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個人事業主で複数事業を展開する時に屋号は複数持てる?複数事業を展開する際の注意点を紹介

個人事業主で複数事業を展開する時に屋号は複数持てる?複数事業を展開する際の注意点を紹介

個人で事業をしている方の中には、屋号を複数登録して事業の拡大を考えたり、新しい事業に挑戦したくなる方は多いと思います。

そこで気になってくるのは、屋号は2種類以上複数展開できるのかという疑問ではないでしょうか?

そこで、今回は個人事業主が複数事業を展開する時に屋号を複数持てるのかと、個人事業主として複数の事業を展開するメリットや注意点を紹介していきたいと思います。

個人事業主は複数の屋号を持てる

結論から言うと、個人事業主は複数の屋号を持てます。

税務署で屋号の登録を行い、新しく増やしたい屋号は「屋号の追加登録」を記載して登録すると手続きが可能です。

そのため、個人事業主として今やってる事業とは別に屋号を取得するのは、簡単であると言えるでしょう。

複数の屋号を持つ時の納税方法とは?

屋号は2つだろうが、3つだろうが、それ以上でも最終的には1つに紐づけされます。

つまり、帳簿上、屋号ごとにわけてあったとしても関係ないのです。

確定申告の際には、各事業所得は全部ひっくるめて、事業所得として扱われます。

個人事業主が複数事業の屋号を取得するメリットとは?

ここでは、個人事業主が複数の屋号を取得するメリットを紹介します。

個人事業主が、複数の屋号を取得するメリットは、以下の3つです。

  • 事業内容を明確にできる
  • 手続きが簡単
  • 屋号付きの銀行口座を開設できる

事業内容を明確にできる

飲食店をオープンして軌道にのってきたので、他の事業としてWEB制作会社も立ち上げたい。

このような場合、自分が何の事業をやっているのか、どんな肩書かなど分かりやすい方が、仕事もしやすくていいです。

また、同じ屋号で全く違う事業内容では混乱を招きやすく、かえって業務がしづらかったりします。

そのためにも、事業内容を明確にする為に複数の屋号を持つといいでしょう。

手続きが簡単

個人事業主が複数の屋号を取得するための手続きはいたってシンプルです。

税務署に行き『個人事業の開業・廃業等届出書』に必要事項を記入して提出するだけです。 

人によっては数十分くらいで終わったという方もいます。

このように、屋号を新規で追加するだけなら事務的な負担も小さいので、手続きが比較的簡単に終わらせることができるとも言えるでしょう。

屋号付きの銀行口座を開設できる

屋号を作る事によって銀行口座を作る事が可能です。

開業届の控えと本人確認書類を持っていけば作れます。

ただし、税務署では開業届の控えはもらえません。

開業届の控えが欲しい場合は、開業届提出時にご自身で2枚用意するかコピーを取らせてもらいましょう。

また、会計の管理も、個人事業主の場合は自分で行うことが多いです。

その際にも、屋号ごとに口座を作成できることで、お金の流れも把握しやすくなります。

そのほかにも、屋号ごとに銀行口座を持つと、取引相手の方に安心感を与えることが可能です。

ただし、銀行によっては同一人物が複数の屋号で口座を作成する場合に、審査が厳しくなることもあるので、その点は気をつけるようにしましょう。

個人事業主として複数事業を展開する際に屋号の付け方

屋号は個人事業主には、我が子に名前を付けるくらい大事な事です。

屋号は認知度を向上させ、ビジネスチャンスを掴む為にもしっかりとしたものを考えてつけていく必要があります。

そこで、ここでは個人事業主が屋号をつける際のポイントを紹介します。

屋号をつける際のポイントは、以下の3つです。

  • 業務内容がわかりやすい屋号をつける
  • 勘違いするような屋号をつけない
  • 法人や会社などと勘違いする屋号はつけられない

業務内容がわかりやすい屋号をつける

屋号は覚えやすいものをつける事がいいでしょう。

業種がイメージしやすく、事業内容がわかりやすいものはアピールにも繋がります。

また、地域や地元にちなんだ屋号の付け方もおすすめです。

例えば、地元や地域名プラス事業内容の組み合わせは、地域の人に覚えてもらいやすい傾向があります。

差別化という面では、アルファベットや横文字、イタリア語やフランス語など日本語以外の屋号をつけることも可能です。

しかし、これらの屋号は差別化やオシャレにはなりますが、事業内容によっては合わない可能性もあるので十分に気をつけて下さい。

また、口にした時の音の良さや『ん』が入ると良いと言われることもあります。

勘違いするような屋号をつけない

屋号をつける際には、ほかのブランド名や商品名に似せた屋号をつけて勘違いをさせない事も重要です。

商標登録がされていると、商標を侵害する可能性を与える可能性があります。

また、その結果損害賠償を請求される可能性も0とは言えません。

ただし、屋号が同じだけで損害賠償をされる可能性は低いとも言えます。

これは、同じ屋号を持つ事業者は多く存在しており、その点で同じ名前だからと言って損害賠償を起こされることはないためです。

ただし、同一名称を使って、騙すような場合は損害賠償の対象になることもあります。

例えば、屋号としてSONYという名前をつけた上で、何かしらSONYと関連のある事業であると錯覚させるような広告や集客、事業を行っている場合は、名称を使って詐欺行為をしていると判断されて損害賠償の対象になるかもしれません。

