【結論:可能】同じ住所で別会社を設立できる?メリット・デメリットを税理士の視点で解説

同じ住所で別会社を設立できる?目的は?方法や注意点などを紹介!

同じ住所に別会社の本店を置いて登記することはできますが、同じ住所で同じ商号の会社は登記できません。

賃貸物件の場合は、別会社に使わせる前に貸主の承諾が必要になることもあります。

本記事では、同じ住所で別会社を設立するメリットとデメリット、登記の前に確かめたいことを解説します。

同じ住所で別会社を設立するメリット

1. コスト削減

同じ住所で別会社を設立すると、オフィスの賃料や光熱費などを共有でき、コストを抑えられます。

特に、立ち上げたばかりの会社や小規模な会社にとっては大きなメリットです。

2. リソースの共有

オフィスのスペースや設備、人材などのリソースを共有できるため、業務の効率が上がります。

運営コストを抑えながら、各社の業務を進めやすくなるでしょう。

3. 信用力の維持

実績のある会社と同じ住所にあると、新しい会社も取引先から安心感を持ってもらいやすくなります。

親会社と子会社の関係では、特にこの点がメリットになります。

同じ住所で別会社を設立するデメリット

1. 競業取引の承認が必要になる

同じ人が両社の取締役を兼ね、同じ種類の事業を行う場合は、取締役会(取締役会がない会社は株主総会)の承認が必要です。

承認を受けずに取引をして会社に損害が出ると、その取締役は賠償責任を負うことがあります。

両社の間で家賃の分担や業務委託などの取引をする場合も、注意が必要です。

兼務する取締役が相手の会社を代表して取引すると、利益相反取引として承認が必要になります(会社法356条・365条)。

【参考】同じ社長が別会社を設立するメリットとは?リスクや気をつけるべき点を解説!

2. 税務リスク

同じ住所の会社どうしで取引をすると、取引価格や契約条件が税務調査で確認されやすくなります。

価格が実態と合わない場合は、差額が寄附金などとして扱われ、追加で課税されることがあります。

利益の配分や経費の負担割合は、契約書などで根拠を残しておきましょう。

(出典:e-Gov法令検索「法人税法」)

3. 社会的な信頼性の低下

同じ住所に多くの会社がある場合、取引先から信頼を得にくくなることがあります。

実態のない「ペーパーカンパニー」と見られると、信用を損なうおそれもあります。

同じ住所で登記する際に注意すべきポイント

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1. 住所の明確な区別

同じ住所で複数の会社を運営する場合は、各社の所在が区別できるようにしておくことが大切です。

部屋番号や階数まで正確に登記すると、各社の独立性が分かりやすくなります。

2. 法人登記の正確さ

同じ住所で別会社を登記する場合も、登記の内容は正確でなければなりません。

後の法的なトラブルを避けるためにも、申請の前に管轄の法務局で確認しておくと安心です。

3. 定款の適切な作成

同じ住所の会社同士で、事業目的を分ける法律上の義務はありません。

定款の事業目的は、それぞれの会社が実際に行う事業に合わせて書きましょう。

4. 同じ商号の会社がないか調べる

同じ住所で、すでに登記されている会社と同じ商号の会社は登記できません(商業登記法27条)。

そのため、申請の前に「商号調査」をしておく必要があります。

法務省のオンライン登記情報検索サービスを使えば、インターネットで商号と所在地を調べることが可能です。

なお、不正の目的で他の会社と誤認されるおそれのある商号を使うことは、会社法で禁じられています。

【参考】商号とは?登記する際のルールや決め方、禁止事項について

(出典:e-Gov法令検索「商業登記法」、法務省「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」、e-Gov法令検索「会社法」)

5. 賃貸物件は貸主の承諾を確かめる

賃貸物件では、借りている会社以外にその場所を使わせると、転貸に当たることがあります。

民法の定めでは、賃借人が借りた物を転貸するには、賃貸人の承諾が必要です。

無断で転貸すると、契約を解除されるおそれがあります。

登記の前に賃貸借契約書の使用目的や転貸の定めを読み、必要なら貸主の承諾を得ておきましょう。

(出典:e-Gov法令検索「民法」)

