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【結論:可能】同じ住所で別会社を設立できる?メリット・デメリットを税理士の視点で解説

同じ住所で別会社を設立できる?目的は?方法や注意点などを紹介!

同じ住所で複数の会社を設立するケースは多く見られます。これにはいくつかの利点がありますが、同時に注意が必要な点やリスクも存在します。

本記事では、同じ住所で別会社を設立する際のメリットとデメリット、そして注意すべきポイントについて詳しく解説します。

同じ住所で別会社を設立するメリット

1. コスト削減

同じ住所で別会社を設立することで、オフィスの賃貸料や光熱費などを共有できるため、コストを大幅に削減できます。特に、スタートアップや小規模企業にとっては、このコスト削減が大きなメリットとなります。

2. リソースの共有

リソースを共有することができるため、オフィスのスペースや設備、さらには人材の活用においても効率が向上します。これにより、運営コストを削減しつつ、各社の業務効率を高めることが可能です。

3. 信用力の維持

信頼できる企業が同じ住所で運営されている場合、新たに設立される会社もその信用力を引き継ぐことができます。これは、特に親会社と子会社の関係において、重要なポイントとなります。

同じ住所で別会社を設立するデメリット

1. 競業避止義務のリスク

同じ住所で別会社を運営する場合、特に同じ業種の会社であれば、競業避止義務に違反するリスクがあります。これは、一方の会社がもう一方に対して不公平な競争を行うとみなされるケースがあるため、注意が必要です。

2. 税務リスク

税務署は、同じ住所で運営されている別会社を、関連会社とみなす場合があります。この場合、取引価格や契約条件が不適切であると判断された場合、税務上のリスクが生じることがあります。特に、利益の配分や経費の計上方法には慎重な管理が必要です。

3. 社会的な信頼性の低下

同じ住所に多くの会社が存在する場合、特にビジネス関係者からの信頼が低下するリスクがあります。「住所貸し」や「ペーパーカンパニー」と見なされる可能性があり、取引先や顧客からの信用を損なう恐れがあります。

同じ住所で登記する際に注意すべきポイント

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1. 住所の明確な区別

同じ住所で複数の会社を運営する場合、各社の住所が明確に区別されていることが重要です。たとえば、部屋番号や階数を明確にすることで、各社の独立性を確保し、信頼性を維持することができます。

2. 法人登記の正確さ

法人登記において、同じ住所で別会社を登録する場合、登記情報が正確であることが求められます。これは、後の法的トラブルを避けるためにも重要なポイントです。登記時には、管轄法務局への確認を行い、問題がないことを確認しましょう。

3. 定款の適切な作成

会社設立時には定款を作成しますが、同じ住所で別会社を設立する場合、各社の事業内容が明確に区別されていることが必要です。同じ住所で異なる事業を展開する場合、それぞれの会社の独自性を強調する定款の作成が求められます。

同じ住所で別会社を登記する理由

税金対策のため

同じ住所の事務所を利用していて発生する費用は経費として計上することができます。同じ住所にあるそれぞれの会社が経費計上することで節税できるでしょう。

ただし、それぞれの会社が事業で利用した分のみを経費として計上できます。

共同購入した資産を減価償却することも可能です。ただし、設備を共同購入する場合は、後でそれぞれの会社が設備を利用した事実が必要になります。

共同購入した後で1社しかその資産を利用していない場合は、税務調査で共同購入を否認されるケースもあるのです。

リスク回避のため

さまざまなリスクを回避することを目的として同じ住所に別会社を設立するケースがあります。別会社を設立して、新しく事務所を用意するのは大きなコストがかかります。

万が一、別会社の事業が失敗すれば新しい事務所の準備にかかった費用は無駄になるでしょう。同じ住所で別会社を設立すれば、失敗したときの損失を抑えることができます。

また、別会社も同じ場所で営業しているならば、常にお互いを監視できるのもメリットです。

たとえば、親会社と子会社が別の場所で営業していると親会社が上手く監視することができず不正が行われるケースもあります。同じ場所で活動しているならば、万が一不正が行われてもすぐに発見できるのです。

経費節約のため

別会社を設立して同じ住所を事務所として活用すれば経費節約につながります。たとえば、設備を購入して2つの会社で共有して利用することが可能です。

高価な設備の導入の際には、それぞれの会社で費用を出し合うことで経費を節約できます。設備を共同購入する際には、1社あたり一括で経費にできるのは30万円未満の場合です。

共同購入する場合は、1社あたり30万円未満のお金を出し合い30万円以上の資産を購入でき、なおかつそれぞれの会社が一括で経費として処理できます。

たとえば、2社で20万円を出し合い40万円の設備を購入して一括で経費にできるのです。

協力関係を築くため

同じ住所に別会社があると協力関係を築くことができます。

日頃から頻繁にコミュニケーションを取ることができ、お互いが助け合う関係を築けるのです。1つの会社でトラブルが起きたとしても、別会社にすぐに助けを求めることができます。

また、お互いが相手の会社の状況をすぐに把握できるため、常に相手を意識してモチベーションを高め合うこともできるでしょう。組織の活性化にもつながるのです。

同じ住所に別会社を登記したいときは専門家を頼ろう

別会社設立で同じ住所を選ぶとメリットもあればデメリットもあります。

いろいろなトラブルの原因にもなるため、正しく対処することが重要です。同じ住所で別会社の設立をすることに不安を感じるならば会社設立の専門家に相談しましょう。

専門家であれば、リスクから対処法までしっかりと説明してくれます。会社設立の専門家をお探しならば経営サポートプラスアルファにお任せください。

会社設立のさまざまなニーズに対応して最適な提案をいたします。

いつでも遠慮なく経営サポートプラスアルファまでご相談ください

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。