リフォームでもローンを使うことができるのか疑問に思っている人も多いと思います。
結論からいうと、リフォームでもローンを組むことができます。
リフォームで利用できるのは、住宅ローンかリフォームローンのいずれかです。
そこで、この記事では住宅ローンを使えるケースをご紹介したのち、単独でリフォームローンを使う場合の注意点をご説明します。
また、リフォームを行った際に受けられる減税や補助金などの優遇制度についても述べていきます。
Contents
リフォームローンなら住宅ローンがおすすめ
リフォームにかかる費用にもよりますが、まとまった金額になる場合には、住宅ローンを利用することをおすすめします。
これは、住宅ローンは金利が低めで返済期間も長くとれるので、家計への負担が小さいからです。
住宅ローンが使えるケース
1つ目のケースとして、中古住宅の購入と同時にリフォームを行う場合ですが、中古住宅の購入と同時にリフォームを行う場合は、住宅ローンの一種である「一体型ローン」を利用できます。
購入費用とリフォーム費用を合わせて融資を受けることが可能です。
2つ目のケースとして、住宅ローンの残額があり、すでに住んでいる家のリフォームを考えているケース。
残りのローン分とリフォームの費用分を合わせて、他の金融機関で住宅ローンの借り換えをすることができます。
住宅ローンが使えないケース
住宅ローンをリフォームでも使うことができるのは、住宅ローンを完済していない場合のみです。
そのため、住宅ローンを完済済みである場合は、利用できるのはリフォームローンのみとなります。
「フラット35リノベ」とは?
ここで、公的ローンの一種である「フラット35」についてご説明しておきたいと思います。
フラット35とは?
住宅ローンには大きく分けて民間の銀行ローンと「フラット35」とがあります。
「フラット35」とは、公的ローンの一種ではありますが、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供しているものです。
「フラット35」は長期固定金利型の住宅ローンです。
新規の住宅取得のほか、金融機関によっては借り換えにも利用できます。
フラット35の詳細
ここでは、「フラット35」の詳細を解説します。
①申込み時点で70歳未満、かつ完済時の年齢が80歳以下であること
申込み時点で70歳未満、かつ完済時の年齢が80歳以下である場合でも「フラット35」を利用することは可能です。ただし、「親子リレー返済」のみしか利用できません。
つまり、親の住宅ローンを子や孫が引き継いで返済することができ、その場合は、申込人本人の年齢が70歳以上であっても融資を受けることができます。
また、民間ローンと違って、職業や勤務形態(正社員か否か)、勤続年数等の条件はないので、フリーランスや契約社員でもローンを組める可能性があります。
ただし、安定した収入があることは条件です。
②適用金利は固定金利型のみで融資実行日の金利が適用される
「借入期間20年以下」の場合と「借入期間21年以上」の場合、また「融資率9割以下の場合」と「融資率9割超」の場合で、それぞれ違う金利が適用されます。
そのため、「借入期間20年以下」を選択した場合は、原則として返済途中で「21年以上」に変更することはできません。
③返済期間は15年以上35年まで
④使途は、申込み本人または親族が住むための家やマンションの購入資金
「フラット35」は、本来親族が住むための家やマンションの購入資金のみ使うことを想定した商品です。
しかし、リフォーム要件を満たせば金利が優遇される「フラット35リノベ」という商品もあります。
なお、リフォームのみの資金の借入はできません。
⑤年収に対する借入の年間合計返済額の割合(返済負担率)は、年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下
年間合計返済額には、フラット35以外の住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・カードローンも含まれますので注意してください。
⑥借入の対象となる住宅の床面積は、一戸建ての場合は70㎡以上、マンションの場合は30㎡以上。
⑦融資金額は最大で8,000万円まで、購入価格(または建設資金)の100%以下であること。
購入価格のなかには、登記費用や仲介手数料まで含めることが可能です。
ただし、融資割合が90%を超える場合は金利が高めに設定されます。
⑧「住宅金融支援機構が定めた技術水準に適合している住宅」に限定。
民間の住宅ローンと違い、購入する物件は「住宅金融支援機構が定めた技術水準に適合している住宅」に限定されています。
そのため、「フラット35」を利用する場合は「適合証明書」を発行してもらうことが必要です。
注意点としては、以上のような「フラット35」の利用条件はどこの金融機関でも共通ですが、金利や手数料等については金融機関によって異なること。
そのため、複数の金融機関を比較して検討する必要があります。
フラット35リノベの要件
「フラット35」の一種として「フラット35リノベ」という商品があります。
「フラット35リノベ」では、中古住宅の購入と同時に一定の要件のリフォーム(リフォーム)を行うことで、「フラット35」の金利から一定期間年0.5%が引き下げられるのが特徴です。
「フラット35リノベ」には「金利Aプラン」と「金利Bプラン」があり、リフォーム工事費の金額によって、金利引き下げ期間が違うことに気をつけましょう。
