「整体師として独立開業したいけど何から手をつけていいのかわからない」
「必要な手続きをまとめて知りたい」
整体院の開業にあたって、このような疑問や悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
整体院の開業は、特別な免許は必要ありませんが、開業届けなど提出書類が必要になります。
この記事では、整体院開業にあたって必要な手続きや初期費用についてまとめています。
整体師として独立開業をお考えの方は、ぜひ記事内容をご確認ください。
整体院開業に必要な届け出
整体院開業について、必要な届け出を解説します。
必須の届け出はなし
整体院の開業について、必ず届け出が必要な書類はありません。
必須の資格や免許もありませんので、開業資金があればすぐにでも開業できます。
整体院は簡単に開業できますが、お客さんを呼べるだけの実績や、施術の技術、ノウハウがないと整体院を運営していくのは難しいでしょう。
資格取得の手間がない分、多くの時間を整体の施術を学んだり、知識を習得する時間に充てられるメリットがあります。
開業届
青色申告を行うために、青色申告承認申請書を開業と同時に税務署に提出しましょう。
開業届を提出すると、税務署から個人事業主として認識してもらうことができます。
青色申告承認申請書を提出すると、以下のメリットがあります。
◆ 所得金額から最大65万円の控除を受けられる
◆ 純損失(赤字)を3年間繰り越せる
◆ 自宅兼店舗であれば水道光熱費や家賃を按分して経費計上できる
◆ 配偶者や親族が従業員の場合は給与を経費計上できる
青色申告をしたほうが得られるメリットが大きいため、開業と同時に青色申告承認申請書を税務署へ提出したほうが良いでしょう。
整体院開業のためにやっておきたいこと
開業のためにやっておきたいこと、5点ピックアップしましたので、ご確認ください。
事業計画書で全体を確認
全体を把握するために、まずは事業計画書を作成しましょう。
事業計画書とは、整体院の事業内容の計画、事業の目的、価格設定、利益の目標、マーケティング戦略を策定したものです。
事業計画書を作成すると、現在まだ進められていない要件を把握でき、どのように進めて行けばよいのか、わかりやすくなります。
書類を作成する手間が掛かりそうな気もしますが、事前に書類を作成しておくと、手続きを滞りなく進めることができますので、結果的に事業計画書を作成したほうが効率が良いのです。
初期費用の調達
潤沢な開業資金が用意できない場合、初期費用の資金調達を考えなければいけません。
資金調達の方法は、金融機関からの融資や国からの助成金、日本政策金融公庫からの融資などが挙げられます。
融資を受ける場合、前述した事業計画書が必要になりますので、融資をうけるつもりの方は、あらかじめ作成しておきましょう。
借りた後は月々の返済が待っていますので、長期間の資金繰りを十分に考えておく必要があります。
物件の選定
整体院を開業するための理想的な物件は、想定するターゲットや地域によって異なりますが、家賃、駅近などの立地、競合する店舗の状況などが判断材料となります。
店舗の規模や営業スタイルにあった物件を選定しましょう。
立地がよく家賃が高くても、それに見合う利益が得られれば問題ありませんし、施術や宣伝に自信があればあえて立地が悪く、家賃が安い立地でスタートすることも考えられます。
駅近だと、人通りが多く、ユーザーのアクセスが良いので繁盛するように思えますが、その分競争が激しくなるため、安定した利益が出せるとは限りません。
施術のメニューを決める
整体院の運用の要となるのが、施術メニューと価格設定です。
価格はユーザーが真っ先に気にするポイントなので、周辺状況を確認の上、慎重に決める必要があります。
単純に価格を安くしたらユーザーは来てくれそうに思えますが、低価格設定にする場合、今後の運営とのバランスを考える必要があります。
低価格設定によって多くのユーザーが来てくれたとしても、対応できないと赤字になってしまうかもしれません。
薄利多売のスタイルでどこまで運用が続けられるか、損益分岐点を考慮しつつ、しっかりと考えましょう。
備品の購入
整体院の開業には、施術を行うベッドを始めとして、待合室の椅子やテーブル、インテリア用の調度品、カルテを入れるための棚など、美品の購入だけで100万円を超える可能性があります。
想定される必要な美品は以下の通りです。
- 施術用のベッド
- 待合室の椅子
- カルテなどを入れる棚
- カーテン
- エアコンやストーブ
- 受付のデスク
- パソコンや冷蔵庫などの家電
開業時に用意する備品は、業務の効率やユーザーの利便性を考えるとどれもおろそかにできないものばかりです。
予算のゆるす範囲で高機能な備品を購入しましょう。
整体院開業に必要な費用
整体院開業にあたって、用意しておきたい初期費用について解説します。
