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ひとりで株式会社を設立できる?設立方法やリスク、注意点まで解説!

ひとりで株式会社を設立できる?設立方法やリスク、注意点まで解説!

これからビジネスを始めるために株式会社をひとりで設立したいと考える人がいるかもしれません。
しかし、ひとりでどのようにして設立すればいいのか、どんなリスクがあるのか不安な人も多いでしょう。

この記事ではひとりで株式会社を設立する方法からリスク、注意点に至るまで詳しく解説します。

株式会社はひとりで設立できる

株式会社をひとりで設立することは不可能ではありません。

このことについて説明しましょう。

株式会社はひとりでも設立できる

株式会社を設立する際の最低人数は1人からです。
そのため、実際にひとりで株式会社を設立することはできます。

たとえば、個人事業主から株式会社を設立したという人も少なくありません。

ひとりで株式会社を設立することにはさまざまなメリットがあるため、実際にひとりで起業するケースがあるのです。

資本金は1円から設立できる

日本では会社法が改正されたことによって、資本金1円からでも株式会社を設立できるようになりました。
そのため、多くの資金がない人であっても、気軽に株式会社を設立できるのです。

ひとりだと出資金を多く集めることができないケースもあるのですが、今の法律では資金がほとんどない人でも株式会社を設立できます。

ひとりで株式会社を設立する理由

ひとりでも株式会社を設立する理由は下記の通りです。

  1. ◆節税ができる
  2. ◆社会的な信用が高まる
  3. ◆従業員を雇いやすくなる
  4. ◆資金調達がしやすくなる
  5. ◆有限責任になる

基本的にこれまで個人事業主として営業をしていた人がひとりで株式会社を設立するケースが多いです。

個人事業主と比較して上記のようなメリットがあります。

ビジネスを進める上で有利になるため、ひとりでも株式会社を設立するのです。

ひとりで株式会社を設立するリスク

ひとりで株式会社を設立するのはリスクもあります。

具体的にどのようなリスクが考えられるのか紹介しましょう。

死亡すると会社を存続できない

ひとりで株式会社を設立すると役員は代表取締役である自分ひとりであり、万が一死亡すると会社を存続できなくなるリスクがあります。

株式会社の場合は株式を相続する人がいれば、その人が新しく代表取締役を選ぶことで会社の存続は可能です。

しかし、相続する人がいない状況の場合はすぐに株式会社が消滅します。
また、相続が行われても、取締役となる後継者が誰もいなければ会社の解散を検討することになるでしょう。

会社法では株主が全員同意した場合は、株主総会の招集手続きがなくても株主総会を開催できるという規定があります。

株主総会を開けるならば、そこで新しい取締役を選任することで会社を存続させることは可能です。
ただし、この場合は株主全員の同意を得られないと株主総会は開けません。
また、裁判所に申し立てをして取締役を一時的に選任してもらう方法もあるのですが、これはとても面倒な手続きであり現実的ではないでしょう。

このように取締役ひとりだけの会社は、経営者が亡くなれば基本的に存続することは難しいのです。

ひとりでも社会保険への加入義務がある

株式会社を設立すると必ず社会保険への加入義務が生じます。

たとえひとりで株式会社を設立した場合でも、社会保険に加入しなければいけません。

個人事業主の頃とは異なり、厚生年金と健康保険に加入する必要があるのです。

ひとりで株式会社を設立すると、会社と個人でそれぞれ社会保険を支払う必要があり、基本的に保険料は高くなります。

社会保険に加入するための手続きも発生し、事務負担も増えるのです。

ひとりで経理業務まで担当しなければいけない

ひとりで株式会社を設立するとさまざまな業務を自分で担当する必要があります。

いろいろな業務がある中でも特に大変なものは経理業務でしょう。

代金の支払いや受け取りなど資金管理をすべて自分で行う必要があります。

正しく経理業務ができないと確定申告の際にミスが生じて申告漏れが起きる可能性もあるのです。

しかし、自分ですべての経理業務を担当すると他の業務に時間を割く余裕がなくなります。
そのため、ひとりで株式会社を設立する場合は、経理業務などを外注するケースが多いです。

外注を依頼すると費用負担が大きくなる

ひとり株式会社の場合は、経理業務など面倒な業務を外注するケースがよくあります。
しかし、外注するとなると報酬を支払う必要があり費用負担が大きくなるのがデメリットです。
また、経理を外注すると情報漏えいのリスクもあります。

自分で数字の管理をしないと経営状況の把握に問題が生じて柔軟な対応ができなくなるといったデメリットもあるのです。

もし経理を外注するならば、上記の問題についてきちんと対策を練りましょう。

ひとりで株式会社を設立する流れ

これからひとりで株式会社を設立するための流れを紹介しましょう。

ビジネスモデルを考える

これからひとりで株式会社を起業するならば、しっかりとビジネスモデルを考えておきましょう。

ビジネスを継続するためにはビジネスモデルの設計に力を入れて、計画的に事業を進めることが大切です。

特にひとりで起業するとなると誰も助言してくれる人はおらず、すべてを自分で決めなければいけません。

ひとりだと考え方が偏りがちであり、誤った方向に進みやすいため、専門家に相談をするなどして第三者の意見を聞いてみることも大切でしょう。

会社の基本事項を決めて定款を作成する

ひとりで株式会社を設立する場合でも、会社の基本事項を決めて定款を作成するという流れは同じです。

本店所在地や会社の商号などを決めておきましょう。

また、定款には会社経営におけるルールを定めることができます。

ひとりで起業する場合でも、将来的に従業員を雇ったり役員を新しく迎え入れたりする可能性はあります。
そのときに備えて、定款でさまざまなルールを規定しておくと良いでしょう。

