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事務所移転費用の相場とは?経費の計上科目も紹介

事務所移転費用の相場とは?経費の計上科目も紹介

引っ越し作業というのは、なかなか大変な作業です。

新居探しから費用の計算、旧居の化片付け、荷造り、運搬など、行わなければならないことをリストアップするだけでも一苦労ではないかと思います。

それが、事務所移転であればなおさらです。

さらに、かかる費用の種類が非常に多いため、いざ会計処理を行うとなると計上科目にどれを選択すればいいのかという問題も浮上してくるのです。

担当者の方々は、かかる費用や会計処理を想像するだけでも、頭が痛いのではないでしょうか。

そこで、今回は、事務所移転にかかる費用の相場を一挙ご紹介します。

混乱しがちな移転経費の計上科目についても詳しく説明しています。

「事務所移転を予定している」、「移転したいが何から始めればいいかわからない」という場合に特におすすめな内容なので、是非ご覧ください。

内装工事リース株式会社

事務所移転にかかる費用の相場

ここでは、事務所移転にかかる費用を紹介します。

旧事務所にかかる費用

旧事務所にかかる費用は、「原状回復工事費」、「不用品の処分費用」、「引っ越し費用」の3つです。

「原状回復工事費」は、事務所を借りる以前の状態に戻す為の工事費。故意的などの善管注意義務違反にあたる損耗・毀損は工事対象となります。

「不用品の処分費用」は不用品を破棄する為の費用です。事務所で排出される廃棄物は事業系一般廃棄物、産業廃棄物の2つに分かれますので、それぞれのルールに沿った廃棄方法での処理が必要です。

「引っ越し費用」は、荷物の運搬の為の費用ですが、従業員ごとにそれぞれ荷物がある為、人数分の料金が必要です。

3、4月などの引っ越しシーズンを避けると安価になる場合もあるようですので、「できるだけ費用を抑えたい」という場合は、オフシーズンを狙って一括見積サイトなどから引っ越し業者を検討してみてはいかがでしょうか。

 

相場

注意事項

原状回復工事費

・小規模事務所
坪単価3万円~5万

・大型事務所
坪単価5~10万円

・小規模事務所(20坪以上50坪以下)

・大規模事務所(50坪以上)

不用品の処分費用

・事業系一般廃棄物
処理料金+収集運搬料金の上限が1㎏あたり40円(消費税込み)とされています。

・産業廃棄物処理費用
1トン約1~7万、2トン車1台分 約7~8万円、4トン車1台分約12~15万円

費用は各自治体によって異なりますので、詳しくは事務所設置場所の各自治体へご相談ください。

産業廃棄物の処理に関しては、収集運搬業者・産業廃棄物中間処理業者での手続きが必要です。

引っ越し費用

1人あたり約3~5万円

引っ越しシーズンなどの繁忙期には高く、オフシーズンには安くなる傾向があります。

新事務所にかかる費用

新事務所でかかる費用は、事務所を賃貸で借りるための「不動産所得費用」とレイアウト・内装費用、ネットワーク工事費用などの「不動産所得費用以外」に分かれます。

不動産取得費用

事務所賃貸に関してかかる「不動産取得費用」は「前家賃」「敷金」、「礼金」「仲介手数料」、「火災保険料」の5つです。「仲介手数料」は、仲介業者を通した場合のみにかかる費用ですが、他料金は必ずかかると思ってください。

この部分の費用を抑えたい場合は、一定期間の賃貸料金を無料にしてくれるフリーレント、敷金を軽減してくれる保証会社の利用、各不動産会社提供の割引サービスやキャンペーンなどを利用することで費用の軽減が期待できます。

不動産会社とご相談の上、最もニーズに合った方法を選択してください。

 

相場

注意事項

前家賃

入居月に賃料1カ月分(または日割り)+翌月分

 

敷金

・小規模事務所
賃料の約4~8カ月分

・大規模事務所
大規模6~12か月分

小規模事務所(20坪以上50坪以下)

大規模事務所(50坪以上)

※契約内容によって異なります

礼金

敷金と同じになる場合が多いですが、無料、1~2か月の場合もあり。

※契約内容によって異なります

仲介手数料

賃料の1カ月分

仲介業者を通した場合。

火災保険料

2年契約で2~3万円

 

不動産取得費用以外

不動産取得費用以外には、「保証会社の保証金」、「レイアウト・内装工事費用」、「ネットワーク工事費用(インフラ設備費)」、「什器等購入費用(事務所家具、日用品など) 」があります。

「保証会社の保証金」は保証会社を通す場合に必要です。

「レイアウト・内装工事費用」、「ネットワーク工事費用(インフラ設備費)」、「什器等購入費用(事務所家具、日用品など) 」は、豪華なインテリアや家具、高度な設備といったこだわりがあればあるほど費用はかさんでいきます。

