働き方の多様化によって、最近では貿易業を個人で営み利益を上げる人が増えてきました。
商材、およびマーケットによっては多額の利益を得られる事業ですので、起業した人の中には法人化の道を模索する人もいます。
ただ、法人化には少なからずリスクも伴いますから、及び腰になってしまう人もいるでしょう。
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現状のままがよいのか、それとも法人化した方がよいのか悩んでしまいますよね。
そこでこの記事では、輸入ビジネスにまつわる基礎的な知識と共に貿易業を個人でしていく上でのメリット、加えて法人化した場合のメリットについて詳しく解説していきましょう。
起業を考えている人にとっては特におすすめの内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
貿易業の年収
個人で貿易業をする場合、年収について数十万円から数百万円と大きな開きがあります。
なぜなら、副業として軽めのビジネスを展開している人と専業として本格的に展開している人に別れるからです。
普段はサラリーマンとして勤務している人が、平日の夜や休日等を利用して商売をしている場合はビジネスの範囲も小さくなるでしょう。
一方で、本業として取り組んでいる人のケースでは、フルタイムで貿易業と向き合えますから数百万円規模、人によっては1,000万円以上の年収を稼ぐことができます。
販路を徐々に広げて事業を拡大させていけば、次なるステップとして法人化の道も見えてくるでしょう。
法人化した場合はさらなる事業展開が可能ですから、より一層高額な年収を狙うことができます。
また詳しくは後述しますが、法人化することで税金対策ができたり、社会的な信用を勝ち取れるなど様々なメリットにも恵まれます。
個人で貿易業を始める場合
先ほども書いたとおり、個人で貿易業を展開している人には副業の人もいれば本業として取り組んでいる人もいます。
この項では、個人で始める貿易業ついて解説していきます。
貿易業には二種類のビジネス体系があります。
輸入ビジネスと輸出ビジネスです。
それでは、まず先に輸入ビジネスについてお話しをさせていただきます。
輸入ビジネスは厳しい?
貿易業は、市場のリサーチ力や最低限の資金が調達できれば誰でも始められる商売ですが、輸入ビジネスには、いくつかの障壁が存在します。
ここでは、起業して輸入ビジネスを行う上で押さえておきたい点を紹介していきます。
市場規模
市場規模はあなたが取り扱う商材によって異なってきます。
例えば格安のアパレルなどの商材は、大きな市場がありますのでそれにともなって高い需要が見込めますが、同じアパレルでもハイブランド商材はターゲットが限られていますので、市場は小さくなるでしょう。
ただ、市場が大きければそれだけ大勢のライバルの参入も考えられますので、市場が大きければ一概に儲かるとは限りません。
おすすめなのは、自分が知識を持っているジャンルで、なおかつニッチなアイテムを狙って取り扱うことです。
言語の壁
輸入ビジネスをする上で避けて通れないのが、言語の壁でしょう。
外国の人と取引をするわけですから、ある程度の言語力は必要です。
ただし、この言語力のボーダーがライバルの参加を防ぐ参入障壁となっているのもまた事実。
個人で貿易業をしている人の中には、一年ほどの海外留学を経てからスタートさせている人もいますので、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。
資金の問題
貿易業に限ったことではありませんが、事業を行う上で必ず必要となるのが活動資金です。
銀行からの融資や知人・家族からの借金が王道の調達方法ですが、最近ではクラウドファンディングを利用して資金を集めて起業している人も散見されます。
必要な資格
貿易業を営む上では、資格は基本的に必要ではありません。
ただし、医薬品やアルコールなどは取り扱いにかかる資格が必須となるケースがありますので、これらの商材を扱う予定のある人は注意が必要です。
輸入が禁止されている商材もあるので、特許権や商標権、著作権なども勉強しておく必要があります。
輸出ビジネスがおすすめな理由
輸入ビジネスは商材を輸入して販売し利益を得る事業ですが、それとは逆の輸出ビジネスも大きな利益につながるでしょう。
なぜなら、日本のアニメやゲームなどのエンターテインメント作品は世界的に大変な人気があるからです。
その他にも、伝統工芸品も愛好家がたくさんいますし、グルメジャンルでは日本酒や高級果物なども非常に人気があります。
法人で貿易業を始める場合
個人で貿易業をスタートさせ、軌道に乗ってきたら法人化の道を模索してもよいでしょう。
記事の前半でもお話ししたとおり、法人化をすることで税金対策や社会的信用の獲得など色々なメリットが得られます。
もちろん個人事業主でビジネスを継続させるという方にも、一定のメリットが存在します。
ここでは個人事業主でビジネスを続ける場合のメリットと法人化した場合のメリットなどについて解説していきましょう。
まずは、個人事業主としてビジネスを継続させるケースのメリットを見ていきます。
個人事業主で続けるメリット
