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サラリーマンでも節税のために会社設立できる?目的や方法も徹底紹介

サラリーマンでも節税のために会社設立できる?目的や方法も徹底紹介

副業や不動産・株などの投資を行うサラリーマンの中で、会社を設立するケースが増えています。

とくに、2018年1月に厚生労働省が発表した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」における「モデル就業規則」で、副業が原則認められたことが、社会的な機運を盛り上げています。

そこで、この記事ではサラリーマンが節税目的で会社を設立する方法や節税できる理由について紹介します。

会社設立で節税ができる理由

サラリーマンでも会社設立することで節税ができます。

会社設立することでサラリーマンでも節税できる理由は、以下の6つです。

  1. ◆役員報酬で節税できる
  2. ◆所得を家族で分散して節税できる
  3. ◆退職金で節税できる
  4. ◆欠損金を10年まで繰越控除できる
  5. ◆生命保険の活用で節税できる
  6. ◆法人税率と所得税率の差で節税できる

役員報酬で節税できる

法人化して役員報酬を自分に払うようにすることで、大きい節税効果を得ることができます。

まず、会社から自分の役員報酬を受け取ることで、所得税の給与所得控除が適用されます。

また、これは法人の側からすれば、役員報酬は事業に必要な支出と見なされるため、適正な部分を損金算入することができ、法人税を抑えることができます。

ここで適正な部分といっている意味は、従業員の給与の場合全額を損金算入できるのに対して、役員給与の場合には、適正部分を損金算入、不相当に高い部分を損金不算入とするからです。

所得を家族で分散して節税できる

会社を設立し、家族に役員報酬あるいは給与を支払うことによって所得を分散し、節税することができます。

所得税は累進課税方式ですので、分散することにより所得税率を下げることができるのです。

同時に、給与所得控除を家族にも適用できるほか、法人税も抑えることができます。

退職金で節税できる

サラリーマンでも節税目的で会社を設立すると、自分に退職金を支払い退職所得控除を受けることができます。

退職所得は、収入金額から退職所得控除額を引いた額の半分に課税され、退職所得控除額は20年以下と20年を超える場合で計算の仕方が異なります。

20年以下の場合は、40万円×勤続年数、20年を超える場合は800万円(40万円×20年)+70万円×(勤続年数-20年)です。

ただし、役員としての勤続年数が5年以下の場合(特定役員の場合)は1/2にする措置はありません。

なお、退職所得は他の所得と分離して課税されるため、ここでも累進率が緩和され節税につながります。

欠損金を10年まで繰越控除できる

青色申告をすることで、青色欠損金の繰越控除を受けることができます。

つまり、事業の赤字が出た場合でも、翌年以降にその赤字分を繰越控除できるのです。

繰越控除できるのは、会社の場合は10年間です。

また、資本金1億円以下の中小企業の場合には、青色欠損金の繰戻還付を受けることもできます。

繰戻還付とは、利益が出て法人税を支払った翌期に欠損金が生じた場合、その欠損金を前期に繰り戻して法人税の還付を受けることができる制度です。

青色申告の特典を受ける場合は、所轄税務署長に「青色申告承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。

提出期限は、原則として青色申告の承認を受けようとする事業年度開始の日の前日までです。

新規法人の設立の場合は、設立の日から3か月後、ないし最初の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までになっています。

生命保険の活用で節税できる

保険商品にもよりますが基本的には全額を損金算入できます。

生命保険を損金にすることで、法人税の課税所得金額を下げることが可能です。

法人税率と所得税率の差で節税できる

所得税は税率最高45%の累進課税、法人実効税率は約30%の比例課税です。

したがって、課税所得額によっては、会社設立をして法人税にした方が納税額を抑えられる可能性があります。

一般的には、個人の所得税率が10%から20%にはねあがり、住民税10%と合わせて30%になる課税所得額3,300,000円が一つの目安となります。

税率だけでなく、社会保険加入や会社運営にかかるコストなどを加味して検討してください。

副業の会社設立はバレるのか?

先述のように、2018年以来、国によって副業が奨励されており、大企業などを中心に認める会社が増えてきました。

しかし、慣習上副業を禁止している会社もまだまだあります。

まずは勤め先の就業規則を確認してみましょう。

中には、明確に社員のプライベートカンパニーの設立を禁止している場合もあります。

また、副業の会社設立がバレる可能性が一番高いのは、会社が天引きする住民税の納付額からバレてしまうことでしょう。

サラリーマンの場合、住民税は給料から天引きされて納付することになります。

この場合の住民税は、その会社の給与だけでなく、個人の課税所得全体に課せられますので、副業で収入が大きく増えた場合には天引き額が大きくなります。

そこから、勤め先の給与以外の収入があることがわかるというわけです。

この対策としては、確定申告時に設立した会社からの役員報酬分について「普通徴収」を選択するという方法があります。

このようにすることで、自宅に住民税の納付書が届くようになります。

ただし、自治体によっては取り扱っていないこともありますので、確認してみてください。

会社設立の手続き

実際に会社を設立する場合の手続きや必要な書類についてご説明します。

会社設立で必要な手続きは、以下の5つです。

  1. 1.定款を作成し公証役場で定款の認証を受ける
  2. 2.法務局で登記申請を行う
  3. 3.税務署への届出
  4. 4.年金事務所で社会保険関連の手続きを行う
  5. 5.労働保険関連の手続きを行う

