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自分の店を持つまでの手順
「今は会社員だけど、将来は脱サラして夢だったお店を持ちたい」「店のオーナーに憧れる」と、自分の店を持つ夢がある人もいることでしょう。
しかし、実際に開業しようとすると具体的に何から始めて何をしたら良いのかが分からない人の方が多いかもしれません。
そこで本記事では自分の店を開くまでの手順を詳しくご紹介。
店の種類によっては細かい手順が異なることもありますが、大まかに手順を知っておくとスムーズに準備を進める際に役立ちます。
開業を具体的に考えている人も将来店を持ちたいと漠然と夢に描いている人もぜひ参考にしてみてください。
コンセプトを決める
自分の店を持つまでにまず確認しておきたいのが店のコンセプトです。
「レストランを開きたい」「カフェを開店したい」と漠然とした考えだけでなく、どのような店にしたいのか方向性を具体的に固めることがコンセプト作りと言えます。
コンセプトを事前に明確にしておくことで、店舗の内装デザインやメニュー作りもブレずに行え、経営方針も迷わずに決められるなどメリットが豊富です。
そのため、コンセプトは最初にしっかり決めておくことが開業には大切になります。
具体的には以下のようなことを確認しておきたい点です。
◆誰に来店してもらいたいか:年齢層や性別、ファミリーか独身かなど
◆何を提供するのか:カフェならコーヒー豆にこだわる、オーガニック食材を提供するなど
◆お客さんがどのように利用できる店なのか:ゆっくり寛げる空間や、仕事や勉強がしやすいなど
事業計画書作成
店を開店するためには多くの場合金融機関からの融資を受けることになります。
その際に必要となるのが事業計画書。
事業計画書は書き方が決まっているわけではありませんが、以下のような内容を記載するのが一般的です。
・事業の内容・動機
・事業主の経歴
・収益の見込み
・開業資金
・運転資金
・経営戦略など
事業計画書には事業計画書には開店する動機を書くため、コンセプトを明確にしておくことでスムーズに的確な作成が可能です。
資金調達
日本郵政金庫総合研究所の「2022年度新規開業実態調査」のアンケートによると資金調達先は金融機関などからの借入が平均882万円、平均調達額に占める割合が69.2%となっており、多くの場合で金融機関などから借入れていることが分かります。
借入先として利用する人が多いのが、日本政策金融金庫です。
財務省所管の公的な金融金庫として知られており、一般の金融機関と比べて融資を受けやすいといったメリットがあります。
そのほか、地方自治体から補助金や助成金を受けられる場合も。
条件をクリアしなければなりませんが、基本的に返済する必要がないため、利用できるかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
届出
開業するためには各種機関に届出が必要になります。
例えば飲食店の場合には以下のような届出が必要です。
・保健所:飲食店営業許可申請
・消防署:防火対象設備使用開始届
そのほか午前0時過ぎまで酒類を提供するバーなどの開業を考えている場合には警察署に「深夜酒類提供飲食店営業営業開始届出」、ダーツバーなどお客さんを遊行させる店を開く場合は「特定遊興飲食店営業許可」の届出が必要になります。
さらに個人で開業するためには税務署に「開業届」を提出しなければいけません。
また、食品衛生責任者や防火管理者などの資格取得も必要です。
届出は保健所や消防署などさまざまな機関で申請しなければならず、開業何日前までに届出るのかもそれぞれに異なります。
店の規模や業態によって必要になる資格や届出も異なるため、事前に必要なものを確認し、開業までに間に合うよう余裕を持って手続きしましょう。
立地・物件探し
出店する立地や物件探しは、店が成功するかどうかを決める大切なポイントです。
例えば高級レストランを大学近くで若者が多い場所で経営するより、富裕層の多い駅から近い土地で営む方が集客が見込めます。
バーや居酒屋ならオフィス街の駅近くに開けば、仕事帰りの会社員が来店してくれ、気に入ってもらえればリピーターを獲得しやすくなるでしょう。
また、開店したい土地が良くても物件によっては思うような集客が得られないことも考えられます。
例えば階段やエレベーターを使わずに入れる1階にある路面店は、中の雰囲気が分かりやすく目にも付きやすい、気軽に入りやすいなどのメリットがありますが、2階以上の物件と比べて賃料は高いです。
2階以上の「空中店舗」は初めてのお客さんが入りやすい気軽さはありませんが、1階の店舗と比べて賃金が安いのがメリット。
リピーターを獲得することで安定した店舗経営が可能になります。
どの店にもすべてマッチするパーフェクトな物件というものは存在しません。
そのため、「ここなら絶対に成功する」と言い切れる物件を紹介することは不可能です。
物件は自分の考えたコンセプトに合う立地・物件を自分で選ぶ必要があります。
ぜひ立地や物件は妥協せず、自分で納得できるまで比較・検討して決めてください。
内装デザイン決め
内装のデザインは店の雰囲気を決める重要なポイントです。
知識があれば自分でデザインをつくることもできますが、業者に依頼する場合には、実在する店舗の画像やコンセプトなどを共有して進めていくことが大切です。
物件の種類によってもデザインをどこまで自分で決めることになるのか変わります。
以下が物件の種類とその特徴です。
・居抜き物件:以前入居していた内装・設備が残っている物件
・スケルトン物件:内装や設備がない物件
