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ホールディングスのメリットは6つ!それぞれを具体的に解説

ホールディングスのメリットは6つ!それぞれを具体的に解説

ホールディングスは最近耳にする機会の増えた言葉です。

「〇〇ホールディングス」などとメディアで使われるケースも多いため、聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。

最近利用される機会が増えているものの、ホールディングスについて理解できていない人は多いはずです。

また、ホールディングスの意味は理解できていても、メリットまでは理解できていないことがあるでしょう。

今回はホールディングスの概要とメリットについてご説明します。

ホールディングスとは何か

まずは目にすることが多いホールディングスとは何かについてその意味をご説明します。

ホールディングスの概要

ホールディングスを日本語で表現すると、持株会社を意味します。

株式を多く保有することを「ホールド」と表現するため、そこから派生してホールディングスと呼ばれるようになったのです。

ホールディングスは株式を多く保有しているものの、投資目的で保有しているのではありません。

経営目的で多くの株式を保有しているのです。

つまり、わかりやすく表現すると親会社のことをホールディングスと呼ぶわけです。

なお、ホールディングスにはふたつのパターンがあり、親会社も事業を行っているかどうかが異なります。

親会社が独自に事業を行っていないホールディングスは「純粋持株会社」と呼ばれ、事業を行っている場合には「事業持株会社」と呼ばれます。

ホールディングスと会社合併の違い

ホールディングスと混同されやすい言葉に合併があります。

大きく意味が異なる言葉であるものの、同じような言葉だと勘違いされている比率が多いのです。

まず、ホールディングスは先ほど説明したとおり、持株会社を指す言葉です。

最初はひとつの会社であったものを、事業部門などを加味して分割し複数の法人とするものです。

子会社と親会社に分かれるため、会社の数が増える特徴があります。

それに対して、合併は複数の会社を一つにまとめる行為を指す言葉です。

同じ領域の会社を買収するなどして、ひとまとめにしたいときに行われます。

会社をまとめてしまうため、会社の数が減ってしまうことが特徴です。

ホールディングスと会社合併は上記のとおり意味が大きく異なります

誤った理解をしないようにしておきましょう。

ホールディングスにする6つのメリット

ひとつの会社ではなくホールディングスにすることでさまざまなメリットを生み出します。

例えばホールディングスには以下のメリットがあります。

  • 経営責任を分離できる
  • 経営判断がスピーディーになる
  • M&Aを計画しやすくなる
  • 節税しやすくなる
  • 会社経営のリスクを分散できる
  • 従業員のモチベーションを高められる

