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分社化のメリット・デメリットを解説!子会社化との違いもご紹介

会社が大きくなると様々な問題が生じます。

この問題を解決するための方法として検討されるのが分社化です。例えば、大企業の中には分社化するケースがよくあります。

また、大企業ではなく中小企業であっても分社化するケースはあり、様々なメリットがあるため、実行されているのです。

しかし、分社化にはデメリットもあるため、詳しい内容について知っておきましょう。

分社化のメリットやデメリット、子会社化との違いについて解説します。

分社化とは

分社化とは、肥大化した会社が独立した小会社や関連会社を新しく設立することです。

会社が大きくなると様々なリスクが生じます。

これを解決するための方法として分社化に取り組んでいる企業があるのです。

分社化は会社の事業やエリアなどについて切り分けることで、それぞれに独立した会社を設立します。

したがって、それぞれの子会社は独自性を発揮しながら事業展開ができるのです。

あくまでも親会社は、子会社について実行的な支配ができる立場を維持します。

分社化したからといって、子会社が完全に親会社と離れるわけではないのです。

分社化の方法としては新しい会社を設立して事業を譲渡するパターンから、事業を分割して新しい会社や既存の別会社に継承させる方法まであります。

分社化といっても、どのようにして行うのかはそれぞれの会社ごとに異なっているのです。

分社化は会社法という法律に基づいて手続きを進めます。

このため、最新の法律について把握した上で進める必要があるのです。

ポイント

・分社化とは、肥大化した会社が独立した小会社や関連会社を新しく設立することである。
・会社の事業やエリアなどについて切り分けることで、それぞれに独立した会社を設立する事で、それぞれの子会社が独自性を発揮しながら事業展開をすることが期待できる。

