企業間の取引で必要となる法人口座ですが、実は、会社設立時において、法人口座開設は必須ではありません。
このため、面倒であれば、開設しなくて良いのです。
法人口座開設時の注意点や、どの銀行での開設が良いのかなどをご紹介していきます。
断られた場合の対処法はこちらで紹介しています
そもそも法人口座とは
法人口座とは、名義が会社名である銀行口座のことです。
企業間の取引において必ず法人口座を介して行わなければならない法律は存在しません。
このため、実際には、法人口座を開設しなくても会社の運営をしていくことは可能です。
法人口座を開設すると信頼度があがる?
個人名義の口座で法人口座の代用をすることは可能です。
しかし、会社と個人の名義の口座が混在していると、税務署や取引先の企業などから余計な疑念を抱かれかねません。
そうした場合、銀行への融資や大口の取引をする際に断られてしまう事態もあり得ます。
このため、会社を設立する際には、法人口座の開設をすることが大切です。
社会的信頼を強固にし、より円滑な会社の運営に繋がります。
法人口座開設を断られる要因・原因
法人口座の開設は、法人であれば誰でもできるわけではありません。
以下のいずれかに該当する場合は、銀行に口座開設を断られてしまう場合もあります。
- 資本金の額が低すぎる場合
- 事務所の実態がない場合
- 事業内容や会社の事業目的が不明瞭及び不適切な場合
こういったことが理由である場合には、自分で対策し、もう一度銀行に開設を申し込みましょう。
法人口座開設に必要な平均期間
法人口座開設に必要な期間ですが、少なくとも約1ヶ月はかかります。
法人口座の開設に必要な履歴事項全部証明書の発行に1~2週間かかり、口座開設の申請をした後の書類の審査にさらに1~2週間かかるため、合計で1ヶ月かかるのです。
申請したら当日に開設できる個人の銀行口座と比較すると、時間がかかると感じる方もいるかもしれません。
しかし、慎重に手続きを踏んでいるからこそ、法人口座を開設した企業は信頼性が高まるのです。
法人口座開設に必要な書類
次に、法人口座開設に必要な書類を紹介していきます。
これらの書類を銀行や金融機関にもちこむことで、法人口座の開設ができます。
履歴事項全部証明書
履歴事項全部証明書とは、法務局に登録した企業の情報が記載された書類のことです。
昔は登記簿謄本と呼ばれていましたが、データが紙から電子になったため現在の名称となりました。
法務局の窓口へ行くか、法務省のホームページで郵送を頼むことで、入手できます。
手数料が数百円かかります。
会社実印
会社実印とは役所で法人印鑑として認められた印鑑のことです。
法人登記をする際や、他社との契約書に捺印するときに使います。
法人を代表して捺印することから、代表者印とも呼ばれています。
銀行印
銀行印とは銀行口座の開設に必要な印鑑のことです。
会社実印と区別するために会社実印より小さなサイズであることが多いです。
口座を開設した後も、金融機関に関する場面で必要になります。
定款
定款とは会社の根本規則を記した書類です。
会社の発足時に発起人全員の同意を得て、且つ公証人の立ち会いによって初めて効力が生じます。
具体的には会社の事業目的、商号、資本金の金額などが記載されています。
定款も、法人口座開設時に必要になる大事な種類です。
本人確認ができる公的書類
公的書類とは本人であると証明できる書類のことを指します。
顔写真が貼付されている運転免許証やパスポートがあれば望ましいですが、この2つがない場合は保険証でも代用が可能です。
最後に、審査をより円滑に通過するために、事業の実態を証明できるもの(会社のWebサイトや顧客との契約書、サービスの具体的な内容が記された書類)も事前に用意しておきましょう。
準備は入念にしておけばおくほど、金融機関の職員からの印象は良くなります。
どの銀行にするのがベスト?
