長く続いたコロナ禍に際して飲食店の閉店が大きなニュースになりました。
しかし、それは飲食店をこれから開業しようと思う人には好都合かもしれません。
なぜならば飲食店の閉店に伴い、飲食店の居抜き物件の数が増えており、初期費用を抑えて飲食店を開業したいなら今が絶好のチャンスと言えるでしょう。
そこで、この記事では飲食店の開業に必要な準備やポイントについて紹介します。
飲食店開業で必要な7の準備
飲食店開業で必要な準備は、以下の7つです。
- コンセプト設計
- 資金計画
- ターゲット層の選定
- 物件選び
- 内装工事
- メニューの策定
- マーケティング
コンセプト設計
飲食店では、コンセプト設計が重要です。
コンセプト設計では、店内の内装からメニューの設計までを行うことになります。
コンセプト設計が重要になるのは、近年の飲食店では味の美味しさだけではなく、見た目の楽しさや店内の華やかさなどが注目されることが多いからです。
特に、若者向けのお店の場合はコンセプトの一つとして、インスタ映えを取り入れるといいでしょう。
インスタグラムで映えるような商品や店内内装にすることで、若いお客様を中心に集客することが可能です。
また、若者向けでないお店であっても、ターゲットを明確にした上でコンセプトを設計していくことは重要になります。
例えば、和食がメインで高価格帯のお店の場合、店内の内装はビビットカラーなどを利用しないで、茶色・黒などの落ち着いた色にした方がいいでしょう。
それだけではなく、店内に置く家具などは高齢者でも座りやすいように設計されたものがいいです。
このように店内をどのようなコンセプトで設計していくかで、集客できる層が異なってきます。
そして、コンセプトを明確に設計することで店の独自性を打ち出すことができ、味だけではなく他の部分で集客することが可能です。
資金計画
資金計画の策定も事前に行うようにしましょう。
飲食店を開業するにあたって大型店の場合は、数千万円かかることが多いです。
個人経営のこじんまりした飲食店であっても、数百万円程度の資金が最初に必要になるでしょう。
そして、全てを自己資金で行うのは難しいので、自己資金としてはいくら用意して、融資はどのくらい受けるのか、融資はどこで受けるのかなどを決めていくことが資金計画です。
飲食店開業には、日本政策金融公庫などの起業家向けの創業融資を利用するとよいでしょう。
しかし、このような場所でお金を借りる際には、事業計画が明確になっていることやコンセプト設計として他店と差別化できている、集客できる仕組みがあるかどうかを事前に審査されます。
ターゲット層の選定
ターゲット層を事前に選定しておくことも重要です。
ターゲットは、年齢・性別・趣向などで分けると良いでしょう。
居酒屋を開業するという場合でも、ターゲットを分けることができます。
例えば、若者向けの居酒屋を展開していきたい場合、店内の内装はインスタ映えする内装であったり、メニューとしても煌びやかなものがいいでしょう。
その他にも、価格帯としては1つの商品が500円から1000円前後になると売れ行きが良くなると言われます。
一方で、丸の内などのオフィス街にありビジネスマンが中心になる場合は、低価格帯のお店と高級志向の2つにターゲットを分けることが可能です。
低価格帯のお店は、終業後に飲み会などに利用されることが想定され、仲間内で来店することが基本になるでしょう。
高級志向のお店は、商談やデートなどに利用されることがメインになり、特にオフィス街で勤務するエリートサラリーマンを中心に集客することになるでしょう。
物件選び
飲食店を開業する際には物件選びも重要です。
飲食店の物件には主に二つの種類があります。
一つ目は賃貸テナントです。
賃貸テナントとして入居する場合は、既にある建物に対して家賃を払って、飲食店を開業することになります。
賃貸テナントとして入居する場合、初期費用として家賃の1年分程度のお金が必要になることが多いです。テナントとして入居する場合は初期費用を確保しておきましょう。
二つ目が、建物をイチから建設する方法です。
土地を借りるもしくは購入してそこに上物を建てます。このようにすることで自分の好みの店内にすることができ、また資産としても店舗が残るので、リスクヘッジをしたい場合にはおすすめです。
ただし、自分で建物を建設する場合、すぐに移転できないことや何かトラブルがあった際に自分で対応しなくてはいけないというデメリットもあります。
内装工事
内装工事は、3ヶ月程度かかることが多いです。
ただし、居抜き物件の場合は内装工事が1ヶ月程度で完了することもあります。これは、居抜き物件の場合、前の施設から厨房設備や什器などをそのまま引き継ぐことができるからです。
一方で、居抜き物件の場合、前の店舗のイメージをそのまま引き継いでしまうというデメリットもあります。
