こんにちは、今回は内装工事についてですが、”薬局”に焦点を当ててご紹介していきます。
薬局と言えばアパレルや飲食店に比べて内装にこだわりを入れる必要はないと思われがちですが、薬局を経営していく上で内装に関する決まりや気にしなければいけない点が多くあるのです。
また、薬局でも内装によって良いイメージを持たれるか、悪いイメージを持たれるかは重要となるため、他の業界とは違ったこだわりをしなければいけないのです。
そのため、今回は薬局が内装でこだわるべき点や、業者に依頼する際のメリットやデメリットを踏まえてご紹介していきます。
Contents
薬局の内装の重要性とは
「そもそも薬局ってそこまで内装にこだわらなくてもいいんじゃないの?」と思われる方も多くいらっしゃるでしょうが、薬局を経営する上では内装への決まりがあり、DIYでは再現が難しい点もあるのです。
また、薬局は健康や薬をイメージさせるため、清潔感や店舗としての信頼を獲得する必要があるのです。
そのため、内装が古かったり汚れてしまうとお客様からの信頼を獲得できないだけではなく、来店人数が減ってしまうというケースもあるのです。
個人的に経営している飲食店やアパレル店ではDIYをして内装を変える店舗もありますが、薬局に関してはご自身で内装工事をすることはあまりオススメはできないでしょう。
薬局が内装工事を業者へ依頼するメリット
つぎに薬局が内装工事を業者へ依頼をするメリットについてですが、薬局と言えば他の物販店舗とは違い店舗へのイメージが重要となります。
そのため、基本的には内装を変える際には業者へ依頼をすることは一般的ですが、その際のメリットについてご紹介していきます。
細かな規定にも対応できる
まず薬局が業者へ依頼をするメリットとしては、薬局の店舗を経営する上で決められている規定に対応できるという事です。
後ほどご紹介をしますが、薬局として店舗を構えるにおいて内装の仕様には様々な規定があり、その規定から外れてしまうと薬局を経営することすらできないのです。
そのため、業者へ任せることでそのような内装に関する規定は全て業者へ任せる事ができ、内装工事において余分な事に気を使う必要が無くなるのです。
高いクオリティが再現できる
薬局では店舗の清潔感などのイメージが重要となり、内装の雰囲気が重要となります。
そのため、より高いクオリティを再現するとなると業者に任せるに越したことはありません。
また、薬局ではDIYなどの低いクオリティで内装を済ませてしまうことは、DIYによって費用を抑えられる事を加味してもデメリットの方が大きいため、業者に任せるべきとも言えるでしょう。
他の事に時間が使える
薬局では、病院から指定されている薬を患者さんの方へ渡さなければいけない為、患者さんの数だけ接客しなければいけませんし、もちろんそれ以外の仕事も山ほどあります。
そのため、内装工事に時間をかけてしまえば、それだけ薬局自体の売り上げ自体も落ちてしまう為、内装工事は完全に業者に任せ、薬局としての営業を続けられることは大きなメリットと言えるでしょう。
薬局が内装工事を業者へ依頼するデメリット
つぎに薬局が業者へ依頼をするデメリットについてですが、薬局は基本的に業者へ依頼をする為、このデメリットはほとんどの場合で伴ってきます。
そのため、薬局が内装工事をする際にはどのようなデメリットがあるのかについて、ご紹介していきます。
業者選びが重要になる
薬局の内装工事をする際にはいくつかの規定があるとお伝えしましたが、この内装の規定は薬局を経営する上では必ず守らなければいけません。
また、いかに内装業者と言えど薬局の内装工事に慣れていなければ、作業がスムーズに進まない事もあるのです。
そのため、業者に依頼をする際にはただ業者へ依頼をすればいいというわけでもなく、薬局の内装を行ったことがある業者に頼むべきだといえるでしょう。
費用が高くつく
薬局の内装工事では様々な規定があることもあり、工事が複雑になるケースが多くあります。
そのため、薬局の内装工事は他の業界に比べても比較的高く費用がつきやすいため、薬局の大きさや内装工事の規模にもよりますが、最低でも500万円、高ければ1000万円も費用がかかってしまうと言われているのです。
そのため、特に業者選びは重要になるでしょう。
入念な打ち合わせが必要になる
薬局の複雑な規定に沿って工事を進めるには、それ相応に入念な打ち合わせが必要となります。
そのため、通常の飲食店などの内装工事よりも打ち合わせにかかる時間が多くなりがちなため、そもそも工事を進めるだけでも時間がかかってしまうというケースも多くあるのです。
薬局が内装工事をする際に気を付けるべき点
再三お伝えしてきた、薬局が内装工事をする際の規定や気を付けるべき造りについて、薬局内の場所ごとに分けてご紹介していきます。
調剤室
調剤室は薬局において必要不可欠な場所であり、法律によって調剤室は6.6㎡以上と定められています。
