飲食店の内装デザインの特徴
飲食店を開業する際に、内装デザインにこだわりたいと考えている人も少なくありません。
コンセプトに合わせた内装デザインは、お客さんから見てもおしゃれですてきな空間と感じてもらえるため、集客にもつながります。
飲食店はさまざまな業態がありますが、それぞれに適した内装デザインは異なります。
居酒屋の内装デザインを決める前に、まずは業態別の内装デザインを見ていきましょう。
【カフェ】内装デザインの特徴
コーヒーや紅茶、軽食を楽しめるカフェは、居心地の良い空間と集客につながる内装デザインかどうかがポイントです。
カフェによってもターゲットが異なり、リーズナブルな価格設定のカフェの場合は、一度に多くのお客さんが座れるよう客席を増やすことでより多くの売り上げにつなげられるでしょう。
また、壁紙や照明、インテリアを明るい雰囲気にすることで初めてのお客さんでも入りやすくなります。
反対に高価格設定のカフェの場合は、座り心地の良いソファを設置したり、お客さんの間のを広く取りゆったりと寛げる空間を作ることで「ここに来ればおいしいコーヒーとゆったりと過ごせる時間が楽しめる」とお客さんに感じてもらえ、リピーターにつながるでしょう。
若いお客さんをターゲットにしている場合は、食事やドリンクのおいしさだけでなく、見た目も重視します。
それはメニューだけでなくインテリアや内装にも言えることなので、カフェの集客に内装デザインは大きく関係すると言えます。
【ファストフード店】内装デザインの特徴
ファストフード店は、ほかの飲食店と比べて食べやすいメニューで滞在時間も短い傾向です。
そのため、回転率を重視した内装が適しています。
1人や少人数で来店することも多いため、カウンターや小さめの机と椅子の席が多いのも特徴です。
さらにレストランのように注文を聞きに行かずにカウンターで注文を受けるスタイルが多く、少ない店員でも回せるよう、テーブルがお客さん自身で動かせるタイプにするなどの工夫が見られます。
【レストラン】内装デザインの特徴
レストランはファストフードやカフェと比べて食事を楽しむために訪れるため、リラックスできる空間が好まれます。
年齢関係なく幅広い人が訪れるため、和食レストランなら座敷のほかに足の弱い人でも利用しやすいよう椅子席を設けたり、子供用椅子を用意するなどの配慮も必要です。
きめ細やかなおもてなしの心がリピーターにつながります。
【居酒屋】内装デザインの特徴
居酒屋は価格帯によって適した内装デザインが異なります。
リーズナブルな大衆居酒屋の場合は、にぎやかな明るい空間が好まれるため、お客さんとの空間を狭くして客席を増やすと良いでしょう。
高級な雰囲気の居酒屋の場合は空間をゆったりと使い、個室を多く取り入れると集客につながります。
居酒屋の店舗デザインの種類
居酒屋の内装は、提供するメニューや価格帯などコンセプトに合わせて多種多様です。
ここでは、いくつかの居酒屋タイプの特徴を解説します。
モダンスタイル
モダンな居酒屋はスタイリッシュで落ち着いた空間でお酒や食事が楽しめるのが特徴的。
メニューは創作料理やフレンチなど工夫を施したものが多いです。
モダンな中に木目をアクセントに入れれば和モダンスタイルに。
レトロスタイル
最近人気のレトロスタイルの居酒屋は畳やちゃぶ台、傘の付いた裸電球など明治から昭和の昔懐かしい雰囲気を楽しめます。
昭和の時代を過ごした世代にはどこか懐かしく、若い層には逆に新しいおしゃれな空間として人気です。
昔のテレビやレコード、電話などをインテリアとして飾るとレトロ感が高まります。
一方で、代わりになるものが少なく買い替えるのは難しいため、継続的に使えるようにメンテナンスは必要です。
揚げパンや駄菓子などほかのスタイルとは異なるメニューを取り入れるのも良いでしょう。
和風スタイル
居酒屋の中には懐石料理や割烹など、日本料理を提供する店もあります。
日本料理には和風の内装を取り入れることで一体感が生まれ、空間と食事を目と味で堪能できるでしょう。
また、和紙の間接照明や生け花、障子などを随所に盛り込むことでさらに和を感じられます。
洋風スタイル
洋風の居酒屋はイギリスのパブや、スペインやイタリアなどのバルを彷彿とさせる内装デザインがポイントです。
テーブル席だけでなくバーカウンターにハイスツールやカウンターチェアを用意すると、内装にマッチして海外の居酒屋の雰囲気が高まります。
パスタやアヒージョなど海外の料理とも相性抜群です。
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居酒屋の店舗デザインを成功させるポイント
居酒屋の開業を考えている人の多くは「こんな居酒屋を開業してみたい」と理想のイメージを持っていることでしょう。
ただ、自分の理想を盛り込んだだけでは、お客さんが多く訪れて売り上げにつながる居酒屋になるとは限りません。
居酒屋を開業するからには継続的にお客さんが選んで利用してくれる人気店を目指したいものです。
ここでは、内装デザインを成功させるポイントをいくつか紹介します。
コンセプトをしっかりと決める
居酒屋はターゲットとなる客層や提供するメニュー、店の雰囲気など多くの種類があります。
