起業におすすめの業種・仕事10選!具体例や手続きを解説

初めて起業をする場合、「何から手をつければいい?」「どの業種なら失敗しにくい?」と迷う方は多いでしょう。

こンカイは、起業におすすめの業種(タイプ別)と、失敗しにくい選び方、さらに起業の流れ・手続きまで一気に整理します。

そもそも起業とは

多くの人が混同している部分が「起業」と「独立」です。

一見同じような意味に聞こえますが、大きな違いがあります。

起業とは、自分で事業を興し、商品・サービスを生み出して利益を得ることです。

事業として継続する前提で、必要に応じて初期投資や準備を行い、利益を出す仕組みを作っていきます。

一方で、独立とは会社に勤めずに収入を得ること全般を指します。

事業を興すことだけでなく、フリーランスとして仕事を受注する働き方も独立です。

起業とは独立の中に含まれる概念であり、独立の中でも「事業を作り、伸ばしていく」色合いが強いものと考えましょう。

起業することのメリット・デメリット

起業はおすすめですが、メリットもデメリットもあります。

起業することで考えられるメリット

大きな収入を得られる可能性がある

会社員として働く場合、年収は職種や企業規模によって一定の収入に収まりがちです。

一方で起業は、事業の伸び方次第で収入の上限が広がります。

拡張ができるビジネスほど、伸び幅も大きくなるでしょう。

自由な働き方ができる

起業をすると、働く時間や場所、取り組むテーマを自分で決めやすくなります。

定時や定年に縛られにくく、社内の人間関係に悩まされる場面も減りやすいのです。

自分の事業に集中しやすい点は大きな魅力といえます。

やりがいが得られる

起業する場合は、自分で事業計画を考えて初期投資を行い、PDCAを回していく必要があります。

このため、会社で与えられた仕事をこなすよりもはるかに高いやりがいを得ることができます。

起業することで考えられるデメリット

倒産するリスクがある

起業は、売上や資金繰りが安定するまでが最も不安定です。

実際、「10年で3〜5割が倒産する」という数値もよく見かけますが、出典が明確でないケースが多いため、鵜呑みにするのは禁物です。

中小企業庁「中小企業白書」(2017年版)が算出した数値では、創業5年後の生存率は81.7%でした(出典:中小企業庁「2017年版中小企業白書」コラム2-1-2)。

10年以降の生存率は調査年や対象範囲によって数値の幅が大きくなるため、断定は控えたいところです。

より詳しい年次データは、関連記事「企業生存率とは?創業後の生存率データと廃業を防ぐための対策」でも紹介しています。

借金が残る可能性もあり、この点は十分に理解しなければなりません。

仕事の量が多い

自分で起業をした場合、利益も信用もゼロからのスタートです。

このため、あらゆる業務を自分一人でこなさなければなりません。

従業員を雇う場合は、採用業務も行う必要があります。

このため、事業が軌道に乗るまでは相当なハードワークをしなければならない場合が多いです。

客観データで見る開業率・廃業率

起業を巡る全体像は、開業率・廃業率といったマクロの数値からも見えてきます。

中小企業庁「中小企業白書」(2026年版)によると、2024年度の開業率は3.8%、廃業率は3.7%でした。

厚生労働省「雇用保険事業年報」の集計に基づく数値で、大きくは変動しておらず、緩やかな新陳代謝が続いている状況です(出典:中小企業庁「2026年版中小企業白書」第1部第1章第7節)。

より詳しい年次データや生存率の推移は、関連記事「企業生存率とは?創業後の生存率データと廃業を防ぐための対策」でも取り上げています。

初めての起業におすすめの業界や分野10選

今回は「始めやすさ」を重視して、タイプ別に起業におすすめを挙げていきます。

各業種の特徴を、初期費用の目安・必要な許認可・向いている人の3点で整理すると、次のとおりです(金額はあくまで目安であり、実際の費用は事業規模や地域によって変動します)。