登記に必要な書類を揃えて提出する

法人登記の申請のためにはさまざまな書類を用意しなければいけません。

主に必要な書類は下記の通りです。

  1. ◆登記申請書
  2. ◆定款
  3. ◆資本金の払込証明書
  4. ◆登録免許税の収入印紙を貼り付けた台紙
  5. ◆印鑑届出書
  6. ◆登記すべき事項を保存したCD-R
  7. ◆取締役の就任承諾書

書類に不備や誤りがないのかを確認してから法務局に提出しましょう。

提出書類に問題があれば訂正する必要があります。

書類が受理されれば、通常は2週間程度で法人登記の手続きが完了します。

会社設立後の手続きを進める

株式会社設立の手続きを終えた後もさまざまな手続きが発生します。

下記のような手続きに取り組まなければいけません。

  • ◆税務署に法人税についての届け出をする
  • ◆都道府県・市町村に法人住民税・法人事業税の届け出をする
  • ◆健康保険・厚生年金の加入手続きを年金事務所で行う
  • ◆労働法に関する届出を労働基準監督署で行う
  • ◆雇用保険に関する届出をハローワークで行う
  • ◆法人口座の開設をする

上記の手続きについては提出期限が定められているため注意しましょう。

ひとりで株式会社を設立する際の注意点

ひとりで株式会社を設立するときに注意すべき点について説明します。

ひとり会社では福利厚生費が認められにくい

通常の会社ではさまざまな経費を福利厚生として認めることができ節税できます。
しかし、ひとり会社の場合は従業員が存在しないため、そもそも福利厚生という考え方が適用されません。

そのため、基本的にひとり会社で福利厚生費は認められにくいと考えましょう。

なんでも経費として計上すると税務調査で指摘を受ける可能性があります。

ただし、社会保険料については法定福利であり、企業が負担した分については法定福利費として計上しても良いでしょう。

もし社長としてランチや旅行をした場合は、これらの費用は役員報酬として扱うと良いです。

企業負担として計上したいのであれば、役員報酬という形にしておくと問題ありません。

また、取引先との付き合いでランチや旅行などをした場合は、会議費や交際費として認められるケースもあります。

役員報酬の設定に注意するべき

会社の経営者は役員報酬という形で給与を受けます。

役員報酬は1年を通して金額を固定する必要があるため注意しましょう。

きちんとルールを守って役員報酬を設定しないと経費として認められません。

注意点として役員報酬は経費になるのですが、役員賞与は経費として認められず課税されます。

役員報酬の考え方としては、会社にまったく利益を残さずすべてを役員報酬として受け取るという方法があります。

この場合は会社に利益が残らず法人税への課税はありません。
ただし、金融機関から融資を受ける際に経営者の個人保証が必要になる場合があります。

役員報酬を抑えて会社に多くの利益を残すという方法もあります。
この場合は法人税が課税されるのですが、会社の財務状況を強化できるのがメリットです。

財務状況が良ければ、金融機関から融資を受ける際に有利になります。

さまざまな点を考慮して役員報酬を決定しましょう。

事業の効率化を図るツールやサービスを利用する

ひとりで株式会社を設立するとなると事業の効率化を図ることがとても重要です。

効率の悪い業務の進め方をしているとさまざまな問題が起きます。

そこで、事業の効率化を図るためのツールやシステムを導入すると良いでしょう。
あるいは、業務効率化のために外部サービスを利用することも検討に入れてください。

効率よく業務を進められるようになれば経営は安定します。

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面倒な手続きは専門家に依頼した方が良い

ひとりで株式会社を設立する場合は、自分だけですべての業務に対処しようと考えてはいけません。

それでは肝心の大事な業務に多くのリソースを割くことができなくなります。

特に会社設立などの手続きについては、自分で行うのはミスが増える可能性があり、多くの時間を取られるため専門家に依頼した方が良いでしょう。

面倒な手続きを専門家に丸投げすることで、時間の余裕が生まれます。

会社設立に関連する手続きを専門家に任せたいならば、経営サポートプラスアルファにお任せください。

幅広い手続きに対応することができ、資金集めや節税などの問題にも対処できます。

お気軽に経営サポートプラスアルファまでご相談ください

ひとりで株式会社を設立するなら専門家に相談しよう

ひとりで株式会社を設立することは不可能ではありません。

ただし、経理業務などで負担がかかり、万が一死亡した際のリスクがある点にも注意しましょう。

専門家に相談をしてしっかり対策を練ることをおすすめします。

もし株式会社をひとりで設立することを検討しているならば、ぜひ経営サポートプラスアルファまでお問い合わせください。

会社設立について、事業計画の立て方から設立の手続き、資金繰りまでワンストップで対応できます。

無料相談を行っているためいつでも経営サポートプラスアルファまでお気軽にご相談ください

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。