銀行口座を開設するにあたって、最初に考えなくてはならないのが、どの銀行で口座開設するのかということです。
都市銀行や大手のメガバンク、地方銀行、最近では銀行などもありますが、結局どの銀行で口座開設するのが良いのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
都市銀行・大手メガバンク
代表的な都市銀行やメガバンクは、みずほ銀行や三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行などです。
都市銀行・大手メガバンクで法人口座を開設するメリット
都市銀行で法人口座を開設するメリットは、大きく2つあります。
まず、取引先からの信頼が高くなるという点です。
大手の都市銀行であればあるほど、法人口座を開設するハードルはあがります。
このため、大手銀行で口座開設している企業は信頼できるのです。
特に、大手企業との取引をする場合は、都市銀行に法人口座を開設しておくべきでしょう。
次に、都市銀行には支店が各地にあるという点です。
日本中に顧客を持つ会社ならば都市銀行の法人口座は必須と言えます。
都市銀行・大手メガバンクで法人口座を開設するデメリット
一方で、都市銀行・大手メガバンクで法人口座を開設するデメリットは、2つあります。
まず、費用が高い点です。
、法人口座を使用しなくても持っているだけで利用料がかかります。
法人口座の維持に年会費がかかるため、定期的にお金を支払わなくてはならず、駆け出しの企業には厳しい綿もあるでしょう。
次に、法人口座開設の審査が他よりも厳しい点です。
最近では、年々審査が厳しくなっているという噂もあります。
地方銀行
横浜銀行や千葉銀行など、地方の名前を冠する銀行が、地方銀行です。
地方銀行は地域の主要な企業と連携していることが多いです。
地方銀行で法人口座を開設するメリット
地方銀行で法人口座を開設するメリットは 2つです。
まず、都市銀行よりも融資や新規企業の相談に親身に乗ってくれる点です。
大手銀行と比較すると、規模も小さいため、近い距離で細かい点を相談することができます。
次に、その地域に支店やATMが集中している点です。
事業を展開している地域が、銀行ATMの多い地域であれば、場合によっては都市銀行よりも使いやすいと言えます。
地方銀行で法人口座を開設するデメリット
地方銀行で法人口座を開設するデメリットは、首都圏に支店が少ないことでしょう。
その銀行がある地域に限定されてしまうので、幅広い事業展開を考えている人には不向きです。
ネット銀行
住信SBIネット銀行やジャパンネット銀行、楽天銀行のような銀行がネット銀行です。
固定店舗を持たずに、コスト削減を図っている新興の銀行です。
ネット銀行で法人口座を開設するメリット
ネット銀行で法人口座を開設するメリットは2つあります。
まず、都市銀行や地方銀行のように店舗に出向く必要がない点です。
外出する労力をかけずに、インターネット上のみで手続きで、口座開設ができます。
次は、振り込み手数料が安く済む点です。
小口の取引や個人単位の顧客との取引が多い企業はネットバンクを用いることで大幅に経費を削減できます。
加えて、ネット銀行では月々の口座の利用料もかかりません。
このように、手間がかからず費用が安いのがネット銀行の特徴です。
ネット銀行で法人口座を開設するデメリット
しかし、ネット銀行では、1日の引き出し金額に制限があります。
また、融資を受ける際に対象の口座として指定されていないケースもあります。
会社設立の際は、ぜひご相談を
今回の記事では、法人口座の開設について説明しました。
法人口座は企業が社会的な信頼を築いていく上で非常に重要なものです。
企業ごとに適した金融機関は異なります。
微細に渡って検討した上で、入念に必要書類を用意して銀行の審査に臨んで法人口座開設をしてください
経営サポートプラスアルファ(KSP)では、経営や財務に関するコンサルティングの豊富な経験を活かし、資金調達サービスや経理代行サービス、生産性の高い会議の実現を図る会議学導入支援サービス、 将来的な成長を見据えた事業再建・上場支援サービスなどをご提供しています。
会社設立時のサポートから、設立後のサポートまで一貫して行っていますので、貴社の事業計画を長いプランニングでサポートいたします。
初回のご相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。