これから法人を設立するならば、登記日をいつにするのか決めることは重要です。
登記日が法人設立日となるからです。
そこで、法人設立日の決め方から注意点まで詳しく解説しましょう。
登記日を決める際の参考にしてください。
目次
法人設立日は登記日?
法人設立日と登記日は何が違うのか解説します。
法人設立日は法務局に法人登記を申請した日
法人設立日とは法務局に法人登記の申請をした日のことです。
したがって、登記日が法人設立日になります。
法人設立日にこだわりがあるならば、法人登記の申請をする日を調整することが大切です。
登記申請をしてから2週間程度で登記が完了する
登記日と登記が完了する日にはズレがあります。
登記申請をしてから書類に不備がなければ2週間程度で登記が完了するのです。
登記が完了するまでは、実際に法人として活動することはできません。
それでも、法人設立日はあくまでも登記日になります。
また、登記申請をして書類に不備があれば訂正を求められるため登記完了日が遅れる点に注意しましょう。
法務局が休みの土日祝日と年末年始は法人設立日に設定できない
法務局が登記申請を受け付けているのは平日のみです。
窓口はもちろんのこと、郵送申請やオンライン申請であっても平日にしか受け付けていません。
登記日が法人設立日になるため、法人設立日は基本的に平日に限られてしまいます。
法人設立日を後から変えることはできない
登記をした日が自動的に法人設立日になります。
そのため、法人設立日は後から変更することはできません。
法人を設立する際には登記をする日に注意しましょう。
よく考えずに登記日を決めてしまい後で損をするケースがあるからです。
法人設立日と勘違いしやすいもの
法人設立日と勘違いしやすい日付について解説します。
登記完了日
登記完了日とは登記申請をした後で登記登録が完了した日のことです。
登記完了日は、登記簿謄本を取得できるようになり、会社の情報が公に認められた日といえます。
法務局が忙しい時期だと登記日から登記完了日まで間があくケースも少なくありません。
事業開始日
事業開始日とは、実際に事業を開始した日のことです。
法人を設立して登記手続きが完了しても、事業の準備をする期間があるため、登記完了日と事業開始日はズレることが多いです。
事業の準備を終えて実際に事業を開始した日が事業開始日になります。
ただし、事業年度の開始日は会社設立日のため気をつけましょう。
決算日
事業年度の終了日が決算日です。
決算日を1つの区切りとして、その事業年度の申告をする必要があります。
決算日の翌日より2月以内に確定申告書を税務署に提出しなければいけません。
また、初年度については会社設立日から決算日までが事業年度とされています。
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法人設立日の決め方
法人設立日の決め方にはどのようなものがあるのか紹介します。
法人設立日によって設立月が変わる
法人設立日をいつにするかによって、法人が設立された月が変わります。
このときには、事業の決算月との兼ね合いを考えることが大切です。
たとえば、4月1日に設立されて決算月が3月の場合は、初年度は12ヶ月あります。
もし、9月1日に設立して決算月が3月の場合は初年度は7ヶ月しかありません。
法人設立日から決算月までの期間を延ばした方が申告・納税のタイミングを遅らせることができます。
その方が資金繰りの観点からリスクを軽減できるのです。
そのため、通常は12ヶ月の決算期間となるように設立月を設定するケースが多いです。
法人設立日は住民税に影響する
法人設立日は住民税の計算に影響します。
住民税の計算では1事業年度が12ヶ月未満の場合には、1ヶ月未満を切り捨てるというルールがあるからです。
そのため、法人設立日を2日以降にすると初月は1ヶ月未満とみなされます。
この場合は住民税の計算で初年度は11ヶ月とみなされるため、住民税を減らせるのです。
法人設立日は消費税の免税に影響する
法人設立日は消費税の免税にも影響するため注意しましょう。
設立1期目が7ヶ月以下の場合には2期目の消費税が免税されます。
この場合は、売上高や給与支払額の金額に関係なく2期目の消費税が免除されるのです。
1期目が7ヶ月以上ある場合は、1期目の最初の6ヶ月の課税売上高と給与等支払額のいずれかが1,000万円以下の場合に限り2期目の消費税は免除されます。
特にこだわりがないならば節税を意識して法人設立日を決めよう
法人設立日に関して特にこだわりがないという場合は、節税を意識して法人設立日を決めましょう。
事業を開始してから最初の1年や2年は売上が安定せず、資金繰りも苦しい状況に陥るケースが多いです。
そこで、できるだけ節税することができれば、税金の負担を軽減して経営を安定させることができます。
吉凶を重視して法人設立日を決めるケース
