ライブバーを開業するとき、どのような設備や物件が必要なのでしょうか。
開業資金はどのくらい蓄えておけば、十分な資金となりうるのか知っていますか?
ライブバーを開業するにあたって必要な準備や費用、運転資金についてお伝えします。
さらに、できるだけ安く開業資金を済ませられるように、知っておきたいポイントも伝授。
できることはひとつでも多く実践すると良いでしょう。
Contents
ライブバーとは
ライブバーとは、生演奏を聴きながら食事やお酒が楽しめる場所を指します。
イスやテーブルがあり、座って食事をしながら音楽が楽しめることが特徴です。
音楽というよりはお酒の場を楽しむほうがメインと考えると良いでしょう。
ドレスコードは基本的にないので、好きな服装で行くことができます。
生演奏がキーワード
ライブバーを定義する中で重要なキーワードとなるのが、「生演奏」です。
多くのバーや飲食店でも音楽がかかっています。
有線やラジオ、レコードなどが音源となっていることがほとんど。
店の雰囲気に合う音楽を気軽に選んで流せて、食事や会話に集中できるのがポイントです。
しかし、音楽を楽しむ目的で店内のBGMを聴いている人はあまりいないでしょう。
音楽と食事を両方楽しむ人に向けて設けられたライブバーは、最初から両方を楽しむために作られています。
音をより楽しむためにこだわるのが、生演奏。
既存の音源ではなく、生で、その日にしか味わえない音を聴くことができます。
ジャンルも多岐にわたります。
クラシックやジャズから弾き語りなど、店によって楽しめる音楽が違うのも魅力です。
ライブハウスとの違い
ライブバーとライブハウスの違い。
ポイントは、
- 座って楽しめる
- 食事やお酒を楽しめる
この2点です。
座って楽しめる点については、ライブハウスは音楽を全身で楽しむ場所なので、基本的に立っています。
会場によってはイスが用意されているライブハウスもありますが、アーティストの公演中は立って楽しむことが多いです。
その点、ライブバーではほとんど席についてその場で音楽を聴きます。
立って、ノッて、声を出して、という盛り上がり方ではないところが違います。
食事やお酒が楽しめる点では、ライブハウスはドリンクのみであることが多いのが特徴。
ワンドリンク制もしくはドリンク自体を販売していないケースもあります。
音楽にノッていると、ドリンクの入ったカップやペットボトルの存在を忘れてしまうことはないでしょうか。
ドリンクがこぼれると、お客さんどうしのケンカになりかねません。
ライブバーでは、テーブルに座って食事をしたりお酒を飲みながら時間を過ごします。
テーブルから立つことも少ないので、ほかのお客さんに迷惑をかけることも少ないです。
これらがライブバーとライブハウスとの違いとしてあげられます。
カジュアルに行ってOK
ライブバーはカジュアルに行って良い場所です。
クラシックやジャズが楽しめる場所と聞くと、ドレスコードがある厳粛な場所だとイメージします。
ですが、ドレスアップやスーツをピシッと着ていく必要はありません。
ライブバーにも種類があるので、ドレスアップが苦手な人はカジュアルで入りやすいバーを選ぶと良いでしょう。
ジーンズなどで着崩しているほうが周りに馴染めます。
ドレスコードがなくても、少し大人びたバーへ行くときには、落ち着いた色で統一されたコーディネートがおすすめです。
会社帰りなどであれば、オフィスカジュアルで十分。
多くの人がふらっと入りやすいライブバーでは、カジュアルな服装でも入れる雰囲気が好まれます。
ライブバーを開業するには
ライブバーを開業するには
- 物件の準備
- 資金の確保
- 宣伝方法と想定される収益
これらを準備・把握しておく必要があります。
開業のためには、物件の準備や資金調達だけではありません。
開業してから、生活していけるだけの収益を出せる見込みがあるのかも知っておく必要があるのです。
ライブバー開業に必要な準備
ライブバーを開業するために必要な準備として、物件の準備があります。
物件は、私たちが生活する賃貸住宅を借りるときよりもお金がかかります。
理由は、敷金や礼金にかかる割合が大きいからです。
一般的に、賃貸住宅を借りる場合にかかる敷金は1~2カ月が相場ですが、店舗として借りる場合は6~12カ月と高いです。
高くなる理由はこちら。
◆商売で使用する店舗物件は、滞納などの賃料未払いリスクが高いから
◆退去時のスケルトン戻し(原状回復)工事費用の補填
生活ではなく、商売として借りる場合は物件にかかる費用が高くなることを知っておきましょう。
物件が決まると、その場所で営業するための資格や許可を取得します。
取得すべき許可はこちらです。
開業届 | 原則として開業してから1か月以内に届け出る税務署へ必要書類を提出もしくはオンラインで申請 |
食品衛生責任者 | 飲食を行う場所には必ず設置しなければいけない人材講習を受ければ誰でも取得できる調理師や栄養士の資格を持っている人は講習が免除される |
防火管理者 | 収容人数が30人を超える場合には、消火設備の設置と管理を行う人材を設置する必要がある講習を受けることで取得できる資格で、誰でも取得可能 |
特定遊興飲食店営業許可 | 風俗法に基づいて、開業2カ月前までに申請が必要な許可深夜に当たる、午前0時~午前6時が営業時間に含まれている場合は申請が必要 |
深夜における酒類提供飲食店営業の開始届出 | 営業10日前までに申請が必要な書類午前0時を過ぎても酒類を提供する場合は届け出が必要 |
ライブバーでは、酒類の提供はもちろんかかせません。
バーとして深夜営業を行う場合には、深夜営業をする届け出も必要です。