そのため、居抜き物件であってもある程度独自性を出したい場合には、大規模な内装工事が必要になるでしょう。
メニューの作成
メニューは、ターゲットと立地を考慮して決めることが重要です。
例えば、若者がターゲットの場合、1つあたりの量を少なくしてでも、価格を重視したほうがいいでしょう。
立地に関しては、郊外店の場合はファミリー向けにアレンジされたメニューで、お子様メニューも用意するとファミリーの集客率が上がります。
マーケティング
飲食店では、マーケティングも重要になります。
飲食店の場合、周辺の地域からの来客がメインになるので、エリアマーケティングが有効になるでしょう。
ただし、大衆向けのお店ではなく特定のターゲットに対して集客をしたい場合は、SNSマーケティングも有効です。
例えば、インスタ映えする商品やメニューなどを考案して、若者を狙いたい場合エリアマーケティングをしても意味がないことが多いでしょう。
これは、周辺エリアのお客の需要と店舗の集客したい需要が異なるからです。
このような場合は、SNSやWebマーケティングを使って大規模にマーケティング活動を行なうことで、多くの人に周知することができます。
飲食店でお客様が来店する流れは、大きく分けて三つの段階に分けられます。
一つ目が周知です。
周知では、お店があるということを多くのお客様に知らせることが目的になります。
二つ目が呼び込みです。
呼び込みでは、どういうターゲット層を集客したいのかを明確にして呼びかけることが重要です。
例えばSNSを使って多くの人に周知ができたとしても、若者向けのお店の場合、若者が呼び込みたい対象になるでしょう。
そのため、若者向けのサービスを展開していることを告知していくことで、若者を呼び込みやすくなります。
そして最後に後押しが必要です。
後押しでは、クーポンの配布や限定キャンペーンなどを行い来店することでのメリットを、お客様に提示することが必要になってくるでしょう。
飲食店の開業で失敗しないためのポイント
飲食店の開業で失敗しないためのポイントは、以下の3つです。
- ターゲットを細かく設定する
- 臨機応変に対応する
- 経営状況の分析を細かく行う
ターゲットを細かく設定する
飲食店では、ターゲット選定が重要になります。
そして、ターゲット選定では細かくターゲットを選定していくことが重要です。
例えば、男性をターゲットに集客をしようとしても思うように集客ができないことが多いしょう。
これは男性というターゲット層が抽象的すぎるからです。
しかし、男性で30代、サラリーマン、デートでの利用がメインで価格帯は1万円以上、そのため来客されるお客様は年収700万円以上が想定される。
このように細かくターゲット選定を行うことでメニューの設定がしやすく、店内コンセプト設計をよりターゲットに合わせたものにできます。
そのため、ターゲットはなるべく細かく性別・年齢・職業・目的・予算など複数の項目を組み合わせて決めていくといいでしょう。
臨機応変に対応する
変化に強い飲食店、すなわち臨機応変な対応ができる飲食店こそが強い飲食店です。
コロナ禍を経て、店内飲食だけでなく、持ち帰りやデリバリーなどが飲食店の売上のシェアを大幅に増やすようになりました。
持ち帰りやデリバリーにすぐ対応できたお店は、売上を落とすことなく店舗経営を維持することができたというデータがあります。
一方、そのような対応ができずにいつまでも店内飲食にこだわっていたお店の場合では、給付金などをもらっても経営が維持できないということもあるようです。
飲食店を開業するにあたって、臨機応変にその場の状況に対応できることは、経営を軌道に乗せるためには非常に重要です。
経営状況の分析を細かく行う
経営状況の細かな分析も飲食店を開業する上では重要になります。
例えば、単純に売上が伸びていても、その売上が伸びている原因が広告を出稿したからなのか、口コミが拡大しているからなのか、はたまた一人当たりの利用金額が大きくなっているからなのか様々な要因があるでしょう。
このように、何が原因なのか、そしてその効果とは何なのかを明確にしていくことで経営をより安定させることが可能です。
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まとめ
飲食店を開業するにあたって準備は欠かすことができません。
特に、飲食店というビジネスモデル自体はありふれており、他店との差別化をすることが経営を安定させていく上では絶対条件となります。
そのため、他店との差別化ができるようなコンセプト設計やターゲット選定が必要になるでしょう。
経営サポートプラスアルファでは、個人でも法人でも飲食店の開業を少しでも考えている人のご相談に乗らさせていただいております。
相談は何度でも無料なので、お気軽にご相談ください。