個人事業主をしていて税金の負担に苦しんでいる人はたくさんいます。
そんなときにどのような方法で税金対策をすればいいのか悩む人は多いでしょう。
この記事では個人事業主が税金対策をする方法から注意点まで具体的に解説します。
目次
そもそも税金対策とは
税金対策とはそもそも何なのか紹介しましょう。
税負担を軽くするための対策
税金対策とは税負担を軽減するための方法のことです。
いろいろな方法を活用することで税金を抑えることができます。
税金対策の方法を知らないことで損をしている個人事業主はたくさんいます。
税金対策しだいで納税額が数十万円変わるケースもある
税金対策をして具体的にどのくらいの税金を節約できるのかはそれぞれの状況により異なります。
場合によっては税金対策によって納税額が数十万円変わるケースもあるのです。
個人事業主は資金繰りに苦しむケースが多いため、積極的に節税対策を行いましょう。
税務署は税金を減らす方法を教えてくれない
さまざまな制度を上手く活用することで税金を減らすことができます。
ただし、税務署の方から積極的に税金を減らす方法について教えてくれることはありません。
節税に活用できる制度は、自分で制度の存在を知らないと利用できないのです。
自分で制度の活用方法を調べて、節税のために活用する必要があります。
個人事業主の税金対策の基本
個人事業主が税金対策をする際の基本的な点について解説します。
必ず青色申告で確定申告をしよう
個人事業主の開業をしたならば、必ず青色申告制度を利用しましょう。
確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。
白色申告は複式帳簿が必要なく青色申告よりも経理処理が簡単です。
一方、青色申告は複式帳簿による帳簿が必要であり、書類を保存する義務もあります。
また、青色申告は最大で65万円の所得控除を受けられるのが大きなメリットです。
以前とは異なり、現在は白色申告でも記帳や帳簿の保存が義務づけられました。
そのため、白色申告のメリットがあまりなくなっています。
節税対策のためにも青色申告を選びましょう。
家族の給与を経費にできる、赤字を3年間繰り越せるといったメリットもあります。
「所得税の青色申告承認申請書」を提出すれば青色申告を利用できるようになります。
必要経費を増やす
事業に関係する経費をたくさん計上することで所得を減らすことができます。
必要経費を増やすことで納税額を抑えられるのです。
さまざまな費用を必要経費にすることができます。
ただし、事業との関係性を論理的に説明できることが条件のため注意しましょう。
税額控除を利用する
確定申告の際には税額控除を利用できるか調べておきましょう。
税額控除とは所得税額から一定金額を控除できる制度のことです。
下記のような税額控除があります。
- 配当控除
- 外国税額控除
- 住宅借入金等特別控除
- 住宅耐震改修特別控除
たとえば、住宅の新築や増改築、バリアフリー工事などをした場合は、一定額を控除することができます。
住宅関連の控除は特に多いため、持ち家のある人は税額控除に注目しましょう。
赤字の繰越し・繰戻しを活用する
青色申告を選んでいれば赤字の繰越しや繰戻しの制度を利用できます。
事業を行っていて損失が生じたならば、最大で3年間にわたり赤字を繰越できます。
たとえば、事業の損失が100万円生じた場合、その損失を翌年に繰り越すことができ、翌年の利益が100万円であれば前年の損失と相殺されて翌年の利益は0円になるのです。
繰戻しとは過去に申告した年度の黒字と今年の赤字とを相殺できる制度です。
たとえば、去年400万円の黒字があり、今年は300万円の赤字があるならば、差額は100万円になります。
この場合は去年支払った税金と黒字100万円の場合の税金の差額が繰戻し還付として還付されるのです。
複数の税金対策を組み合わせることで大幅に節税できる
個人事業主が活用できる税金対策の方法はたくさんあります。
複数の方法を組み合わせることで大幅に税金を節約できるのです。税金対策について多くの知識があれば、個人事業主の税負担を軽減して経営を安定させられます。
個人事業主が必要経費を計上する方法
個人事業主が必要経費を計上するための方法を紹介します。
事業に関連するものはすべて経費として計上する
経費にできるのは事業のために生じた費用です。
そのため、事業に関連するものは、一つ残らず経費として計上しましょう。
きちんと事業のための費用であると説明できれば、経費計上しても問題もありません。
経費を増やすことで税金を減らすことができます。
自宅を事務所として利用しているならば家賃や光熱費を按分して経費にできる
自宅を事務所として活用しているならば、家賃や光熱費も経費の対象になります。
ただし、この場合はプライベートでも利用しているため、按分という作業が必要です。
按分とは割り振ることであり、事業で利用した分の割合を計算して経費を求めます。
按分の方法としては、時間と面積の2通りがあります。
時間の場合は、事業で利用している時間帯の割合のみを経費にするのです。
面積の場合は、全体の面積のうち事業で利用している面積の割合を求めて経費を算出します。
いずれにしても、どうしてそのように計算をしたのか根拠を説明できるようにしましょう。
固定資産税や消費税などは租税公課として経費になる
実は固定資産税や消費税などは租税公課という経費として処理できます。
ただし、租税公課は事業に関するものだけです。