6. 郵便物・表札・電話番号を会社ごとに分ける

同じ住所に複数の会社があると、別の会社あての郵便物が混ざりやすくなります。

郵便受けや表札には、それぞれの会社名を表示しておくと安心です。

電話番号も会社ごとに分けておくと、取引先が問い合わせ先を区別しやすくなります。

7. 家賃や光熱費の負担割合を決めておく

事務所の家賃や光熱費は、各社が実際に使う割合に応じて分けるのが一例です。

負担の割合を契約書や覚書で決めておくと、経費の根拠を示しやすくなります。

実態と合わない負担をすると、税務上の問題になることもあります。

同じ住所で別会社を登記する理由

税金対策のため

同じ住所の事務所を使うことで生じる費用は、各社の経費として計上できます。

費用を分け合いながら、それぞれの会社で経費にできる点がメリットです。

ただし、それぞれの会社が事業で利用した分のみを経費として計上できます。

リスク回避のため

リスクを抑える目的で、同じ住所に別会社を設立するケースもあります。

別会社のために新しい事務所を用意すると、大きなコストがかかります。

別会社の事業がうまくいかなければ、新しい事務所の準備にかけた費用は無駄になるでしょう。

同じ住所で設立すれば、うまくいかなかったときの損失を抑えられます。

また、同じ場所で営業していれば、お互いの状況を把握しやすい点もメリットです。

親会社と子会社が離れた場所にあると、親会社は子会社の状況を把握しにくくなります。

同じ場所で活動していれば、問題が起きたときに早く気づきやすいでしょう。

経費節約のため

同じ住所を事務所として使えば、経費の節約につながります。

たとえば、設備を購入して2つの会社で共有することも可能です。

高価な設備の導入の際には、それぞれの会社で費用を出し合うことで経費を節約できます。

青色申告の中小企業者等は、40万円未満の資産を年300万円まで一括で経費にできます。

2026年3月以前に取得した資産は、30万円未満が対象です。

いずれも、金額は通常1単位として取引される単位ごとに判定します。

協力関係を築くため

同じ住所に別会社があると協力関係を築くことができます。

日頃からコミュニケーションを取りやすく、お互いに助け合う関係を築けます。

1つの会社でトラブルが起きても、別会社にすぐに相談できるでしょう。

相手の会社の状況が見えることで、お互いの刺激になることもあります。

よくある質問

Q. 同じ住所で別会社を設立できますか?

設立できます。

同じ住所に複数の会社の本店を置いて登記することは、法律で禁止されていません。

ただし、同じ住所で同じ商号の会社は登記できません。

Q. 同じ住所で同じ会社名は使えますか?

使えません。

すでに登記されている会社と同じ商号で、本店の所在場所も同じ場合は登記できません(商業登記法27条)。

Q. 賃貸の事務所に2つ目の会社を登記できますか?

契約の内容によります。

別会社にその場所を使わせると転貸に当たることがあり、民法では賃貸人の承諾が必要とされています。

登記の前に賃貸借契約書を確認し、必要なら貸主の承諾を得ておきましょう。

Q. 同じ住所の会社どうしで家賃を分けて経費にできますか?

分け方の一例は、各社が実際に使う割合に応じて負担し、それぞれの経費にする方法です。

負担の割合を契約書や覚書で決めておくと、経費の根拠を示しやすくなります。

Q. 同じ住所に別会社があると税務署から関連会社と見られますか?

取引の内容によっては、会社どうしの関係が税務調査で確認されることがあります。

取引価格が実態と合わない場合は、差額が寄附金などとして扱われ、追加で課税されることもあります。

同じ住所に別会社を登記したいときは専門家を頼ろう

別会社設立で同じ住所を選ぶとメリットもあればデメリットもあります。

トラブルの原因にもなりうるため、正しく対処することが大切です。

同じ住所での別会社の設立に不安があれば、会社設立の専門家に相談しましょう。

専門家であれば、リスクから対処法まで説明を受けられます。

会社設立の専門家をお探しならば、経営サポートプラスアルファにお任せください。

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いつでも遠慮なく経営サポートプラスアルファまでご相談ください。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。