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鍼灸師として独立する方法とは?独立した場合の年収や注意点も紹介

鍼灸師として独立する方法とは?独立した場合の年収や注意点も紹介

鍼(はり)やお灸を使って症状を緩和してくれる鍼灸師。

肩こりや腰痛、交通事故の後遺症など、治療のお世話になっているという方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省の調べでは、鍼灸治療を行う鍼灸師や施術所の数が年々増えており、売上を表す療養費の推移はほぼ変わっていないという結果がでています。

つまり、このまま鍼灸師が増えれば増えるほど、一人当たりの収入が減ってしまう可能性があるということです。

そこで今回は、鍼灸師として独立して成功する方法や鍼灸師が独立する際の注意点についても紹介します。

鍼灸師の収入はどのくらい?

東洋療法従事者の資質向上推進を行っている公益財団法人東洋療法研修試験財団の調査によると、鍼灸院などの施術所へ勤務した場合の月収は平均19.8万円となっています。

ボーナスや手当があると仮定すると年収300万くらいと言ったところでしょうか。

また、国税庁が令和2年に発表している一般平均年収 医療・福祉は年収約397万円となっていますので、医療・福祉の中では、少し低めの年収であると言うことができます。

そして、同じく公益財団法人東洋療法研修試験財団が公開している資料では、独立後の月収は20.3万円です。

勤務した場合よりも割高ですが、ボーナスや手当がないことを考えると勤務するよりも厳しいと言えます。

さらに、独立後の月収の割合では、最も多いのが10万未満で35.5%です。

もしうまく集客できなければ、正社員として勤務していた時よりも独立後の方が収入が減ってしまう割合が多いということが見て取れます。

一方で、勤務している鍼灸師のなかで最も多い割合は20万~25万円未満で30万円以上がほとんどいませんでしたが、独立後の鍼灸師の場合では30万円以上が24.9%、50万円以上は10%近く存在しています。

この数値から判断できるのは、鍼灸師としての独立は失敗する可能性が高いものの、成功すると勤務時よりもはるかに高収入を得られることも多いということです。

鍼灸師として独立するのに必要な資格

鍼灸師としての独立に必要な資格としては、はり師、きゅう師の2つです。

はり師、きゅう師として勤務する為に必要な公益財団法人東洋療法研修試験財団管轄の国家試験です。

合格者に送られる合格証だけでは業務を行うことができません。

登録申請を行い免許証を交付されてから業務を開始できます(卒業校から配布される申請書で登録)。

はり師国家試験、きゅう師国家試験

【試験形式】
毎年1回実施、客観式四肢択一による筆記試験

【受験料】
14,400円(1試験)

【受験資格】

大学入学資格があり(学校教育法第90条第1項の規定)、文部科学大臣の認定した学校または厚生労働大臣の認定した養成施設(専門学校)で3年以上必要な知識・技能を修得した者(視覚障害者のある方は、5年以上)

【試験場所】
各都道府県(北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県)

失敗しないための独立準備5選

「鍼灸師の収入はどのくらい?」にも記載した通り、鍼灸師としての独立は、安易に行えば失敗する可能性がかなり高いと考えられます。

そこで、ここからは行っておくべき独立準備の方法を5つご紹介します。

  • 集客の見込める立地を選ぶ
  • 経費削減方法を考える
  • 効果的な集客方法を考える
  • トリプルライセンスを取得する
  • プラスアルファをつける

集客の見込める立地を選ぶ

独立準備として、最も重要といえるのが集客を見込める立地選びです。

物件の良し悪しもありますが、人口の多さ、競合店がないか、はり・きゅう治療を求める客層の多い地域か、時間帯による人の流れなど立地条件が鍼灸施術所開業に合っているかを調べる必要があります。