そのほかにも、ブランド名や商品名などの似たような屋号をつけると、騙そうとしているとして信用を下げてしまう可能性もあります。

そのため、屋号をつける時は、同じような名前を使用していない事を確認し慎重に付けていきましょう。

サービス名のみならず、会社名や店舗名を商標登録している場合もありますので、少しでも類似しているなと感じたら調べたり避けたりする事をおすすめします。

法人や会社などと勘違いする屋号はつけられない

会社と勘違いされるような屋号はつけない事です。

これは相手に誤解をさせてしまうからです。

基本屋号を付ける際はなんでも付けていいという訳ではないのです。

〇〇株式会社や、〇〇有限会社、〇〇合同会社、〇〇社団法人などの法人格を持っているように見せない事は大前提です。

これは、法律によって禁止されており、法人として商業登記された会社や法人以外がこれらの名称を使う事は禁止されています。

また、誤解を生んでしまう事でトラブルの元にもなりかねません。

しかし、〇〇屋、〇〇商店、〇〇事務所などは大丈夫です。

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複数事業を展開するなら法人化した方がいい?

複数事業を展開して、利益が増えてきたら法人化をおすすめします。

これは、個人事業主は所得が増えるほど支払う税金が増えるためです。

その点、法人の場合法人税というものが存在します。

法人税は、所得税と違い23.2%と最初から税率が一定になっているので、節税をすることが可能です。

そのほかにも、法人になると控除科目も増えていきます。

例えば、法人の場合は役員報酬を経費に計上することが可能です。

また、家族に対しての経費も個人事業主と比較して認められやすい傾向にあります。

そして、個人事業主より法人の方が社会的に信用が獲得しやすいですし、銀行からの融資が受けやすくもなるでしょう。

特に、複数の事業を展開して組織自体を大きくしたい場合は、法人化して銀行から融資を受けやすくするのは大きなメリットです。

また、法人化した際には、日本政策金融公庫から創業融資を受けることもできます。

そのため、ある程度、利益が増えて事業拡大を視野に入れていきたいならば、法人化を検討することも必要です。

個人事業主として複数事業を展開するデメリット

個人事業主として、複数の事業を展開するデメリットは、以下の3つです。

  • 社会的な信用を得にくい
  • 従業員を雇いにくい
  • 所得が多くなると税負担があがる

社会的な信用を得にくい

個人事業主は、法人に比べて社会的に信用が低いです。

特に金融資金の融資や、賃貸契約などは審査が通りにくいと言えます。

また、個人事業主になりたての実績があまりないうちは、社会的な信用を獲得するのは厳しいかもしれません。

従業員を雇いにくい

結論からいいますと、従業員を雇う事はできます。

しかし、従業員を集める際にも法人と違い求職者から信頼されにくいことも多いです。

そのほかにも、個人事業主の場合、常勤社員が5人以下の場合は社会保険に加入する必要もありません。

このような背景から、求職者を確保しにくいことが多いです。

ただし、正社員として雇うのではなく、業務委託という形式で外部の人に手伝ってもらう形式にするのであれば、法人であっても個人であっても求人のしやすさが変わらないことです。

そのため、個人事業主として事業を営むなかで人手が必要になった際には、正社員やアルバイトという形式ではなく、業務委託という形式で人を募集してみるのもいいでしょう。

最近では、クラウドソーシングサイトやSNSを使うことで、業務委託できる人材を簡単に見つけることができます。

所得が多くなると税負担があがる

個人事業主は所得に応じて、税金の支払いも変わってきます。

所得とは必要経費を差し引いた利益のことです。

利益が増えれば税額も増えるので、法人より支払う税金も増えるようになります。

個人事業主の場合は最高で55%の所得税・住民税を支払わなくてはいけません。

一方で、法人の場合は最高でも23.2%の法人税しかかかりません。

一般的には、800万円程度の課税所得になると法人の方が、税金の負担の面では小さくなると言われます。

さらに個人事業主は、個人事業税というものも支払わなくてはいけません。

ただし、法人になる時には設立の際に法定費用が必要になり、そのほかにも法人の維持にもお金がかかるので、その点は注意しましょう。

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まとめ

1人の個人事業主に対して、2種類以上複数の事業の屋号を持つことが可能で、ビジネスを複数展開する上では屋号は有利でしょう。

覚えやすく、事業内容が分かり易い屋号をつける事が信用、信頼に繋がって良いビジネスができるとも言えます。

経営サポートプラスアルファでは、個人でも法人でも独立を少しでも考えている人のご相談に乗らさせていただいております。

特に、複数事業を運営する際には、個人事業主としてそのまま事業を展開した方がいいのか、法人として事業を展開した方がいいのか判断がつかないことも多いでしょう。

その点、弊社なら各相談者様の現在の状況や今後の目標をもとに最適な方法を提案させていただきます。

相談は何度でも無料なので、気になっていることがあればお気軽にご相談ください。