定款を作成し公証役場で定款の認証を受ける

定款とは会社の基本原則を定めたもので、以下の事項を必ず記載します。

  • ◆目的
  • ◆商号
  • ◆本店の所在地
  • ◆設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  • ◆発起人の氏名又は名称及び住所

定款を作成したら、管轄の法務局に所属する公証役場で定款の認証を受けます。

ただし、合同会社の場合は定款の認証は必要ありません。

法務局で登記申請を行う

登記に必要な書類は、以下のようになります。

  • ◆登録申請書
  • ◆登録免許税の収入印紙を貼りつけた台紙
  • ◆登記すべき事項を保存したCD-R
  • ◆定款
  • ◆取締役の就任承諾書
  • ◆印鑑届出書
  • ◆払込み証明書(資本金や出資金の払込証明)

なお、登記申請は資本金の払込みから2週間以内に管轄の法務局で行います。

特に問題がなければ、法務局が指定した完了予定日に手続きが完了します。

また、会社設立日については、登記申請をした日になるので注意してください。

税務署への届出

管轄の税務署に「法人設立届出書」と「青色申告の承認申請書」を提出します。

法人設立届出書については、会社設立から2か月以内、青色申告の承認申請書については、設立の日から3か月後もしくは、最初の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までです。

法人設立届出書については、都道府県と市区町村にも提出しなければなりません。

年金事務所で社会保険関連の手続きを行う

会社設立時は社会保険(厚生年金と健康保険)に加入することが義務付けられています。

厚生年金保険・健康保険は、会社単位で適用となり、手続きは年金事務所で行います。

これは、たとえ1人社長の場合でも同様ですので、注意してください。

手続きを怠っていると、罰せられる可能性もあります。

労働保険関連の手続きを行う

常勤、パート、アルバイト、派遣等の名称や雇用形態にかかわらず、労働者を1人でも雇用した場合は、労働保険(労災保険と雇用保険)に加入することが義務付けられています。

手続きは労働基準監督署または公共職業安定所で行います。

会社設立のデメリット

会社設立は節税効果が魅力的ですが、デメリットもありますので、さまざまな条件をよく考えることが重要です。

サラリーマンが節税目的で会社を設立するデメリットは、以下の3つです。

  • 1.会社設立自体に費用がかかる
  • 2.決算処理が煩雑になる
  • 3.赤字の場合も税金を支払う必要がある

会社設立自体に費用がかかる

株式会社では資本金のほか約25万、合同会社は資本金のほか約11万円の費用が設立時にかかります。

株式会社も合同会社も資本金は1円からでも設立可能ですが、法定費用といわれる役所に支払うべき費用がそれぞれ決まっています。

株式会社の場合は、定款用収入印紙代、定款の認証手数料、登録免許税で242,000円、合同会社の場合は、定款用収入印紙代と登録免許税で100,000円です

その他謄本等の手数料がかかります。

ただし、電子定款を利用する場合は印紙代4万円を支払わなくても大丈夫になるので、会社設立費用を抑えることが可能です。

また、弊社経営サポートプラスアルファでは電子定款にも対応しているので、合同会社の場合は法定費用の6万円のみで会社を設立することができます。

決算処理が煩雑になる

会社法に則った決算処理が必要になりますので、煩雑になり、お金を払って顧問税理士を雇う必要が出てくるでしょう。

また、節税目的の会社であっても決算処理は必要になり、入出金や取引が多いとその分煩雑になることが多いです。

そのため、サラリーマンの節税目的の会社であっても、税理士などに決算処理は依頼した方がいいでしょう。

赤字の場合も税金を支払う必要がある

個人事業主の場合は事業が赤字になると、所得税と住民税が0円、つまり支払わなくてもよくなります。

一方、会社の場合は、赤字でも法人住民税の支払いが必要です。

法人住民税は道府県民税と市町村民税から成り、いずれも売上ではなく資本金の額に応じた課税部分があるからです。

まとめ

副業や不動産・株などの投資を行うサラリーマンにとって、会社を設立することで節税ができるケースがあります。

しかし、所得額などを十分考慮して判断する必要があるでしょう。

所得額が低いのにむやみに会社を設立しても、節税どころかかえって大きな負担になることもありますので、注意してください。

また、経営サポートプラスアルファではサラリーマンの節税目的の会社の設立支援も行っております。

法定費用以外の手数料なしで会社設立の最初から最後までサポートすることができるので、節税目的の会社を設立したいと思っている人は、ぜひ経営サポートプラスアルファにご相談ください。