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会社定款の事業目的って何?作成のポイントや注意点を解説

会社を設立する際に、必要な書類となるのが定款です。

そして、定款には書かなければならない項目があり、その1つが事業目的となります。

事業目的を書く場合、自由度が高いのでどう書くべきなのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで知っておきたいのが、事業目的を作成する時のポイントや注意点です。

今回は、会社定款の事業目的とは何であり、作成する際のポイントや注意点について紹介していきます。

会社定款の事業目的とは?

会社を設立する際には、必ず定款を定めることになっています。

そして、定款に記載する項目の1つが事業目的です。

そこでまずは、会社の定款とは何であり、事業目的とは何なのかを解説していきます。

会社の定款とは?

会社の定款とは、会社を運営していく上で必要な基本的なルールのことです。

簡単に言ってしまえば、「会社の憲法」とも言えます。

事業目的以外にも、「商号」「本店所在地」「設立に際して出資される財産の価額」などを記載します。

事業目的とは?

定款に記載する事業目的とは、文字通り「事業の目的」のことです。

定款に定めた事業目的の範囲で、事業を展開することができます。

逆に言えば、事業目的にない事業を行うことはできません。

そのため、定款に記載する事業目的は重要であり、しっかりと事業目的を設定する必要があります

事業目的を作成する際のポイント

事業目的を作成する場合、ポイントとなるのが3つあります。

それが、「明確性」「営利性」「合法性」の3つです。

これらのポイントをクリアしていなければ、事業目的として認められません。

それでは、それぞれどんなポイントなのか詳しく紹介していきます。

「明確性」に沿ったものにする

事業目的の作成では、「明確性」に沿ったものにする必要があります。

明確性とは、一般の人でもどんな事業を営むのかを理解できるのかがポイントです。

一般の人でも理解できるような作成をすることで、明確性のある事業目的となります。

例えば、事業目的が「中小企業の経営代行」「雑務処理」などと記載されている場合、一般常識的にどんな事業なのかわかりません。

それでは明確性がない事業目的となってしまいます。

そうではなく、「不動産の売買・仲介・斡旋「リサイクルショップの経営」など誰でもわかるように作成することで、明確性のある事業目的を作成することができます。

ちなみに、明確性をとくに重視すべきなのは、許認可が必要な業種で事業を行う場合です。

定款の事業目的において、許認可に該当する事業が記載されてないと、認可を受けられないケースがあるので注意してください。

「営利性」に沿ったものにする

事業目的の作成では、「営利性」もポイントになります。

事業目的は、利益を上がる目的でなければならないのです。

そのため、「ボランティア活動」など慈善活動を事業目的にすることはできません。

利益を出すことができる事業目的で作成する必要があります。

「合法性」に沿ったものにする

事業目的の作成では、「合法性」に沿ったものでないといけません。

法律違反につながるような事業目的は、完全にNGとなっています。

例えば、「覚醒剤の販売」「金塊の密輸業務」など、法律違反になるような事業目的は登記することができません。

当たり前ですが、合法性のある事業目的を設定するようにしましょう。

事業目的の書き方

事業目的を作成するポイントを押さえたら、次に知っておきたいのが書き方についてです。

難しく感じる事業目的の書き方ですが、コツを知ればあまり迷わずに作成することができます。

ここからは、事業目的の書き方について紹介していきます。

同業他社の事業目的を参考に考える

事業目的を作成する際には、まずは同業他社の事業目的を参考にするのがコツです。

いきなり自分で事業目的を考えても、なかなか思い浮かばず悩んでしまいます。

そこで、同じ業種で事業を展開している会社の定款をチェックし、参考にすることでスムーズに事業目的を作成することができます

ちなみに、他社の定款はホームページで記載されているケースが多いです。

そのため、同業他社のホームページをチェックし、どんな事業目的を設定しているのかを確認して、参考にしてみてください。

「何をする会社なのか」を具体的に書く

事業目的の書き方のコツは、「何をする会社なのか」を具体的に書くことです。

明確性にもつながるのですが、何をする会社か不明では信用されません。

むしろ、胡散臭い会社だと思われてしまいかねません。

そのため、どんな事業を行う会社なのかが伝わるように、より具体的な事業目的を作成するべきです。

許認可に適合した書式や文言を使って書く

許認可が必要となる事業の場合、要件として「目的」を記載しないといけないケースがあります

目的を記載していないと、許認可の要件を満たせずに事業を始めることができないので要注意です。

具体的には、旅行会社であれば「旅行業者代理業」「旅行業法に基づく旅行業代理業」などの文言が記載されている必要があります。

他にも、リサイクルショップなら「リサイクルショップの経営」「古物営業法に基づく古物商、デイサービス事業なら「通所介護事業」など、許認可の要件を満たすために記載されている必要がある文言が決められていることがあるのです。

そのため、許認可が必要な事業を行う際には、目的に記載すべき文言があるのかチェックしておきましょう。

使用できない文字

事業目的に使用できない文字があるので注意してください。

まず、原則として「平仮名」「片仮名」「漢字」の文字しか使用できず、アルファベットの使用は不可です。

そのため、「PC販売」⇒「パソコン販売」や「HP作成」⇒「ホームページ作成」のように、日本語表記に置き換えることが必要となります。

事業目的を作成する際の注意点

事業目的を作成する際には、いくつか注意しておきたい点があります。

注意点を押さえておかないと、後で面倒なことになってしまいかねません。

そこでここからは、事業目的を作成する際の注意点を紹介していきます。

事業目的の違反を防ぐために

「附帯関連する一切の事業」の記載

事業目的を作成する際の注意点としては、まずは「附帯関連する一切の事業」と記載しておくことが重要です。

この文言を記載しておくことで、どんな事業を行っているのかの解釈を広げることができます。

その結果、事業目的の違反を防ぐことができるのです。

将来予定している事業内容も記載する

将来予定している事業についても、記載しておくことも注意点の1つです。

事業目的の数には制限がありません。

あまりにも数が多く、統一性がないと不信感を与えますが、10件程度なら問題ありません。

そのため、将来的に計画している事業についても記載しておくのがおすすめです。

ちなみに、将来予定している事業について記載しておかないと、新しい事業を始める際に定款を変更しないといけなくなります。

定款を変更するためには、株式会社なら株主総会を開催する必要があり、登記にもコストがかかります。

手間やコストを考えると、将来的に予定している事業についても記載しておくべきです。

融資に関わる事業目的もある

事業目的によっては、融資が受けにくいケースもあるので注意してください。

例えば、「金融・保健事業」「性風俗関連事業」「取り立て業・集金業」「不動産投資事業」などは、基本的に融資を受けにくいとされています。

これらの業種の場合、事業目的の書き方には要注意です。

まとめ

会社の定款には、必ず事業目的を記載する必要があります。

事業目的の作成では、「明確性」「営利性」「合法性」の3つのポイントを押さえ、同業他社の事業目的を参考にするのがおすすめです。

また、許認可が必要な事業だと記載が必要な文言があるため、事前にチェックしておくべきです。

事業目的を変更するには、手間と時間がかかります。

そのため、定款の作成時に、しっかりと事業目的を作成しておくのがおすすめです。