ネットワークビジネスが大規模なものになると、税金の負担を軽減するために法人化することも多いです。
しかし、どのようにネットワークビジネスで法人化したらいいのかわからない人も多いと思います。
そこで、この記事ではネットワークビジネスで法人化する際のポイントやメリット・デメリットについて紹介いたします。
ネットワークビジネスで法人化するメリット
ネットワークビジネスで法人化をするメリットは、以下の3つです。
- 1.税負担を抑えることができる
- 2.信頼度が上がる
- 3.消費税の支払いが免除される
税負担を抑えることができる
ネットワークビジネスで法人化することの最大のメリットは、税負担を抑えられることです。
個人事業主の場合は、経費として計上できるものが少ない一方で、法人になることで経費として計上できるものが多くなります。
例えば、家族への給料は法人の場合は経費として落とすことが可能です。
個人事業主ではなく法人の場合ですと、法人があなたやあなたの家族に給料(役員報酬)を支払うという形になります。
そして、この給料(役員報酬)は、会社からすると必要な人件費である扱いになるために経費で落とせるのです。
信頼度が上がる
ネットワークビジネスでは、信頼度は非常に重要になります。
ネットワークビジネスである程度稼いでいる人の場合、個人に対しての信用度が高く、そこから販売網をつなげていけることも多いでしょう。
しかし、法人になることでさらに信頼度を高めることができます。
例えば、皆さんが何か商品を購入する際に、個人的に購入する場合と法人から購入する場合、もっと詳しく言うとメルカリで購入するのとAmazonで購入するのではどちらの方が信頼度が高いでしょうか。
このように、販売している人が法人か個人かによっても信頼度は大きく変わり、法人の方が信頼度が高いです。
そのため、法人化することで信頼度を高められるというのは、大きなメリットになるでしょう。
消費税の支払いが免除される
法人化することで、消費税の支払いが免除されます。
商品を販売した際に、購入者から受け取った消費税は確定申告で納めることが必要です。
しかし、法人化することで消費税の支払いが最大2年間免除されます。
具体的に、以下の場合は消費税が2年間免除です。
- ◆設立時の資本金が1000万未満
- ◆事業開始後1期目の上半期における課税売上高が1,000万円以下
- ◆事業開始後1期目の上半期における給与等の支払総額が1,000万円以下
また、事業開始後1期目の上半期における課税売上高と給与等の支払総額がそれぞれ1000万円を超えた場合でも、設立時の資本金が1000万円未満なら1年目だけ消費税の支払いが免除されます。
ただし、増資などを行なって2年目の期首の時点で資本金が1000万円を超えている場合は、2年目は消費税の免税業者ではなくなってしまうので注意しましょう。
ネットワークビシネスで独立するデメリット
ネットワークビジネスで独立するデメリットは、以下の3つです。
- 1.安定的な売り上げが必要になる
- 2.販売会社との手続きが面倒になる
- 3.会社に依存しやすい
安定的な売り上げが必要になる
ネットワークビジネスは、一人の人に紹介して、その人がさらに複数人の人に紹介することで紹介した人に対して報酬が継続的に振り込まれる仕組みです。
そのため、ネットワークビジネス自体は安定的な売上が作ることが可能な商売になります。
一方で、ネットワークビジネスであっても商品や時期によっては、安定的な売上が作れない場合があります。
その他にも、ネットワークビジネスをそもそもやめてしまう人も多くいて、紹介した人がネットワークビジネスをやめてしまうと、紹介料などを継続的に受け取ることができなくなります。
しかし、法人化をする時には、法人税などの支払いが毎年あり、法人住民税は赤字の場合でも支払わないといけません。
そのため、安定した収入がないと法人として経営が成り立たなくなってしまうのが事実です。
ネットワークビジネスで毎月100万円以上を安定して稼ぐことができていれば、法人化しても問題ないでしょう。
しかし、ネットワークビジネスで10万円くらいしか毎月稼げていない中で法人化するのは、リスクも高く税金の負担も大きくなってしまうかもしれないのでおすすめできません。
販売会社との手続きが面倒になる
ネットワークビジネスは、アムウェイやニュースキンなどのネットワークビジネス運営会社に紹介者として登録をした上で、最初は個人事業主もしくは副業として登録することが多いです。
そのなかで、アムウェイやニュースキンなどのネットワークビジネス運営会社から払われる報酬が上がっていくと、税金対策から紹介者が個人事業主や副業から法人になるというのが一般的です。
