設備屋で独立すると儲かる?独立をする上で必要な資格と資金について

設備屋 独立

設備屋の独立には、扱う設備に応じた資格と、500万円以上の工事を請け負う場合の建設業許可が必要です。

設備屋で働いている方の中には、独立をして年収を上げたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

しかし、設備屋として独立するためには技術力だけでなく、経営や経理のスキルも必要です。

設備屋として独立を考えている方向けに、独立後の年収や必要な資格等をご紹介します。

設備屋として独立すると儲かる?年収はどのくらい?

設備屋として独立すると、どのくらい儲かるのでしょうか。

正社員の年収と比較して解説します。

設備屋の正社員の年収は?

設備屋の正社員の年収は、約417万円です。

日本全体の平均年収が467万円であることから、やや低い水準であることが分かります。

また、アルバイト・パートの時給は996円、派遣社員の時給は1,547円と、どちらも高い水準とは言えないでしょう。

独立すると儲かる可能性もある

一方で、独立すると正社員よりも儲かる可能性があります。

独立して利益を上げるには、大きく2つの方法があります。

1つ目は、積極的に案件を受けて利益を上げる方法です。

この場合、単価の高い案件を探すことができるだけでなく、会社に引かれる分もないため、収入が上がる可能性があります。

もう1つが、多くの人を雇い、大きい案件を受注することです。

人件費は増えますが、案件の単価は規模の大きさによって高くなる傾向にあるため、大きい案件を獲得することで、利益を上げやすくなります。

一方で、会社から離れて継続的に案件を受注したり、何人も人を雇ったりするのは難易度が高く、リスクも大きいです。

参照:求人ボックス給料ナビ
参照:平均給与(国税庁)

ポイント

・正社員として設備屋で働く人の平均年収は約417万円である。
・独立して案件を獲得できれば年収を上げることが期待できる。
・独立は難易度も高く、正社員で働くよりもリスクがある。

設備屋として独立するためには資格が必要?

設備屋として独立するために、必要な資格はあるのでしょうか。

設備の内容次第

設備屋には、様々な業務内容があります。

必要な資格は、設備のジャンルによって異なります。

以下で、空調設備、電気設備、水道などの衛生設備のそれぞれの設備に応じて、解説します。

電気設備の設備屋で独立する場合

電気設備の設備屋で独立する場合、基本とる資格は、電気工事士です。

電気工事士には、第二種電気工事士と、第一種電気工事士の2種類が存在します。

第二種電気工事士を取得することで、一般住宅などの電気工事ができます。

さらにレベルの高い資格を取得したい場合、第一種電気工事士を取得すると、マンションなど大規模設備の電気工事ができるようになります。

空調設備の設備屋で独立する場合

空調設備の設備屋で独立する場合、主要な資格としては以下のようなものがあります。

冷凍機械責任者

冷凍機械責任者は、冷凍機械に用いられるガスの保安業務を行う際に必須の資格であり、空調設備の設備屋として独立するのであれば取得する必要があるでしょう。

第一種から第三種まで存在し、第一種まで取得すれば、全ての冷凍機械の保安業務を扱うことができます。

ボイラー技師

空調などのボイラー点検をする際に必要な資格です。

特級、一級、二級の3つに分かれています。

二級を取得すれば、全てのボイラーを扱うことができるようになります。

合格率も比較的高いため、空調設備の設備屋で独立する場合は取得しておくと有利になることが期待できるでしょう。

冷媒フロン類取扱技術者

業務用の空調設備で使われる冷媒フロンを扱う資格です。

第一種と第二種の2つに分かれています。

衛生設備の設備屋で独立する場合

衛生設備の設備屋で独立する場合、各設備の環境衛生を管理できる資格である、衛生工学会設備士の資格を取得する必要があります。

ポイント

・設備屋として独立する場合、基本的には資格が必要である。
・どのジャンルの設備屋で独立するかによって、必要な資格が異なる。
・設備屋は大きく電気設備、空調設備、衛生設備に分かれる。

設備屋として独立する際に必要な資金

設備屋として独立する際に必要な資金の内訳をご紹介します。

設備の修繕、取り替えなどを業務内容とする以上、一定の工具や材料費などが継続的にかかるのが特徴です。

建設業許可の取得にかかる費用

建設業に該当する業務のうち、1件の請負代金が500万円以上(消費税・地方消費税込み)になる工事を請け負う場合は、建設業許可を取得しないと工事を行うことができません。電気設備・空調設備・衛生設備などの設備工事は「建築一式工事以外」の区分にあたるため、この500万円が基準になります(なお、建築一式工事に限っては基準が異なり、請負代金1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事であれば許可は不要です)。

許可を取得する場合、費用として知事許可は9万円、大臣許可は登録免許税15万円を国に納める必要があります。

(出典:国土交通省「建設業の許可とは」)

建設業許可が不要な「軽微な建設工事」とは

建設業許可が不要になる工事は「軽微な建設工事」と呼ばれ、工事の種類によって金額の基準が異なります。

  • 建築一式工事:請負代金1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事
  • 建築一式工事以外(電気設備・空調設備・衛生設備などの設備工事を含む):請負代金500万円未満

