設立前・開業前に使用した経費について、どれが経費になる?ならない?を確認します。
ぜひご覧ください。
はじめに
「会社を起こすぞ!!」と心に決めてから、いきなり会社を始めて営業できるほど甘くはありません。
起業すると決めてから、設立の準備・営業の準備をする必要があります。
もちろん準備と言えば時間もかかりますし、コストもかかります。
- 起業したばかりで売上はない…
- まだ起業していないけど、準備や営業回りにお金がすごくかかる…
- でもこれって経費におちるの??
- このようなコストについて経費にできるのか?
- でもランニングコストはかかるし…
具体例を挙げて確認していきましょう。
創立費と開業費について
設立前、営業開始前にかかる費用のことを、それぞれ「創立費」「開業費」と呼びます。
創立費
会社設立までにかかった費用を創立費と呼びます。
創立費に該当する費用をご紹介します。
設立登記の際にかかる登録免許税
登録免許税は、資本金に基づいて算出されます。
資本金が2,140万円未満であれば15万円、これ以上であれば、資本金額の0.7%となっています。
納付方法は、収入印紙と現金で納付する方法の2種類ありますが、法務局によって納付方法が異なる場合もあるため、事前に必ず確認しましょう。
定款の作成費用
定款とは、会社のルールを定めたものであり、会社を設立する上で必要な書類です。
自分で作成した場合、公証人への手数料だけで済む場合もあり、正しく調べてミスなく作成することで、費用を抑えることも可能でしょう。
ただ、専門家に頼むことで、手間を省くことができ、間違いのない定款を作成することが可能であるため、専門家に頼むことも有効です。
この場合、司法書士か行政書士に依頼することになります。
発起人の報酬
発起人とは、会社を創立することを考えた人のことで、会社法上では「会社設立にあたって出資し、定款に記名・押印した人物」となっています。
この発起人には、負担に対する報酬を支払うことができ、これを創立費に計上することで節税効果を得ることができます。
総会の費用
会社創立時に発起人と株式取引人の合意をまとめるために創立総会を開催しますが、この費用も創立費として計上することができます。
開業費
設立から営業開始までにかかった費用を開業費と呼びます。
開業費に該当する費用をご紹介します。
名刺や印鑑の作成費用
会社設立時に新しく名刺や印鑑を作成した場合、この費用も開業費として計上することができます。
この場合、印刷代だけでなく、デザイン代なども含まれます。
広告やパンフレット等の作成費用
創立後かつ営業前の期間に限られますが、パンフレットなどの広告の費用は開業前にかかる特別な支出として認められるため、開業費として計上することが可能です。
ただし、営業開始後であれば、広告宣伝費として勘定項目に入れる必要があります。
市場調査にかかった費用
開業時に行った市場調査にかかる費用も開業費として計上することが可能です。
調査費には、事前調査にかかる様々な費用を計上することができます。
商品の販売や消費状況などの調査を業者に頼んだ場合の調査費、市場調査のために購入した書籍や業界紙なども調査費として計上することができます。
開業に関連するセミナーの受講料
開業すると決めてから、セミナー等に通い、開業に関する情報を得る方も多いのではないでしょうか。
このような際のセミナー代も、開業費として計上することが可能であるため、開業前に研修やセミナーなどに積極的に通うことで、今後の経営に役立つ情報も得ることができ、一石二鳥でしょう。
・会社設立までにかかった費用を創立費といい、設立から営業を開始する前までにかかった費用を開業費という。
・創立費は、設立登記の際にかかる登録免許税や定款の作成費用、発起人の報酬などがある。
・開業費の中には、名刺や印鑑の作成代、会社案内やパンフレットなどの作成代などがある。
どのタイミングで経費にすることができるのか
次にどのタイミングで経費になるか?を説明します。
もちろん設立前・開業前でも経費になります。
ただし計算方法がすこし特殊です。
どういうことかというと
- かかった費用の合計を60ヵ月(5年)で費用化する場合
- ⇒これを均等償却と呼んでいきます。
- かかった費用の合計を任意のタイミングで費用化する
- ⇒これを任意償却と呼んでいきます。
それぞれ費用化のタイミングは違いますが、結果は同じでどちらも全額経費することはできます。
・会社設立前や開業前の費用も経費となる。
・費やした経費の合計を5年間で費用化することを均等償却という。
・費やした経費の合計を任意のタイミングで費用化することを任意償却と呼いう。均等償却も任意償却のどちらも、全額経費とすることができる。
創立費と開業費は繰延資産として計上する
創立費や開業費を合わせると、まとまった金額になることが予想されるでしょう。
この額を開業初年度に経費として計上してした場合、これを超える額の売り上げを出さないと赤字になってしまいます。
経営が軌道に乗ってない状況で、創立費や開業費を超える額の売り上げを出すことは難しい場合もあり、赤字になってしまうと融資などの場面で不利になってしまうことがあります。
このため、これらの費用は繰延資産として計上し、数年にわたって償却すると良いでしょう。
繰延資産とは、減価償却と似た考え方で、一年以上の費用対価がある支出のことを指します。
創立費と開業費を繰延資産として計上することで、赤字の時は償却せず、黒字の時に償却するというように処理することが可能になるため、会社の経営状況に応じて柔軟に対応することができるのです。
・創立費と開業費を経費として計上してしまうと、赤字になる恐れもある。
・創立費と開業費は繰延資産として計上することが可能。
・繰延資産として計上すれば、会社の経営状況に応じて柔軟に償却できる。
よくある質問
計画的に行うか?
60ヵ月で均等按分して費用にしていくので(これを償却と呼んでいきます)、営業開始後の5年間は創立費・開業費を負担するといった考えができます。
年度の利益計画に基づき費用化するか?
早期に費用化することももちろん可能です。
どの年度に費用負担させるか?各自決めてください。
会社毎に取扱いは様々です。
どちらの方法を選んでいただいても結構です。
まとめ
会社設立をする上で、創立費と開業費の知識や経費にするタイミングを知っておくことも大切です。
また、会社設立の代行をしてもらうにしても、経費について相談するにしても、高額な費用を支出することは極力避けた方が良いでしょう。
経営サポートプラスアルファでは、無料で相談をすることが可能であり、会社設立の代行費用も0円で済みます。
また、会社設立だけでなく、会社設立後の費用も安く抑えることが可能です。
経営サポートプラスアルファでは、経費に関してのアドバイスも行うこともできるため、会社設立の際の経費についてのご相談も容易にできるでしょう。
24時間いつでもお問い合わせ可能なので、まずは、お気軽にお問い合わせください。