子定款は電子情報であるため印紙税法の対象外です。
そのため、電子定款の認証を得たいならば、設立代行業者に依頼するのがよろしいでしょう。
電子定款の代行を依頼するには、経営サポートプラスアルファにまずは無料相談をしてみてください。
公証役場で定款を認証
株式会社を設立する場合は、定款を作成した後に公証役場で定款を認証してもらう必要があります。
定款の認証は、問題がない場合は1週間から2週間程度で完了し、定款を認証してもらう際に、印紙代の4万円と定款認証手数料5万円、謄本交付料2000円が必要です。
ただし、定款は電子定款にすることで、印紙代を0円にすることができます。
また、合同会社の場合は定款の認証が不要なので定款認証手数料5万円が不要です。
そして、合同会社の場合も電子定款にすることで、印紙代の4万円も不要になります。
資本金の振り込み
定款の認証が完了したら、資本金の振込を行います。
資本金は、事前に決めた金額を振り込むことになっており、日本の銀行口座が必要です。
法人登記
法務局で株式会社の法人登記をする際には、登録免許税というものが必要になり、登録免許税は15万円です。
一方で、合同会社の場合は法人登記する際の登録免許税が6万円かかります。
合同会社では、法人登記費用が株式会社の半分以下に抑えられるのがポイントです。
税務署への届出
日本の法人設立する場合は、当然日本での税金を納める必要があります。
税金を納める時に必要な書類も法人設立時に税務署へ届け出ることが必要です。
税務署への届出が必要な書類は以下の6つです。
- 1.法人設立届出書
- 2.青色申告の承認申請書
- 3.給与支払い事務所等の開設届出書
- 4.源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書
- 5.棚卸資産の評価方法の届出書
- 6.減価償却資産の償却方法の届出書
中国人が日本で会社を設立する時に必要な書類
中国人が日本で会社を設立する場合でも、日本人が日本で会社を設立する場合でも必要な書類は変わりません。
ただし、中国人が日本で会社をする場合に必要になるものがあります。
それが、実印です。
実印は、海外在住の方の場合はその国で使っている「実印の証明書」と「実印証明を翻訳したもの」が必要になります。
日本に在住している中国人の場合は、日本の実印で大丈夫です。
中国人が日本で会社を設立する時の注意点
中国人が日本で会社を設立する際の注意点は以下の3つです。
- 1.中国での印鑑証明書が必要
- 2.来日が必須
- 3.認可された銀行口座の開設
中国での印鑑証明書が必要
中国人が日本で会社設立する場合には、印鑑証明書が必要になります。
中長期のビザをお持ちの中国人や特別永住者の人は、日本で住民票が作成されるので、日本国内で個人の印鑑登録と印鑑証明書の発行が可能です。
しかし、短期滞在の中国人の方や日本に在住していない中国人の人は、日本で印鑑証明書を取得することができません。
この場合は、中国で使用している印鑑と中国での印鑑証明書の原本、印鑑証明書を日本語翻訳したものを提出することで、日本での印鑑証明の代替として使うことができます。
来日が必須
中国人が日本で会社をする設立する場合、日本に来ないで会社を設立することは不可能です。
ただし、会社の取締役が複数人いて、代表取締役を自分以外の日本人にしている場合は、来日しなくても会社設立ができます。
ただし、この場合代表取締役が日本人であることが必要です。
また、中国人が一人で日本で会社設立する場合は、日本への来日が実質必須です。
もちろん、設立代行業者などを利用することで、ある程度会社設立のサポートを受けることができます。
認可された銀行口座の開設
日本での会社設立にあたり、資本金を振り込む際には銀行口座が必要になります。
資本金を振り込むことができる口座は、日本で認められている銀行口座のみです。
日本で認められている銀行口座というのは、日本で営業している銀行もしくは外国にある銀行の日本支店です。
そのため、中国本土の銀行口座の場合は資本金の振り込みに使えないことがあります。
また、銀行口座に関しては中国人の方でも作成することは可能ですが、最近はマネーロンダリング対策として、銀行口座をすぐに開設できないという方も多いです。
短期滞在者の場合は、そもそも日本での銀行口座を作成することができないという弊害もあります。
ただし、日系銀行の中国支店などで口座を作成することができれば、その口座を経由して日本の会社に対して資本金の振込を行うことが可能です。
この場合でも口座作成に対しては、銀行ごとに作成基準があり、外国人の場合は基準を満たせないこともあります。
そのため、銀行口座の作成について十分時間を取った上で対策をとるようにしましょう。
経営管理ビザとは?
経営管理ビザとは、中国人をはじめとした外国人が日本でビジネスを展開するために、取得できるビザのことです。
経営管理ビザは、従業員を2人以上を雇う場合もしくは、資本金が500万円以上の会社を経営する外国人なら取得できる可能性があります。
また、経営管理ビザは法人を設立する前に、申請できるのも特徴です。
一方で、経営管理ビザの取得要件は非常に厳しく、申請をしたからといって誰でも取得できるわけではないというのが現状です。
また、法人設立前に経営管理ビザを取得しようと思い申請をしても、法人設立後に結局経営管理ビザを取得できなかったなんてこともあります。
経営管理ビザの期間は、5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月となっていますが、現状として法人を設立したばかりの人が認められるのは、3ヶ月・4ヶ月・1年のどれかです。
また、5年の経営管理ビザを取得するためには、数年間の会社運営の実績と安定的に会社を運営してきたという証明が必要になります。
経営管理ビザがおりない場合とは?
経営管理ビザがおりない主な要因は、会社の信頼度です。
経営管理ビザは、あくまでも法人の運営に対して必要な人材に対してビザを発給するというのが目的になります。
そのため、その法人はその人がいないと安定的に運営できない、もしくは法人自体が安定的に運転するためにはその人が必要ということを証明できなくてはいけません。
証明のためには、最初に法人が安定的に収益を上げているということを証明する必要があります。
このためには、貸借対照表や収益計算書が必要でしょう。
また、事業を始めたばかりの場合は、事業目的と事業計画を正確に決めた上で、その事業計画の精度が測られることになります。
まとめ
中国人が、日本で会社を設立するのは、昔に比べれば簡単になっています。
ただし、中国人が会社を設立した後に、ビザを取得するためには高い壁があるのも事実です。
中国人の会社設立でしたら手数料0円でサポートできる経営サポートプラスアルファまでご相談ください。
24時間受付しており、会社設立するまで相談は何度でも無料ですのでお気軽にご相談ください。