それぞれホールディングスによってどのようなメリットを生み出すのかご説明します。

メリット1:経営責任を分離できる

会社が分割してホールディングスにすることによって、経営責任を分離できるようになります。

分離されたそれぞれの会社に役員がいる状態となるため、それぞれの役員が経営責任を持つように分離できるのです。

例えばひとつの会社で多くの事業を展開し、人件費が業績を圧迫したとします。

この時に様々な事業部門があると、一概にその事業部門に問題があるとは言いづらくなります。

結果、経営責任の所在があいまいになってしまうのです。

それに対してホールディングスにすると、事業部門ごとに会社となり売上や経費を管理する仕組みとなります。

結果、会社単位の業績を確認するだけで、経営がうまくいっているか判断できるメリットを生み出します。

経営を多角化しても経営責任の所在が明確になるのはホールディングスのメリットです。

メリットを活かせるように会社を分割するように心がけると良いでしょう。

メリット2:経営判断がスピーディーになる

事業部門が分割されて会社がスリムになることで、経営判断がスピーディーになります。

ホールディングスにより、ひとつの会社に所属する人が減ることによるメリットです。

ご説明したとおりホールディングスにすると、親会社も子会社もそれぞれに役員がいる状態となります。

役員は自分の配下のみを考えれば良くなるため、ホールディングスで会社のそれぞれの会社の規模が小さくなれば考えるべき事柄が少なくなる仕組みです。

結果、検討するべきことが厳選され、スピーディーに経営判断ができるメリットを生み出します

会社の規模が大きいと役員は様々なことを考えなければなりません。

場合によっては自分が専門としない事業部の審議などを担当する必要があり、準備や理解などに時間を要してしまいます。

また、1日で処理できる内容には限界があるため、従業員から役員に情報が伝わるまでにラグが発生します。

これも経営判断が遅れる原因となります。

しかし、ホールディングスにすればこの問題は解決できます。

それぞれの会社が小さくなることで大きなメリットを生み出せるのです。

メリット3:M&Aを計画しやすくなる

ホールディングスによって会社を分割する環境が出来上がっていると、M&Aに対応しやすくなります。

既に事業を子会社化する環境が出来上がっているため、新しく会社を吸収しても経営をスムーズに進めやすいのです。

事前にホールディングス化が進んでいなければ、M&Aをしても本社の従業員として吸収することになります。

それでもM&Aをするメリットがあると思われますが、本社が肥大化してしまうためM&Aのメリットが薄れてしまう可能性があります。

特に本業とは異なる会社をM&Aした場合、メリットだけではなくデメリットを被ってしまう可能性があります。

しかし、ホールディングスの体制が整っていればこのような状況には陥りません。

初めから本社は親会社として子会社を保有できる体制になっているため、子会社が増えても大きな影響がないのです。

M&Aに伴い会社の体制に大きな変化が伴わないのはホールディングスにしているメリットです。

また、買収するのではなく一部門を売却したいような場合にもホールディングスはメリットを発揮します。

事前にホールディングスとして子会社化していれば、その会社だけを売却すればよいからです。

本社で働いている一部の人間だけを売却先の会社に移動させるのは負担がかかりますが、ホールディングスとして保有している子会社をまるごと売却するのは負担が軽減されメリットです。

メリット4:節税しやすくなる

売上を適切に分散できるようになるため、節税しやすくなります。

売上や経費を小さい会社でコントロールできるようになるため、経営を進めやすくなるのです。

また、持株会社となる親会社は株式の保有だけを目的として、一般的な事業を行わない選択肢があります。

このような企業運営をすると、一般的には親会社の収益が少なくなります。

つまり課税対象の金額が少なくなり、支払う税金を少なくできるメリットを生み出すのです。

ただ、この点はホールディングスのメリットではあるものの、適切な会計処理をしなければ税務署に指摘される可能性があります。

不適切だと判断されてしまうと、ホールディングスのメリットはむしろデメリットになってしまいます。

ホールディングスで節税のメリットを最大限活かすためには、専門家に相談してから会社の設立を進めたほうが良いでしょう。

メリット5:会社経営のリスクを分散できる

会社経営で発生するリスクを分散しやすくなります。

それぞれの会社が独立して事業を行うため、何かしら問題が発生しても影響範囲を最小限に抑えられるメリットがあります。

例えば、業種によっては厳しい規制要件の中で仕事をしなければなりません。

何かしらの違反をしてしまうと、指導を受けるなどの制裁が課される場合があります。

この時に大きな会社で事業を営んでいると、制裁の影響が会社全体に及んでしまいます。

最悪の場合、会社全体が営業停止になってしまうかもしれません。

それに対してホールディングスで子会社にしておくと、万が一トラブルがあってもその子会社の範囲内だけで解決できます。

つまり、リスクの分散が可能となり、親会社や他の子会社に影響が出にくくなるメリットを生み出します。

もちろん、何かしらの問題が起きると社内的な印象は良くありません。

いくら子会社とは言えどもホールディングスの中でトラブルが起きれば、親会社の印象にも多少なりとも影響はあります。

ただ、そのような影響はあるものの、会社経営との観点ではリスクを最大限分散できます。

リスクをゼロにはできませんが、分散できる点は経営にとって大きなメリットです。

メリット6:従業員のモチベーションを高められる

ホールディングスによって会社を複数に分けることで、従業員のモチベーションを高められるようになります。

従業員に適した会社運営ができるようになるため、これがモチベーションを向上させるメリットにつながります。

例えば会社を分割すると、その会社にあった評価制度を導入しやすくなります。

会社が大きいと全体的に適用できる評価制度になってしまいますが、会社を小さくすると会社の特徴を活かした評価制度を導入できます

このような制度導入ができれば、従業員を正しく評価できるようになりモチベーションを高められるメリットを生み出します。

また、別の観点では会社が増えることによって必要な役員の数が増えます。

役員の数が増えれば出世する先のポジションが増え、これも従業員のモチベーションを向上させるメリットとなります。

まとめ

ホールディングスにはどのようなメリットがあるのかご説明しました。

ご説明したとおり多くのメリットがあるため、会社の事業の拡大などに合わせてホールディングスを設立することを考えても良いでしょう。

ただ、ホールディングスの設立にはご説明したようなメリットがあるものの、適切な手続きや計画をしなければ税務署に脱税だと指摘される可能性があります。

そのため、ホールディングスの設立を考えているならば、まずは会社設立のプロである経営サポートプラスアルファにご相談ください。

皆さんが気になるホールディングスのメリットをご説明し、設立するべきかどうかのアドバイスや設立する際の手続きをサポートいたします。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。