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法人設立による節税メリット6選|会社設立と税金についてわかりやすく解説

副業をしている会社員や個人事業主の方の中には、節税のために法人設立を検討したことのある方も多いと思います。

今回は、法人設立によって実現できる税務上のメリットや、逆に法人設立をしたことで支払う必要が生まれる税金について紹介します。

法人設立年度にかかる税金

法人を設立すると、当然初年度から様々な税金がかかってきます。

中には利益が出ていなくても支払わなければならない税金もあるので注意が必要です。

登録免許税

登録免許税とは、法人を登記する際に必要となる設立費用の一種です。

株式会社の場合は資本金額の0.7パーセントと15万円を比べて高い方、その他の会社形態は同じく資本金額の0.7パーセントと6万円を比べて高い方の金額を納める必要があります。

株式会社を設立する場合は、登録免許税に加えて最低でも定款の認証手数料5万円を支払う必要があります。

法人税

法人税とは、法人の課税所得(売上から経費を引いたもの)に対して課せられる税金です。

課税所得が800万円を下回る場合は15パーセント、800万円以上の場合は23.9パーセントの税率が課せられます。

法人事業税

法人事業税とは、法人が利用する公共サービスの経費の一部を負担することを根拠に設定されている税金です。

法人税と同じく、課税所得に対して法人事業税率を乗じた額が課せられます。

所得に対する累進課税的な特徴を持ち、具体的な税率は以下の通りです。

  • 課税所得400万円以下の場合:3.4%
  • 課税所得400万円超800万円以下の場合:5.1%
  • 課税所得800万円超の場合:6.7%

法人住民税

法人住民税とは、法人が自治体内に本店所在地を構えることに対して課せられる税金です。

課税所得に応じて納める「法人税割」と資本金や従業員数に応じて納める「均等割」の2種類に分かれており、均等割は事業所得が赤字でも支払わなければなりません。

資本金が1000万円以下の法人を例にとると、従業員50人以下の場合で7万円、50人超で14万円の均等割が課せられます。

つまり、どんなに小規模な法人で、どんなに大きな赤字を出したとしても、最低7万円は設立年度から納税する必要があるということです。

地方法人税

地方法人税とは、自治体間の税収のばらつきを是正するために2014年に新設された税金です。

法人税額に地方法人税率を乗じた額が課せられます。

税率に関しては、2019年9月までに設立された法人に関しては4.4パーセント、10月以降に設立された法人に関しては10.3パーセントです。

法人設立による節税メリット

法人を設立すると、初年度から多くの税金を支払う必要がありますが、一方で所得の額によっては大きな節税になるメリットも存在します。

1.役員報酬で節税!

個人事業主の状態で事業所得を得た場合、その所得には所得税が課せられます。

事業所得には累進課税の所得税が課せられる上、所得控除も最大65万円までしか適用されません。

一方、法人設立をした場合、事業所得は法人としての事業所得と自身に支払う役員報酬に分けることができます

法人としての所得に課せられる法人税は800万円以上で全て税率が等しいため、所得額によっては大きな節税効果が存在します。

また、役員報酬は「給与」になるため、所得税はかかるものの最大220万円の給与所得控除が適用されます。

このため、法人設立をすることで生み出した利益にかかる税金を大きく節約することができます。

2.家族に報酬を支払って節税!

役員報酬にかかる所得税を節約する方法として、家族に役員報酬を分割して支払うという手があります。

前述の通り所得税は累進課税になるため、一人が一括して役員報酬を受け取るよりも、分散させた方が所得税の合計額が安くなる場合があるということです。

また、役員報酬を分割した場合、それぞれに給与所得控除が適用されるためさらに大きな節税効果が見込めます

3.保険を活用して節税!

個人事業主が保険に加入した場合、保険料を経費にすることはほとんど不可能です。

しかし、法人が保険商品を購入した場合、保険料の支払い時に50〜100パーセントを経費計上できることがあります。

4.消費税の免除を適用させて節税!

個人事業主で課税所得が1000万円を超えている場合、消費税の納税義務が課せられます。

しかし、そのような事業主であっても新たに法人を設立し、資本金を1000万円以下に設定することで、最大2年間消費税の納税義務が免除されます。

5.退職金を支払って節税!

法人を設立した場合、5年以上勤務した役員に退職金を支払うと、税務上大きなメリットを享受できます。

これは、退職金の所得税を、退職金額から退職所得控除を控除した金額をさらに2分の1にした額で計算するためです。

給与所得として支払うよりも大きな節税が可能になります。

6.欠損金の繰越控除で節税!

事業が赤字になった場合、その赤字を翌年に繰り越して計上することで、翌年の課税所得を目減りさせることができます。

個人事業主ではこの赤字の繰り越しが最大3年間しか認められていない一方で、法人では最大9年間もの間赤字を繰り越すことができます。

このため、「数年間は初期投資で赤字続きだけど、5年目くらいから大きく黒字になる」というようなスタートアップ的事業を営む場合は、法人化することで黒字転換後の税金を大きく節約できます

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まとめ

法人設立によって、様々な節税効果を享受することができます。

一方で、毎年一定のランニングコストがかかる、副業禁止の会社にバレてしまう可能性があるなど、デメリットも多く存在します。

法人設立を検討する際には、それらの要素を総合的に判断して決断しなければなりません。

しかし、初めて法人設立を検討している会社員・個人事業主の方には、税務・会計の知識が少ない方も多いと思います。

会社設立に関する知識が少ない状況で、設立に踏み切るのは非常に危険です。

最悪の場合、設立前の方が節税できていた、なんてことにもなりかねません。

このような事態を避けるためには、会社設立の専門家に相談するのがオススメです。

年間200社以上の会社設立をお手伝いしている経営サポートプラスアルファでは、税務・財務の専門家がご依頼者様の状況に合わせてどのように会社設立をすべきかをコンサルティングしています。

会社設立の代行業務も行なっているため、設立時には事務手続きを丸投げすることも可能です。

ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

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記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。