分社化のメリット・デメリット

分社化には具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのか紹介します。

分社化のメリット

経営を効率化できる

分社化には、経営を効率化できるというメリットがあります。

組織の肥大化が進むと生産性が悪くなってしまうのです。

様々な事業を展開する中で、社内にはいくつもの部署が存在するようになり、管理が難しくなります。

それぞれのチームが意思の疎通を図ることができなくなり、連帯感が失われる場合もあるでしょう。

不要な資産が増えて、上手く扱えず、無駄になるケースもあります。

こうした問題を解決するために分社化が行われ、組織や資産、人材が整理されることで経営に良い影響を与えるのです。

法人税を節税することができる

分社化によって法人税を節約できるというメリットもあります。

法人税は課税所得が増えると高くなるのです。

したがって分社化して会社の所得を下げることができれば、節税ができます。

ただし、分社化の方法や状況によっては法人税の節約ができないケースもあるため注意しましょう。

倒産のリスクを減らすことができる

分社化によって倒産のリスクを減らせることもメリットです。

一つの会社の中で赤字部門が生じると、赤字を補填するために黒字の部門に負担をかけることになります。

例えば、黒字の部門の人件費をカットすることで赤字部門を補うというケースがあるのです。

しかし、赤字が酷い場合には、会社経営全体に悪影響を及ぼし、最悪の場合は倒産する可能性があります。

もし子会社に分かれていれば、赤字の事業があったとしても、分社化した子会社が潰れるだけで済むのです。

このようにして経営上のリスクを減らすことができます。

分社化のデメリット

経営コストが増大するリスクがある

分社化をすることでコストが逆にかかってしまうケースがあります。

例えば、分社のための手続きそのものに費用がかかる場合です。

会社を2つにするため、その分、登記費用や法人税がかかります。

また、分社化しても、既存の人材だけでは事業が成立しなくなるために新しい人材を雇わなければならないケースもあります。

分社化のためにそれぞれの子会社に独立したオフィスを設けることになれば、設備を整えるためにも費用がかかるでしょう。

このように様々な点において以前よりも費用がかかってしまう場合があり、経営コストが増大すると分社化のデメリットが大きくなります。

管理の手間が増える

また、子会社に分かれることで管理の手間が増えるというケースもあります。

これまでは一つの会社で全体を管理できていたものが、分社化によって子会社がいくつもできれば、管理するのは難しくなります。

それぞれの子会社ごとに管理部門を設け、さらに全体を管理するための部門も必要となるでしょう。

子会社から情報を集めて、必要があれば調査を行い、適正な運営管理が行われているか管理をしなければなりません。

経理部門を別にしたりするなど、このため、人件費も以前よりかかってしまうでしょう。

このような問題点があることを理解した上で検討することは大切です。

良い点だけではなく悪い点も踏まえた上で判断しましょう。

ポイント

・分社化のメリットとして、経営を効率化できる、法人税を節税することができる、倒産のリスクを減らすことができる等が挙げられる。
・分社化のデメリットは、経営コストが増大するリスクや管理の手間が増えることである。

分社化と子会社化との違い

分社化とよく似た概念として子会社化があります。

この2つは異なる手続きのため注意しましょう。

分社化は親会社の資産を分散させて新しく別会社を作ることです。

したがって、分社化では子会社に対して親会社が100%出資しているのが特徴です。

これによって、連結納税制度も適用されるようになり、節税上のメリットが得られます。

一方、子会社化とは、親会社が資金を出して新しい会社を作ることです。

この点については分社化と違いはそこまでありません。

ただし、子会社化とは自社とは資本的に関わりのない会社の株式を50%以上取得することです。

したがって、いわゆる買収も子会社化の一種と考えられます。

子会社化の場合は、子会社の資本を親会社が独占しているわけではありません。

また、場合によっては株式が50%以下だったとしても、実質支配しているとみなされれば、子会社化とするケースもあります。

このように異なる概念のため、正しく理解しておきましょう。

ポイント

・分社化は、親会社の資産を分散させて新しく別会社を作ることであり、子会社化は親会社が資金を出して新しい会社を作ることである。
・分社化では子会社に対して親会社が100%出資しているのが特徴である。
・子会社化の場合、子会社の資本を親会社が独占しているわけではない。

分社化をする際に社員を扱うポイントとは?

分社化をする際には、社員をどのように扱うべきなのでしょうか。

社員の評価を正しく行う

分社化をする際には、社員の評価を正しく行い、役職を上げることも必要でしょう。

会社の人材が子会社に分散されることになり、ポストが空くため、それぞれの社員の役職を積極的に上げることで、社員のモチベーションの向上を期待することができます。

場合によっては、分社化した後に子会社の社長や役員を任せることも有効でしょう。

ただ役職を上げるのではなく、成果や頑張りがみられた際に正しく評価をすることが大切です。

会社側が人材を大切にする必要がある

分社化する上で、会社側はより人材を大切に扱う必要があるでしょう。

分社化をする場合は、会社ごとの社員の数が減るため、人材を大切に扱うことが必要です。

また、限られた人材の中で事業を行う際は、いかに少ない人材を有効に活用できるのかという事もポイントになります。

このため、一人一人の社員の特性や特徴を活かした経営が必要になるでしょう。

会社の規模が大きくなると、管理部門は個々の社員について正確に把握することが難しくなったり、管理職が管理をする人材が増えたりすると、部下の頑張りを正しく評価できない場面もあります。

ただ、分社化をした場合は、管理する対象となる社員の人数も減るため、個々の社員に、より注目することが可能であるため、大切に扱うようにしましょう。

ポイント

・分社化をする際には、社員の評価を正しく行い、役職を上げることも必要である。
・分社化をする場合は、会社ごとの社員の数が減るため、会社側は、人材を大切に扱う必要がある。

