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法人化のタイミングはどの月がいい?

法人化のタイミングはどの月がいい?

法人化したいけれど、どのタイミングで実施すればいいのかわからない人も多いでしょう。

結論としては、1月が法人化のタイミングとしていいと言われることが多いです。

そこで、この記事ではおすすめの法人化のタイミングを解説していきます。

法人化のタイミングで一番いいのは1月

法人化で一番いいタイミングは、1月であると考えられています。

なぜなら、個人事業主は1月から12月が決算期間で、1月から法人化するのが一番スムーズに進むからです。

もし個人事業主が4月に法人化すれば、

  • 1月~3月…個人事業主の確定申告
  • 4月~12月…法人の決算申告

と手間が掛かります。

その点1月に法人化すれば、その年の確定申告は法人の決算申告だけです。

個人事業主から法人化を検討している方は、1月を最有力候補にしてください。

今までと同じサイクルで確定申告の準備ができるので、書類集めも比較的スムーズでしょう。

法人化のタイミングでおすすめしない月は?

法人化のタイミングには、おすすめしないのは以下の月です。

  • ◆繁忙期と重なる月
  • ◆棚卸商品が多い月
  • ◆多くの企業の期首である4月

繁忙期と重なる月

繁忙期の月は、法人化しない方がいいでしょう。

毎年の決算も大変に感じるかもしれません。

繁忙期には、

  • ◆忙しくて法人化や決算業務を行うのが難しい
  • ◆利益額が変わりやすいので税対策にならない

といったケースが想定されます。

繁忙期は業種によって異なるので、過去の傾向から繁忙期を推測してください。

法人化するタイミングは、業務が落ち着いている時期を狙うことをおすすめします。

棚卸商品が多い月

棚卸商品を多く取り扱っている月は、おすすめできません。

個人事業主が法人化する場合、棚卸資産は販売価格で法人に売却したという処理をします。

そして、個人事業主として確定申告する際、事業所得に含める手間になって面倒です。

そのため、棚卸商品が少ない月を、選ぶといいでしょう。

多くの企業の期首である4月

国内の企業の多くは、3月が期末、4月が決算のはじめです。

4月は会計士や税理士が多忙で、会計処理の代行の依頼が難しいこともあります。

法人化する際に必要な会計処理や手続きは、個人では対応が難しいものです。

信頼できる会計士や税理士に法人化をお願いするなら、4月は避けてください。

依頼したい会計士や税理士が決まっている場合は、スケジュールを予め確認することがおすすめです。

事前に会計士や税理士のスケジュールを押さえてから、法人化の手続きを取るといいでしょう。

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法人化のタイミングは自由に選択できる?

法人化のタイミングは自由に決定できるうえ、一度決めた決算日もその後いつでも変更できます。

個人事業主とは違って自由に選べるので、自分の会社に適したタイミングを設定してください。

例えば大手企業と取引をしている場合、大手企業に合わせて3月決算にした方がスムーズにいくことが多いです。

自分達のタイミングだけでなく、社外との兼ね合いも併せて相談することをおすすめします。

また、悩む場合は、社内や会計士や税理士と相談するといいでしょう。

弊社経営サポートプラスアルファでは、法人化の手続きを法定費用のみで行なっています。

また、起業のタイミングなどのアドバイスもさせていただいております。

法人の決算期間はどのくらいがベスト

法人化の決算期間は、基本的に1年をおすすめします。

法人化の決算期間は1年以上に設定することはできませんが、1年以内であれば自由に設定することも可能です。

ただし1年以内に何度も決算があると、手間になります。

半年に設定していると、2度も決算手続きをしないといけません。

決算期間は1年という法人が多いので、こだわりがなければ原則1年にしてください。

法人化でおすすめのタイミングとは?

法人化する上でおすすめのタイミングは、以下のような時です。

  1. ◆従業員を雇うタイミング
  2. ◆会社の売り上げが1000万円を超え今後も伸びていきそうなタイミング
  3. ◆赤字が拡大しているタイミング
  4. ◆家族を雇用して給料を支払いたいタイミング
  5. ◆大きな取引先から法人化を求められたタイミング

