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株主が社長になるメリット・デメリット!株式保有率はどのくらい?

創業者として会社を設立し、これから大きくしていきたいと考えている方は、株の配分や渡す相手を慎重に考えることが重要です。

一方で、「社長になりたい」と考えているだけであれば、必ずしも株を保有する必要はありません。

株主と社長は混乱しがちな概念ですが、全く別物なのです。

今回は、株主と社長の関係性について、解説します。

株主が社長になるメリットとデメリット

まず、株主が社長になる場合のメリットとデメリットを紹介します。

株主が社長になるメリット

株主が社長になる場合のメリットは以下の通りです。

経営において必要な意思決定が行うことができる

会社の所有者である株主と、経営者である社長が同一であるということは、強大な権力を有しているということに等しいです。

このため、経営において必要な意思決定を何でも行うことができることが、株主が社長になるメリットです。

役員報酬の決定、会社の分割や解散、定款の変更など、本来は株主総会で決議しなければならないような事柄でさえ、ほとんど自身の意思で決定することができます。

このため、スピード感のある経営が行いやすく、自身の理想とする会社像に向けた経営ができるというが特徴です。

役員報酬とは別の利益を受け取ることが出来る

株を持っていない社長の場合、基本的に受け取ることのできるお金は役員報酬のみです。

一方で、株を持っている社長の場合、役員報酬とは別に、株式の配当金を業績に応じてもらうことができます。

また、退職後の資金等でまとまったお金が必要なタイミングでは、株式譲渡などを行うことも可能です。

所有と経営を分離させることも出来る

株を持っていない社長が社長をやめた場合、ただ職を辞しただけになりますが、株主が社長をやっている場合、自身は株主として経営に携わり、社長は他の人物に任せることで所有と経営を分離させることが可能です。

ただし、新しい社長に経営を任せるにあたっては、社長の選定や役員報酬のルール決めなど、やることも非常に多いため、一般的に中小企業では所有と経営を分離させることは少なく、株主が社長になるのが一般的です。

株主が社長になる場合のデメリット

株主が社長になる場合のデメリットは以下の通りです。

経営のリスクを自分で負わなければならない

株主は会社の所有者です。

このため、会社が大きく利益を伸ばした際の利益を享受することができたり、経営の方針を自由に決めることができたりする一方で、会社の経営が傾いたときに責任をとる必要があります。

例えば、会社の資金繰りが厳しくなった際は、社長個人の資産を会社に貸し付けたり、社長個人が保証人となって資金調達をしたりする必要があります。

このような事態に陥り、なお業績が改善せず倒産に至ってしまった場合は、社長個人に借金の返済義務が残ります。

後継者問題が発生する

株主が社長をやっており、かつ親族内で代々事業承継をしている場合、後継者問題が生じます。

適任な後継者探しや、相続税の問題など、様々な問題を解決する必要があります。

ポイント

・株主が社長になることで、経営の意思決定をスムーズに行うことができる。
・株主が社長であれば、必要に応じて所有を経営を分離させることができる。
・株主が社長の場合、会社が傾いたときも個人の責任が問われる。

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株主が社長になる場合の株式保有率は?

会社の株主の中でも、会社の100パーセントの株を持っている株主もいれば、1パーセントしか持っていない株主もいます。

株主としてオーナー社長になって起業をする際は、どのくらいの割合の株式を持っていれば良いのでしょうか。

株式保有率:3分の2以上が好ましい

結論、会社を創業する際の株式の保有割合は、最低でも過半数、可能であれば3分の2以上が望ましいです。

過半数が必要な理由は、「過半数を保有する株主は、その会社の役員を自由に解任できるから」です。

仮に自分で創業し、自分で大きく成長させた会社であっても、株を過半数保有していなかった場合、残りの株主全員が社長解任の意思を示せば、社長は解雇されてしまうのです。

つまり、過半数の株を保有していない限り、いくら事業を成長させても、常に解任の危機にさらされるということになります。

また、社長の解任は過半数の賛成で決定できますが、一方で3分の2以上の賛成が必要な決議も多いです。

このため、可能であれば3分の2以上の株式を保有するのが望ましいです。

3分の2以上持たなかった場合のリスク

定款の変更、会社の合併や解散、事業の譲渡など、会社にとって重大な事柄に関しては、株主総会にて全株式の3分の2以上の賛成が必要です。

このため、創業した株主が3分の2以上の株式を保有していないと、経営者として会社に必要な決断を下そうとした際に、他の株主の反対にあって進められない、というリスクがあります。

このため、自分で作った会社を自分で成長させ、意思決定を進めていきたい場合には3分の2以上の株式を保有することが必須です。

ポイント

・株式保有率は、最低でも過半数、可能であれば3分の2以上が望ましい。
・株式保有率が過半数を割る場合、社長が解任される恐れがある。
・株式保有率が3分の2を割る場合、会社にとって重要な意思決定が進まない可能性がある。

株主が社長になった場合に考えるべきこと

上述の通り、株主が社長として会社を運用していくにあたり、株の保有率は非常に重要です。

このため、株主が社長になった場合には、以下のことを考える必要があります。

株主を増やすかどうか

まずは、株主を増やすかどうかです。

特に、創業時に複数メンバーで会社を作るケースは、株を均等に割り振って起業するケースが多く見られます。

しかし、それはその後会社が成長した際、意見が割れて思うような意思決定ができなくなるケースがあるため、注意が必要です。

また、創業メンバーの一部だけが仕事をして、残りのメンバーは仕事をせずに株を保有し続ける、というような状況に陥ると、仲間割れを起こす可能性があります。

このため、「株を均等に割る」という考え方は避け、できる限り意思決定者を一人に絞ることが大切です。

資金調達の方法

会社の運転資金を増やす方法として、自己資金だけでなく、融資を受ける、出資を受けるという2つの方法があります。

前者の場合、お金は金融機関に返済する必要がありますが、後者の場合は返済の必要がありません。

このため、出資の方が良いと思う方もいるでしょう。

しかし、出資を受ける場合、株を渡す必要があるため、注意が必要です。

出資がほしいあまり、多数のベンチャーキャピタルに株を渡してしまうと、自分の思い通りに会社を運営することができないだけではなく、最悪の場合、解任されてしまうこともあります。

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ポイント

創業メンバーで株を均等に分割するという考えは避けた方が良い
・出資は返済の必要がない点で魅力的だが、株を渡す必要がある点に注意が必要である。

会社経営について相談するなら会社設立のプロへ

ベンチャーキャピタルに株式を渡しすぎて意思決定権がなくなった、創業メンバーで株を均等に分割したことで、会社内での意思決定のスピードが落ちた、などの事態が起こる理由は2つあります。

一つは、創業時に株の知識を持っているケースが少ないことです。

もう一つは、創業時の株はほとんど価値がないに等しいため、軽視してしまいがちという点です。

しかし、創業時に株の保有率について考えておくことは、今後の会社を成長させるためにおいて重要な事です。

一人だと知識がなくてよくわからない、という場合は、経営や会社設立の専門家に相談するのが良いでしょう。

経営サポートプラスアルファでは、株式の保有率に関するアドバイスから、節税対策、事業計画の策定など、ワンストップで起業のサポートを行っています。

興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。