ここで注意したいのが、法人化するとネットワークビジネス運営会社とのやり取りが必要になるということです。
例えば、法人化をして銀行口座が変わる場合は、ネットワークビジネス運営会社に振込口座変更の申請をしないといけません。
また、法人になるとネットワークビジネス運営会社への登録を個人事業主・副業から法人に変更する手続きが必要です。
このように、法人としてネットワークビジネスを行う場合は、別途手続きが必要になり、やり取りが増えるのがデメリットになります。
会社に依存しやすい
ネットワークビジネスは、ネットワークビジネス運営会社に依存しやすいのがデメリットです。
ネットワークビジネス運営会社にはアムウェイやニュースキンなど様々な会社があり、世界中で展開している会社も多いです。
一方で、ネットワークビジネスで成功して法人化する際には、これらのネットワークビジネス運営会社から報酬をもらうという形になります。
そのため、アムウェイやニュースキンなどのネットワークビジネス運営会社に依存しやすいのがデメリットです。
例えば、大きな法規制がされてアムウェイやニュースキンなどの大手のネットワークビジネス運営会社の経営が成り立たなくなると、アムウェイやニュースキンなどからの報酬支払額が減ってしまったり、報酬の支払いが遅延したりすることもあるでしょう。
このように、支払い元のネットワークビジネス運営会社が危機的な状況になると、そのネットワークビジネス運営会社の商品を販売して紹介料をもらっている自分の会社の運営も危機的な状況になります。
このように、ネットワークビジネスはネットワークビジネス運営会社に依存しやすく、連鎖倒産の可能性が高いのはデメリットでしょう。
ネットワークビジネスで法人化する流れ
ネットワークビジネスで法人化する流れはこのようになっています。
- ◆副業で安定して稼ぐ
- ◆法人化を検討する
- ◆定款の作成・認証
- ◆法人登記を行う
副業で安定して稼ぐ
ネットワークビジネスで法人化をする前に、ネットワークビジネスを副業として始めて、安定的に稼ぐことが重要です。
ネットワークビジネスは、いかに紹介者を増やしていけるかが収入に直結します。
そのため、最初は副業として行い人脈を使って、会社の同僚や友人に紹介して紹介者がある程度増えた段階で、法人化を検討するといいでしょう。
法人化を検討する
法人化するかどうかはもらっている報酬によって変わります。
ネットワークビジネス運営会社から、毎月100万円の紹介料をもらっていれば、年間で1200万です。
この場合、年商が1000万円を超えているので、消費税の支払い義務が生じます。
しかし、法人化して1年間は年商が1000万円を超えていても消費税の支払い義務がなく、法人設立から半年の年商が1000万円未満の場合は、2年間消費税の支払いが不要になるので、法人化を検討しても良いでしょう。
一方で、毎月の受け取り紹介料が10万円程度の場合、年間で120万円です。
そして、商品の仕入れが、年商の2/3程度と計算すると、年収は40万円程度でしょう。
そのため、年商120万円だと株式会社として法人登記する時の登録免許税や定款認証費用、また赤字でも支払う必要がある法人住民税の支払いなどでほとんどが消えてしまいます。
また、合同会社を設立することを想定しても、登録免許税6万円の支払いは必要になるので、法人化するかどうかは検討すべきでしょう。
定款の作成・認証
法人を設立する場合には、定款の作成と認証が必要です。
最近では電子定款を利用する人が多くなっています。
電子定款は電子情報であるため印紙税法の対象外で、電子定款ですと印紙代4万円が不要です。
電子定款の認証を得たいならば、設立代行業者に依頼するのがよろしいでしょう。
電子定款の代行を依頼するには、経営サポートプラスアルファにまずは無料相談をしてみてください。
法人登記を行う
定款を作成しただけでは、法人設立としては認められません。
株式会社を設立するには、定款の認証後に法人登記する必要があります。
株式会社の法人登記には、登録免許税が15万円かかります。
一方で、合同会社の場合は登録免許税が6万円で済むので、法人登記費用を抑えることが可能です。
まとめ
ネットワークビジネスで法人化する人も多く、毎月100万円以上稼いでいるなら、ネットワークビジネスで法人化をしたほうが税金の支払いなどで有利な面が多いです。
一方で、ネットワークビジネスでそこまで稼げていないなら、法人化しても税金の支払いなどの負担が大きくなってしまいます。
そのため、ネットワークビジネスで法人化を検討する際には、自分の受け取っている報酬と今後も安定的にその報酬がもらえるのかを検討した上で、法人化するかどうかを決定すると良いでしょう。