従業員を雇うタイミング

従業員を雇うタイミングで、法人化を検討することもおすすめです。

個人事業主の時よりも、

  • ◆良い人材が集まる
  • ◆事業の幅が広がる
  • ◆社会保険完備していると求職者にアピールできる

といったメリットが考えられます。

ただ法人化すれば雇用する人数に関係なく社会保険に加入する義務があって、従業員の社会保険の半分を負担しないといけません。

事業規模や経営の規模によっては、法人化することのデメリットを感じるケースもあります。

一方個人事業主であれば、5人以下の従業員なら社会保険は不要です。

そのため、法人化のメリット・デメリットを知った上でタイミングを計ってください。

会社の売り上げが1000万円を超え今後も伸びていきそうなタイミング

法人化する場合、会社の売り上げの目安は1000万円です。

今後も1000万円を超えそうだと想定されるタイミングで、法人化することをおすすめします。

法人化するメリットには、以下のものがあります。

  • ◆消費税の免税期間を延長できる
  • ◆法人化に必要な費用が負担にならない
  • ◆法人としか取引しない大手企業にアプローチできる
  • ◆節税できる

一方で、法人化するにあたって必要な費用は、1000万円程度の売り上げが少ないと負担になるでしょう。

そのため、法人化するかどうかタイミングで悩んでいる場合は、売り上げの面からも考えてみてください。

ある程度の売り上げが見込めそうなタイミングで、法人化すると安心です。

赤字が拡大しているタイミング

赤字が続いているものの、将来的には黒字化できると考えているなら、法人化を検討してください。

★個人事業主で青色申告をしている方は、赤字は最大3年間繰越することが可能です。

今まで青色申告をしていた人で、3年間の繰越では物足りないという人もいるでしょう。

★法人の場合、青色申告とは違い赤字は9年間繰越処理ができます。

そのため、3年以内に黒字化が見込めないなら、法人化を検討してみてください。

ただし法人化すると、赤字でも法人住民税均等割の最低限必要な支払いが必要です。

赤字の現状だけでなく将来性をトータルで考えて、法人化を目指すといいでしょう。

単に赤字だから法人化するという考えは、おすすめできません。

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家族を雇用して給料を支払いたいタイミング

個人事業主として家族に給与を支払う際は、青色事業専従者給与と呼ばれる制度を利用しなければなりません。

この制度を利用せずに支払っても、経費として認められないため注意が必要です。

ただ、場合によってはこの制度を利用できず、家族へ仕事を手伝ってもらうことを躊躇する人がいるでしょう。

しかし、法人化すれば企業として家族を雇用できるため、この問題を解決できます。

また別の観点では、自分自身と家族に少しずつ給与を支払うことで、世帯全体での手取り金額を増やすことが可能です。

日本は累進課税で、収入が多いほど税率が高くなってしまいます。

そのため、家族に分散させた方が手元にお金が残る可能性があるのです。

家族単位で考えた際に、手元に残る金額が大きくなるならば、これも法人化のタイミングといいます。

大きな取引先から法人化を求められたタイミング

一般的に法人は個人事業主との取引よりも法人との取引を好む傾向にあります。

社会的な信用力の観点から、法人間の取引の方が望ましいからです。

そのため、取引先から法人化を求められたならば、法人化のタイミングかもしれません。

ただ、必ずしも法人化が良いとは言えず、法人化にはデメリットが存在します。

そのため、法人化を求めている取引先との関係性を考慮して、メリットが大きいか、デメリットが大きいかを判断することが重要です。

例えば、売り上げの半分以上を占めるクライアントが法人化を求めているならば、法人化した方が良いでしょう。

逆に、売り上げの数%しかないクライアントであれば、法人化のタイミングとは断言できません。

場合によっては個人との契約を続けてもらうか、取引を断念した方が良いと考えられます。

法人化する際の注意点とは?

法人化する際、注意すべきポイントもあります。

事前に確認していきましょう。

自社にあった法人形態を選択する

法人は、大きく分けて以下4つの形態があります。

  • ◆株式会社
  • ◆合同会社
  • ◆合資会社
  • ◆合名会社

自社に合った法人形態を選択することが重要ですが、一般には株式会社か合同会社を選択するケースが大半です。

事業を拡大する目的で法人化を検討するなら、株式会社か合同会社を選択するといいでしょう

株式会社とは?

株式会社とは株を発行してお金を集め、会社運営をするという形態です。

個人事業主との大きな違いは、所有と経営が分かれている点です。

万が一会社が倒産した場合、出資者は自分の出したお金の範囲のみの責任です。

投資家が安心して出資できるので、資金を集めやすいという利点があります。

さらに法人の多くは株式会社で、世間的な知名度や信頼度も高いのです。

主なメリットとして以下が挙げられます。

  • ◆節税しやすい
  • ◆お金が集まりやすい
  • ◆会社の知名度を上げられる

ただし株式会社にはデメリットもあって、以下を考慮することが重要です。

  • ◆設立に費用がかかる
  • ◆決算公告をしないといけない
  • ◆株主が経営に介入できる

特に会社経営の決定に株主が関係してくる可能性があるので、思い切った経営が今までよりも難しくなるかもしれません。

メリットとデメリットの両方を知って、株式会社にするか考えてください。

<あわせて読みたい>

株式会社の設立にかかる期間は?設立までの流れや手続きにかかる期間などを解説!

合同会社とは?