分社化をすることが有効なケース

実際に会社を経営している中で、分社化をしたいと考えるタイミングもあるのではないでしょうか。

ここでは、分社化をすることが有効なケースを4つご紹介します。

従業員を子会社の社長にしたい

従業員を子会社の社長にしたい時には、分社化をすることが有効です。

人材の育成は、企業を成長させるために重要なポイントです。

また、社内の役職に就くことができる人材を育成するためには、リーダー性や全体を統括する力が必要であるため、経営の経験をすることが有効です。

経営者として活躍する機会を設けることで、従業員に経験を積ませることができ、社内の人材を成長させることが期待できるでしょう。

人材育成のために子会社の社長を任せる目的の場合でも、将来的に社長の後継者になることが期待できる可能性もあります。

いずれの場合も、社長という立場を経験する事が、社内の人材の育成に繋がるでしょう。

事業展開をする上で事業部の会社を分けたい

新規事業を展開する際に、事業部の会社を分けたい場合、分社化を行うと良いでしょう。

事業部の会社を分ける目的で分社化を行うことで、企業として運営する事業の専門性を高めることが期待でき、生産性を向上させることが可能です。

また、事業を追加する際は、株主総会での特別決議や、登記変更の申請が必要です。
このように、分社化をする際に手間はかかりますが、会社設立を丸投げできるサービスもあるため、会社設立代行を依頼し、企業の専門性を高めるために新たに会社を設立することが有効でしょう。

>>会社設立代行の詳細を見る

業績が悪化している

会社の業績が悪化している際に、分社化をすることでリスクの回避を行うことができます。

順調に進んでいる事業を独立させて事業再生を行うことで、調子の良い事業をさらに成長させることができるでしょう。
業績が良い事業があるのにも関わらず、会社が倒産してしまった場合、事業を存続することができなくなってしまいます。

このため、業績が悪化している企業は、事業を存続させるための対策として分社化することも検討すると良いでしょう。

分社化をする3つの方法について

分社化する際には、3つのパターンがあります。
会社を分社化する方法として、主に以下の3つの方法が挙げられます。

  • 現在の会社を分割登記する
  • 現在の会社の下に子会社を設立する
  • 現在の会社の上に親会社を設立する

自社にとってベストな方法は、設立費用や設立期間、税金などで異なります。
どのように分社化の手続きを進めれば良いか分からないという場合、会社設立の専門家に相談し、適切なアドバイスをもらうと良いでしょう。

経営サポートアルファでは、分社化のサポートも行っています。

分社化をする中で、最短1日で会社設立することができるだけでなく、24時間体制で何度でも無料で相談を行うことが可能です。

LINEやチャットワークなどでもお気軽にご連絡いただけます。

まずは、「1度相談してみてから検討したい」という場合でも、全く問題ありません。

>>分社化のご相談について

ポイント

・分社化は、子会社の社長にしたいというケースでも効果的である。
・新規事業を展開する際に、子会社を設立することで専門性を高めた運営を行うことができる。
・業績が悪化している企業は、分社化をすることで倒産のリスクを回避することができる。

分社化に失敗しないためには

組織の規模が大きくなると様々な弊害が生じます。

例えば、経営が非効率になる、法人税の負担が増える、倒産のリスクが増えるといった問題点があるのです。
これらの問題を解決するための方法として分社化という方法が用いられるケースは増えています。

ただし、分社化することで管理の手間が増えたり、経営コストが増大したりするケースもあります。

会社の分社化については、これまでの経験やノウハウがないと難しい選択となるでしょう。

そこで分社化を失敗しないために専門家に頼るという選択肢があります。

経営サポートプラスアルファは、分社化について実績十分なスタッフが揃っています。

実際に、分社化の方法は一つではなく、設立にかける費用やどのくらいの期間で設立するのかなど、それぞれの方の状況によって適切な方法が変わります。

経営サポートプラスアルファは、提案型の会社設立のサポートを行うため、状況や場面に最適な分社化の方法をご提案することが可能です。

オンラインでの会社設立も可能であり、全国に対応していますので、ぜひ一度ご相談ください。

記事監修者の情報

税理士法人
経営サポートプラスアルファ

代表税理士 高井亮成

保有資格:税理士・行政書士

税理士の専門学校を卒業後、会計事務所に入社。
その後、税理士法人に転職をして上場企業や売上高数十億円~数百億円規模の会計税務に携わる。

現在は税理士法人の代表税理士として起業・会社設立をする方の起業相談からその後の会計、決算、確定申告のサポートを行っている。