まずは、どのような居酒屋を開業したいと考えているのかをしっかりと決めることが大切です。
漠然としたコンセプトでは、店舗の内装を決める際やメニュー作りなどでブレてしまい、結果思っていた居酒屋ではなくなる可能性もあります。
コンセプトがしっかりとした居酒屋の場合、ターゲットとなるお客さんからは「居心地が良い」と好印象を与え「また来たい」と思ってもらえるでしょう。
コンセプトがわかる外装デザイン
居酒屋の内装にいくらこだわっても「この居酒屋に入ろう」と考えてもらい、実際に店内に入ってもらわないと意味がありません。
流動客に選んでもらうには、内装よりも外装が重要です。
居酒屋であることはもちろん、どのようなコンセプトでやっているのかがわかるような外観が理想です。
リーズナブルを売りにする居酒屋の場合は、にぎやかな雰囲気が伝わるような外観が適しています。
派手な色やデザインを看板に取り入れたり、店内の様子がわかるように一部をガラス張りにするのも良い方法です。
一方高級感のある居酒屋の場合は落ち着いた雰囲気の外観が好まれます。
外観からは中の様子がわからないように工夫するとお客さんは「プライベートが守られる」と、安心して利用できるでしょう。
居酒屋のコンセプトに合わせて内装だけでなく外観も考慮するとターゲットとする客層を呼び込みやすくなります。
スタッフとお客さんを考えた動線
居酒屋の内装を決める際は、壁紙やインテリアのデザインだけでなく、動線を考えるのも大切です。
一度に多くのお客さんを入れたいからと動線を考えずに客席を増やすと、スタッフがスムーズに動けずにお客さんを待たせることになります。
また、わかりにくいところにお手洗いを設置するとお客さんが迷ったり、スタッフに聞くことが多くなり双方にとってはストレスです。
スタッフの動線とお客さんの動線は別にして、お客さんからスタッフの動きがなるべく見えないようにすると落ち着いて食事やお酒を楽しめる居心地の良い空間が作れるでしょう。
照明もコンセプトに合わせて
外装や壁紙、インテリアをコンセプトだけでなく、照明もコンセプトにあわせるとより雰囲気が高まります。
高級な雰囲気の居酒屋の場合、照明のトーンを落としたり間接照明を取り入れると落ち着いた空間に。店内を暗めにしつつテーブルの上にスポットを当てれば、こだわりの料理に注目させ、よりおいしそうに見せることもできます。
一方、にぎやかな大衆居酒屋なら明るい照明で楽しい雰囲気をより一層引き出せるでしょう。
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居酒屋の内装工事で気を付けること
居酒屋の内装工事を業者にお願いする際は、いくつか気を付けておきたいことがあります。
内装デザインは居酒屋を開業し、売り上げにも関わってくる重要なポイントです。業者に依頼する前にしっかりと確認しておきましょう。
スケジュールに余裕を持つ
内装工事を業者に頼む場合は、開業ぎりぎりではなく、なるべく余裕を持って動き出しましょう。
開業の1カ月前には竣工しておかなければ、テーブルや椅子の設置などの準備が全て遅くなり、オープンが予定よりも遅くなることも考えられます。
居酒屋の内装工事は広さやこだわりによっても工事期間が大きく異なります。
また、業者によってはほかの工事と重なって時間がかかってしまうことも。
遅くても開業6か月前から業者選びをして、費用の見積もりや工事のスケジュールを相談しましょう。
業者に任せきりにしない
内装工事がはじまったら、業者に任せきりにせず、定期的に工事の様子を見に行きましょう。
コンセプトやデザインをあらかじめ伝えていても、間違った認識のまま工事を進めてしまうことも考えられます。
定期的に出向いてチェックしておくと、間違いを早期に発見できるためやり直しの時間や手間も抑えられるでしょう。
大きな修正となると時間がかかり、オープン予定日に間に合わない可能性もあります。
コンセプトに合った内装のためには定期的に工事現場に出向いてチェックすることが大切です。
施工業者選びは慎重に
施工業者は数多くありますが、居酒屋の内装を頼む場合は信頼できる業者を選ぶ必要があります。
居酒屋の内装デザインは、コンセプトに合った客層を獲得し、リピーターにつなげられるかどうかに大きくかかわる大切な要素です。
施工業者を選ぶ際には、居酒屋の内装デザインに携わった経験と実績、費用面、アフターフォローの充実度などをチェックしておきましょう。
知り合いの人の情報や口コミなども参考になります。
まとめ
居酒屋はターゲットによってさまざまな種類があります。
そのため、内装もターゲットやコンセプトに合わせたデザイン選びが重要です。まずはコンセプトをしっかりと決め、適した外装・内装デザインを信頼できる業者と相談して決定していきましょう。
「内装デザインにこだわりたい」その一方で「内装工事にまとまったお金がかかるのは厳しい」というオーナーさんもいるでしょう。
そんな時には内装工事リースという方法を利用すれば手元に資金がなくても内装工事が可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。