金利Aプランは、リフォーム工事費の要件が300万円以上で、当初の10年間金利が引き下げられます。
金利Bプランは、リフォーム工事費の要件が200万円以上で、当初の5年間金利が引き下げられます。
また、「フラット35リノベ」の対象となるリフォーム工事の内容は、次の4つのうちのいずれかに該当する場合です。
1.省エネルギー性(高い水準の断熱性などを実現したもの)
2.耐震性(強い揺れに対して倒壊、崩壊などしない程度の性能を確保したもの)
3.バリアフリー性(高齢者の日常生活を行いやすくしたもの)
4.耐久性・可変性(長期優良住宅など、耐久性を有し、長期にわたり良好な状態で使用するための措置を講じたもの)
リフォームローンと住宅ローンの特徴
ここでは、リフォームローンと住宅ローンの特徴と概要をご説明しておきます。
リフォームローンの特徴
◆借入可能な金額の上限:500万~1,000万円
◆借入可能期間(返済期間):最長10年~15年
◆金利水準:1.3~3%
◆団体信用生命保険の加入:商品によって異なる
◆審査機関:最短即日、最長でも1週間程度
リフォームローンはリフォーム専用のローンです。
住宅ローンの返済がない場合や、リフォームの金額が小さい場合には、リフォームローンを利用します。
住宅ローンのように家や土地を担保にする(抵当権を設定する)ケースは少ないので、その分金利は高めで返済期間も短く設定されています。
また、リフォームローンの審査は住宅ローンに比べて緩い傾向です。
そのため、少額のリフォームで借入額が少なくて済む場合は、無担保型で審査も通りやすいリフォームローンをおすすめします。
住宅ローンの特徴
◆借入可能な金額の上限:5,000万~1億円
◆借入可能期間(返済期間):最長35年
◆金利水準:0.38~1%
◆団体信用生命保険の加入:加入必須の商品が多い
◆審査期間:最短でも2週間
住宅ローンは家やマンションの購入にあたって融資を受けることのできるローンです。
また、リフォーム費用と合わせて借り入れることができます。
家や土地が担保になっている(抵当権が設定されている)ため、金利は低めで返済期間も長いのが特徴です。
銀行などが提供する民間ローンと公的ローンの一種である「フラット35」があります。
金利タイプや返済方法などを選ぶことが可能です(「フラット35」については、固定金利型のみの取り扱いです)。
リフォームローンの審査がゆるい銀行
リフォームローンの審査が比較的ゆるいとされている銀行があります。
傾向としては東京以外に本店をおく都市銀行もしくは、大都市圏にある地方銀行、ネット主体の銀行や流通など異業種から参入した銀行などが挙げられます。
そこで、ここではリフォームローンの取扱いがあり、なおかつ審査が緩いとされる銀行を紹介します。
りそな銀行
りそな銀行は東京以外に本店をおく都市銀行です。
メガバンクとの激しい競争の中、利用者を増やすため、比較的審査が緩いといわれています。
「りそな大型リフォームローン」では、有担保型と無担保型が選ぶことが可能です。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、インターネット銀行は実店舗がないために資金的余裕があり審査に通りやすいでしょう。
「リフォームローン」では手数料無料で1円から繰り上げ返済が可能です。
イオン銀行
イオン銀行は他業種からの参入のため、利用者を増やす必要があるなどの理由で審査に通りやすいといわれています。
「リフォームローン」では最大500万円、返済期間は10年です。
固定金利型の取り扱いです。
リフォームで受けられる減税と補助金の優遇制度
リフォームで一定の要件を満たしたさいには、減税や補助金などの優遇措置を受けられる場合があります。
減税
減税の対象となるリフォームは5つです。
1.耐震リフォーム
2.バリアフリーリフォーム
3.省エネリフォーム
4.3世代同居対応リフォーム
5.長期優良住宅化リフォーム
上記の要件を満たす場合は、所得税の控除(減税)を受けられ、「住宅ローン控除」もしくは「ローン型減税」の適用を受けることができます。
住宅ローン控除(減税)は、返済期間が10年以上の住宅ローン・リフォームローンを利用した場合に受けられる制度です。
控除額は年末時点のローン残高×1%で、控除期間は10年間になります。
住宅ローン控除(減税)の1年の上限が40万円なので、最大で400万円の控除を受けることが可能です。
ローン型減税は、返済期間が5年以上のリフォームローンを利用した場合に受けられます。
控除額は年末時点のローン残高×1~2%で、控除期間は5年間。
1年の上限が12.5万円なので、最大で62.5万円の控除を受けることが可能です。
補助金・助成金
地方自治体から補助金や助成金がでることがあります。
対象となるのは、以下の目的のリフォーム工事です。
◆耐震補強のためのリフォーム
◆介護・バリアフリー化のためのリフォーム
◆省エネルギー化のためのリフォーム
◆国(国土交通省)が定める「長期優良住宅」化のためのリフォーム
地方自治体からの補助金や助成金は住んでいる地域や対象となる物件の立地場所によっても変わるので、自治体に問い合わせるようにしましょう。
まとめ
リフォームのみでもローンを組むことは可能ですが、フラット35を使う場合はリフォームのみでは利用することができないので気をつけるようにしましょう。