法人設立日の決め方として吉兆を重視するケースがあります。
吉凶がなぜ重要なのか解説しましょう。
縁起の良い日を法人設立日にする会社は多い
日本には昔からその日の縁起にこだわるという習慣があります。
今でも吉凶を信じて行動している人は多く、たとえば結婚式を大安に行うケースは少なくありません。
そのため、法人設立日も縁起の良い日にしようとするケースがあります。
縁起の良い日は六曜を参考にして決める
縁起の良い日を決める際によく用いられるのが六曜です。
日本では昔から六曜があり、今でもカレンダーや手帳などには六曜が記載されていることが多いです。
冠婚葬祭などの儀式を行う際には六曜を活用して縁起の良い日が決められています。
六曜は下記の6種類です。
- 先勝
- 友引
- 先負
- 仏滅
- 大安
- 赤口
6日周期で順番に繰り返していくとされています。
大安が最も縁起が良く、仏滅は最も縁起が悪いとされている
六曜の中でも特に縁起の良い日とされているのは大安です。
逆に最も縁起が悪いとされているのは仏滅です。
そのため、法人設立日としてよく選ばれるのは大安であり、逆に仏滅は避けられる傾向にあります。
友引や先負、赤口などは時間帯によって吉凶が変わるのが特徴です。
建築業界など現在でも吉凶が重視される業界はある
それぞれの業界ごとに六曜の重要性は異なります。
たとえば、建築業界の場合は今でも六曜はとても重視されているのです。
建物の基礎工事の着工日から引渡し日まですべて大安にするというケースはよくあります。
仏滅に工事を開始すれば顧客が嫌がるケースがあるからです。
顧客へのイメージを考えて、法人設立日を大安にしておく会社もあります。
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法人設立日がずれるケースに注意する
登記申請の際に法人設立日がずれてしまうケースについて解説します。
郵送申請は書類が届いた日が法人設立日になる
郵送申請する場合は、法務局に書類が届いて職員が確認したときが法人設立日になります。
したがって、郵送申請する場合は配達日指定をすることが大切です。
ただし、郵送の場合はさまざまな影響で配達日が遅れる可能性があります。
自然災害や事故、郵送物の紛失などのリスクがあるからです。
その点も踏まえた上で郵送申請を利用するかどうか決めましょう。
オンライン申請はシステムがダウンしていると利用できない
登記申請の方法としてオンライン申請のシステムが用意されています。
法務省が運営している「登記・供託オンライン申請システム」があり、専用ソフトをダウンロードして利用するシステムです。
申請書の作成から電子署名の付与、送信まで行えます。
複雑な設定は不要であり、便利に利用できます。
ただし、オンライン申請のシステムは法務局が開いている時間帯でしか利用できません。
また、オンライン申請の場合は、システムがダウンする可能性があります。
システムが使えないとオンライン申請ができなくなるため、この点には注意しましょう。
また、オンライン申請を利用するには事前に電子証明書の取得が必要です。
申請書に電子証明書を付与する作業も発生します。
専門的な知識も求められるため、専門家に相談すると良いでしょう。
登記申請が却下されるケースもある
法人設立日は登記申請をした日に設定されて、そのまま登記が完了すれば法人設立日が確定します。
しかし、登記申請をしても内容に問題があり却下されるケースもあるため注意しましょう。
登記申請が却下された場合は、あらためて登記申請する必要があり、そのときの申請日が法人設立日になるのです。
そのため、あらかじめ申請書類の内容を確かめて不備や誤りがないか確認しましょう。
申請の前に専門家に相談をしてチェックしてもらえば確実です。
専門家に相談すれば法人登記を正しく行える
法人設立日を狙った日に行いたいならば、申請が却下されるのを防ぐ必要があります。
そのためには専門家に相談をすると良いでしょう。
専門家のサポートを受けることで、正しい内容で申請することができるからです。
専門家に依頼すれば、書類作成などの時間を節約することができ、節税方法などのアドバイスを受けることもできます。
法人設立日の決め方についても助言を受けられるでしょう。
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登記日が法人設立日になる点に注意しましょう。
法人設立日はさまざまな点に影響を及ぼすため慎重に決めるべきです。
この記事を参考にして、法人設立日をいつにするのか考えましょう。
また、事前に専門家に相談することで法人設立日についてアドバイスをもらえば、損をしない会社設立ができます。
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