いずれの金額も消費税・地方消費税を含めて判定します。また、注文者から材料が支給される場合は、その市場価格や運送費も請負代金に加えて判定する点に注意しましょう。

(出典:国土交通省「建設業の許可とは」)

仕事に使用する工具

会社勤めの設備屋であれば、仕事に使用する工具は支給されていたかもしれません。

しかし、設備屋として独立する場合は、仕事に使う工具も自分で揃える必要があります。

移動車

設備屋として案件を受ける上で必須なのが、移動車です。

設備屋は、多くの設備を持ち運んで現場を移動するため、移動手段として電車ではなく車が必須になるでしょう。

中古であっても、数十万〜数百万円の初期費用は見込んでおくと良いでしょう。

人件費

独立した後に人を雇う場合は、人件費がかかります。

一人当たり数十万円のランニングコストが必要になるでしょう。

ポイント

・建設業に該当する業務を行う場合は、許認可にかかる費用が必要。
・移動車や工具などは、独立した場合は自分で用意する必要がある。
・人を雇う場合には、人件費も見込んで資金を用意しなければならない。

設備屋として独立する上での注意点

ここでは、設備屋として独立する上での注意点をご紹介します。

まずは実務経験を積む

まずは、設備屋として十分な実務経験を積んでおくことが大切です。

十分な実務経験がないと、案件を受注しにくいだけでなく、受注できたとしても単価の低いものばかりになってしまいます。

また、受注できた案件もスキル不足でミスを起こしてしまうと、リピートされる機会を逃してしまいます。

このため、設備屋として独立したいと考えている場合でも、まずは焦らずに実務経験を積んでおくことが大切です。

繋がりを広げておく

独立において、実務経験があるからといって必ずしも成功するわけではありません。

独立した後は、案件を自分自身で獲得する必要があり、人との繋がりがないと案件の獲得に苦労する可能性があります。

独立を目指す場合には、あらかじめ業界の人との繋がりを広げながら、仕事をすることが効果的です。

独立の方法を決める

独立の方法として、個人事業主として独立するケースと、法人化をするケースの2つのパターンがあります。

個人事業主の場合、申請や税金周りの手続きは、比較的簡単です。

一方で、法人化した場合、設立に必要な手続きが多いです。

しかし、一定以上の売上があれば節税対策がしやすいだけでなく、社会的な信用が高く、仕事を受注する際に有利になるでしょう。

このように、個人事業主と法人にはそれぞれの特徴があるため、独立に詳しい専門家に相談すると良いでしょう。

ポイント

・設備屋として独立するためには、豊富な実務経験が必須。
・独立した後仕事がしやすいように、あらかじめ繋がりを広げておくことが大切。
・個人事業主か法人で迷った場合は専門家に相談する。

よくある質問(FAQ)

設備屋の独立に建設業許可は必ず必要ですか?

1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)の「軽微な建設工事」であれば、建設業許可がなくても工事を請け負うことができます。500万円以上の工事を請け負う場合や、独立後に事業を拡大していく場合は許可の取得を検討しましょう。

電気設備・空調設備・衛生設備で必要な資格はそれぞれ違いますか?

電気設備は第二種・第一種電気工事士、空調設備は冷凍機械責任者やボイラー技師、冷媒フロン類取扱技術者、衛生設備は衛生工学会設備士など、扱う設備のジャンルによって必要な資格が異なります。独立前に、自分が扱う設備分野に対応する資格を確認しておくことが大切です。

設備屋として独立する際にはどのくらいの資金が必要ですか?

建設業許可を取得する場合の費用(知事許可9万円、大臣許可は登録免許税15万円)に加え、移動車や工具の購入費として数十万〜数百万円、人を雇う場合は人件費も見込んでおく必要があります。

独立してすぐに十分な収入を得られますか?

設備屋の正社員の平均年収は約417万円ですが、独立直後は実務経験や人脈が案件の獲得に直結するため、収入が安定するまで時間がかかることがあります。まずは実務経験を積み、業界内のつながりを広げておくことが大切です。

個人事業主と法人、どちらで独立するべきですか?

個人事業主は開業の手続きが簡単な一方、法人化すると社会的信用が高まり、一定以上の売り上げがあれば節税対策もしやすくなります。どちらが適しているかは事業規模や将来的な展望によって異なるため、専門家に相談すると良いでしょう。

設備屋として独立をお考えの方は

設備屋として独立するためには、移動車や工具など、多額の初期費用が必要です。

また、独立して初期は収入が安定しない可能性も高いため、できるだけ支出を少なくするなど、資金繰りを適切に行うことが大切です。

資金繰りをする中で、節税対策をすることが大切です。

しかし、税金周りの知識がないと、無駄な税金を払って資金を無駄に使用してしまう可能性もあります。

このため、税務や会社設立に詳しい専門家を活用すると良いでしょう。

経営サポートプラスアルファでは、独立を検討している方向けに、法人設立のサポートや節税対策のサポートをワンストップで提供しています。

設備屋として独立を考えている方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。