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決算月はいつがいい?決め方は?決算月を決める際のポイントを解説!

決算月はいつがいい?決め方は?決算月を決める際のポイントを解説!

会社設立では決めるべき事項がたくさんあり、その1つが決算月です。

もし決算月の決め方を誤ると損をしてしまうため、適切な判断をしましょう。

この記事では決算月はいつがいいのか、決める際のポイントについて解説します。

決算月とはそもそも何か

決算月とはそもそも何なのか説明しましょう。

事業年度の最終月のこと

決算月とは決算期と呼ばれることもあり、事業年度の最終月のことです。

損益計算や財政状態について測定するために事業年度は一般的には1年を区切りとしていて、その最後の月は決算月と呼ばれます。

実際には年に2回決算を行うこともできるのですが、ほとんどの企業は年に1回の決算しか行いません。

決算月の2ヶ月後が法人税の申告期限のため、決算月の決め方は重要とされています。

決算月は自由に決めることができる

個人事業主の場合は12月が決算月と決まっていて、確定申告の期間は2月〜3月15日付近が一般的です。

一方、法人の場合は自由に決算月を決められるのが特徴です。

決算日も自由に設定できるため、必ずしも月末を決算日にする必要はありません。

ただし、会計期間は1年以内までというルールがあります。

たとえば、3月を決算月にすると4月1日から3月31日までが会計期間となるのです。

そして、2ヶ月後の5月末日までに法人税と消費税の確定申告を済ませる必要があります。

3月決算、9月決算、12月決算が多い

日本の企業の決算月は3月決算、9月決算、12月決算が特に多いとされています。

さまざまなメリットがあるため、これらの月が決算月に選ばれるケースが多いのです。

ただし、これらの月がすべての会社に適しているとは限らないため注意しましょう。

それぞれの会社の事情を考慮して決めることが大切

決算月は原則自由に決めることができます。

そのため、3月や9月、12月が決算月で選ばれることが多かったとしても、必ずしもそれにならう必要はありません。

それぞれの会社の事情を考慮した上で決算月を決めることが大切です。

個人事業主の場合は決算月はどうなるのか

個人事業主は12月が決算月であり、これを変更することはできません。

決算月から確定申告の期日まで法律で明確に決められています。

そのため、個人事業主については、会計期間や決算月の決め方について悩むことはないです。

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3月・9月・12月を決算月にするケースが多い理由

なぜ3月や9月、12月を決算月にするケースが多いのか理由を説明します。

公共機関の決算月は3月のためそれに合わせている会社は多い

国や地方自治体の会計年度は4月から翌年の3月までと法律で決められています。

そして、公共機関は会計年度に合わせて事業計画を立てており、民間企業への発注も行っているのです。

そのため、公共機関との取引をする会社は決算月を3月にしているケースが多いです。

また、公共機関との取引の多い会社は事業規模が大きな会社が多く、そのような会社と取引をする別の会社も決算月を3月に合わせるケースがよくあります。

このような理由から決算月が3月の会社は日本に多いのです。

法律改正は4月1日に行われることが多く3月決算だと便利

日本では法律改正が4月1日に実施されるケースが多いです。

特に税制改正が4月1日に行われる場合は、それ以降は会計処理の方法が変わります。

そこで、会計年度の途中で会計処理の方法を変えるのは面倒なため、3月を決算月にするケースが多いです。

3月が決算月であれば、たとえ4月から法律改正が施行されても、新しい会計年度とタイミングを合わせられるため業務が煩雑になるのを避けられます。

慌ただしさを考慮して9月決算にすることも多い

4月は入社シーズンであり人事異動も多く忙しいです。

そのため、あえて3月決算を避ける会社はたくさんあります。

12月は年末年始を迎えることになるため、業界によっては繁忙期になるケースが多いです。

12月中に取引が完了しないケースもあり、決算の処理がなかなか進まないことがあります。

また、年末は休日のため稼働日数が少なくなり、決算に対応できる時間が少なくなる点もデメリットになります。

このように3月や12月を決算月にすると慌ただしいため、1年のうちで比較的暇な傾向のある9月を決算月にする企業は多いです。

暦に合わせるために12月決算にするケースも多い

12月決算を選ぶ企業はたくさんあります。

暦と合わせるために12月を選ぶケースは多いです。

個人事業主の決算月は12月のため、法人化の際にも馴染みのある12月決算にするケースもあります。

法人成りで12月決算を維持すれば、事務の煩雑化を防げるメリットがあるのです。

また、諸外国ではほとんどの国で12月決算が標準とされています。

そのため、海外の企業との取引が多い場合も12月決算はメリットが多いです。

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決算月を決めるための考え方

決算月を決める際の考え方について解説します。

繁忙期を避ける

決算期は事業の繁忙期を避ける時期にすると良いです。

事業の繁忙期と決算期が重なってしまうと会社への負担が大きくなります。

特に事務負担が増えるため、仕事でミスが生じる可能性が高まる恐れがあるのです。

また、繁忙期と決算期が重なると予想外の利益や損失が生じることがあります。

繁忙期は利益の予測が立てにくく、事前に節税対策をするのも難しくなるのです。

売上が大きく見込める時期の直前の月を決算月にする

大きな売上を見込める時期があるならば、その直前の月を決算月にしましょう。

そうすれば、できるだけ売上を抑えることができ節税効果を期待できるのです。

売上金額の多い月を決算月にすると大きな利益が発生した結果、法人税や消費税が増加します。

