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【税理士が解説】サラリーマンでも節税目的で会社設立はできる?目的や方法も徹底紹介

サラリーマンでも節税のために会社設立できる?目的や方法も徹底紹介

近年、副業や不動産投資、株式投資を行うサラリーマンの間で、節税を目的に会社を設立するケースが増えています。特に、2018年に厚生労働省が発表した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によって、副業が奨励されるようになり、サラリーマンの間で会社設立が一層注目を集めています。

本記事では、サラリーマンが節税のために会社を設立する理由やその手続き、メリットとデメリットについて詳しく解説します。

サラリーマンが会社を設立して節税できる理由

サラリーマンが会社を設立することで節税できる理由は多岐にわたります。以下に、その主要なポイントを説明します。

1. 役員報酬による節税効果

会社を設立し、自分に役員報酬を支払うことで、所得税の給与所得控除を受けることができます。また、会社にとっても役員報酬は経費として損金算入が認められるため、法人税を抑えることが可能です。ただし、役員報酬が不相当に高い場合、その部分は損金不算入となるため、適正な報酬設定が重要です。

2. 所得分散による節税効果

会社を設立して家族を役員として雇用し、報酬を支払うことで、所得を家族で分散させることができます。所得税は累進課税方式であるため、所得を分散させることで、各人の所得税率を下げることが可能です。また、家族の給与も経費として損金算入できるため、法人税の軽減にもつながります。

3. 退職金による節税効果

会社を設立して自分に退職金を支払うと、退職所得控除を受けることができます。退職所得は、他の所得と分離して課税されるため、累進税率が緩和され、結果として節税につながります。特に、長期間勤務している場合は、退職所得控除額が大きくなるため、大きな節税効果が期待できます。

4. 欠損金の繰越控除

青色申告を行うことで、欠損金を10年間繰り越して控除することが可能です。これは、事業が赤字になった場合でも、翌年度以降の黒字と相殺することで、法人税を軽減できる制度です。また、資本金1億円以下の中小企業では、欠損金の繰戻還付を受けることも可能です。

5. 生命保険の活用

会社を設立すると、生命保険料を損金として計上することで、法人税の課税所得を減らすことができます。特定の保険商品を活用することで、将来的な保険金受取時にも税務上のメリットを享受できる場合があります。

6. 法人税率と所得税率の差

所得税は最高税率が45%に達する累進課税制度が適用されますが、法人税は約30%の比例税率で課税されます。したがって、所得が高い場合は、法人化することで納税額を抑えることが可能です。

会社設立の手続きと流れ

実際に会社を設立するには、いくつかの重要な手続きが必要です。以下に、そのステップを説明します。

1. 定款の作成と公証役場での認証

会社設立にあたって、まず定款を作成します。定款には、会社の名称や目的、所在地、出資額などの基本事項を記載し、これを公証役場で認証してもらう必要があります。合同会社の場合は定款の認証は不要です。

2. 法務局での登記申請

定款の認証後、法務局で登記申請を行います。登記には、登録申請書や定款、取締役の就任承諾書などの書類が必要です。登記申請が受理されると、会社は正式に設立されます。

3. 税務署への届出

会社設立後、2ヶ月以内に管轄の税務署に「法人設立届出書」を提出します。また、青色申告を希望する場合は、「青色申告の承認申請書」を設立から3ヶ月以内に提出する必要があります。

4. 社会保険関連の手続き

会社を設立すると、たとえ1人社長の場合でも社会保険に加入する義務があります。年金事務所で厚生年金や健康保険の手続きを行いましょう。

5. 労働保険関連の手続き

従業員を雇用する場合、労働保険(労災保険や雇用保険)に加入する必要があります。労働基準監督署や公共職業安定所で手続きを行います。

会社設立のメリットとデメリット

会社設立による節税効果は魅力的ですが、デメリットも存在します。以下に、主なメリットとデメリットをまとめます。

メリット

節税効果:役員報酬や退職金、生命保険などを活用することで大幅な節税が可能です。
所得分散:家族を役員にすることで所得を分散させ、税率を下げることができます。
・社会的信用:法人化することで、取引先や金融機関からの信用度が向上します。

デメリット

設立コスト:会社設立には初期費用がかかります。株式会社では約25万円、合同会社でも約11万円の費用が必要です。
運営コスト:法人運営には、決算処理や税務申告の手続きが必要で、税理士のサポートが必要な場合も多く、コストがかさむことがあります。
赤字でも税金がかかる:赤字の場合でも法人住民税が発生します。個人事業主と異なり、赤字であっても一部税金を支払う義務があります。

まとめ

まとめ

副業や不動産・株などの投資を行うサラリーマンにとって、会社を設立することで節税ができるケースがあります。

しかし、所得額などを十分考慮して判断する必要があるでしょう。

所得額が低いのにむやみに会社を設立しても、節税どころかかえって大きな負担になることもありますので、注意してください。

また、経営サポートプラスアルファではサラリーマンの節税目的の会社の設立支援も行っております。

法定費用以外の手数料なしで会社設立の最初から最後までサポートすることができるので、節税目的の会社を設立したいと思っている人は、ぜひ経営サポートプラスアルファにご相談ください。


記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。