合同会社とは、出資者と経営者が同じ形態のことです。

自分の考えに合わせて、自由に会社経営ができます。

法人化しても自分らしく事業を展開したいという人におすすめです。

主なメリットは、

  • ◆役員の任期がない
  • ◆公証人役場での定款の認証がいらない
  • ◆株主の責任は有限責任

といった点が挙げられます。

合同会社を選ぶ法人も年々増えていて、注目が集まっています。

ただし合同会社には大きなデメリットもあるので、注意してください。

具体的には

  • ◆株式会社よりも知名度が低い
  • ◆権利譲渡や事業承継が難しい
  • ◆資金が調達しにくい

といった点があります。

特に知名度の低さから、銀行での融資が受けられない、審査に時間が掛かる合同会社も少なくありません。

法人化して資金調達を積極的にしたい場合は、よく考えた方がいいでしょう。

なお組織変更は、後から行うことができます。

ただし労力や費用も必要なので、初めから希望する法人形態にしておく方が無難です。

<あわせて読みたい>

合同会社の設立の必要書類って?必要な準備や手続きの流れなどを解説!

役員報酬は低く設定する

役員報酬は、なるべく低めに設定しておきます。

役員報酬が高過ぎると、会社の利益が減ってしまいます。

条件を満たせば、役員報酬は全額を損金計上することができて便利です。

ただし役員報酬は、低すぎると問題も生じます。

特に役員報酬を0円にすることは、デメリットがあっておすすめできません。

考えられる問題点としては以下のものがあります。

  • ◆役員の生活費も0円になる
  • ◆融資が受けにくくなる
  • ◆年金の額が少なくなる

引用:北区創業融資センター

役員報酬は、低すぎる設定のデメリットも知った上で適切な額を考えるといいでしょう。

消費税の免税期間を考慮する

法人化した場合、消費税の免税期間は原則2年です。

個人事業主も2年間免税期間があるので、合計すると最大4年免税期間があります。

消費税の免税期間を最大限利用したいなら、個人事業主の免税期間の後で法人化することがおすすめです。

ただし法人化した後で売り上げが順調に伸びていれば、1年しか免税期間を利用できないケースもあります。

状況としては、1年目の会社の状況が

  • ◆最初の半年の売り上げ
  • ◆役員報酬を含む給料明細

のどちらも1000万円以上であれば、2年目から消費税を支払う必要があります。

2期目から支払うケースは稀ですが、事業が順調な場合は考慮してください。

消費税の免税期間を考えて、法人化のタイミングを検討すると節税にもつながります。

将来、法人化を検討している個人事業主は、最大限免税期間を利用できるように計画しておくといいでしょう。

法人化のタイミングでよくある質問とその回答

法人化のタイミングについてよくある質問をまとめました。

売上が安定しない場合も法人化した方が良いですか

売り上げが安定したい場合は法人化するかどうか慎重に考えましょう。

法人化することにはいくつものメリットがありますが、それらのメリットを受けられるかどうかは、売上や利益の額に左右されます。

売り上げが安定せず、利益も少なくなってしまうならば、法人化しても思うようなメリットを得られないかもしれません。

むしろ法人化することによって、手間やコストがかさんでしまうことも考えられます。

1年や2年など短期的に「特需」のような形で売り上げが増加するならば、法人化のタイミングかどうかはプロの判断を仰ぐべきです。

法人化の費用はどの程度貯めておけば良いですか

会社を設立するためには、資本金を除いても経費が10万円から30万円程度が発生します。

そのため、もし最低限の費用で法人化したいならば、これだけの現金を確保するようにしておきましょう。

ただ、実際には資本金や運転資金なども準備しなければなりません。

そのため、実質的には必要経費を超えて100万円程度確保できているタイミングが条件といえるでしょう。

大きな売り上げが見込めるなど法人化してから、現金を調達するということも不可能ではありません。

ただ、ギリギリの現金で法人化することは、タイミングとして望ましいとは言えず、もう少し準備してからが良いと考えられます。

法人化するためにはどの程度の期間が必要となりますか

事前準備が完了していて、手続きだけであれば、最短即日で完了します。

ただ、実際には会社名を決めたり、必要書類を作成したりする期間が必要です。

そのため、最低でも1週間は必要だと考えた方が良いでしょう。

加えて、法人登記で利用する会社の印鑑なども準備しなければなりません。

準備にかかる期間も踏まえて、最終的な法人化のタイミングを決定することが大切です。

まとめ

法人化は、タイミングが大切です。

そのため、法人化する月はよく考えて決めることが必要でしょう。

また、悩む場合は、会計士や税理士といった専門家に相談することもおすすめです。

弊社、経営サポートプラスアルファでは法人化のタイミングから、法人化の相談に乗らせていただくことが可能です。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。