理想と現実の落としどころをはっきりさせた上で、慎重に見積もりを進めなければ、とんでもない額になりかねませんのでご注意ください。

什器をオフィス用品専門のリサイクルショップで揃えると費用を抑える事ができます。

 

相場

注意事項

前家賃

入居月に賃料1カ月分(または日割り)+翌月分

 

敷金

・小規模事務所
賃料の約4~8カ月分

・大規模事務所
大規模6~12か月分

小規模事務所(20坪以上50坪以下)

大規模事務所(50坪以上)

※契約内容によって異なります

礼金

敷金と同じになる場合が多いですが、無料、1~2か月

の場合もあり。

※契約内容によって異なります

仲介手数料

賃料の1カ月分

仲介業者を通した場合。

火災保険料

2年契約で2~3万円

 

その他にかかる費用

その他の費用として、移転の連絡、広告にかかる「移転告知費用」として1人あたり1~2万円、官公庁への届出書類代書の作成を依頼した場合には、担当した行政書士、弁護士へ約10~20万円の費用が必要となります。

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経費の計上科目

オフィス移転に関わる費用の会計処理はなかなか厄介です。

項目が多いうえ、誤った計上をしてしまうと、2度手間になったり、不要な税金が発生したりといったトラブルが発生します。

しっかりと確認の上、適切な会計処理を心がけましょう。

 

計上科目

注意事項

原状回復工事費

「修繕費」

敷金から差し引かれるかどうか処理方法がかわります。差し引かれる場合は借方に「修繕費」、貸方に敷金又は差し入れ保証金の勘定項目を使って処理します。

不用品の処分費用

「固定資産除去損」

       

※廃棄業者に依頼して廃棄証明書を作成してもらうと、税務調査の際にも安心です。

引っ越し費用

「雑費」(妥当な金額なら)、「支払手数料」、「荷造運賃」

 ※一度勘定科目として利用すると変更できないので注意してください。

前家賃

 

「支払家賃」

例)借方に「支払家賃」、貸方に「現金」。

敷金・保証金

「差し込み保証金」、「長期前払費用」

支払い金額の返還予定部分は、「差し込み保証金」、忘却部分に関しては、「長期前払費用」として計上することができます。例えば敷金の場合、契約する際に「敷金償却」または「敷引き」と記載されているものは、返還されない償却部分です。

礼金

20万円以上の場合は通常は5年間の「均等償却」

20万円未満は「一括償却」になります。

仲介手数料

「支払手数料」、「雑費」

引っ越し費用と同様の扱いなら「雑費」です。

火災保険料

「前払費用」または「長期前払費用」

決算日にその年に支払った分を「損害保険料」として計上します。

レイアウト・内装工事費用

レイアウト変更は「修繕費」、内装工事は「建物附属設備」を年数によって減価償却。工事に間接的にかかった費用は諸経費。

耐用年数があれば40~50年程度、壁紙空調など耐用年数が低ければ10~15年で。賃貸期間が決まっていればその年数で減価償却となります。

ネットワーク工事費用(インフラ設備費を含む)

資産(建物付属設備)年数によって減価償却。

ネットワーク工事、サーバー、IT機器などは全てを一括ではなく、10万円以下のものは、まとめて。それ以上は一括でというふうに分類して計上するのがお勧めです。

什器等購入費用(事務所家具、日用品など)

10万円未満、耐用年数が1年未満のものを「消耗品」、10万円以上のもの1年以上の耐用年数の者は、年数によって減価償却。

耐用年数によって分類してください。

移転告知費用

「広告宣伝費」

顧客に間接的に宣伝する為の費用は「広告宣伝費」、手渡ししたりする直接的な宣伝に関する費用は「販売促進」となるので注意してください。

官公庁への届出書類代書依頼費用

「支払手数料」または「支払報酬」

例)借方に「支払手数料」または、貸方に現金。

移転にかかわる慰労会

「福利厚生」

社員以外の参加があれば「交際費」になります。

以上が、事務所移転に関わる費用の計上科目です。

項目数の多さに驚いた方も多いのではないでしょうか。

同じ工事費でもレイアウト・内装工事費用とネットワーク工事費用では計上科目が異なり一括処理と行うことができません。

内装工事やインフラ設備などリース契約が可能であれば、経費として処理できる場合もあります。

経費として一括処理したいということであればリース契約として見積もり、会計処理を行うという方法もおすすめです。

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まとめ

今回は、事務所移転にかかる費用の相場を、移転経費の計上科目についてご説明しました。いかがでしたでしょうか。

移転にかかる費用は、移転時期、事務所の規模、導入設備などによって異なりますが、平均的な数値としての目安にはなるかと思います。

事務所移転には、変更登記、税務署、都道府県各市町村への届け出が必要が必要ですので、忘れずに届け出を行ってください。また、事務所の賃貸契約を解約する場合、6か月前までにはオーナーに届け出を提出することが必要です。

新オフィスでの事業を晴れやかにスタートさせるためにも、できれば、移転計画は1年ほど前から余裕をもって行いましょう。

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