業種初期費用の目安必要な許認可・届出向いている人
ハウスクリーニング・家事代行清掃用品・移動手段費用程度特別な許認可は不要な場合が多い家事・清掃のスキルを活かしたい人
代行・サポート業(事務代行、秘書、経理補助など)パソコン・通信環境費用程度業務内容により資格が求められる場合がある事務処理や調整業務が得意な人
Webライティング・編集パソコン1台程度不要文章を書くのが好きな人
動画編集・SNS運用代行パソコン・編集ソフト費用程度不要映像やSNSトレンドに詳しい人
オンライン講師(語学、資格、ビジネススキル等)通信環境・教材準備費用程度分野によっては資格や契約形態への配慮が必要人に教えることが得意な人
Web制作パソコン・制作ツール費用程度不要デザインや技術スキルがある人
IT開発・業務改善パソコン・開発環境費用程度不要課題整理・提案が得意な人
ECショップ仕入れ費用・サイト構築費用取扱商品によっては許可が必要な場合がある(中古品の古物商許可など)商品企画や集客に関心がある人
キッチンカー車両取得費・厨房設備費(他業種より高め)保健所の飲食店営業許可、出店先の使用許可など料理・接客が好きで許認可対応も苦にならない人
フランチャイズへの加入加盟金・保証金など本部の規定による業種により本部指定の許認可・資格が必要ブランド力やノウハウを活用したい人

ハウスクリーニング・家事代行

初期投資が比較的小さく、地域密着で紹介が生まれやすい分野です。

繁忙期・閑散期を見越してサービスを検討すると、需要が高まります。

代行・サポート業(事務代行、秘書、経理補助など)

「人手不足×定型業務」の需要があり、スキルが浅くても学びながら起業できておすすめです。

最初こそ学習する必要はありますが、少ない投資で起業できるでしょう。

まずは業務範囲を狭くして品質を担保すれば、信頼から新たな案件を確保しやすくなります。

Webライティング・編集

文章を書いたり確認したりする仕事であり、パソコン1台で開始できます。

実績が積み上がると単価が上がりやすく、その点でも起業におすすめです。

医療・IT・採用など特定ジャンルに寄せると強くなります。

動画編集・SNS運用代行

需要が継続しやすく、月額契約につながりやすい分野です。

最初に編集ルール・素材管理などでテンプレートを作れると、業務をこなしやすくなります。

ただ、近年は起業する人が増えている分野であり、おすすめではあるものの差別化が重要です。

オンライン講師(語学、資格、ビジネススキル等)