営業開始までに必ずすべての申請を終えられるように、計画的に手続きをしましょう。
ライブバー開業にかかる資金
ライブバーの開業にかかる資金は、相場で1,000万円程度です。
物件にかかる費用、内装工事費、開業後の運転資金などを総合的に考えると、このくらいはかかります。
詳しい内訳を示します。
費用の内訳 | かかる費用 |
---|---|
物件選定 | 100万円~200万円 |
内装工事費 | 約400万円 |
開業後の運転資金 | 相場100万円として6カ月分で600万円 |
バーの宣伝費など諸経費 | ~100万円 |
あくまでも概算ですが、単純計算でも1,000万円以上かかります。
何もない状態から始めるのであれば、開業資金は潤沢であるほど助けになってくれるはず。
資金調達は、自分の貯金からまかなうだけではありません。
銀行からの融資や、企業からの支援、クラウドファウンディングなどでも資金を集められます。
開業に必要な資格を取得している段階から、資金調達については知識を蓄えておきましょう。
資格取得よりも早い段階から考えておくとベストです。
ライブバーで稼げる金額
ライブバーで稼げる金額は、月収にして20万円前後です。
年収では200万円~300万円程度。
社会人1年目と同じくらいの給料と言えます。
しかし、あくまでも平均的な収入です。
副業で経営しているのか、本業として経営しているのか、立地や知名度などで収入は左右されます。
ライブバーを開業してから軌道に乗るために必要な期間は約半年です。
半年までの蓄えは、開業資金の中に含まれているはずなので、すぐに焦る必要はありません。
冷静に自分の店の分析をする期間と捉えましょう。
一般的なバーのように、客の回転率を上げることで収益を生みにくいライブバー。
収容人数や演奏するアーティストの知名度にも影響するので、店の広さや稼ぎたい額を考えたプランを考えるのもおすすめです。
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ライブバーを安く開業するには
ライブバーを安く開業するには、安くできる準備工程を知ることが大切です。
ただでさえ費用がかかる、ライブバーの開業。
資金は十分に確保できたとしても、手元にできるだけ資金は残しておきたいはずです。
実は、準備工程には安くできる箇所があります。
店のこだわりを損なうことなく満足したライブバーを開業するために押さえておきましょう。
安くできる準備工程
安くできる準備工程は、物件費用と内装工事費用の2点です。
どの物件を選ぶか、どのような内装にするかによって大きく金額を減らせます。
物件では、家賃・敷金の安い物件を選ぶことがあげられます。
事業用物件でないテナントを選ぶと、敷金が安く済みます。
敷金は、原状回復費用を兼ねて設定されています。
事業として使うことを目的に貸し出されている物件は、あらかじめ原状回復費を含んだ金額なので高額です。
事業用のテナントでない場合、不動産会社との相談は必要ですが、準備費用を抑えられます。
内装工事費用では、工事をする範囲や使う素材によって費用を抑えられます。
費用は坪単価で請求されるので、範囲が狭いほうが安いです。
また、使う素材によって、値段が違うことも知っておきましょう。
同じフローリングでも、素材が持つスペックによって値段が大きく変わります。
ライブバーであれば防音性も気にしたいはずなので、素材と防音性の2点に注目して決めると良いでしょう。
居抜き物件をつかう
居抜き物件を使うと費用が安く抑えられます。
居抜き物件とは、原状回復をしていない店舗のことです。
前の店舗が営業していた内装をそのまま残したテナント。
同業であれば大きく内装を変える必要がないので、物件を借りるだけで営業準備に取りかかれます。
工事をしても部分的に変えるだけなので、短期間で低コストでの内装工事で済みます。
物件費用と内装工事費用が、物件費用として準備した金額で抑えられる可能性も十分です。
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内装工事費用をリースで払う
内装工事費用をリースで支払うことで、開業資金を使わずに内装工事が可能です。
内装工事リースとは、内装工事費用を月々決まった金額で支払うという方法。
審査は最短で2日で結果がわかります。
銀行の融資を断られてしまった場合でも、審査に通った事例があるので、一度相談してみると良いでしょう
頭金もかからないので、初期費用をかけずに支払いがスタートします。
開業資金をうまく集められなかった場合でも、物件に費用をかけすぎてしまった場合でも安心です。
毎月少額ずつ、運転資金にプラスして支払えば良いので、手元の開業資金を大量に失うこともありません。
開業にも、営業後にも経営に負担をかけない内装工事リースも、開業準備の選択肢に入れてみてはいかがでしょう。
まとめ
ライブバーを開業するためには、1,000万円程度の初期費用が必要です。
自分の貯金だけで工面するのは難しく、月日がかかります。
同時進行で、各種手続きや開業のための情報収集も行うので、時間も必要です。
開業後も、軌道に乗せるまでにかかる時間は半年が平均と言われています。
稼げる金額は新卒の社会人程度なので、初期費用をできるだけ安くしておきたいですよね。
そこで押さえるポイントが、
- 物件費用
- 内装工事費用
この2点です。
事業用店舗でない物件や居抜き物件を使うこと、内装工事に使う素材のコストを考えることやリースで支払うことを紹介しました。
特に内装工事リースは、店内の内装にこだわって予算オーバーになった金額でも安心できます。
内装にこだわりたい、しかし、安く済ませたいという人におすすめです。