物件と設備費用
引用リハサク https://rehasaku.net/
整体院の開業にかかる費用は、物件を借りる費用と備品を揃えるための費用です。
おおよその費用は以下の通りです。
◆ 物件取得費⇒約100万円
◆ 内装工事費⇒約200万円
◆ 設備費⇒約100万円
◆ 備品購入費⇒約10万円
◆ 広告宣伝費⇒約30万円
備品や設備費用は業務効率やユーザビリティに直接関わってくるポイントなので、出来る限り節約はさけたいポイントです。
物件を借りるための初期費用は、立地によって大幅に異なりますが、平均値は100万円とされており、内装費は約200万円です。
費用を調整したい場合、物件や内装費用で調整しましょう。
内装費用は、業者に依頼すると高くつきますが、可能であれば紹介してもらうなどして、費用を抑えることもできます。
整体師にあると良い資格
整体師は特別な免許や資格を取得する必要がありませんので、すぐに開業できる点がメリットですが、開業にあたってあると信用が得られる資格を紹介します。
いずれも、片手間で取れる資格ではない点に注意が必要です。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩、マッサージ、指圧の3つの技術を使って、患者の不調を正しく整えたり、解消します。
あん摩マッサージ指圧の技術は東洋医学に基づいており、基本的には器具を使わずに手で施術を行います。
あん摩マッサージ指圧師は国家資格なので、受験資格を得て国家試験に合格しなければいけません。
受験資格は、高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣の指定する学校・養成施設で3年以上勉強をする必要があり、取得難易度はやや高くなっています。
鍼灸師
鍼灸師は、「はり」や「お灸」をつかって健康の回復を補助したり治療を行う職種です。
東洋医学に基づく治療で、はりや灸を使うことで、人間がもつ本来の治癒能力を増幅させます。
鍼灸師は、「はり」と「灸」それぞれの個別に資格を取る必要があります。
「はり」と「灸」の資格は国家資格です。
取得するには新休憩専門学校か、鍼灸学科のある4年制大学、または3年制短大を卒業しなければいけません。
柔道整復師
柔道整復師は、ほねつぎ師、接骨師とも呼ばれる医療技術職です。
主に打撲や捻挫、骨折や脱臼などのけがを治療し、運動療法や運動指導も行います。
骨折や脱臼を手で元の位置に戻したり、包帯やテーピングで固定するなど、治療から回復まで携わることができる国家資格です。
柔道整復師の専門学校、柔道整復学科がある4年制大学または3年短大を経て、資格試験を受験し、資格獲得の流れになります。
カイロプラクティック
カイロプラクティック と整体は似ていますが、バックボーンとしている医学に違いがあります。
整体は東洋医学、カイロプラクティックは西洋医学です。
カイロプラクティック の発祥はアメリカで、手技を使い体の歪みをつくる根本的な原因を探して、背骨や骨盤を矯正します。
西洋医学は、体の仕組みやはたらき、病気、怪我の成り立ちが体系立ててまとめられた医学で、理論立てて施術を行う点が東洋医学との大きな違いです。
整体と同じく国家資格は必要ありませんが、専門学校で必要科目を履修することが推奨されています。
カイロプラクティック の履修を完了していれば、経歴としてアピールできるでしょう。
整体院の集客
整体院として繁盛するには、技術だけでなく、集客も重要です。
2つの集客方法について解説します。
ホームページの開設や口コミサイトの登録
現代のビジネスには、WEBサイトは必須です。
多くの人は、WEB検索から自分の希望に合う情報を探しますので、ターゲットとする人に向けたWEBサイト制作が求められます。
地域+整体で検索すると、口コミサイトが検索上位に現れますので、口コミサイトへの登録も忘れずに行っておきましょう。
整体の有名な口コミサイトは、ホットペッパービューティーやエキテンが挙げられます。
チラシの作成
チラシは昔からあるアナログな集客方法ですが、ターゲット層によっては今でも高い効果があります。
チラシ配布は、地域、住宅の種類など、設定することができます。
整体は若い人から、年配の方まで広い世代に需要がありますので、広く軒並み配布を行うことで配布効果を得られるでしょう。
余裕があれば、新聞の折込チラシにも投入しておくと、より効果が得られるでしょう。
まとめ
整体院の開業は、特別な資格や免許が必要ありませんので誰でも開業することができます。
開業時の提出書類は青色申告承認申請書です。
青色申告承認申請書は必須書類ではありませんが、青色申告を行うことで得られるメリットがありますので、開業の時に申請しておきましょう。
開業費用の中でも、仕事の作業効率、来院する方のユーザビリティに直接関わる設備投資は、十分に行いましょう。