居抜き物件は設備や内装を活かして開業できるため、内装工事を抑えられるメリットがあり、コストを抑えて店を開きたい人におすすめの物件です。
スケルトン物件は内装や設備費用がかかりますが、自分の考えている店のコンセプトに合わせて内装デザインや設備を選べるというメリットがあり、内装や設備にこだわりたい人におすすめです。
内装工事
店舗のデザインや設計図が固まったら内装・外装工事に進みます。
業者は実績や評判の良さを見るのが大切です。
さらにはじめから一業者に決めずにいくつかの業者から見積をしてもらい、条件の良い業者から選ぶようにしましょう。
メニューと仕入先決め
内装・外装工事を進めている間は仕入れ先や飲食店ならメニューを決めましょう。
メニュー作りでは目玉になるようなオリジナルメニューを開発することが重要です。
この店だけで食べられるオリジナルメニューがあるとそれを気に入ったリピーターも集まりやすくなるでしょう。
さらに若い女性をターゲットにしているなら見た目にもおしゃれなドリンクやデザートを種類豊富に開発したり、居酒屋なら頼んですぐに出てくるおつまみメニューをいくつか用意するなど、ターゲットとなるお客さんのニーズに応えられるメニュー開発を積極的に行うことが店の成功につながります。
チェーン店ではなく個人経営の飲食店の場合、仕入れ先も自ら見つけて仕入れる必要があります。
バーなどお酒を中心に提供する店なら酒の種類を豊富に扱う酒屋、料理を提供するレストランならメニューに必要な食材を仕入れられる店を探さなくてはなりません。
また、飲食店なら食材のほかにもお客さんが使う食器やカトラリー、紙ナプキン、調理に使う調理器具、テイクアウトを実施する予定ならお持ち帰り用容器なども必要です。伝票やボールペンなどの事務用品などはどの業態の店でも必要不可欠です。
一般的には業務用スーパーや市場などを利用することが多いですが、最近では業務用の食材を専門に扱うECサイトもあり注目されています。
促進活動
お店をオープンする前にはお店の存在を多くの人に知ってもらうため、促進活動も積極的に行いましょう。
新聞や雑誌に広告を掲載するほか、SNSで宣伝するなど方法はいくつかありますが、なかでもチラシの配布が効果が期待できる方法です。
ポストに投函するほか、人が集まる近くの施設にチラシを置いてもらう方法も有効です。
チラシには割引クーポンなどを付けると「一度行ってみよう」とお客さんも集まりやすくなるかもしれません。
プレオープン
正式にオープンする前にプレオープンを設定するのも良いでしょう。
プレオープンではスタッフがうまくオペレーションできるかをチェックする機会にもなり、トラブルがあれば改善させるために検討する時間も作れます。
スタッフも正式オープン前に実際の動きを確認できるため、安心してオープンを迎えられるでしょう。
プレオープンでは一般のお客さんではなく、取引先の人などを無料で招待するようにし、最後にお店の雰囲気や料理の感想を聞くことで、正式オープンへ向けての改善に繋げることが大切です。
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自分の店を持つための資金
開業するためには賃料や内装工事がかかるだけではなく、ほかにもさまざまな費用がかかります。
店をオープンすることはゴールではなく、ようやくスタートに立ったということです。
スタートして軌道に乗るまでには事前に用意している資金でやりくりする必要があります。
では、どのような費用がかかるのか詳しく見ていきましょう。
物件取得費用
物件取得費用は物件を本契約し、自分の物件として取得するための費用で、保証金・礼金・仲介手数料・前家賃などを指します。
以下に支払先と相場を表にまとめました。
支払先 | 相場 | |
---|---|---|
保証金 | 大家 | 10カ月分の家賃 |
礼金 | 大家 | 1カ月分の家賃 |
仲介手数料 | 不動産会社 | 1カ月分の家賃 |
前家賃 | 大家 | 契約開始月の日割り+翌月の家賃 |
居抜き物件の場合は上記に加えて造作譲渡費がかかります。
店舗投資費用
スケルトン物件の場合、電気・ガス・水道から内装、インテリアまで業者に依頼して一から体裁を整えなければなりません。
さらに看板や飲食店ならガス代や冷蔵庫などの機器購入などがかかります。
居抜き物件を選ぶことで店舗投資費用は大きく削減可能です。
運転資金
開業した後、すぐに多くのリピーターを獲得して起動に乗せられるのは難しいことです。
そのため、開店した後しばらくの期間まかなえる運転資金も用意しておく必要があります。
どの程度で店が軌道に乗るかは分かりませんが、最低でも6カ月分の運転資金は用意しておきたいところです。
生活費
収入がなくても生活できるために生活費も準備しておくことが大切です。
経営が軌道に乗るまでに実際にどの程度の期間がかかるかは分かりませんが、最低でも6か月かかると想定すれば6カ月分の生活費を確保しておく必要があります。
まとめ
自分の店を持つためにはオープンするまでにさまざまな準備と、多くの費用が必要だということがわかりました。
一方で7割以上が企業に満足しているというデータもあり、実際に開業した人の満足度が高いのも現実としてあります。
自分の店を持つことは簡単なことではありません。
また、業務形態によって手順も異なります。
しかし大まかな手順や必要な資金を把握しておくことでいざという時に慌てることなく開業に向けてスムーズに進めることができるので自分の店を持ちたいという考えを少しでも持っている場合は参考にしてください。
開業のおいて内装工事の費用がネックになっている場合は、500万円の内装費用を初期費用0円で行える内装工事リースを夢の実現に向けてぜひご検討ください。