しかし、売上が生じてもすぐにお金を回収できるわけではなく、増加した税金を払う資金が不足する事態も起きかねないのです。

業種によっては月々の売上の変動が大きいケースがあります。

大きな売上のある時期は決算月に適していません。

消費税の免税期間を長くする工夫をする

会社を設立すると最初の2期は要件を満たせば消費税の免除を受けられます。

その際には、できるだけ1期目と2期目の期間が長くなるように決算月を設定すると免税期間を長くできるのです。

会社設立を4月に行うならば、3月を決算月にすれば、1期目は1年間になります。

もし2月に会社設立をして3月を決算月にすると1期目は2ヶ月しかありません。

1期目が12ヶ月になるように決算月を決めましょう。

大きな支出が発生する時期を避ける

大きな支出が発生する時期は決算月に適していません。

決算月の2ヶ月後には税金を納付する必要があるからです。

大きな支出があり会社の資金が一時的に不足することはよくあります。

売掛金を回収できるまでにタイムラグがあるため、2ヶ月後の納税までに十分な資金を集められないケースもあるのです。

資金的に余裕のある時期を決算月にしましょう。

在庫の少ない月を決算月とする

在庫の少ない月は決算月として適しています。

在庫を持つ業種では年度末に棚卸をしなければいけません。

在庫が多い月が決算月になると棚卸しの負担が大きくなります。

在庫の少ない時期を決算月にすると棚卸しの作業は楽になるでしょう。

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決算月は後から変更できる

決算月を後から変更することは可能です。

この点について解説しましょう。

そもそも決算月を決めるのはいつなのか

会社を設立する際に事業年度を決めるのが一般的です。

ただし、事業年度は任意的記載事項のため、必ずしも定款に記載する必要はありません。

それでも、ほとんどのケースでは定款に事業年度を記載します。

決算月を後から変更する理由

事業年度は後から変更することができます。

最初に決めた決算月ではいろいろと不都合が出てくる場合に変更するケースがあるのです。

実際に会社経営を始めてみないと決算月が最適かどうか判断するのは難しいです。

現在の決算期のままではデメリットが多いと考えられる場合は、決算期を変更すると良いでしょう。

たとえば、決算期の直前に大きな利益が発生して法人税の支払いが困難になると予想できるケースです。

この場合は、決算期を変更することで大きな売上の発生した月の課税タイミングを先送りできます。

定款を変更すれば決算月を変えられる

ほとんどの会社では定款に事業年度が記載されています。

そのため、事業年度を変更するためには定款の変更をしなければいけません。

定款の事業年度を変更すれば決算月をすぐに変えられるのです。

株式会社の場合は定款の変更のための特別決議が必要

株式会社で定款を変更するためには特別決議が必要です。

発行済株式総数の過半数を有する株主が株主総会に出席して、議決権の3分の2以上の賛成が得られれば定款の変更ができます。

ただし、上記の特別決議のルールは定款で変更することも可能です。

そのため、会社によっては特別決議に3分の2よりも厳しい条件が設定されていることもあります。

合同会社の定款変更については全社員の同意が基本です。

ただし、決議の条件を変更することもできます。

決算月の変更後に税務署などへの届け出も必要

決算月を変更したならば税務署や都道府県税事務所、市区町村の役所へ異動届出書を提出します。

また、取引先や銀行などの金融機関に対しても伝えておきましょう。

許認可事業を行っている場合も届出が必要になる場合があります。

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決算月を決める際の注意点

これから決算月を決めるときに注意しておきたい点について解説します。

どんな決算月にもメリット・デメリットがある

決算月に規制はないためあらゆるパターンを考えることができます。

どんなパターンにもメリット・デメリットがあるため、一概にベストな月を決めることは難しいです。

簡単に決めるのではなく、じっくりと検討しましょう。

税理士の繁忙期を避けるという考え方もある

決算月の決め方の1つとして税理士の繁忙期を避けるという考え方があります。

3月や9月、12月は多くの会社の決算月のため、特に税理士は忙しくなりやすいです。

この時期を避けた方が、税理士側に余裕が出るため、決算書の作成などの依頼にしっかり対応してもらえます。

繁忙期を避けることで担当者とすぐ連絡ができ、細かな相談もしやすくなるのです。

決算月を自分たちで決めるリスク

決算月はさまざまな点を考慮して決める必要があります。

安易に決算月を決めてしまうと後から問題が噴出して苦労するケースは少なくありません。

そこで、専門家に相談をしてアドバイスをもらうことをおすすめします。

専門家の意見を聞くことで自社に最適な決算月を決められます。

決算月は適切に定めなければ適切な決算対策もできない

決算月を決める際には決算対策を考慮しましょう。

決算対策を行うことで多くの損金を計上して節税できます。

節税するために決算対策は必須です。

しかし、決算月の決め方を誤ると決算対策にまで影響するため注意しましょう。

決算対策を意識して決算月を決めることが節税対策につながります。

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決算月がいつがいいか迷ったら専門家に相談しよう

決算月は事務負担や節税対策、資金繰りなどに影響します。

会社の業種などによっても決算月の考え方は変わってくるものです。

さまざまな点を考慮して、決算月を適切に定めましょう。

あらかじめ専門家に相談をして、どんな決め方をするべきか意見をもらうことも大切です。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。