主に会社員時代の実績や経験が活かせる場合におすすめの起業です。

単発のレッスンはもちろん、継続のレッスンを設ければ安定した売上にもつながります。

加えて教材販売など、物販でも売上を目指せることが特徴です。

Web制作

受注単価が出やすく、紹介も起きやすい領域です。

まずはWebサイト・LP・EC構築などからスタートしてみましょう。

また、構築だけではなく運用保守もセットにすると、売上を積み上げやすくなります。

IT開発・業務改善

中小企業では「ITを導入したいが人がいない」というケースが多くあります。

これらに対して提案型でIT開発や業務改善する起業はおすすめです。

いくつか実績を積めれば、それを武器にさらなる事業拡大を目指せます。

ECショップ

近年はネットショップの需要が高いため、ECショップで起業することもおすすめです。

在庫を抱える必要はありますが、倉庫を借りなければ負担はすくないでしょう。

ただ、Webサイト構築や集客にスキルが求められるため、その点は注意すべきです。

キッチンカー

店舗型の飲食店と比較すると固定費を抑えられるおすすめの起業です。

販売用の自動車を確保するコストはかかりますが、店舗型よりは安く済みます。

ただ、出店場所の確保や許認可、オペレーション設計が売上に影響しがちです。

思いつきではなく、十分に検討してから起業するようにしてみましょう。

フランチャイズへの加入

自分自身で起業するアイデアがないならば、まずはフランチャイズから始めることもおすすめです。

加入することで、ブランドやノウハウを利用できるようになります。

しかし、フランチャイズはロイヤリティや契約条件に縛られるためリスクはゼロになりません。

失敗しにくい業種を選ぶ条件

業種によって難易度は異なりますが、いくつかの共通した条件を満たす業種は、初めての起業でも資金繰りに行き詰まりにくい傾向があります。

初期費用・固定費が低い

家賃や機材など固定費の重いビジネスは、売上が伸び悩む月でも支出が続き、資金繰りを圧迫しやすくなります。

自宅やパソコン1台で始められる業種は、たとえ軌道に乗らなくても損失を抑えやすいという特徴があります。

在庫を持たず利益率が高い

商品を仕入れて販売するビジネスは、売れ残りの在庫リスクを抱えます。

一方、自分のスキルや知識を提供するサービス業は原価が小さく、利益率を高く保ちやすい傾向にあります。

リピート性(ストック型)が高い

一度きりの取引で終わる「フロー型」よりも、契約や定期利用によって継続的な収益が見込める「ストック型」の業種のほうが、経営の波を小さくしやすいといえます。

保守契約や定期プランをセットで用意する工夫が有効です。

初めての起業におすすめの会社形態は

起業して会社を設立する際には、会社形態を選ばなければなりません。

また、会社を設立せずに個人事業主として事業を興すこともできます。

株式会社

株式会社は、現在の日本で最も一般的な会社形態です。

設立費用の高い、組織設計が難しいといったデメリットはありますが、資金を調達しやすく社会的信用力が高いため、大きく事業を成長させていきたい方に向いている会社形態です。

合同会社

合同会社は、設立費用が安く、スピーディーな組織運営ができることから株式会社に次いで人気のある会社形態です。

設立費用を抑えて会社を設立したい方に向いています。

個人事業主

いきなり会社を興すのは怖い、会社の設立費用やランニングコストを払いたくないという方は、まずは個人事業主として事業を推進するのも一つの手です。

ただし、課税対象所得が700〜800万円を超えてくると、会社を設立した方が税金面でのメリットが大きいです。

起業の仕方|おすすめの流れや手続きについて

起業を志す場合、下記の流れに沿って諸々の手続きをする必要があります。

起業の主な流れ

起業資金の貯金

起業を志したら、まずは起業に必要な資金を貯金する必要があります。

融資や出資を受けて起業することも可能ですが、自己資金がいくらあるかどうかは審査に関わるため、資金調達を考えている場合でも自己資金を貯めておくことは非常に大切です。

事業計画の作成

これからどのような事業をして、どのように利益を出すのかを計画書にまとめます。

登記書類の作成・提出

事業内容が決定し、自己資金が貯まったら、いよいよ本格的に起業の準備に移ります。

起業の際には定款をはじめ、最大11種類の書類を作成して法務局に提出しなければなりません。

設立後の事務手続き

登記書類を法務局に出すと、書類に不備がなければ1週間ほどで登記が完了します。

その後、税務署や年金事務所に必要書類を提出し、事業活動を開始します。

事業計画書の作成

事業計画書は、今後の事業の成否を握る重要な書類です。

ターゲットやこの事業にしかない強みなどを明確にして、競合に勝てるような事業を練り上げる必要があります。

会社設立の際に決めておくべきこと

会社設立の際に作成する登記書類には、様々な会社の決定事項を記載する必要があります。

以下の項目は登記書類を作成し始める前にあらかじめ決めておくことで、登記の手続きがスムーズになります。

  • 商号(会社名)
  • 本店所在地
  • 事業目的
  • 資本金額

起業する際に必要な書類一覧

起業する際に必要な書類は、登記の際に必要な書類と、登記後に必要な書類に分けることができます。

登記の際に必要な書類

最大で以下の11種類の書類を用意する必要があります。

  • 登記申請書
  • 登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
  • 登記すべき事項を保存したCD-Rまたは書類
  • 定款
  • 取締役の就任承諾書
  • 資本金の払込証明書
  • 印鑑(改印)届出書
  • 発起人の決定書
  • 代表取締役の就任承諾書
  • 監査役の就任承諾書
  • 取締役全員の印鑑証明書

登記後に必要な書類

登記後は、以下の書類を税務署や年金事務所に提出しなければなりません。

中でも年金事務所に提出する健康保険・厚生年金保険の新規適用届は、提出期限が会社設立日から5日以内と非常に短いため注意が必要です。

  • 法人設立届出書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 健康保険・厚生年金保険の新規適用届

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資金調達の選択肢|創業融資と補助金

起業資金の調達方法としては、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」が代表的な選択肢のひとつです。