たとえば、事業用の土地や建物、自動車などの固定資産税は経費になります。
少額減価償却資産の特例を利用する
30万円未満の備品代などは「少額減価償却資産の特例」を活用することで一括で経費にできます。
事業で利用するパソコンや机、電話機器などを揃える際に1個あたり30万円未満の資産については、購入・使用を開始した年度でまとめて経費計上できるのです。
ただし、これは青色申告者しか利用できない制度のため注意しましょう。
経費に計上するには領収書や請求書などが必要
経費に計上するためには客観的な証拠が求められます。
領収書や請求書などを用意して保存しておく必要があるのです。
税務調査を受けたときには、領収書などを見せて、経費である根拠を説明します。
領収書などをなくさないように注意しましょう。
個人事業主が所得控除を増やす方法
個人事業主が所得控除を増やすための方法を紹介します。
生命保険や介護医療保険、個人年金保険の加入で保険料控除を利用できる
保険料控除という制度があります。
生命保険や介護医療保険、個人年金保険などの保険料を控除できるのです。
ただし、保険料控除を適用するためには保険料控除証明書が必要になります。
また、控除できる額には限度があるため気をつけましょう。
小規模企業共済の掛金を全額控除できる
事業者が廃業した際の生活資金を積み立てられる制度が小規模企業共済です。
小規模企業共済の掛金はすべてが所得控除の対象になります。
小規模企業共済を積み立てておけば、廃業したときには退職金代わりになる共済金を受け取れます。
また、加入者には掛金の範囲内で低金利の貸付を受けられる制度もあるため便利です。
経営セーフティ共済の掛金を控除できる
経営セーフティ共済とは取引先が倒産したときに貸付を受けられる制度です。
この経営セーフティ共済の掛金も控除できます。
掛金で積み立てた金額の最大10倍まで借り入れることが可能です。
個人型確定拠出年金の掛金を全額控除できる
個人型確定拠出年金は将来のために自分で積み立てられる年金です。
60歳以降になれば受け取ることができます。
この個人型確定拠出年金の掛金は全額が控除の対象となるため高い節税効果を得られるでしょう。
ふるさと納税は寄附金控除できる
自分で自治体を選んで寄付することで控除を受けられる制度がふるさと納税です。
ふるさと納税によって所得税や住民税からの控除を受けられます。
ふるさと納税は返礼品をもらうことができ、寄付金の使い道を選択できるのがメリットです。
ふるさと納税を利用すると寄付受領証明書が届けられるため、確定申告で提出しましょう。
医療費控除を利用する
1年間に10万円以上の医療費がかかった場合には所得控除を受けることができます。
医療費控除の対象となるのは、治療費だけではなく通院交通費や薬の領収書なども含まれるのが特徴です。
扶養家族の支払った医療費も対象になるため計算してみましょう。
個人事業主が税金対策する際の注意点
個人事業主が税金対策をする際に注意するべき点を解説します。
経費は税務調査で否認されるケースがある
経費に計上して確定申告をしたとしても、それは税務署に申告内容について認められたわけではありません。
確定申告を終えた後も税務署は申告内容を細かくチェックして、疑わしいケースについては税務調査をします。
税務調査をした結果として経費が否認されるケースもあるのです。
しっかりと根拠を説明して調査官を納得させることができれば経費は認められます。
領収書などの書類をきちんと用意して、経費が事業に関係するものである合理的な理由を説明しましょう。
個人事業主より法人の方が節税しやすい
個人事業主よりも法人の方が最高税率は低く、経費にできる項目が多いため節税しやすいです。
また、法人化して最初の2年は基本的に消費税が免税されます。
このように法人化することで節税のメリットがあるのです。
ある程度売上が上がってきた税負担が苦しくなったきたならば法人化を検討しましょう。
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きちんと帳簿をつけることが大切
税金対策を行う前提としてきちんと帳簿をつけることは重要です。
帳簿をきちんとつけないと税務調査で問題点を指摘されて申告内容を否認される可能性があります。
そうなると修正申告をして税金が増えて、さらにペナルティも課せられてしまうのです。
ルールを守って正しく帳簿をつけることを心がけましょう。
また、帳簿は7年間しっかりと保管してください。
自分一人で税金対策の判断をするリスク
税金対策は税制に関する専門的な知識が必要です。
自分の勝手な判断で税金対策を進めると誤った選択をする可能性があります。
その結果、税務調査で指摘を受けてペナルティを受けることもあるのです。
このような事態を避けるためにも税金対策については専門家に相談をすることをおすすめします。
税理士であれば、それぞれに最適な節税方法の提案が可能です。
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個人事業主の税金対策のことは専門家に相談しよう
個人事業主はいろいろな方法で税金対策ができます。
この記事の内容を参考にして税金対策を実施すれば、税金を減らすことができ資金繰りが安定するようになるでしょう。
ただし、自分で税金対策を進めるのは判断に誤るリスクもあるため専門家への相談をおすすめします。
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