中年層以上(働き盛り~高齢層)が多く、交通の便が良く、人通りも多い、競合店がいないといった好条件であれば、成功する可能性は高まります。

しかし立地がよかったとしても、繰り返し短期間で廃業している物件などの場合では、そこは需要がない地域ということになるので注意が必要です。

時間をかけた充分なリサーチが必要になるでしょう。

経費削減方法を考える

どの業種にも言えることですが、経営を成功させるためには経費を最小にすることが大切です。

いくら売上が多くても、出ていく金額も多くなってしまっては意味がありません。

あらかじめ計画を立て、キャッシュフローをしっかりと把握し、経費削減を心がけましょう。

効果的な集客方法を考える

売上を上げるためには、多くの患者を集める必要があります。

数多くの集客方法がありますが、SNSなどは無料で行うことができます。

さまざまな集客方法を試した上でベストな集客方法を模索してください。

また、集客コンサルタントのように有料で効果的に集客の実行支援をしてくれる業者もあります。

開店直後など集客が必要になる場面では、このような集客コンサルを利用するのも手かもしれません。

トリプルライセンスを取得する

あん摩マッサージ指圧師資格も取得してトリプルライセンスを持った上で独立するという方法もおすすめです。

顧客の心理からすれば、2つの施術が可能な施術所よりもそれ以上対応している施術所をかかりつけにしたいと思うはずです。

出来れば、資格をもう一つ取得することで、他施術所と差別化できますので是非試してみてください。

あん摩マッサージ指圧師資格は、はり・きゅう師資格と同様に公益財団法人東洋療法研修試験財団管轄で受験することができます。

受験資格は、大学入学資格があり(学校教育法第90条第1項の規定)、文部科学大臣の認定した学校または厚生労働大臣の認定した養成施設(専門学校)で3年以上必要な知識・技能を修得した者(視覚障害者のある方は、3年以上)です。

プラスアルファをつける

出張施術を行う、生活改善アドバイスを行うなど通常の施術にプラスアルファを設けて他店と差別化する方法もあります。

ただし事前準備が必要となりますので導入する場合は、独立前に手続き方法を確認してください。

プラスアルファがある鍼灸師の例としては、栄養士の資格を取得してプロとしての食事改善アドバイスも行う鍼灸師もいます。

生活習慣予防アドバイザーなどの資格もあるので、鍼灸師としてのアドバイスにプラスアルファできる役立つ資格を取得しておくのもいいでしょう。

鍼灸師で独立する時の注意点

鍼灸師で独立する時の注意点は、以下の3つです。

  • あせらず技術をしっかり身に着けてから独立する
  • 接客技術も重要
  • 固定費を小さくする

あせらず技術をしっかり身に着けてから独立する

現在、鍼灸師として勤務している人のなかには、すぐにでも鍼灸師で独立したいと考えている方も多いかもしれません。

しかし、顧客から評判を得られる技術力を身に着けるまでは独立は控えたほうが賢明です。

鍼灸師は、技術の力量が直接集客力に響きやすい業種になります。

そのため、焦って鍼灸師として独立すると失敗する可能性が増してしまうでしょう。

公益財団法人東洋療法研修試験財団の調査によると、はり師・きゅう師の独立率は年齢とともに増加し以下のようになっています。

  • 21~24歳:4.1%
  • 25~29歳:19.1%
  • 30~34歳:30.5%
  • 50歳以上:62.2%

この数値から判断すると30歳以降の独立が比較的無難かもしれません。

接客技術も重要

はり・きゅうなど施術を行う職業は、技術力がすべてと思われがちですが、患者側からみると施術の技術と同じくらい接客態度も重要です。

どんな痛みも治してくれるような治療が行われていたとしても、接客がひどい鍼灸師さんには診てもらいたくありません。

接客技術も含めた顧客満足度を上げていく努力を怠らないように注意してください。

また、最近では医院の情報を検索するとクチコミが表示されることがあります。

このクチコミを事前に確認した上で来院する患者も多いようです。

接客態度が悪いとクチコミも悪くなってしまうので気をつけてください。

接客レベルの低さは患者が離反する原因になります。

固定費を小さくする

鍼灸師に限らず独立した場合に一番大きな負担になるのが固定費です。

固定費には、家賃や人件費などが含まれます。

そのため、鍼灸師として独立する際には固定費を小さくすることを意識するといいでしょう。

固定費を小さくするためには、物件を借りないで出張鍼灸師として独立するのも一つの方法です。

出張鍼灸師とは、店舗を持たないで依頼者の自宅に出張して施術を行う鍼灸師になります。

特に、鍼灸師の需要が高いのは高齢者層です。

そのため、在宅で鍼灸師の治療を受けることができれば、自宅から外出する必要がないので腰・足が悪く外出できない人も患者にすることができます。

このように、出張鍼灸師になることで固定費を抑えることができるだけではなく、他の鍼灸医院と差別化を図ることに繋がります。

実際に出張鍼灸師として独立をして成功している鍼灸師は多いので、ぜひ参考にしてみてください。

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まとめ

鍼灸師・施術所の増加にともない、単に鍼灸師として独立するだけでは成功は難しいのかもしれません。

しかし、鍼灸師としての技術をしっかり身につけて準備を万端にして、さらに顧客満足度を保つ対応も継続的に行うことができれば、成功して高収入を得ることは決して夢ではありません。

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