対象は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方で、融資限度額は7,200万円(設備資金は返済期間20年以内、運転資金は10年以内)です(出典:日本政策金融公庫)。

担保・保証人の要否は個別の相談で決まり、要件を満たせば経営者保証免除特例制度を利用できる場合もあります。

融資以外では、小規模事業者持続化補助金<創業型>のような補助金も選択肢になります。

創業後1年以内の小規模事業者等を対象に、補助率2/3・補助上限200万円(特例活用時は最大250万円)で、広報費やウェブサイト関連費、新商品開発費などが対象経費です(出典:中小企業庁)。

公募回や要件は年度ごとに見直されるため、申請時点の最新の公募要領で条件を確認する流れになります。

起業に向いている人・向いていない人の特徴

起業の向き不向きは、能力そのものよりも仕事への向き合い方によるところが大きいといわれています。

向いている人の特徴

自分で判断して行動できる人や、失敗を次の改善につなげられる人は起業に向いている傾向があります。

数字で経営状況を把握しようとする姿勢がある人や、取引先との関係づくりを負担に感じにくい人も、事業を継続しやすいタイプといえるでしょう。

向いていない人の特徴

指示を受けてから動くことに安心感を覚える人や、収入の変動に強いストレスを感じる人は、起業直後の不安定さに苦労しやすい傾向があります。

すべてを一人で抱え込みがちな人も、業務過多に陥りやすい点に注意が必要です。

心当たりがある場合は、副業から小さく始めて適性を見極める方法もあります。

よくある質問(FAQ)

初心者が起業するならどんな業種がおすすめですか?

初期費用が低く、在庫を持たない業種は始めやすい傾向にあります。本記事で紹介したハウスクリーニング・家事代行やWebライティング・編集などは、低リスクで始めやすい代表例です。業種選びでは初期費用だけでなく、必要な許認可や自分の適性も踏まえて検討したいところです。

起業で失敗しにくい業種の条件は何ですか?

初期費用・固定費の低さ、在庫を持たず利益率が高いこと、顧客が継続利用する「ストック型」であることの3点が目安になります。いずれも資金繰りの波を小さくすることにつながります。

起業資金は日本政策金融公庫の融資だけで足りますか?

一概にはいえません。新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円ですが、審査があり希望どおりに借りられるとは限りません。小規模事業者持続化補助金(創業型)など補助金の活用や、自己資金の準備もあわせて検討する必要があります。

起業に向いている人の特徴はありますか?

自分で判断して行動できる人や、失敗を次の改善につなげられる人は起業に向いている傾向があります。数字で経営状況を把握しようとする姿勢がある人も、事業を継続しやすいタイプといえるでしょう。

日本の開業率・廃業率はどのくらいですか?

中小企業庁「中小企業白書」(2026年版)によると、2024年度の開業率は3.8%、廃業率は3.7%です。厚生労働省「雇用保険事業年報」の集計に基づく数値で、大きな変動はなく緩やかな新陳代謝が続いています。

起業後10年間の倒産・廃業リスクはどの程度ですか?

「10年で3〜5割が倒産する」といった数値は出典が明確でないケースが多く、注意が必要です。中小企業庁の資料では創業5年後の生存率が81.7%とされていますが、10年以降は調査によって数値の幅が大きく、断定的に語ることは避けたいところです。

初めての起業は経営サポートプラスアルファにおまかせ

初めて起業をする方の多くが戸惑うのが、会社設立の手続きの煩雑さです。

会社を設立するためには最大11種類の登記書類を用意し、登記後にも様々な書類を税務署や年金事務所に提出しなければなりません。

さらに、資金調達を考えるのであれば、資金調達の申請書類なども用意する必要があります。

創業期の起業家が、こうした手続きに時間を割かなければならないのは非常に大きなリスクです。

事務手続きに時間を取られて事業計画の推敲がおろそかになってしまっては元も子もありません。

そこでオススメなのが経営サポートプラスアルファの利用です。

経営・財務の専門家である経営サポートプラスアルファでは、代行費用0円で会社設立の代行を承っています。

さらに、資金調達の審査に通りやすくなる方法や、適切な会社形態の選択など、事業計画や会社運営そのものに関するコンサルティングをさせて頂くことも可能です。

初めての起業で不安を感じている方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。