個人事業主でビジネスを続けるメリットには確定申告に関するものや事務負担に関するものがあります。
ここでは、それらのメリットについて深掘りしていきましょう。
青色申告を行える
青色申告とは、規定の帳簿に記帳された日々の取引記録をもとに行う確定申告の制度です。
この青色申告を行うことで最大で65万円の特別控除が受けられます。
事業規模が小さい場合、65万円控除のメリットは非常に助かりますが、ビジネスの規模が拡大し年商が上がってきたら法人化に踏み切った方がよいでしょう。
税負担が少ない
個人事業主が支払うべき税金には、所得税や住民税、個人事業税、そして消費税の四種類があります。
これらのうち収入によって税率が変わってくるのが、所得税や住民税です。
事業規模が小さいうちは払う税金にほとんど違いはありませんが、販路が拡大し年商がアップしてきたら法人化に踏み切った方が、相対的な税負担は軽減されます。
事務負担が少ない
貿易業では国をまたいで契約を取り交わすことが頻繁にありますので、事務仕事が煩雑になりがちです。
当然ながら、こういった事務仕事は個人で活動している人間の方が少ない負担で済みます。
法人化のメリットについて
規模が大きくなった貿易業を法人化すると、上で繰り返し提示してきた諸々のメリットが得られます。
この項では、貿易業の法人化にともなうメリットについて詳しく見ていきましょう。
税金の対策ができる
個人で事業展開している場合にかけられる税金は所得税や住民税などでしたが、法人化した場合には、事業利益に対し「法人税」がかけられます。
この法人税は法人が上げた利益に応じて課税される税金ですが、課税率が所得税よりも低いことから年商が大きいビジネスでは大変有効な税金対策となるのです。
この法人税の詳細については国税庁のホームページで確認できますので、起業予定のある方はチェックしておくとよいでしょう。
責任が有限になる
貿易業を法人化した場合、責任が有限になるというメリットもあります。
通常、個人事業主がビジネスに失敗した場合、借入金などは個人の負債として重くのしかかります。
一方、法人化している場合には、ビジネスが破綻したときでも借入金の負担の義務があるのは、あくまで法人となるため出資金の範囲での弁済しか求められません。
社会的認知度/信頼が上がる
個人で営んでいる貿易業から起業し、法人化することで得られるメリットには社会的認知度や信頼という要素もあります。
経営者という肩書はどんなビジネスでも活かせるものですが、それは貿易業でも例外ではありません。
金融機関から融資を受ける際や、取引先と交渉する際に大きな役割を果たすでしょう。
また、求人を行うときにも、法人化している方が応募者を集めやすくなります。
社会保険に加入できる
社会保険とは、健康保険や年金保険に大別される公的な費用負担のもとで行われる保険制度を言います。
これらの保険料については社員との折半となるため、一見するとデメリットだけのようにも感じますがそんなことはありません。
社会保険に従業員を加入させられることで福利厚生の充実をアピールできるほか、離職率を低下させる効果も期待できるのです。
もちろん、経営者の年金も加入年数に応じてアップしていきます。
法人化するときの注意点
個人の貿易業から一転、法人化することで色々なメリットが得られますが、注意点もいくつかあります。
ここでは、注意点のうち代表的なものを取り上げて解説していきますので、しっかり押さえてください。
売り上げに関わらず納税義務がある
法人化した貿易業では、売り上げに関わらず納税義務が課せられます。
個人事業主が事業で失敗して万が一無収入になった場合、所得税や住民税は免除となりますが、法人に課せられる法人住民税は無くなりません。
金額は法人の規模にもよりますが、毎月納税する義務が生じます。
社会保険の加入費用がかかる
社会保険の加入費用がかかることも、貿易業を法人化した場合の代表的なデメリットです。
上でも少し触れたとおり、社員を雇用した場合、雇用主は従業員の保険料を半分支払わなければなりません。
手続きが増える
事業規模の拡大にともなって、契約上の手続きはどんどん増えていくでしょう。
新しい社員が増えた場合、育成して手続きを覚えさせるプロセスも必要になります。
個人で始めた貿易業の成功を受け、法人化を通じてさらなる飛躍を考える上では、こういったデメリットも浮かんできます。
法人化した時のメリットとデメリットを吟味し、メリットのほうが大きい場合には、法人化すると良いではないでしょうか。
貿易業で起業を考えているなら経営サポートプラスアルファにご相談ください
ここまで、貿易業の起業に関して解説してきましたが、結論としては、個人で始めた貿易業でも規模が拡大してきた場合、法人化するのがおすすめです。
なぜなら、貿易業を法人化することで税金対策ができ、社会的な認知度・信頼のアップにつながるからです。
ただ、法人化にはメリットだけではなくデメリットも発生します。
事業の法人化の経験が無い人の中にはデメリットを気にして悩んでいる方もいるはずです。
そのような方の不安を少しでも解消させていただきたく、会社設立のコンサルティングを行っているのが、弊社、経営サポートプラスアルファです。
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