市区町村によっては出入口が引き戸、または開き戸であること、他の場所と明確な仕切りがなくてはいけないなど、様々な規定が設けられています。
また、調剤室で重要となるのが透視面という点です。
薬局では薬品を扱うこともあり、待合室から調剤室内での作業が見えるような状態でなければいけません。
そのため、調剤室の一角をガラス張りにする必要があるのです。
受付
受付はできるだけ入口の近くにあるのが良いとされています。
患者さんが薬局の中で一番集まる場所です。
そのため、受付の前が狭いと、患者さん同士でぶつかってしまったり、不便に感じさせてしまいます。
来店する患者さんの年齢層は高齢の方が比較的多いですし、なかには車いすで薬局に訪れる人もいます。
そのため、車いすで薬局に来た人でもスムーズに通れるくらいのスペースを確保する必要があるでしょう。
また、病院からの処方箋をもらった患者さんだけではなく、通常の買い物をしに来る人も多いため、会計待ちを起こしてしまわないように、複数のレジを置けるくらいのスペースも必要となるでしょう。
レジが1つだけの場合だと、処方された薬を受け取ってすぐに帰りたいという方も待たせてしまう為、薬局全体の回転率が落ちてしまいます。
待合室
薬局では必ず設けられている待合室ですが、薬局では調剤を行っていることもあり、混雑状況によっては患者さんを30分以上待たせてしまうケースがあります。
その際にただ患者さんを30分以上待たせてしまうと、退屈に思わせてしまうため、テレビが置かれていたり、様々な雑誌が用意されている薬局も多くあります。
また、お子さん連れで来店される方向けにキッズスペースなどを設けることで、様々な年齢層に対応できる薬局も増えてきているのです。
事務所
多くの自治体で、薬局内に更衣室や休憩所となる事務所の設置が必須となっています。
着替える場所や休憩できる場所がないとなると、従業員に対して働きやすい環境を提供することができません。
そのため、自治体で特に指定がなかった場合でも、従業員が働きやすい環境を提供するために設けるべきでしょう。
また、薬局では店舗内に必要な面積が定められていますが、事務所や更衣室は薬局の面積には含まないとしている自治体が多いため、事務所や更衣室は除いて条件を満たす必要があるので薬局のレイアウトには注意が必要です。
しかし、薬局の坪数的に余裕がないときは、兼用でも問題ないとしている自治体もあるので、事務所と更衣室については事前に確認しておく必要があるでしょう。
その他の規定とは
上記でご紹介した規定や気を付けるべき店以外にも、薬局の内装には様々な規定があるため、簡単にご紹介しておきます。
・薬局の内装は概ね19.8㎡(5.99坪)以上である
・天井及び床は板張り、コンクリート、またはこれらに準ずるものである
・調剤業務従事者以外が侵入できないような措置が取られている
・鍵のかかる貯蔵設備を有する
・交付する場所の照明は60lux(ルクス)以上、調剤台の上は120lux以上の明るさを有する
・換気が十分であり、かつ清潔である
・医薬品は通常陳列とする
薬局が内装工事を業者へ依頼する時に気を付けべき2つのこと
つぎに、実際に内装業者へと工事の依頼をする際に特に気を付けるべきことについてです。
もちろん内装工事を依頼するとなったときには気を付けるべき点はいくつもありますが、今回は特に気を付けるべきことを大きく2つご紹介します。
1社では決めない
薬局はただでさえ忙しいという事もあり、極力経営に関すること以外には時間を使いたくないという方が多くいらっしゃいます。
しかし、業者によっては作業にかかる費用が変わってきます。
そのため、1社の見積もりだけで決めてしまうと思った以上に費用が嵩んでしまうケースもあるので、いくつかの業者に見積もりを出してもらい、費用面とクオリティ面のバランスの取れている業者へ依頼をしてください。
薬局の内装工事の決まりを知っているか
ここまでで薬局の内装工事の際には、いくつか気を付けるべき規定があるとお伝えしましたが、これらの規定を守らなければ薬局として経営をすることもできなくなってしまいます。
内装業者がその規定を把握しておらず、内装工事が完了した後にその問題が発覚することでトラブルになってしまうというケースも少なくはないため、依頼をする前にはその業者がしっかりと薬局の内装に関する規定を把握しているかを確認する必要があるでしょう。
<まとめ>業者へ依頼をする際には慎重に
ここまででご紹介してきたように、薬局のような内装工事で様々な規定がある業界では、自身でDIYをするよりも業者へ依頼をすることが無難です。
しかし、いかに業者へ依頼をするとしても、いくつか気を付けるべきことや確認しておくべきことはあるため、簡単に決めてしまうのではなく慎重に業者を選ぶ必要があります。
また、全てを業者に任せてしまうと、後々のトラブルに繋がってしまう事もあるため、自身でも事前に把握しておくべき事もあるので注意してください。